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字の上手さ

2024-08-14 15:51:00 | 日記
私は、字があまり上手ではありません。
「習字」とか「ペン習字」といった習い事もした事はありません。
そして、妻から笑われるのですが、書き順がよく違っているのです。
これは、今更どうにもなりませんね。

高校時代、クラスに凄い達筆の奴がいた。
彼は勉強は大した事ないのに、字だけは本当に上手かった。
訊けば、習字といった類を習った事はないんだそうだ。
学校をズル休みする奴は、だいたい彼に偽の休校届を書いてもらい提出していた。
先生も、字を見れば「また奴か」と百も承知だったと思うのですが・・・

私はパソコンを見ながら、何かの資料をうつす時になると、
気持ちばかりが先走って、字がますます汚くなってしまいます。
そうなると、我ながら何を書いてあるのかが理解できずに閉口したり、よくあるのです。

「本」という漢字がありますが、
日本人は、まず「木」と書いて最後に横棒「一」を加えて「本」と書きます。
所が中国人、台湾人はまず「大」と書いて、
その下に「十」と書くのです。
すると同じ「本」の意味なのですが、見た感じがまるで別の字に見えてしまうのです。
つまり、何が言いたいかというと、書き順が違うと、違った字に見えるのです。

早く書く時でも、正式に習字とか習った人は、
いわゆる流し字を知っているので、早く書いても読めるのでしょうが、
そんな手法などまるで知らない私が書く字は、
気持ちの先走り字なので、読めなくなってしまうのです。



戦争での特攻隊員の書いた遺書など見ると、
彼等はほとんど20歳前後の若さなのに、字の上手さに驚かされます。
あの頃の人達はみな、字が上手かったと思います。

逆に歳を重ねた人、それもかなりの知識人な筈なのに、
字がまるで下手な人だったりすると、その人物の評価が途端に低くなる気がします。
それに比べると、昔の若い、少年といってもいい年齢の彼等が、
立派な字で遺書を書いているのを見ると、人格も立派に感じます。

妻は、私よりはっきりと字が上手い。
と言うか、妻の字はいわゆる達筆な字ではないのですが、
見やすい、読みやすいのです。
これは得な字だと私は思っています。
社会的に達筆と言われる人の字は、下手な人から見れば、そりゃ達筆だと分かります。
しかし、あまりに達筆過ぎて、逆に読みにくかったりするのです。
こうなると、本末転倒です。
それほど達筆でなくても、誰が読んでも読みやすい字の方がいいですね。

昔、山小屋に来る男性客に、凄く字が下手な人がいました。
どのくらい下手かというと、彼の書いた字を読める人が誰も居ないのです。
彼の書いた字を読める人は、彼だけなのです。
もうあれは(字)の範疇を超越していました。
あれは記号であり、決して文字ではなかった。



文字というのは、自分の意思を相手に伝達する為の道具です。
ですから相手に伝わらない文字は、何の意味もありません。
そういった意味で、私は書の展覧会にある様な字体は、字としては認めたくありません。
上の文字は有名な書なのかも知れませんが、私には読めません。
読めない字に、なにか意味はあるのでしょうか?
私には無意味な記号、暗号としか見えないのです。

でも特攻隊員の遺書ではないですが、もう少し上手かったらな~。
時間をかけて丁寧に書けば、まあ他人にも読めますが、
妻の書く字の方が、その何倍も上手い。



平仮名で「よっぱらい」と書いてありますが、
遠目で見るとちゃんと「酒」に見えるのです。
これは「ことば漢字」と言うらしいのですが、
面白かったので妻と一緒にTシャツを買ってしまいました。

それにしても、私が逝く時になって遺書を書かなければと思っても、
今の下手な字で書くのは、後世まで残るので、何とか避けたいのです。



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