奇想庵@goo

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感想:『バッテリー』

2009年11月25日 20時45分58秒 | あさのあつこ
バッテリー (角川文庫)バッテリー (角川文庫)
価格:¥ 540(税込)
発売日:2003-12


初めてのあさのあつこ。これまではNHK教育で放送されたアニメ『テレパシー少女 蘭』を観ただけ。少女の感性を瑞々しく描いたというよりは、ギャグのテンポの良さの方が目立った作品だったが。

本書は、野球少年の物語。主人公原田巧はこの春から中学生という優れた投手。小学生の大会では全国まで行き、中学は引越し先の新たな地で過ごすことになる。
三人称でほぼ巧の視点で描かれるが、たまに他の視点に変わるので混乱しそうになった。全6巻の1巻目だからか、ひねりがなく、ストーリーは平坦。

しかし、圧倒的な存在感が主人公にある。キャラクターなんていう安直な表現を許さないような人物像。だが、それは決して特異な存在ではない。確かに、天才投手と呼びたくなるような力持つ者ではある。野球への情熱は非凡なものだ。それでもあえて決して特異な存在ではないと思う。
小説などのフィクションの登場人物のみならず、現実においてさえキャラクターとして枠に嵌めて他者を捉える見方をしがちだろう。あとがきにおいて著者が述べるように、複雑な人の心を「心の闇」と称して分かりやすい構図へと落とし込もうとする。安心したいがために、或いは異端を封じるために。
この主人公は決して特異な存在ではない。本来は誰もがこうした複雑さを抱えている。そんな複雑さを認識しない社会、許容しない社会、排除する社会となっているのではないか。その防衛として周囲の空気に過敏に反応する社会が生み出された。

あとがきにおいて、主人公を「押し付けられた定型の枠を食い破って生きる不羈の魂」と書いた。主人公は決して特異な存在ではない。主人公が特異な存在のようになってしまっている不幸がそこにあるだけだ。
ただ野球をやるだけでは済まない世界が待ち構えている。それは大人たちのみならず、子供たち同士の中にもある定型への強い希求である。それに否応無く立ち向かわざるを得ない少年の姿に強く心が惹きつけられる。これからの展開を楽しみにしたい。(☆☆☆☆☆☆)


感想:『ジーン・ワルツ』

2009年11月24日 19時16分36秒 | 本と雑誌
ジーン・ワルツジーン・ワルツ
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2008-03


『夢見る黄金地球儀』を読んだ直後だと尚更、海堂尊は医療ものがいいと実感する。
現在の医療の問題の中でも、最も深刻な出産関連がテーマ。現実に起きた「大野病院科医逮捕事件」や実母による代理母出産といった時事を上手く取り込みながら、更に医学の進歩と社会の認識とのズレにまで踏み込んだ作品。
テーマ性が前面に強く打ち出された分、ストーリーは平坦でキャラクターも著者らしいケレンが薄れている。雑誌連載ということで、やや表現にくどさが残っている。しかし、医療・医学関連のエピソードの描写は著者ならではと言ってよく、これまでの作品以上に真に迫る迫力があった。

産婦人科が舞台ということもあって、本書では女性キャラクターの存在が目立つ。正直、男性陣の影は薄い。本書に限らず、著者は女性キャラクターの描写が巧みだと改めて感じられた。確かにこれまでの作品の主要登場人物は男性が多く、その個性も多様だ。だが、脇役として登場した女性キャラクターの多彩さも海堂ワールドを印象的なものにしている。
本書はその点で非常に特徴的だ。主人公の冷徹な魔女曾根崎理恵は、0と1のロジックに留まらない複雑さを内面に宿している。妊婦たちの時に非論理的な選択もまた、単なる感傷ではない強い想いを内包し、本書に深みを与えている。

遺伝子や血統を残すことが本当に大切なのか。それは決して自明の問題ではない。社会、地域、時代によって考え方の変わる問題であり、現代日本はバランスを欠いているように思えてならない。血の繋がりを重視することが社会として個人としてどれほどの重要性を持つのか。医学の進歩が新たな価値観を生み出し、それに縛られ過ぎたことが、新たな不幸の種となっているようにも思えてしまう。(☆☆☆☆☆☆☆)




これまでに読んだ海堂尊の本の感想。(☆は評価/最大☆10個)

チーム・バチスタの栄光』(☆☆☆☆☆)
ナイチンゲールの沈黙』(☆☆☆)
ジェネラル・ルージュの凱旋』(☆☆☆☆)
螺鈿迷宮』(☆)
ブラックペアン1988』(☆☆☆☆☆☆)
夢見る黄金地球儀』(☆☆☆)


感想:『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 6 嘘の価値は真実』

2009年11月23日 21時35分47秒 | 入間人間
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈6〉嘘の価値は真実 (電撃文庫)嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈6〉嘘の価値は真実 (電撃文庫)
価格:¥ 536(税込)
発売日:2008-09-10


これまで、みーくんの一人称によって書かれていたが、本書はシリーズの過去の作品の登場人物たちが登場し、彼らの視点で描かれた章とみーくんの章とが交互に現れる構成となっている。
シリーズ集大成のような構成に、結末をぼかしたエンディング、そして、あとがきの「次回作にご期待ください!」の言葉によって最終巻と思わせる仕掛けになっている。既に7巻以降が発売されていることを知っているため、その機能は発揮されなかったが。

