何故、このコンサートに清水まで行ったのか?
それは、静岡県浜松の聖星高校と、その指導者である土屋史人先生が出演するからです。
私がなぜ浜松聖星高校と、土屋先生を知ったのか?
私は高校時代、ブラスバンド部に居たのですが、私の高校の姉妹校だった高校では、
「木陰の散歩道」という曲を演奏していて、それが私は大好きになったのですが、
しかし残念な事に我が校では、その曲をやらなかったのです。
それでパソコンを知り、ネットを知ってから、悔し紛れにその曲を検索したのです。
浜松海の星高校 吹奏楽部 「木陰の散歩道」
そうしたら出てきたのが、これ。
浜松聖星高校だったのです。(この頃は、校名が海の星高校でした)
この動画を観て一発で魅せられ、この高校の大ファンになったのです。
これほど音楽を楽しそうに演奏する生徒たち、それを指導する先生の素晴らしさ。
私はボーゼンとして鳥肌が立ってきました。
それを「この先生は本当に素晴らしい」とブログ書いたのは、
2017年6月11日でした。
そうしたら忘れた頃の翌年、2018年8月30日に、
浜松聖星高校の指導者の、土屋先生本人からブログに書き込み返答があったのです。
これには本当に驚きました。
翌月2018年9月9日。
第2回聖星高校オータムコンサートがあるというので、
妻と二人で新幹線で浜松北まで行ったのでした。
それ以来、私は時々聖星高校の動画を観ていたのですが、
最近、土屋先生のフェイスブックにサンライズコンサートの事が書いてあり、
それで今回は私一人だけで(妻は用事で行かれず)車で行ったのです。
時間はゆっくりあるので、敢えて東名高速は使わずに、
東海道の一般道路を4時間半かけて清水まで行きました。
しかし、たまには(地べた)を走るのは逆に新鮮味があって良かった。
現地に到着したのは11時前。
会館の隣には大きな4階建ての駐車場がありましたが、駐車料金をケチって時間ギリギリまで入らず。
車を駐車場に入れて会館に行くと、大勢の人達が会館の周りに大勢チケット買いの行列をしていました。
私はあらかじめネットでチケット予約を取っていたので、並ぶ必要はなく、
本当にホッとしました。
参加高校は4校。
「沼津商業」「清水桜が丘」「常葉大学付属、橘」「浜松聖星」の4つの高校です。
それぞれの高校が4曲を演奏します。
全部で16曲だったか、しかしその殆どは知らない曲でした。
しかし、吹奏楽独特の、あの大音量の演奏は胸を打ちます。
私が歌声喫茶を知ったのは60歳でした。
その頃、昔吹いていたラッパの演奏がまたやりたいと、
横浜の民間吹奏楽団を探したのですが、
私の演奏したいユーフォニウム、あるいはチューバに空きが無いと断られたのです。
空きが出るまで待つか?
それとも最近知った(歌声喫茶)にすべきか?
空きが出るまで待てなかった私は、歌声喫茶の道へ。
今にして思うと、楽器と歌声喫茶の両立は無理だったと思います。
それが結果的に再婚相手と知り合う事になったのですから、人生は分かりません。
とは言っても、私が本当に好きなのは今でも吹奏楽の世界です。
人間の声での演奏と、楽器を使っての演奏。
私はやっぱり楽器が好きなんです。
久しぶりに聴く吹奏楽の楽器の世界。
それはとても腹に響き、魂を揺さぶられる世界。
その魅力に憑りつかれた人は、死ぬまで忘れられません。
その世界を一生懸命やっている高校生たちは、羨ましい。
時代が違うと全体的なレベルが昔とは比較になりません。
私がやっていた頃は、楽器もボロ。技術も稚拙。
三流校だった我が校には指導者すら居なく、生徒たちの自主練習。
まるでお粗末で話にもなりません。
しかし、私の楽器好きは異常とも言えるほどで、明けても暮れても練習していました。
私は任された楽器、ユーフォニウムの音色に完全に魅せられていました。
3年生になった時にはチューバ(スーザフォン)を任され、それにも魅せられました。
とに角、楽器では絶対に他人に負けたくないと、思っていました。
だから今でも楽器が巧くなりたいと頑張ってる人は大好きです。
あれを思うと歌声喫茶で唄っている私は、「ま、所詮その程度でしょ」ですね。
楽器は素晴らしい、完全に絶対に素晴らしい。
4校の演奏曲の殆どは知らない曲、聴いた事のない曲です。
聖星高校の土屋先生が語っていましたが、
「我が校は音楽コンクールに出場はしていますが、金賞を貰った事がない」
と、やや苦笑気味に「でも私はコンクールはあまり好きじゃないんです」とも言っていました。
土屋先生の思いはずっと以前から知っていましたが、
思うに、音楽コンクールというのは、言わば審査員に気に入られる様な演奏をする、
どうすれば彼等、審査員の胸に響くか合戦みたいなトコがあるのです。
何かの評語コンクールなどあります、私はそういったのはある程度得意なんですが、
それは審査員たちに「こういった言葉には弱いよ」という言葉をチラつかせるのです。
その的が判ってしまうと、それほど難しくなく賞が貰えるのです。
大昔、ある交通安全評語コンテストがあり、私が金賞でした。
獲得した賞品は自転車でした。
受賞した評語は「雨の日は、いつもと同じ慣れた道」でした。
この評語は、「慣れた道」・・こういった言葉に審査員は騙されるのです。
そういったポイントが見えてしまうと、割と簡単なんですね。
審査員と言っても、ではどんな人達が審査員なの?
