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Brugge Style
フィガロ口調。
ベルギーから英国へ転居して1ヶ月経った。
書斎として使っている部屋に未だに残っている段ボール入り引っ越し荷物も、わたしの本が入っている箱を残すのみとなった(片付ける気、なし。すでに他の家に移るつもりだから・笑)。
段ボールには「文庫本」か「単行本」かの区別だけ記されている。
一番手前のを開けてみると一番上に旅特集のフィガロとクレアが入っていた。
引っ越しの際、断腸の思いで雑誌類だけは大切にしていたインテリア雑誌を含め全部処分したのだが、これらフィガロとクレアは、夏にブルージュへ来てくれた友人がたくさんのセンスのいいお土産とともに英国で使えと持って来てくれたものだ。
お茶を入れてページをめくってみよう。
「心なごむ英国の田舎」特集には旅情をかきたてられ、「ロンドン買い物マップ。」のコンピューター回路のような情報量には瞬殺された。なんと殺傷能力の高い情報量。全然ついていけない。あるいは、ううむ、そろそろ老眼鏡を入手するべきなのか。
老眼鏡を持っていないからだけではなく、もともと新しい店の開拓、というのが苦手なのだ。
で、同じ地区の同じ店で同じものを買うことを習性にしている。
自分から新しい店に行くのは、気になる店にピンポイントで行くか、誰かに連れて行ってもらうか、たまたま通りかかった場合かだ。
この週末もロンドンへ行った。
娘の誕生日に合わせてベルギーから遊びに来てくれた娘親友家族を見送り、ノブで和食を食べて(ロンドンの方、いい和食屋教えて下さい)、セルフリッジの地下で雑貨を買い、一杯飲んで、その後メイフェアおしゃれエリアに行くも、目当ての Roland Mouret に10分(わたしと一緒に買い物をしたことのある友だちはみな驚く。わたしは買い物が超高速で済ませられるのである)、さんざん疲れて帰って来た。
実はその前の週末も親友家族見送り以外全く同じパターンで行動していたのだ。フィガロお得意の口調、体言止めで罵られそう...
「ガイドしてやり甲斐のない中年女。」とか(笑)。
そうだ。フィガロの体言止め。わたしは情報量よりもたぶんこの体言止め口調と「。」によって深い傷を負っている。
「古い建物と緑があふれる、英国屈指のアンティーク町。」
「フランス全国に広まった塩味タルト。」
「オーガニックコスメ、万国博覧会。」
「シーフドに舌鼓。」
「耳と心に響く音たち。」
「グリーンな暮らし。」
フィガロには体言止めでしか寄稿できませんとかいうルール。
日本語文体としては少々妙。
Moet が他人の文体に対して偉そうに言うなんて早いぞ百年。
でも今後もきっとお世話になるだろう、フィガロの思う壷。
(笑)。
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