ここでぶち切られると、恐らく不満を延々と書き綴ることになっていただろう。後味の良さをこのシリーズに求めるのは間違っていると自覚してはいるが、それにしても、である。
死者一名については化学室での何かが伏線かと思うが、7巻を読んですっきりしたいという思いに駆られる。それはまんまと著者の術中に嵌っているということだが、ここまで読んできたのだからそれは仕方が無い。

構成にひねりを加えたといえども効果的とは言えず、ストーリーも面白みに欠ける。元々1巻で終わっている話を無理矢理続けているようなものだし、ストーリーの方向性も迷走しているままだ。綺麗な落としどころを期待しようとは思っていない。それでも、この陰鬱な作品を何の希望も無く投げ出されるとやはり落ち付かない気持ちになる。

『このライトノベルがすごい! 2010』では7位と高評価に驚く。「戯言」シリーズとの類似性を指摘されることの多いシリーズだが、キャラクターの魅力ではこちらが勝っているように思う。ストーリーでは太刀打ちできるレベルにないとは思うが。7巻以降に高評価の原因があることを期待しよう。(☆☆)




これまでに読んだ入間人間の本の感想。(☆は評価/最大☆10個)

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸』(☆☆☆☆☆☆)
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2 善意の指針は悪意』(☆☆)
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 死の礎は生』(☆☆☆☆)
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 4 絆の支柱は欲望』(☆☆)
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈5〉欲望の主柱は絆』(判定不能)


感想:『ターン―Turn』

2009年11月23日 21時09分06秒 | 北村薫
ターン―Turnターン―Turn
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:1997-08


「時と人」三部作の二作目。交通事故をきっかけに、繰り返される同じ一日。ただ記憶だけが継続し、他は全てリセットされて引き戻される。
時の牢獄の151日目。電話が鳴る。その奇蹟によって物語は次の段階へと進む。電話によって結ばれた、まだ逢ったことのない二人。

10章立てのうち5、6章を除いて二人称によって語られる物語である。不可思議な話を会話調で巧みに構成した手腕は見事だ。孤独に対して、過剰に思い入れずに物語を展開させるにはこの綱渡りのような描写が必要だったということだろう。
子供の頃から語りかけられていた不思議な声の相手との運命のような出逢い。逢うことは出来なくとも、表現者としての共通点から繰り広げられる感情の交錯は心地良い。

それだけに、この時の牢獄に突然現れた柿崎の存在に強い違和感を覚えた。確かに、「君」がそこを抜け出し、元の世界へと回帰するには何らかのきっかけが必要だった。SF的な手法を取らずにそれを成すには、分かりやすい出来事が必要なのは理解できるが、この安直な仕掛けはこの物語を台無しにしてしまった。
唐突な出現もさることながら、物語の展開に都合の良さばかりが目立つキャラクターで、何のひねりもない。退場の仕方も同様に、伏線も無ければ、いかにも都合良く消え去った。
ただでさえ現実とはかけ離れた物語なのに、こんな展開を持ち込むと、作者の魅力である些細な日常の積み重ねという手法が霞んでしまう。柿崎の登場以前と以後で作品の雰囲気が全く異なってしまったように感じられた。

運命の出逢いのような恋愛主義的な発想自体にかなり辟易していたものの、それでも悪い出来ではなかっただけに、いかに結末へと至るのか非常に楽しみにしていた。それがこのような結果でがっかりした。『スキップ』は結末に違和感を覚えた。本書は結末こそ悪くはないが、そこに至る過程に不満を残した。共にSF的な仕掛けを取り入れているが、それを生かせなかったと感じる。三部作最後の『リセット』がこれまでの懸念を吹き飛ばすような作品であって欲しいと思うが、果たして……。(☆)




これまでに読んだ北村薫の本の感想。(☆は評価/最大☆10個)

空飛ぶ馬』(☆☆☆☆☆)
夜の蝉』(☆☆☆☆☆)
秋の花』(☆☆☆☆☆☆)
六の宮の姫君』(☆☆☆☆☆)
朝霧』(☆☆☆☆☆☆)
スキップ』(☆☆☆)


感想:『夢見る黄金地球儀』

2009年11月22日 20時49分41秒 | 本と雑誌
夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア)夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2007-10


海堂尊では初の非医療系。とはいえ、舞台はお馴染みの桜宮市。『ブラックペアン1988』で触れられた黄金地球儀を巡る物語。

2013年と近未来が舞台。いくつかの科学設定と浜田小夜を出すため、と言ったところか。
ふるさと創生基金の1億円で作られた黄金地球儀。その強奪を目指す主人公、と書くと犯罪小説めいた緊迫感が漂うが、そんなものはほとんどなし。全体に馬鹿馬鹿しさが漂う物語となっている。
個性溢れるキャラクターが次々と登場するところは著者の面目躍如。ただ大学院まで進学した理系の主人公の頭の悪さには違和感を持たざるをえなかった。

医療が絡まないせいかテーマ性はほとんどなく、馬鹿話を気軽に楽しむだけの作品であり、その御都合主義のオンパレードに目くじらを立てるのは正しい読み方ではないだろう。それだけに、エピローグは不必要だった。
圧巻は主人公の父である平沼豪介。論理を軽々と飛び越えた親父という意味では『螺鈿迷宮』の桜宮巖雄を彷彿とするが、倫理を飛び越えなかった(少しは越えたけれど)分、豪介の方が遥かに親しみを感じる。
やはり海堂尊は医療系を読みたいと思わせた作品だった。(☆☆☆)




これまでに読んだ海堂尊の本の感想。(☆は評価/最大☆10個)

