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2014年10月に読んだ本

2014年11月03日 22時47分24秒 | 本と雑誌
2014年10月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1158ページ
ナイス数:50ナイス

明日の子供たち明日の子供たち感想
スラスラ読めるし、一気に読んでしまうほどおもしろい。ただ有川浩の場合それは当たり前になってしまっている。その上で、全体にぼやけた感じがした。キャラクターを分散させて焦点を合わせないのは意図的なのだろう。ただそれが成功しているようには思えなかった。有川浩だからこそ、もう少し「何か」を期待してしまう。期待しすぎだとは分かっていても。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:10月3日 著者:有川浩
ネットのバカ (新潮新書)ネットのバカ (新潮新書)感想
著者の本を読むのは『ウェブはバカと暇人のもの』以来。ウェブによって世の中が変わるという期待は打ち砕かれ、ネットは大衆化されてより「バカ」の際立つ世界となった。基本的に著者の意見に同意するが、それだけにわざわざ本で読むこともないかと思った。でもネットは特別と思っている、思いたい人が多数いるのかもしれない。別にそれが悪いわけでもないし、そういう人は読まないか。(☆☆☆☆)
読了日:10月16日 著者:中川淳一郎
カレイドスコープの箱庭カレイドスコープの箱庭感想
もうラストとかいう言葉は信用しないことにする(笑)。田口、白鳥、高階のやりとりは相変わらずいいね。著者の作品を数多く読んでいるけど、この掛け合いは絶品。それ以外はアレだけど、まあいつものことだから。もういいやと思いつつ、手を出しちゃうんだよね。(☆☆☆☆☆)
読了日:10月25日 著者:海堂尊
サッカーの新しい教科書 戦術とは問題を解決する行為であるサッカーの新しい教科書 戦術とは問題を解決する行為である感想
誰に向けて書かれたか、ちょっとぼやけた感じ。用語の説明などもう少し整理して欲しかった。日本は経験不足とよく指摘されるが、戦術メモリーが足りてないとよく分かる。日本人はチームスポーツが苦手と感じている(野球はちょっと独特だから)。選手は他のプレーヤーに自分の考えを伝え、理解させる必要がある。伝えることまでできても、ちゃんと伝わったかの確認が不十分に見える。戦術も指導者の一方的な教えではなく、確認作業というフィードバックが十分に機能しているかどうかが大事だしね。(☆☆☆)
読了日:10月26日 著者:坪井健太郎

読書メーター

4冊。少ない。しかし、コミックはもっと少なく、ゼロ。時間はあるはずなのに、どこに消えているのだろう……。




2014年9月に読んだ本
2014年8月に読んだ本
2014年7月に読んだ本
2014年6月に読んだ本
2014年5月に読んだ本
2014年4月に読んだ本
2014年3月に読んだ本
2014年2月に読んだ本
2014年1月に読んだ本

SUGOI JAPAN<エンタメ小説>ノミネート作品

2014年10月28日 20時39分01秒 | 本と雑誌
SUGOI JAPANより、最後はエンタメ小説。「ラノベ」や「エンタメ小説」という名づけ方は軽く感じてしまう。一回きりの打ち上げ花火ってことかね。

■隠蔽捜査シリーズ
宰領: 隠蔽捜査5宰領: 隠蔽捜査5
価格:¥ 1,728(税込)
発売日:2013-06-28

作:今野敏/新潮社

■死神の精度
死神の精度 (文春文庫)死神の精度 (文春文庫)
価格:¥ 605(税込)
発売日:2008-02-08

作:伊坂幸太郎/文藝春秋

■向日葵の咲かない夏
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
価格:¥ 724(税込)
発売日:2008-07-29

作:道尾秀介/新潮社

■夜市
夜市 (角川ホラー文庫)夜市 (角川ホラー文庫)
価格:(税込)
発売日:2008-05-25

作:恒川光太郎/KADOKAWA

■アイの物語
アイの物語 (角川文庫)アイの物語 (角川文庫)
価格:¥ 907(税込)
発売日:2009-03-25

作:山本弘/KADOKAWA

■安徳天皇漂海記
安徳天皇漂海記 (中公文庫)安徳天皇漂海記 (中公文庫)
価格:¥ 741(税込)
発売日:2009-01

作:宇月原晴明/中央公論新社

■失われた町
失われた町 (集英社文庫)失われた町 (集英社文庫)
価格:¥ 771(税込)
発売日:2009-11-20

作:三崎亜記/集英社

■チーム・バチスタの栄光(上・下)
チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)
価格:¥ 514(税込)
発売日:2007-11-10

