久留百合子の生活者視点

仕事、旅行、日常のちょっとしたことから得た情報、生活者として感じたことなどを綴ってみます。

改めてソーシャル・ビジネスを考えるきっかけに・・・

2010-09-28 11:37:47 | Weblog
 昨晩、会として16年目入った「女性経済フォーラム」の会合がありました。この会は、15年前仕事をしている女性有志が集まって作った会で、メンバーは随分変わりましたが、現在50名ほどの会員で2か月に1回程度、経済の勉強会を開催しています。

 昨日は、九州大学知的財産本部特任教授の岡田昌治先生に、「ソーシャル・ビジネス」について話していただきました。
 以前ブログにも書きましたが、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏が7月に日本を8日間回られ、その1か所として福岡で朝食会やワークショップ、大学での講演などをされたのに参加して、大変感銘を受けたので、もっとたくさんの人にこのことを知ってもらいたいと、先生に講演をお願いしたのです。
 今、私のデスクの後ろには、ユヌス氏の写真盾が飾られており、そのくらい私はこの方の考え方に心動かされたのでした

 岡田教授のお話は、1年ほど前に海外でユヌス氏を紹介され、その考えに賛同し、またユヌス氏から大変信頼されて、今回の日本公演の全てのコーディネートを頼まれた経緯や、8日間の様子の写真紹介、そして、改めてソーシャル・ビジネスとは、という内容でした。
 
 ユヌス氏は、バングラディッシュの方で、自国の女性が大変弱い立場にあり、仕事をしていても悪い男性に搾取されいる。見かねてまず借金を返してやり、さらに少しのお金を貸して、自分でビジネスが出来るように指導したそうです。そうやって、初めは一人の女性からで、2人、3人と経済的に自立できるように助け、ついにグラミン銀行という、無利子で貧しい国の女性たちにお金を貸す銀行を作り、何と回収率は99%だそうです
 そこからソーシャル・ビジネスという、いままでのビジネスとは違う考え方、すなわち、儲けていいのですが、ビジネスの内容が社会的に必要とされている分野であること、株主に配当しない、などを掲げた考え方を打ち出されたのです

 日本でも今回のユヌス氏の来日により、ユニクロが提携をする話や、九州大学も財団を立ち上げるような話もでてきているようです。
 決して、これまでのビジネスを否定するものではありませんが、お金を動かして儲けるビジネスや、働いている人が生きがいも持てず疲弊していくようなビジネスのあり方に、ある意味警鐘を鳴らしているとも思えるのです。

 社会で困っていることをボランティアではなくビジネスとして立ち上げる。日本にもそのニーズはたくさんあるでしょうし、何よりも女性の力がまだ眠っていると思います。
 私の考えは、健康で働ける人は皆働いて(働き方はいろいろでいいと思います。また人生のライフサイクルによって、短時間だったり、非常勤の働き方もあると思います)少なくても自分で対価を稼ぐこと、そして、少なくてもいいので、社会に参加している以上、税金を払うこと、これが私の理想の社会です。
 そんな考えを確信させたれる昨日の講演でした