チーム・バチスタの栄光』(☆☆☆☆☆)
ナイチンゲールの沈黙』(☆☆☆)
ジェネラル・ルージュの凱旋』(☆☆☆☆)
螺鈿迷宮』(☆)
ブラックペアン1988』(☆☆☆☆☆☆)


『このライトノベルがすごい!2010』作品(シリーズ)部門

2009年11月21日 18時26分42秒 | 本と雑誌
このライトノベルがすごい! 2010このライトノベルがすごい! 2010
価格:¥ 500(税込)
発売日:2009-11-21


買ったのは初めてになるが、宝島社から恒例の『このライトノベルがすごい!2010』が発売された。
今回はWebアンケートに参加したこともあり、より興味深く各種ランキングに注目した。
[]内は昨年度順位。

☆作品(シリーズ)部門
■1位 バカとテストと召喚獣/井上堅二/ファミ通文庫[3]
バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2007-01-29

ライトノベルらしいライトノベル。1巻のみ既読。来年1月よりTVアニメ放送予定。既刊8冊(うち2冊は番外短編集)で6.5が最新巻。著者のインタビュー掲載。モニターアンケート1位。HPアンケート1位。
女性キャラ7位:木下秀吉
男性キャラ1位:木下秀吉,10位:吉井明久,19位:土屋康太
イラストレーター4位:葉賀ユイ
■2位 「化物語」シリーズ/西尾維新/講談社BOX[6]
化物語(上) (講談社BOX)化物語(上) (講談社BOX)
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2006-11-01

西尾維新によるキャラクターノベル。『化物語』上下巻のみ既読。2009年夏にTVアニメ化された。既刊3作品(うち2作は上下巻)。「化物語」「傷物語」「偽物語」に続いて2010年に「傾物語」「猫物語」刊行予定。西尾維新は「戯言」シリーズが40位にランクインし、著者別では3位。HPアンケート2位。
女性キャラ4位:戦場ヶ原ひたぎ,13位:八九寺真宵,29位:千石撫子
男性キャラ2位:阿良々木暦
イラストレーター29位:VOFAN
■3位 「文学少女」シリーズ/野村美月/ファミ通文庫[1]
“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)
価格:¥ 588(税込)
発売日:2006-04-28

当ブログでは散々批判したので、若年層向けライトノベルと言っておこう。本編完結までの8冊既読。2010年ゴールデンウィークに劇場版アニメ公開予定。本編完結後、2冊の短編集と1冊の番外編が刊行された。また、2009年12月に番外編が刊行予定。HPアンケート3位。
女性キャラ2位:天野遠子,3位:琴吹ななせ
男性キャラ7位:井上心葉
イラストレーター1位:竹岡美穂
■4位 とらドラ!/竹宮ゆゆこ/電撃文庫[2]
とらドラ!1とらドラ!1
価格:¥ 536(税込)
発売日:2006-03-25

青春ラブコメ。2008年秋にTVアニメ化された。1巻のみ既読。全10巻で本編は今年完結した。番外編は2冊で、番外編は続編刊行予定。協力者アンケート2位。HPアンケート6位。
女性キャラ5位:逢坂大河,22位:川嶋亜美
男性キャラ6位:高須竜児
イラストレーター10位:ヤス
■5位 「生徒会の一存」シリーズ/葵せきな/富士見ファンタジア文庫[7]
生徒会の一存―碧陽学園生徒会議事録〈1〉 (富士見ファンタジア文庫)生徒会の一存―碧陽学園生徒会議事録〈1〉 (富士見ファンタジア文庫)
価格:¥ 588(税込)
発売日:2008-01-19

パロディノベル。2巻まで既読。2009年秋よりTVアニメ放送中。既刊は本編6冊、番外短編集2冊。2009年12月に新刊予定。協力者アンケート8位。モニターアンケート3位。HPアンケート5位。
女性キャラ20位:椎名真冬,25位:桜野くりむ,29位:椎名深夏
男性キャラ5位:杉崎鍵
イラストレーター8位:狗神煌
■6位 黄昏色の詠使い/細音啓/富士見ファンタジア文庫[11]
イヴは夜明けに微笑んで―黄昏色の詠使い (富士見ファンタジア文庫)イヴは夜明けに微笑んで―黄昏色の詠使い (富士見ファンタジア文庫)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2007-01

ファンタジー。未読。全10巻で今年完結した。HPアンケート4位。
女性キャラ9位:クルーエル・ソフィネット
男性キャラ8位:ネイト・イェレミーアス
イラストレーター1位:竹岡美穂
■7位 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん/入間人間/電撃文庫[9]
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸 (電撃文庫)嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸 (電撃文庫)
価格:¥ 578(税込)
発売日:2007-06

ヤンデレノベル。5巻まで既読。既刊は本編8冊と番外編1冊。2010年1月に新刊予定。入間人間は『電波女と青春男』も18位にランクインし、著者別では2位。HPアンケート6位。
女性キャラ12位:御園マユ,17位:伏見柚々
男性キャラ4位:みーくん
イラストレーター3位:左
■8位 ベン・トー/アサウラ/集英社スーパーダッシュ文庫[20]
ベン・トー―サバの味噌煮290円 (集英社スーパーダッシュ文庫)ベン・トー―サバの味噌煮290円 (集英社スーパーダッシュ文庫)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2008-02

