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Brugge Style
swan lake 2018, natalia osipova

今日はいきなり核心を書く。
昨夜の「白鳥の湖」には衝撃的な振付けがあり、その後の5分間くらいは舞台で何が起こったかちょっとよく覚えていないほど。
2幕目オディールの32回転グラン・フッテがありませんでした!
代わりに光速ピルエット!
わたしはオデット・オディールを踊ったナタリア・オシポヴァが何をしても好きなのだが、ちょっとこれをどう捉えていいのか、幕が降りてもうすでに4時間近くが経つ今もよくわからない。
あのシーンで、あのオディールが、あの音楽にのって、あの32回転をしないというのはつまり、モナリザのないルーヴル、討ち入りをしない赤穂浪士、海のないハワイ、80年代大ヒット曲を歌わないニューロマンティックのコンサート、ミッキーマウスが不在のディズニーランド、誰も死なないアガサ・クリスティ、「チーズのないデザートは、片目のない美女のようなもの」(サヴァラン)、ロイヤルバレエのないロンドン、クリープのないコーヒー!!
これはちょっとした事件だ。
調子が悪かったとはとても思えない。
不得手でもあるはずがない。彼女の十八番。
ツイッターには「ナタリアは何をしても許されるのよ」「別にフッテじゃなくてもいいじゃない。あのピルエットを見られたんだから!」そんな類の書き込みが...みなわたしと同じ贔屓のひき倒しみたいだ。それをファンと呼ぶ。
ナタリアの「白鳥の湖」は後日のチケットも持っているので、次回は心の準備をしつつ刮目したい。
ロイヤルバレエの「白鳥の湖」は、今シーズン振付家リアム・スカーレット(Liam Scarlett)によってアップデートされた。
わたしがどんなに昨夜を待ち焦がれていたかというと、最初の人間の姫が白鳥に姿を変えられる伏線のシーンの時点でもう感動で泣けるほど。
ナタリアの持っているエネルギー体に惚れているので、彼女がちょっと腕を動かすだけで心の奥の方まで深く刺さった。
(写真はROHより。今シーズンのナタリアの「白鳥の湖」の写真はまだ出ていないため、こちらは2015年のもの)
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