作:海堂尊/宝島社

■チョコレートコスモス
チョコレートコスモス (角川文庫)チョコレートコスモス (角川文庫)
価格:¥ 843(税込)
発売日:2011-06-23

作:恩田陸/KADOKAWA

■図書館戦争シリーズ
別冊図書館戦争II (図書館戦争シリーズ 6) (角川文庫)別冊図書館戦争II (図書館戦争シリーズ 6) (角川文庫)
価格:¥ 679(税込)
発売日:2011-08-25

作:有川浩/KADOKAWA

■ぼくのメジャースプーン
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)
価格:¥ 832(税込)
発売日:2009-04-15

作:辻村深月/講談社

■夜は短し歩けよ乙女
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
価格:¥ 605(税込)
発売日:2008-12-25

作:森見登美彦/KADOKAWA

■虐殺器官
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
価格:¥ 778(税込)
発売日:2010-02-10

作:伊藤計劃/早川書房

■犬身(上・下)
犬身 下 (朝日文庫)犬身 下 (朝日文庫)
価格:¥ 648(税込)
発売日:2010-09-07

作:松浦理英子/朝日新聞出版

■ミサイルマン
ミサイルマン (光文社文庫)ミサイルマン (光文社文庫)
価格:¥ 669(税込)
発売日:2010-02-09

作:平山夢明/光文社

■八日目の蝉
八日目の蝉 (中公文庫)八日目の蝉 (中公文庫)
価格:¥ 637(税込)
発売日:2011-01-22

作:角田光代/中央公論新社

■告白
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
価格:¥ 669(税込)
発売日:2010-04-08

作:湊かなえ/双葉社

■新世界より(上・中・下)
新世界より(下) (講談社文庫)新世界より(下) (講談社文庫)
価格:¥ 864(税込)
発売日:2011-01-14

作:貴志祐介/講談社

■ダンシング・ヴァニティ
ダンシング・ヴァニティ (新潮文庫)ダンシング・ヴァニティ (新潮文庫)
価格:¥ 555(税込)
発売日:2010-12-24

作:筒井康隆/新潮社

■テンペスト(全4巻)
テンペスト 四巻セットテンペスト 四巻セット
価格:¥ 2,549(税込)
発売日:2011-02-04

作:池上永一/KADOKAWA

■ディスコ探偵水曜日(上・中・下)
ディスコ探偵水曜日〈下〉 (新潮文庫)ディスコ探偵水曜日〈下〉 (新潮文庫)
価格:¥ 843(税込)
発売日:2011-01-28

作:舞城王太郎/新潮社

■東京島
東京島 (新潮文庫)東京島 (新潮文庫)
価格:¥ 637(税込)
発売日:2010-04-24

作:桐野夏生/新潮社

■Another(上・下)
Another (下) (角川文庫)Another (下) (角川文庫)
価格:(税込)
発売日:2011-11-25

作:綾辻行人/KADOKAWA

■天地明察(上・下)
天地明察(特別合本版) (角川文庫)天地明察(特別合本版) (角川文庫)
価格:(税込)
発売日:2014-06-25

作:冲方丁/KADOKAWA

■折れた竜骨(上・下)
折れた竜骨 下 (創元推理文庫)折れた竜骨 下 (創元推理文庫)
価格:¥ 670(税込)
発売日:2013-07-11

作:米澤穂信/東京創元社

■俺俺
俺俺 (新潮文庫)俺俺 (新潮文庫)
価格:¥ 594(税込)
発売日:2013-03-28

作:星野智幸/新潮社

■華竜の宮(上・下)
華竜の宮(下) (ハヤカワ文庫JA)華竜の宮(下) (ハヤカワ文庫JA)
価格:¥ 799(税込)
発売日:2012-11-09

作:上田早夕里/早川書房

■機龍警察シリーズ
機龍警察 未亡旅団 (ハヤカワ・ミステリワールド)機龍警察 未亡旅団 (ハヤカワ・ミステリワールド)
価格:¥ 2,052(税込)
発売日:2014-01-24

作:月村了衛/早川書房

■下町ロケット
下町ロケット (小学館文庫)下町ロケット (小学館文庫)
価格:¥ 778(税込)
発売日:2013-12-21

作:池井戸潤/小学館

■ピストルズ(上・下)
ピストルズ 下 (講談社文庫)ピストルズ 下 (講談社文庫)
価格:¥ 823(税込)
発売日:2013-06-14

作:阿部和重/講談社

■ふがいない僕は空を見た
ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)
価格:¥ 562(税込)
発売日:2012-09-28