バカバトルノベル。既刊4冊全て既読。私が1位に投票した作品。協力者アンケート4位。HPアンケート8位。
女性キャラ23位:著莪あやめ,26位:槍水仙
男性キャラ12位:佐藤洋
イラストレーター28位:柴之櫂人
■9位 とある魔術の禁書目録/鎌池和馬/電撃文庫[4]
とある魔術の禁書目録(インデックス) (電撃文庫)とある魔術の禁書目録(インデックス) (電撃文庫)
価格:¥ 599(税込)
発売日:2004-04

SFファンタジーノベル。未読。2008年秋からTVアニメが放送され、2009年秋よりスピンオフ作品の『とある科学の超電磁砲』がTVアニメ放送中。既刊は本編19冊、番外2冊。HPアンケート9位。
女性キャラ1位:御坂美琴
男性キャラ3位:上条当麻,11位:一方通行
イラストレーター12位:灰村キヨタカ
■10位 蒼穹のカルマ/橘公司/富士見ファンタジア文庫[新作]
蒼穹のカルマ1 (富士見ファンタジア文庫)蒼穹のカルマ1 (富士見ファンタジア文庫)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2009-01-20

空戦ファンタジー。未読。既刊3冊。新作としては1位。著者インタビュー掲載。第20回ファンタジア長編小説大賞準入選作品。HPアンケート10位。
女性キャラ6位:鷹崎駆真
イラストレーター14位:森沢晴行


■11位 さよならピアノソナタ/杉井光/電撃文庫[16]
さよならピアノソナタ (電撃文庫)さよならピアノソナタ (電撃文庫)
価格:¥ 641(税込)
発売日:2007-11

音楽青春ノベル。未読。本編全4巻、短編1巻。杉井光は『神様のメモ帳』が13位に入り、著者別では1位を獲得。
女性キャラ14位:蝦沢真冬
イラストレーター9位:植田亮
■12位 俺の妹がこんなに可愛いわけがない/伏見つかさ/電撃文庫[36]
俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)
価格:¥ 599(税込)
発売日:2008-08-10

オタクノベル。1巻のみ既読。既刊4冊。2010年1月に新刊予定。昨年度から24ランクアップは、「オオカミさん」シリーズと並んでトップ。
女性キャラ18位:高坂桐乃,19位:黒猫
男性キャラ14位:高坂京介
イラストレーター15位:かんざきひろ
■13位 神様のメモ帳/杉井光/電撃文庫[23]
神様のメモ帳 (電撃文庫)神様のメモ帳 (電撃文庫)
価格:¥ 641(税込)
発売日:2007-01-06

ミステリ系。未読。既刊4冊。
女性キャラ11位:アリス
男性キャラ25位:藤島鳴海
イラストレーター5位:岸田メル
■14位 ソードアート・オンライン/川原礫/電撃文庫[新作]
ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2009-04-10

MMORPGを舞台としたノベル。Webで公開されていたものを商業刊行。未読。既刊2冊。川原礫は『アクセル・ワールド』が26位にランクイン。新作としては2位。
男性キャラ13位:キリト
イラストレーター26位:abec
■15位 ロウきゅーぶ!/蒼山サグ/電撃文庫[新作]
ロウきゅーぶ! (電撃文庫)ロウきゅーぶ! (電撃文庫)
価格:¥ 599(税込)
発売日:2009-02

ロリバスケノベル。未読。既刊3冊。新作としては3位。協力者アンケート4位。第15回電撃小説大賞銀賞受賞作。
女性キャラ27位:湊智花
男性キャラ29位:長谷川昴
イラストレーター18位:てぃんくる
■16位 戦闘城塞マスラヲ/林トモアキ/角川スニーカー文庫[22]
戦闘城塞マスラヲ Vol.1負け犬にウイルス (スニーカー文庫)戦闘城塞マスラヲ Vol.1負け犬にウイルス (スニーカー文庫)
価格:¥ 540(税込)
発売日:2006-10-31

バトルノベル。未読。『お・り・が・み』全7巻の続編に当たり、本作は全5巻で完結した。続編に『レイセン』(連載中。単行本はなし)がある。林トモアキは『ミスマルカ興国物語』が46位にランクイン。協力者アンケート9位。角川スニーカー文庫レーベルでは最上位。
男性キャラ9位:川村ヒデオ
イラストレーター52位:上田夢人
■17位 GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン/川上稔/電撃文庫[15]
境界線上のホライゾン1〈上〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)境界線上のホライゾン1〈上〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)
価格:¥ 788(税込)
発売日:2008-09-10

架空世界ノベル。未読。既刊2巻まで(各巻は上下巻)。
男性キャラ15位:葵・トーリ
イラストレーター21位:さとやす(TENKY)
■18位 電波女と青春男/入間人間/電撃文庫[新作]
電波女と青春男 (電撃文庫)電波女と青春男 (電撃文庫)
価格:¥ 578(税込)
発売日:2009-01-07

青春ノベル。未読。既刊3冊。新作としては4位。『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』よりはライトらしい。
女性キャラ16位:藤和エリオ
イラストレーター6位:ブリキ
■19位 狼と香辛料/支倉凍砂/電撃文庫[5]
狼と香辛料 (電撃文庫)狼と香辛料 (電撃文庫)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2006-02

行商ノベル。12冊目まで既読。2009年夏よりTVアニメ第2期が放送された。既刊13冊、うち3冊が短編集。モニターアンケート5位。
女性キャラ10位:ホロ
男性キャラ18位:クラフト・ロレンス
イラストレーター25位:文倉十
■20位 BLACK BLOOD BROTHERS/あざの耕平/富士見ファンタジア文庫[23]
BLACK BLOOD BROTHERS(1)―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 兄弟上陸― (富士見ファンタジア文庫)BLACK BLOOD BROTHERS(1)―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 兄弟上陸― (富士見ファンタジア文庫)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2004-07-16

