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大失敗だった超大型巡洋艦

2020-01-14 15:33:01 | 軍艦


アメリカ海軍は、1940年から、超大型巡洋艦の建造に入ります。
排水量27000トン、全長246メートル、全幅28メートル、
主砲30センチ砲9門のアラスカ級です。
アラスカ級は6隻の建艦が予定されていましたが、
最終的にはアラスカとグアムの2隻が完成し、
残りの4隻は建造中止になりました。



これはドイツの巡洋戦艦シャルンホルスト級、
32000トン、全長230メートル、全幅30メートル、主砲28センチ砲9門。
また日本にはシャルンホルスト級と同等の巡洋戦艦建造計画があるとの情報があり、
それらの敵艦に対抗する趣旨でした。
後に、日本が進めている建造計画は全くの誤報である事が判りましたが・・

アラスカ級超大型巡洋艦の完成は1944年6月と9月で、
終戦(1945年8月)に近く、活躍の機会はもうありませんでした。
超大型巡洋艦と言っても、
サイズ的に見ればそれは各国の戦艦並みでした。

ただ装甲は戦艦に比べかなり劣っていて、
シャルンホルストが、水戦350ミリ、甲板105ミリなのに比べ
水戦229ミリ、甲板102ミリでした。
水戦装甲の薄さが際立っています。

またシャルンホルストが全長230メートル、全幅30メートルに比べ、
全長246メートル、全幅28メートルで、
全長と全幅の比は、シャルンホルスト(7、66)に対し(8,8)と細長く、
これは各国の戦艦の標準比率7以下、
世界最大の戦艦・大和など(6,7)に比べると、
非常に細長いという事がよく分かります。

しかし、全長は普通の戦艦に比べても246メートルと長いのですから、
横から見ると戦艦と言ってもいい程、堂々たる体躯なのです。

30センチという主砲は、
シャルンホルストの28センチ砲に比べて、それを凌駕するものではありますが、
装甲は薄く、果たしてシャルンホルストを相手にして勝てるものであったかどうか?

確かに重巡洋艦の持つ20センチ砲とは比較にならない砲力ですが、
ただそれだけの事であり、相手が戦艦となると、もう太刀打ちできずに、
逃げ出すしかありません。

完成したアラスカ級は、その細長い船体の為に直進性は良かったのですが、
操艦性が悪く、艦隊行動を乱す問題児となり、
他の艦との共同作戦に支障をきたし、艦隊行動が出来にくくなったのです。

結局アラスカ級は戦歴らしき戦歴もなく、
その近代的で魅力的な外観とは裏腹に、
中途半端で使用目的も明確でない、役立たずの軍艦として
完成後、数年でスクラップとなってしまったのでした。

アメリカ海軍は非常に大きな経済的な無駄遣いをしただけだったのです。








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