作:窪美澄/新潮社

■虚構推理 鋼人七瀬
虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)
価格:¥ 972(税込)
発売日:2011-05-10

作:城平京/講談社

■ジェノサイド(上・下)
ジェノサイド 下 (角川文庫)ジェノサイド 下 (角川文庫)
価格:¥ 691(税込)
発売日:2013-12-25

作:高野和明/KADOKAWA

■天帝シリーズ
天帝のやどりなれ華館天帝のやどりなれ華館
価格:¥ 2,052(税込)
発売日:2013-03-21

作:古野まほろ/幻冬舎

■ラブレス
ラブレス (新潮文庫)ラブレス (新潮文庫)
価格:¥ 680(税込)
発売日:2013-11-28

作:桜木紫乃/新潮社

■残穢
残穢残穢
価格:¥ 1,728(税込)
発売日:2012-07

作:小野不由美/新潮社

■ソロモンの偽証
ソロモンの偽証: 第III部 法廷 下巻 (新潮文庫 み 22-30)ソロモンの偽証: 第III部 法廷 下巻 (新潮文庫 み 22-30)
価格:¥ 907(税込)
発売日:2014-10-28

作:宮部みゆき/新潮社

■双頭のバビロン
双頭のバビロン双頭のバビロン
価格:¥ 3,024(税込)
発売日:2012-04-21

作:皆川博子/東京創元社

■七夜物語(上・下)
七夜物語(下)七夜物語(下)
価格:¥ 2,052(税込)
発売日:2012-05-18

作:川上弘美/朝日新聞出版

■母の遺産 -新聞小説
母の遺産―新聞小説母の遺産―新聞小説
価格:¥ 1,944(税込)
発売日:2012-03

作:水村美苗/中央公論新社

■本にだって雄と雌があります
本にだって雄と雌があります本にだって雄と雌があります
価格:¥ 1,944(税込)
発売日:2012-10-22

作:小田雅久仁/新潮社

■64
64(ロクヨン)64(ロクヨン)
価格:¥ 2,052(税込)
発売日:2012-10

作:横山秀夫/文藝春秋

■皆勤の徒
皆勤の徒 (創元日本SF叢書)皆勤の徒 (創元日本SF叢書)
価格:¥ 1,944(税込)
発売日:2013-08-29

作:酉島伝法/東京創元社

■とっぴんぱらりの風太郎
とっぴんぱらりの風太郎とっぴんぱらりの風太郎
価格:¥ 2,052(税込)
発売日:2013-09-28

作:万城目学/文藝春秋

■ノックス・マシン
ノックス・マシンノックス・マシン
価格:¥ 1,620(税込)
発売日:2013-03-27

作:法月綸太郎/KADOKAWA

■know
know (ハヤカワ文庫JA)know (ハヤカワ文庫JA)
価格:¥ 778(税込)
発売日:2013-07-24

作:野まど/早川書房

■ブラックライダー
ブラックライダーブラックライダー
価格:¥ 2,808(税込)
発売日:2013-09-20

作:東山彰良/新潮社

■ヨハネスブルグの天使たち
ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
価格:¥ 1,620(税込)
発売日:2013-05-24

作:宮内悠介/早川書房

■オービタル・クラウド
オービタル・クラウドオービタル・クラウド
価格:¥ 2,052(税込)
発売日:2014-02-21

作:藤井太洋/早川書房

■東京自叙伝
東京自叙伝東京自叙伝
価格:¥ 1,944(税込)
発売日:2014-05-02

作:奥泉光/集英社




「エンタメ小説」の定義から議論したいようなノミネートの傾向だ。近年のエンタメ小説を代表する作家と言えば、東野圭吾だが選ばれていない。『永遠の0』も不選出。
エンタメと言いつつ、大半がSF系。ミステリもSF色のある作品が多いし、マジックリアリズムやホラーなども含めるとほとんどがそうした傾向の作品である。

エンタメ小説を扱った賞と言えば、本屋大賞が知られている。その大賞受賞作でノミネートされたのは『告白』と『天地明察』のみ。『舟を編む』や『謎解きはディナーのあとで』がノミネートから漏れている。ラノベの時も指摘したが、「ビブリア」も選ばれず。
また最近人気の時代小説はゼロ。「エンターテイメント」の小説はもっと多様だと思うのだが、なんとも偏った選考だ。いっそのこと、「エンタメ小説」ではなく「SF小説」と変えたらどうか。いくつかジャンル外は出て来るが。それなら「天冥の標」入れろ!って言わなきゃいけなくなるだろうけど(笑)。