吸血鬼ノベル。未読。2006年アニメ化。本編11冊、短編集6冊で完結。協力者アンケート6位。
男性キャラ21位:望月ジロー
イラストレーター37位:草河遊也


◆21位 されど罪人は竜と踊る/浅井ラボ/ガガガ文庫[26]
されど罪人は竜と踊る 1 ~Dances with the Dragons~ (ガガガ文庫)されど罪人は竜と踊る 1 ~Dances with the Dragons~ (ガガガ文庫)
価格:¥ 720(税込)
発売日:2008-05-21

暗黒ライトノベル。未読。既刊8冊。ガガガ文庫レーベルでは最上位。元は角川スニーカー文庫刊。
男性キャラ17位:ガユス・レヴィナ・ソレル,24位:ギギナ・ジャーディ・ドルク・メレイオス・アシュレイ・ブフ
イラストレーター19位:宮城
◆22位 キノの旅 -the Beautiful World-/時雨沢恵一/電撃文庫[12]
キノの旅―The beautiful world (電撃文庫 (0461))キノの旅―The beautiful world (電撃文庫 (0461))
価格:¥ 557(税込)
発売日:2000-07

異世界放浪ノベル。未読。2003年TVアニメ化。2005年、2007年劇場アニメ化。既刊13冊、セルフパロディ『学園キノ』3冊。モニターアンケート2位。
女性キャラ8位:キノ
イラストレーター7位:黒星紅白
◆23位 僕は友達が少ない/平坂読/MF文庫J[新作]
僕は友達が少ない (MF文庫J)僕は友達が少ない (MF文庫J)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2009-08-21

隣人部ノベル。未読。既刊1冊。2巻は11月25日発売。平坂読は『ラノベ部』が25位にランクイン。MF文庫Jレーベルでは最上位。
イラストレーター6位:ブリキ
◆24位 灼眼のシャナ/高橋弥七郎/電撃文庫[17]
灼眼のシャナ (電撃文庫)灼眼のシャナ (電撃文庫)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2002-11

ツンデレバトルノベル。未読。2005年、2007年の二度アニメ化。既刊19冊、短編集4冊(1冊は限定発売)。モニターアンケート4位。
女性キャラ14位:シャナ
イラストレーター2位:いとうのいぢ
◆25位 ラノベ部/平坂読/MF文庫J[圏外]
ラノベ部 (MF文庫J)ラノベ部 (MF文庫J)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2008-09

ラノベ部ノベル。未読。全3巻。協力者アンケート1位。
イラストレーター33位:よう太
◆26位 アクセル・ワールド/川原礫/電撃文庫[新作]
アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)
価格:¥ 599(税込)
発売日:2009-02

近未来ネットワークノベル。未読。既刊3冊。新作としては6位。第15回電撃小説大賞大賞受賞作。
イラストレーター:HIMA
◆27位 デュラララ!!/成田良悟/電撃文庫[43]
デュラララ!! (電撃文庫 (0917))デュラララ!! (電撃文庫 (0917))
価格:¥ 662(税込)
発売日:2004-04

首なしヒロインノベル。未読。2010年1月よりTVアニメ放送予定。既刊6冊。2010年1月に新刊予定。成田良悟は『バッカーノ!』が33位にランクイン。
女性キャラ28位:セルティ・ストゥルルソン
男性キャラ16位:平和島静雄
イラストレーター11位:ヤスダスズヒト
◆28位 緋弾のアリア/赤松中学/MF文庫J[35]
緋弾のアリア (MF文庫J)緋弾のアリア (MF文庫J)
価格:¥ 609(税込)
発売日:2008-08

武偵ノベル。未読。既刊4冊。2009年12月に新刊予定。
男性キャラ19位:遠山キンジ
イラストレーター22位:こぶいち
◆29位 「オオカミさん」シリーズ/沖田雅/電撃文庫[53]
オオカミさ
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感想:『第六大陸 1・2』

2009年11月20日 18時23分12秒 | 小川一水
第六大陸〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)第六大陸〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
価格:¥ 714(税込)
発売日:2003-06
第六大陸〈2〉 (ハヤカワ文庫JA)第六大陸〈2〉 (ハヤカワ文庫JA)
価格:¥ 714(税込)
発売日:2003-08


全2巻。
苛酷な環境での建設業務に特化した御鳥羽総合建設、宇宙開発事業民営化により誕生した天竜ギャラクシートランス社、そして、レジャー施設を中心としたエンターテイメント産業のエデン・レジャーエンターテイメント社。エデンを施主に打ち出された月面での施設建設計画。1500億円を投じて一少女の夢の実現へ向けたプロジェクト。

1巻では、その巨大プロジェクトが動き出す様が生き生きと描かれている。雰囲気はまるで「プロジェクトX」。技術者たちがそれぞれの役割をプロ意識を持って担っていく姿が熱い。主人公の青峰もそんな若者の一人だ。一方、ヒロインである桃園寺妙は、大金持ちの天才美少女といういかにもな設定だが、この計画の背景を支える存在としてはそれほどの虚構性が必要だったということだ。

