井上通泰という人が岡山の医学校の教授としておられました(播磨の人)。この人が書いた『南天荘雑筆』に藤井高尚先生のことが記されています。
それによると、先生は相当琴が好きのようでした。それだからかは分りかねますが、『松の落葉』には楽器についてても「琴、笛」「和笛」「小篳篥」「さみせんの琴』の4つについての記述が見えます。
まず今日は「琴 笛」です。
『ことというのは ひきもののすべて名前で、文では「きんのこと」「そうのこと」と分けているが、歌では総て一律に「こと」となっている。
ゆくすがら 馬のうへにて ひく琴の
弦(お)ごとに玉を ぬくなみだかな
というかがあるが、これは琵琶の琴の事です。
また、「ふえ」は吹くもの総てを言った。文では「笙のふえ」「ひちりきのふえ」と書いているが、歌ではどれも総て「ふえ」となっている。
「こと・ふえ」のことを、今の歌詠みの中には、「絲竹」と言う人もいるようですがこれは誤りで、古歌に「笛」を竹という言い方はあるが、琴を絲といったためしはない。鎌倉あたりから、琴笛を「いとたけ」といった言い表し方があるにはあるが、本来は琴笛が本筋だ。』と。
私事(ひとりごと);
かの井上氏の南天荘雑筆の中にあったのですが、先生の著書に「ひきもののさだめ」というご本では。筝の琴、琵琶、サミセン、胡弓、一弦琴の優劣について書いておられるとか。この本を今探しています。
それによると、先生は相当琴が好きのようでした。それだからかは分りかねますが、『松の落葉』には楽器についてても「琴、笛」「和笛」「小篳篥」「さみせんの琴』の4つについての記述が見えます。
まず今日は「琴 笛」です。
『ことというのは ひきもののすべて名前で、文では「きんのこと」「そうのこと」と分けているが、歌では総て一律に「こと」となっている。
ゆくすがら 馬のうへにて ひく琴の
弦(お)ごとに玉を ぬくなみだかな
というかがあるが、これは琵琶の琴の事です。
また、「ふえ」は吹くもの総てを言った。文では「笙のふえ」「ひちりきのふえ」と書いているが、歌ではどれも総て「ふえ」となっている。
「こと・ふえ」のことを、今の歌詠みの中には、「絲竹」と言う人もいるようですがこれは誤りで、古歌に「笛」を竹という言い方はあるが、琴を絲といったためしはない。鎌倉あたりから、琴笛を「いとたけ」といった言い表し方があるにはあるが、本来は琴笛が本筋だ。』と。
私事(ひとりごと);
かの井上氏の南天荘雑筆の中にあったのですが、先生の著書に「ひきもののさだめ」というご本では。筝の琴、琵琶、サミセン、胡弓、一弦琴の優劣について書いておられるとか。この本を今探しています。