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出前講座自体は、6年ぐらい前から行われていて、卒業生を中心に広く社会人に学校に来てもらい、生徒たちにその人の得意分野の話をしてもらうというものです。私は数年前から卒業生の建築家、松岡さんに誘われて話をしに行っていました。
例年は、1次限、2次限ともほとんど講義で(中には、実験やディベートをされる方もいます)生徒が講義者リストの中から好きなところを選んで聞きに集まるというものでしたが、今年は初めての試みで、1次限はパネルディスカッション、2次限目は講義という形になりました。
私は、なぜか、4名のパネリストの中で1人だけ修猷館出身ではないのですが、出るはめになってしまいました。
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初めはテーマを福岡についていろいろな立場から語るというものでしたが、1度きりの打ち合わせの中で、「今、君たちに伝えたい」という題にして、それぞれの立場から高校生にメッセージを語ろうということになりました。
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当日は、8時40分から、1,2年生約400人が体育館に座り、私たち4名は少し高い台の上に椅子だけで座るという、少しでも生徒と一体感が出るようにと考えられた設定でした。
400名の高校生の熱気はすごいです。私の子供は大きくなりましたので、久しぶりに若者が近くにいるという感じです。1時間半のパネルでしたが、福大の田村先生の銘コーディネイトに、笑いがあったり、結構感想や質問もあって、なかなかいい雰囲気でした。中には下を向いている生徒もいましたが、大半はこちらをよく見て、聞いていたようです。
私の話した内容は、
①これから将来、どこかに就職するにしても、いい企業を選ぶという選択だけ
ではなく、起業するという選択もあるということ。私の起業体験談を交え
て。
②いろいろな経験、いろいろなチャレンジをしなさい、そうすると人生がとて
もおもしろくなるということ。自分自身、50代がとても楽しい。
こんなことを語ってみました。しかし一人での講演と違って、他のパネラーとのやり取りがあったり、人の話を聞いていて、言おうと準備していた話が変わったり、本当にパネルはおもしろいけれどドキドキものです。
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他の出演者の話もしましょう。市役所勤務の馬場さんは、一貫して、「市役所にいらっしゃい」という話でした。組織は組織での仕事の仕方、おもしろさがあるということを熱く語られました。
建築家の松岡さんは、「あえて恐れずに言うならば」という前置きをして、修猷館の生徒はリーダーとなるべく勉強をしなさい、その心構えをもちなさいという先輩だからこそ言えるメッセージを送っていました。彼女は、仕事やそのキャリアもすごいのですが、40代前半とは思えないほどしっかりしているし、知的でかっこいい女性です。きっと女生徒たちは憧れたのではないでしょうか。
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正直、私は卒業生ではないので、何といってもこの学校の歴史や生徒のことを知りません。高校生に、ということでは愛情を持って先輩として話すことはできますが、卒業生とはどうしても心の入りかたが違うと思います。私も母校で話すのであれば、どこをどうとは言えませんが、やはり違ってくるのではないかと思ったりもしました。
毎年そうですが、学生に話すと終わってから妙な興奮と、虚脱感が残ります。あれで良かったんだろうかという後悔やら
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しかし、やはりチャンスを与えられて良かったと思っています。自分がやってきたこと、その中で考えてきたことを聞いてもらう、このことはすなわち自分の考えの整理にもなりました。それと、将来ある若い人の熱心な瞳に出会うことは、これからもがんばって生きていかなくてはという自分を励ますエネルギーにもなった気がします。
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