月に人が行く。
40年も昔に事実行われたことなのに、現在では夢物語のようになっている。科学が進歩したなんて大嘘だと証明しているかのような。人類の知が既に頭打ちになったと感じるのは宇宙進出に限った話題ではないが……。
それはともかく、月に行くことがSFとなる、という驚きは解説にも書かれている通りだ。結局は何事もリソースの問題ではあるが、人類はもはや自分の足を食べているタコのような姿になっているのだろう。そこから抜け出すために描かれたSFである。
数字上のリアリティはともかく、技術者魂が丹念に描かれている様は日本SFらしい印象。小川一水らしい堂々たる熱さが読む楽しさを伝えてくれる。

ところが。
2巻に入ると、展開が上滑りし始める。訴訟に対する御都合主義的な解決。スペースデブリに絡んだ事故死後の反応。妙の父との確執。そして、スターロードの出現。個々のアイディアは悪くないが、どれもが尻つぼみとなった印象を残す。これらをちゃんと膨らませて書けば恐らく4~5巻となったであろう。それを圧縮しただけでなく端折りすぎてしまった感がある。
そして、優れたストーリーテラーぶりは本書でも強く感じたが、同時にキャラクターの弱さも目立った。
それは本書に限らない著者の特徴でもある。
現場に強い若者とそれを見守る高貴な少女という構図は、『時砂の王』『復活の地』と共通だ。キャラクターの配置にも意外性がなく、男女の役割も非常に保守的である。ステレオタイプな造型で、キャラクターの厚みに関してはほとんど感じられない。それはキャラクターの設定の問題だけでなく、それを小説においてどう描くかというレベルでよく現れている。

小川一水の作品に対してはデビューから順にではなく、かなりバラバラに読んでいる。むしろ遡っていると言ってもいい。著者に対しては一作ごとに上手くなったという評価が成されており、それがこうした形で感じられたということだろう。
キャラクターの弱さという欠点は確かに最新作にも表れている。だが、それを感じさせないほどの作品に仕上がっている。ストーリーテラーとしての強みを前面に打ち出し、ストーリーの巧みさで十分に補っている。
キャラクターの弱さがライトノベルではなくSFへ進ませることとなったと思えば、この短所も痛し痒しって感じだが、本書においてはその短所が悪い形で現れてしまった。
余計なエピソードを除いて、技術的な問題の解決のみに焦点を絞れば、ユニークなハード系に近いSFになったかもしれない。父娘のエピソードなんてジュヴナイルでもそれは、と言いたくなってしまう。

今後『導きの星』全4巻に進む予定だったが、思案中。近刊で読んでない作品もあるので、そちらを優先するかどうか。どちらにせよ読むつもりはあるので単に順序の問題だけだけれども(苦笑)。
2巻については完全版として書き直して欲しいなんて思ってみたり。(☆☆☆☆)




これまでに読んだ小川一水の本の感想。(☆は評価/最大☆10個)

復活の地』(☆☆☆☆☆☆)
天冥の標I メニー・メニー・シープ 上・下』(☆☆☆☆☆☆☆)
時砂の王』(☆☆☆☆☆)
老ヴォールの惑星』(☆☆☆☆)


『最高の本! 2010 完全保存版―Book of The Year』

2009年11月19日 21時38分04秒 | 本と雑誌
最高の本! 2010 完全保存版―Book of The Year (マガジンハウスムック)
価格:¥ 580(税込)
発売日:2009-11


マガジンハウスムック、ダカーポ特別編集。
新聞・雑誌の書評担当者が選んだ”最高の本”ランキング、人気3ジャンル(国内ミステリー・海外ミステリー・女子読み恋愛小説)ベスト10、ジャンル別最高の本ベスト10、本の虫・書店スタッフ10人が選んだ今年のベスト5、旬の話題がわかる5テーマ50冊など。

”最高の本”ランキング1位は言わずと知れた『1Q84』。今年最大のトピックだから当然と言えるだろう。村上春樹は初期三部作しか読んでないが、機会があれば読んではみたい本。
2位は水村美苗『日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で』。発売当時から気になっていた本ではある。
3位山田詠美『学問』、4位吉田修一『横道世之介』、5位川上未映子『ヘヴン』。3位5位は話題になった本。4位は知らなかった。この辺りは苦手なジャンルと言える。
6位奥田英朗『オリンピックの身代金』。『空中ブランコ』等の伊良部シリーズが面白かっただけに、この著者の他の作品にも手を出したいと思っている。
7位天童荒太『悼む人』は新聞で書評を読んだ。この著者は『永遠の仔』を読んだことがある。
8位野中広務・辛淑玉『差別と日本人』。いつも閲覧するブログでこの本の感想を読んだ。
9位池谷裕二『単純な脳、複雑な「私」』は脳科学の本。初めて知った。
10位橋本治『巡礼』。橋本治もほとんど読んだことがない。

国内ミステリベスト10の1位は佐藤正午『身の上話』。この著者自体を知らなかったりする。このミスとの対比が気になるところ。
2位に飴村行『粘膜蜥蜴』。新聞の書評で見かけた程度だが、前作の『粘膜人間』ともども読んでみたいと思った。
3位に米澤穂信『追想五断章』。「小市民」シリーズや『インシテミル』で著者への評価は著しく低いが、リドルストーリーという点には興味が。
4位道尾秀介『花と流れ星』。短編集。この著者は読んだことがない。
5位佐々木譲『暴雪圏』。現在、『わらう警官』が映画化されて公開中。ただ『わらう警官』は物足りなさを感じた。
6位黒川博行『煙霞』。大阪が舞台らしいので読んでみたい。
7位乾ルカ『プロメテウスの涙』。この著者も初耳。新人だから仕方ないけれど。
8位東野圭吾『新参者』は加賀刑事シリーズの連作短編集。
9位柳広司『ダブル・ジョーカー』は『ジョーカー・ゲーム』の続編にあたる連作短編集。
10位大門剛明『雪冤』も新人の作品。