神様でも無い限り同じ人間でしょ。
人間なんて、それほど変わりはないよ、大した事ないよ。
究極のバイオリン、バイオリンの王様ストラディバリウス。
それが本物の音か、普通のバイオリンの音か?
一流のバイオリンニストの半分が見抜けなかった・・そんなトコが所詮、人間なんだと思います。
審査員って人間であって神様じゃないんだよね。
色々な音楽コンクール、ピアノのコンクールなどありますが、
金賞と銀賞に違いが何処かなんて、誰が本当に分かるのかな~っていつも思います。
そしてコンクール向けの曲(歌)がちゃんとあって、
それは、審査員にとっては見極めの尽き易いポイントがあるのかな(?)であり、
音楽的にはまるで(面白くも可笑しくもない)
言わばどうでもいい様な曲にしか、私には思えません。
そういった曲(歌)なんか一生懸命練習したって面白くないでしょう。
金賞を貰った生徒たちは嬉し泣きの涙に暮れますが、
そういった光景を何度も見てきた私達・・
でもそれを練習してる時って、本当に楽しかったのかな~?
もっと楽しい曲はいくらでもあるのに、何でそっちをやらないの。
楽しい朝
私の学校の三流ブラスバンド部では、あるメドレーを演奏していました。
それは「軍艦行進曲」の後に引き続いて演奏していた歌、
それが海沼實氏作曲の「楽しい朝」でした。
私はこの曲が大好きで、今でもその曲を演奏する時のワクワク感を思い出します。
コンクール向けの知らない曲より、覚え易い歌がどれほど感動的だったか。
それは演奏会場に居る観衆にとっても同じ思いがあると思います。
やはり演奏会は皆さんがよく知っている曲、1曲は必ず演奏してほしいと私は思います。
4校、全16曲の内に行進曲が1曲も無かったのも淋しかった。
吹奏楽のある意味、神髄は行進曲だと思っている私は、
どこか1校でも誰もが知っている行進曲を演奏して欲しかった。
歌声喫茶でも、ある司会者は「憧れのハワイ航路」が大好きで、
それが、彼の看板にもなっています。
そういった曲(歌)は、理屈抜きでいいもんなんですね。
浜松聖星高校は、他校に比べて良かった。
それは本心からそう思います。
それは、他の3校がみな知らない曲ばかりの演奏だった、
という事は、しかつめらしい顔で演奏していたのと違って、
聖星高校の生徒たちが楽しそうに、嬉しそうに演奏していたからです。
18.9.9.浜松聖星高校吹奏楽部・オータムコンサート・エンディング
プログラムに載っている曲を1曲抜いて、
土屋先生がその替わりにやった曲。それがこれです。
曲名は知りませんが「・・愛と真理でやらまいか」
(やらまいか)は遠州弁で、(やろうじゃないか)の意味。
生徒たちは、演奏する事が楽しくて仕方ない。
土屋先生は、そんな演奏をしている生徒たちを見るのが嬉しい。
これは〇〇コンクール金賞の何倍も素晴らしい。
生徒たちは土屋先生に喜んでほしい。
土屋先生は生徒たちに、この(音楽の素晴らしさ)を忘れないでほしい。
そういった感動が溢れ出ている姿に、私は感動していました。