久留百合子の生活者視点

仕事、旅行、日常のちょっとしたことから得た情報、生活者として感じたことなどを綴ってみます。

電気生産地と電気消費地

2012-05-01 16:48:10 | Weblog
 これまでほとんど意識していなかったことで、昨年の東北大震災の津波による原子力発電事故で気付かされたことがあります。それは福島の場合、電気の生産地と消費地が異なっているということ。今回事故があった東京電力福島原子力発電所の電気は、名前のとおり福島で発電されて、福島の消費者には送られず関東に送られているのです。そして、福島の人は、東北電力から電気を買っている・・・
 関西電力の美浜発電所、大飯発電所、高浜発電所も福井県で発電されて消費は関西。東京電力柏崎刈羽発電所も新潟で発電され、関東で消費。こんなにあるんです

 私たち日本人は、水や電気はほとんど意識することなく使っているのが現状。省エネや節電は意識するようになりましたが、今使っている電気は、どこで、どのようにして作られているのか、考えたことがない人がほとんどだと思います。私も含めて。

 20年ほど前からエネルギーや環境問題の講演をしたり、委員会に入ったり勉強させていただいているので、専門の新聞や雑誌を読む機会があります。それらを読んでいると、電力会社によっては、以前から熱心に生産地の女性たちと消費地の女性たちとが交流する会などを続けている所もありました。
 今日見た専門新聞では、大阪のホテルがここ5年ほど、福島県の特産品を使ったディナーを期間限定で提供しているという記事が出ていました。
 しかし私が知らないだけか・・・今回の事故までは、東京の人と福島の人とが交流会をもったという話は聞いたことがないような・・・

 先日TVニュースで聞こえてきた、現在稼働するかどうかで検討されている大飯原発のある周囲の市民が語っていた言葉「どうして都会の人たちがこんなに稼働に反対するんだろうか・・・」。
 これまで原子力発電によって街が成り立ってきた所は、今回の日本全国原子力停止で、それは困っていることでしょう。旅館、飲食店、小売店など、原子力関係の人が来なくなってしまってはお手上げ状態です。勿論、発電所地元の反対者もいるでしょうし、今回のことで放射線の怖さも分かります。
 しかし発電所を立地し、我々の使う電気を作ってくれている地域があるのも事実です。

 消費地の反対者は、自分の論理だけで反対意見を言っているようで「原子力発電所を置いてくださってありがとう。おかげで私たちは電気を安定して使えています」このような気持ちを持って言っているでしょうか。
 
 現在話し合いの途中なのでしょうが、国として、政府として、エネルギー政策をどうするのか、資源のない日本、燃料調達で多額のコストがかかる日本、先進国として温暖化対策にも取組む約束をした日本、中長期的な視点からどうぞ懸命な判断をしてください。それを祈るばかりです