海外ミステリはほとんど読まないので詳しくないが、1位のスティーグ・ラーソン『ミレニアム』は他のページでも取り上げられ、かなり気になった作品。読んでみたいけれど、上下巻の三部作という大著。

女子読み恋愛小説は知らない作家のオンパレード。ただ読んでみたい気にはなった。
1位は瀧羽麻子『左京区七夕通東入ル』。紹介でも、万城目学、森見登美彦の名が出ているのでその系統かな。
2位角田光代『くまちゃん』、3位中山可穂『悲歌―エレジー』、4位飛鳥井千砂『アシンメトリー』、5位桐野夏生『IN』、6位冨士本由紀『しあわせと勘違いしそうに青い空』、7位佐野洋子『クク氏の結婚、キキ夫人の幸福』、8位本多孝好『WILL』、9位豊島ミホ『リテイク・シックスティーン』、10位上原小夜『放課後のウォー・クライ』。半分くらいは読んでみたいものだ。

ジャンル別。グランプリとなった作品だけ挙げる。
日本文学では辻原登『許されざる者』。
海外文学はアラン・ムーア『フロム・ヘル』。先日教えてもらったばかりのコミック。米Amazonで中の絵を見たが、慣れないと読みにくそう。
歴史小説は下川博『弩』。時代小説は荒山徹『徳川家康』。
ノンフィクション・エッセーは小林信彦『黒澤明という時代』。小林信彦はなぜかこれまで読む機会がなく、読みたいとは思っていたのに。
ビジネス書は外山滋比古『思考の整理学』。古典だけれど、なぜか今年ヒットした。私も昔買って読んだ。
タレント・芸能本は愛甲猛『球界の野良犬』。愛甲はもちろん知っているが、この本のことは初耳だった。
写真集は『桜庭ななみ写真集「N・P」』。
マンガはこうの史代『この世界の片隅に』。『夕凪の街 桜の国』から読んでみたいと思っているのだけれど機会がない。
詩歌・俳句は高岡修『火曲』という詩集。
評論は笠井潔『例外社会』。

興味があったのは、”最高の本”ランキング、国内ミステリベスト10、女子読み恋愛小説あたりだが、担当編集者が思わず読みたくなったベスト10の1位に輝いた宮下奈都『よろこびの歌』も関心を持った一作。素敵な本と幸福な出会いが訪れますように。




☆”最高の本”ランキング
1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 1
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2009-05-29
1Q84 BOOK 21Q84 BOOK 2
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2009-05-29

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2008-11-05

学問学問
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-06-30

横道世之介横道世之介
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2009-09-16

ヘヴンヘヴン
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2009-09-02

オリンピックの身代金オリンピックの身代金
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2008-11-28

悼む人悼む人
価格:¥ 1,700(税込)
発売日:2008-11-27

差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)
価格:¥ 760(税込)
発売日:2009-06-10

単純な脳、複雑な「私」単純な脳、複雑な「私」
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2009-05-08

巡礼巡礼
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2009-08-28


☆国内ミステリベスト10
身の上話身の上話
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2009-07-18

粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)
価格:¥ 700(税込)
発売日:2009-08-25

追想五断章追想五断章
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2009-08

花と流れ星花と流れ星
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2009-08

暴雪圏暴雪圏
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2009-02

煙霞煙霞
価格:¥ 1,750(税込)
発売日:2009-01

プロメテウスの涙プロメテウスの涙
価格:¥ 1,600(税込)
発売日:2009-04

新参者新参者
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2009-09-18

ダブル・ジョーカーダブル・ジョーカー
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-08-25

雪冤雪冤
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-05-29


☆女子読み恋愛小説
左京区七夕通東入ル左京区七夕通東入ル
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2009-07-23

くまちゃんくまちゃん
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-03

悲歌  エレジー悲歌 エレジー
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-09-18

アシンメトリーアシンメトリー
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-09-25

ININ
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-05-26

しあわせと勘違いしそうに青い空しあわせと勘違いしそうに青い空
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2009-07

クク氏の結婚、キキ夫人の幸福クク氏の結婚、キキ夫人の幸福
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:2009-10-07

WILLWILL
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2009-10-05

豊島ミホ『リテイク・シックスティーン』幻冬舍から11/27発売
放課後のウォー・クライ放課後のウォー・クライ
価格:¥ 1,200(税込)
発売日:2009-02-19


☆ジャンル別
許されざる者 上許されざる者 上
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2009-06-19
許されざる者 下許されざる者 下
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2009-06-19

フロム・ヘル 上フロム・ヘル 上
価格:¥ 2,730(税込)
発売日:2009-10-10
フロム・ヘル 下フロム・ヘル 下
価格:¥ 2,730(税込)
発売日:2009-10-10

弩
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2009-05-11

徳川家康 トクチョンカガン 上徳川家康 トクチョンカガン 上
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-09-18
徳川家康 トクチョンカガン 下徳川家康 トクチョンカガン 下
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2009-09-18

