久留百合子の生活者視点

仕事、旅行、日常のちょっとしたことから得た情報、生活者として感じたことなどを綴ってみます。

初めてのインド

2008-01-30 11:16:34 | Weblog
 暮れからお正月にかけてインドに行ってきました。初めての国です。長男は2度も行っており、1度は2か月近く一人で旅行した経験もあり、彼曰く”おもしろい国”だそうで、興味津々でした。
 カースト制が残っている国、ITが進んでいる国、世界遺産でもあるあの美しいタージ・マハールのある国、人口が世界で2番目に多い国、日本人観光客はよくお腹をこわして帰ってくるなどなど、情報はいろいろありますが、百聞は一見に如かず、兎に角一度は行ってみたい国でした。

 今回行ったのは、インドの北西 、観光客がよく行く3都市プラス2都市を回るというコースで、ツアーに申し込んだのですが、結局私たち2人+現地ガイドで9日間という旅行でした。現地でたくさんの日本人観光客に会いましたが、中には10人以上のグループもありましたが、結構、2人、4人に1人ガイドが付いてという旅行をしている人たちにたくさん会いました。日本からの添乗員なしで、たぶん現地ガイドなどの人件費は安いでしょうから、このような少人数のツアーが可能になるのでしょう。
 これまでにも2人だけのツアー旅行は何度か経験していますが、贅沢なようですが、ずっと同じガイドさんというのも、結構気を使います。また、20名ぐらいまでのツアーだと、いろいろ話ができて楽しいし、友達ができるという良さもあります。

 さて、関西空港を12時出発予定のために福岡を7時の飛行機で出発したというのに・・・関西空港のエア・インディアカウンターで言われたことは、何と8時間半遅れで出発とのこと。耳を疑いました。機材調整が付かないのでという理由でしたが、夕方6時半にまたカウンターに来てくれというのです。幸い、関西空港のホテルの部屋を取ってくれ昼食券は出してくれましたが、何だか気が抜けてしまいました。
 やっと夜の9時頃出発。あー先が思いやられます。(この予感が当たってまたこの先でも・・・)

 本来ならば、その日の夜20時にはデリーに着いて、ホテルでゆっくりして翌日ジョードプールに向けて出発する予定が、デリーの空港に着いたのは朝方の3時頃で、少しホテルで休憩しましたが、昼前には出発ということになってしました。
 インドでは、ジョードプール、ウダイプール、ジャイプール、アグラ、そしてデリーという都市を訪れました。どの都市も14世紀から16世紀にかけて作られた、それは贅沢な王宮や遺跡などを見学。ヨーロッパのお城ほどスケールは大きくはないですが、大理石で作られた宮殿の美しいこと。また大理石の柱や壁に施された彫刻には目を見張るものがあり、そこにかつては宝石が埋め込まれていたという話を聞くと、その当時のマハラジャの権力やインドの繁栄が想像できました。因みに、宝石は過去の戦争によってイギリスにすっかり持ち去られたとガイドさんが何度も言っていたのが印象的でした。

 都市の名前に”プール”と付くのが多いですよね。行くまではなかなか名前が覚えられなかったのですが、プールというのはヒンズー教の意味だそうで、すなわち最初の3都市はヒンズー教の都市だということです。現在インドはヒンズー教が80%、イスラム教が11%、仏教は0.7%ということです。えー、インドはお釈迦様が生まれた国ですよね。不思議です。
 サリーを着ているのはヒンズー教の女性だそうです。今回初めて知ったのですが、結婚すると女性は皆、鼻にピアスをするそうです。

 お恥ずかしいことですが、インド=暑い国というイメージがあって、日本に帰って地球儀を見るまでは、インドは国土の中に赤道をはさんでいると思っていたのですが、何と、緯度的にはデリーは日本の種子島ぐらい。勿論インドは大変大きな国ですので、一番南は赤道に近いですが。
 ですから、インドは今乾季だということですので、寒いはずです。前もって気温は調べてはいたのですが、朝晩と日中の温度差には泣かされました。1枚持って行っていたセーターを着っぱなし。半そではほとんどいりませんでした。

 今回一番見たかった、アグラにあるタージ・マハールは想像以上の素晴らしいものでした。白と白に薄く模様が入った大理石で出来た宮殿は、ムガール帝国5代皇帝シャー・ジャハーンが妻の死を悼んで作ったもので、4年かけて完成したものです。朝7時頃出発して見に行ったのですが、早朝の静けさ、少し霞んだような中に浮かび上がる美しい建築物は何度見ても、またどの角度から見ても、ただただ美しさに感激
 ああいうものが作れるという技術、財力にも関心しましたが、最後に聞いた、この宮殿を作った職人は完成の後、すべて腕を切られたという話には、王の権力の恐ろしさを感じずにはいられませんでした。

 街のようすは、それはすさまじいものでした。何といってもびっくりしたのは、人の多さ。どこに行っても人、人。オート三輪(乗合タクシーのようですが)普通なら3人乗りでしょうか、そこに6人も7人も折り重なるように乗っているのです。乗り物は都会に行くと車は多いですが、いなかは自転車、バイク、そしてオート三輪がほとんど。その乗り物が走っているすぐ横には、のら牛、のら犬、ラクダ、豚、サルが混在しているという、想像ができますか。
 この時期雨がほとんど降らないので、ほこりっぽい中に、道にはごみが散乱していて、しかしそこで物を食べている人あり、トイレをしている人あり、もう何ともすごい光景でした。

 そんなこんなで、お腹もこわさず(風邪はひきましたが)(ホテルでは、うがいも水道水は使わず、ミネラルウオーターを使っていましたから)無事に旅行を終えるはずでしたが、最終日朝からのデリー観光の後、早めの夕食を済ませて18時過ぎに飛行場に行くと、何と、今日は飛行機は飛ばないとのこと。あーやっぱり予感が当たった
 結局空港の近くのホテルで待機。朝3時に起こされて再度空港へ。飛行機がデリーを出発したのは、なんと予定よりも10時間半遅れの9時近くでした。おかげで次の日中に福岡まで帰れるはずだったのですが、関空でもう1泊することになってしまいました。
 いつもではないでしょうが、珍しいことではないそうです。どんな航空会社だろうと思ってしまいます。行きも帰りもでは、折角期待して行った旅行も、また楽しい思い出も随分と色褪せたものになってしまったのはとても残念なことでした。