私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

さみせんの琴

2007-10-13 08:25:53 | Weblog
 高尚先生が「松の落葉」の中で取り上げられている楽器の内、最後が、この「さみせんの琴」です。先生は琴を大変愛でられていたと書きましたが、「さみせん」の琴については、
 「げによき人のひくべき琴にはあらず」
 と。
 この琴は昔からあったものではなく、ごく最近になってから広まったようで、主に遊びのための琴で、聞く人を浮き立たすような音色で、あまり奥の深いものでないく、それ故、品格のある人が弾くものではない、と書かれています。

 私事(ひとりごと);
 三味線は、現代では、クラッシクと競演したりする日本が誇る世界的な楽器として名声を博しているのですが、当時は、歓楽街などで使われていたので、相当卑しめられていた楽器ではなかたのでしょうか。
 時と共に浮き沈みのは激しい人の世だけあって、その時代時代で人の好みや評価も、こんな小さ楽器にまで見ることが出来、有為転変そのもののような感を深くしています。
 こんな「さみせん」の評価を、高尚先生がお聞きになったら、どんなご感想を御持ちになるかなと、想像するだけでも気持ちが浮き立つようです。