黒澤明という時代黒澤明という時代
価格:¥ 1,750(税込)
発売日:2009-09-11

思考の整理学 (ちくま文庫)思考の整理学 (ちくま文庫)
価格:¥ 546(税込)
発売日:1986-04-24

球界の野良犬球界の野良犬
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2009-07-24

桜庭ななみ写真集 N・P桜庭ななみ写真集 N・P
価格:¥ 3,150(税込)
発売日:2009-09-10

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)
価格:¥ 680(税込)
発売日:2008-01-12
この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)
価格:¥ 680(税込)
発売日:2008-07-11
この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)
価格:¥ 680(税込)
発売日:2009-04-28

高岡修『火曲』はAmazonでは取り扱っていない模様。
例外社会例外社会
価格:¥ 4,200(税込)
発売日:2009-03-19


☆担当編集者が思わず読みたくなったベスト10の1位
よろこびの歌よろこびの歌
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2009-10-17



感想:『人類は衰退しました』

2009年11月19日 20時34分59秒 | 本と雑誌
人類は衰退しました (ガガガ文庫)人類は衰退しました (ガガガ文庫)
価格:¥ 600(税込)
発売日:2007-05-24


人類が衰退し、妖精さんに地球の主役の座を譲った世界が舞台。人は多くの知識を失い、人口もどんどんと減少している。
教育機関である学舎の最後の卒業生の一人である主人公。彼女は畑仕事より楽だからという理由で調停官という職に就く。それは祖父の職でもある。調停官は人と妖精との調停を行う者。とはいえ、現在では閑職となっている。

集団では驚異のテクノロジーを持ちながら、忘れっぽく自由気ままでただ楽しいことだけを求めて生きる妖精さんたち。個々はとても頭が良さそうには見えないが、ほとんど幼児レベルに見えてしまうが、つい忘れてしまいそうになるが、時々とんでもない能力が垣間見られたりする。

本書はそんな妖精さんたちの観察日記。感覚としては、ポピュラスやシムシリーズなどAIで動く無数の仮想人類が思い浮かんだ。そして、本書はそんなゲームのプレイ日記のように感じる。つまり、他人のブログを読むようなものだ。
そこで大切なものは、楽しく見せる切り口であり、観察者本人の面白さだったりする。クソ真面目なプレイじゃすぐに読むのに飽きる。いかに飽きさせない工夫ができるか。

その意味で、実は妖精さんよりもこの主人公の造型がこのシリーズの鍵を握っていた。本書にはほぼ独立した2話が収録されているが、どちらも主人公が妖精さんたちに接触し、一押ししてその後の反応を書き記すという体裁になっている。主人公のとぼけた味わいが妖精さんたちと上手く絡み合い、楽しめる作品に仕上がっている。

ただし、現時点ではストーリー性は皆無。謎もあるにはあるが、それを解き明かそうという雰囲気はない。エピソードは面白いが、インパクトには欠ける。後に残るような何かがあるわけではない。癒し系と言ってもいいかもしれないが、これで癒されるかは知らない。脱力系SF風ラノベってところだろうか。(☆☆☆☆☆)


感想:『占星術殺人事件 改訂完全版』

2009年11月18日 18時20分49秒 | 本と雑誌
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2008-01-11


初めての島田荘司。もちろん改訂前も読んだことはない。

久しぶりにミステリを読んだという気分になった。やはり、読者への挑戦状あってのミステリ、とまでは言わないが、奇抜なトリックと広言する名探偵、そしてボンクラなワトソン役あってのミステリと本書を読むと言いたくなる。

デビュー作ということだが、仕掛けは見事。
昭和初期の事件を四十数年後に解き明かすという設定、当時の事件の概要を複数の視点から描いた手法、単純なトリックを複雑に見せる技術、どれもよくできている。
発表されたのが1981年で、作品の舞台(現代)が1979年。そういう意味での古さはあるものの、作品の面白さは時代に左右されていない。
事件の時代設定を1936年にしたのは科学捜査を排除したかったからだろうが、携帯電話やインターネットのない時代のめんどくささが浮き彫りになっている点が興味深かった。

読者への挑戦の時点で、第三の事件「アゾート殺人」のトリックと犯人は分かった。
以下ネタバレ。
偽札のトリックを知れば易しい謎だろう。「AZOTH」の書が彼女のものとするならば、第一の殺人も彼女が犯人とすべきだったが、その点と彼女が第一発見者だったことを失念していて間違えた。彼女以外の家族が平吉殺害→それを動機に一枝及び5人の娘殺害という手順を考えたが、先に述べた2点において、彼女の単独犯とする方が妥当だった。第二の事件も暗闇にしたという記述で交換のトリックは予想されたが、誘った段階での入れ替わりにはリスクが大きく、これについてはトリックとしてちょっと疑問の余地を残した。

ヒントが易しかったせいもあり、驚きは得られなかったが、ミステリらしい面白さは端々に感じられて楽しかった。新本格ミステリは綾辻行人をかなり読んだ。(Wikiに掲載されている新本格派ミステリー作家では北村薫、森博嗣の名も挙がっているが、それらの作品を新本格だと感じない。)それ以来という感じで懐かしい想いもした。当面、 御手洗潔シリーズを順に読んでいこうかと思っている。(☆☆☆☆☆☆)

なお、感想を書く際にWikiを見て気付いたが、このトリックは「金田一少年の事件簿」で盗作問題が起きている。コミックは読んでいないしアニメではその話は放映されていないようだが、TVドラマでは恐らく見ていると思われる。読んでいる際にはそのことは全く覚えていなかったし、TVドラマについてもさっぱり記憶していないが、トリックに気付いた原因なのかもしれない。