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イニシエーション




今月、娘が16歳の誕生日を迎えた。


わが家は親族友人が世界中に散らばっているので、スペインのマヨルカ島でサプライズ・パーティーをした。


ベルギーのフラマンの習慣では、6歳、13歳、16歳、21歳が特別な年齢と考えられているそうだ。

その根拠について明確に説明できる人は誰一人いなかった。カトリックの堅信を受ける6歳と13歳、昔、成人とみなされイニシエーションを受けた16歳、現代の成人としての21歳、というところだろうか。

特に16歳では、Sweet Sixteenの大々的なパーティーを開く人も多いらしい。
子供時代にさようなら...ちょっと寂しい気もする。いや、ものすごく寂しい。


滞在先のDeiaで、通過儀礼としてひとり崖下の海岸まで...的なことがやりたかったのに、夫のすさまじい反対に合う。文化人類学的な知恵を尊重し継承したいと考えてのことなのだが、さすがに崖下へ...は冗談ですがな。

困難を乗り越え、目的のもの(しばしば単なる「マクガフィン」)を手に入れ、新しい知恵を共同体に持ち帰った勇者は大人になる...という定型は現代でも脈々と語り継がれており、「子供を大人にする」作為が、人類にとって非常に重要であることがわかる。


代わりに「今日限りで自分のことだけ考えておけばよい『子供』時代は卒業して、大人になってください。つまり社会に貢献できるよう、切磋してください」と平凡なことを言った。





写真はCala Deia。

夏場は上写真の左手のカフェも営業していて大人気、激混みの美しいビーチだ。
11月からはいよいよ閑散期で、イースターまで休みを取るところが多く、ここもそうだった。
(写真真ん中の地元のお嬢さん、海からあがったニンフのよう)

地元のおやじさんや犬連れのグループが透明の海に泳ぎに来ていて、「水温? 18度ってとこだね! 全然冷たくないよー」と。

海水浴をせずとも、カフェが開いていなくとも、海と空と、全身全霊で楽しんでいる幸せの塊(<泳ぐ犬)を眺めているだけで何時間でも過ごせる。

冬のマヨルカ、ショパンとは違って、わたしは大好きになってしまった。
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