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カルロス・アコスタの 'carmen'




カルロス・アコスタ(Carlos Acosta)の新作、'Carmen' に注目しつつ、ロイヤル・バレエへ。

他に'Viscera', 'Afternoon of a Faun', 'Tchaikovsky pas de deux'を含む、4つのミックスプログラム。


アコスタの「カルメン」は、彼の「ドンキホーテ」と同じように、ダンサーがしゃべり、歌い、掛け声をあげ、ミュージシャンが舞台上で演奏する趣向が盛り込まれている。

これを彼の演出の特徴のひとつと呼んでいいのだろうか。それとも性急すぎるか。

こういう演出は好き嫌いが分かれるのではないかと思う。いかがだろう。
バレエの舞台でダンサーにしゃべらせる必要はなかろう、なぜならばバレエは身体ですべてを表現する芸術なのだから...という意見もあれば、今後もバレエを生き残らせるためには、古酒を新しい革袋に入れなければならないという意見もあるのではないか。


わたしは個人的に「服脱ぎすぎ!」だと思った。笑。
やたらとセクシャルなシーンが多いのである。

そして全編通して非常に「マッチョっぽい」と感じた。マッチョ文化においては男性性の華々しいかっこよさというのが極端に象徴化される(例えばマタドール)のである。
素晴らしいダンサーで、同時にちょっと垢抜けないところがあるなと思ってるフェデリコ・ボネッリ(Federico Bonelli)も、「マタドール」という男の型にはまるや否や、桁外れに「男前」になるのだ。


マリアネラ・ヌネツMarianela Nunezにカルメンをやらせたらそりゃうまいだろうと思っていた。彼女にはどこか「母」的なすばらしい貫禄があり、ジプシーの女、カルメンには、彼女が若い女であるにもかかわらず、そういう類のチャームが不可欠だと思うからだ。
そしてあの笑顔。あの星が百個は入っているであろうキラキラ輝く瞳。男でなくても完全にノックアウトされる。

堂々たるファム・ファタル、カルメンの「運命」が雄牛の姿をしているというのもよかった。マシュー・ゴルディング(Matthew Golding) のマッチョ、かっこよかった。


もう一回見たいなーと思うのはよかったからだろうか。
もう一回見てから結論を出したい。


(写真はwww.roh.orgより)
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