ちなみに、読んだのは10作品。

2014年9月に読んだ本

2014年10月04日 18時37分17秒 | 本と雑誌
2014年9月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1581ページ
ナイス数:72ナイス

基準値のからくり (ブルーバックス)基準値のからくり (ブルーバックス)感想
日本では論理的に考える訓練が十分に行われているとは言えない。文系のみならず理系ですらそう感じる。それにつけ込むように不安を煽る人々がいる。一部のマスメディアは率先してそれを行っている。本書で語られている内容は有意義だが、日本で論理的にリスクについて議論ができるのか。本書と一般の人々の心情との隔たりは大きい。それを埋めていく方法論がいま求められているのだろう。(☆☆☆☆☆)
読了日:9月5日 著者:村上道夫,永井孝志,小野恭子,岸本充生
魔法科高校の劣等生 (14) 古都内乱編 (上) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生 (14) 古都内乱編 (上) (電撃文庫)感想
「さすおに」は下巻に持ち越しって感じだが、やはり上下巻くらいの緩い展開の方がこの作品には合っている。13巻は余裕がなくてストーリーしか描けてなかったしね。ストーリーはベタなので、その端々にあるエピソードを楽しむのが基本。サブキャラが非常に多いのでその生き残りレースとして見るのも面白いけど(笑)。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:9月10日 著者:佐島勤
ルポ 電王戦―人間 vs. コンピュータの真実 (NHK出版新書 436)ルポ 電王戦―人間 vs. コンピュータの真実 (NHK出版新書 436)感想
第3回電王戦までのコンピュータ将棋の歴史をうまくまとめている。棋譜や難しい用語は使わず、初心者には読みやすい内容だろう。今は、人の方がミスを犯しやすいから負けることが多いという状況だと思っている。ただ、ソフトの欠点を突く勝負を見たいとも思わないので、電王戦の今後のあり方は難しいだろう。新書ということもあり、そういった踏み込んだ内容ではなく、概略を知るのに適した本だと言える。(☆☆☆☆)
読了日:9月11日 著者:松本博文
官能教育 私たちは愛とセックスをいかに教えられてきたか (幻冬舎新書)官能教育 私たちは愛とセックスをいかに教えられてきたか (幻冬舎新書)感想
先に読んだ『男子の貞操』が100という理想に近付こうとする内容だったのに対して、本書は100を越えた先の話。『男子の貞操』の副題の「僕ら」に含まれていないと感じた私にとっては、本書の副題の「私たち」は異世界の存在のように見える。一夫一婦制や結婚というシステムが時代に応じて変化していくのは当然だろうが、その前提となる人々の意識は今の日本ではかなり保守的に感じるので、劇的な変化は相当先になるように感じてしまう。あと、新書だからか知らないが、説得力のある論理性は感じず。(☆☆)
読了日:9月12日 著者:植島啓司
晴れた日は図書館へいこう ここから始まる物語 (ポプラ文庫ピュアフル)晴れた日は図書館へいこう ここから始まる物語 (ポプラ文庫ピュアフル)感想
日常の謎ではあるが、謎は必要なのかと感じてしまう。謎のためにキャラクターを動かしているように見えると少し興ざめ。「日常」成分がまだまだ足りないように思う。おもしろいだけに、もったいない印象。(☆☆☆☆☆)
読了日:9月19日 著者:緑川聖司
一〇年代文化論 (星海社新書)一〇年代文化論 (星海社新書)感想
ディケイドで時代の特徴をつかもうとするのはいい。「残念」という概念に新たな要素が加わったことも確かだろう。ただこの本で語られていることは、若者文化の中でもごく一部だし、「残念」にこじつけたと感じるところも多かった。それが著者の信じた「物語」なのだろうが、そういう物語性から脱却することが21世紀的な視点だと私は思っている。(☆☆☆)
読了日:9月20日 著者:さやわか

読書メーター

6冊。下旬に体調崩したりしたので、伸びず。文庫・新書ばかりとなった。

『一〇年代文化論』は「残念」の新たな概念の広まりをキーとした現代文化論。着眼はおもしろいが、説得力不足の印象。ちなみに、2010年5月に「残念系美少女」という記事を書いた。本書ほどの積極的意味を見出してはなかったが、サブカルにおける新たなヒロイン像の構築としてはひとつのジャンルとなっているように思う。

今更ながら論理性の乏しさを強く感じることがある。ネット上の文章にそれを求めるのもどうかと思うが、新書などだけでなく新聞やTVなどでもさほど変わらない印象だ。
日本語が論理に向いていないという主張もあるが、私は教育が十分になされていないせいだと思っている。言葉を厳密に定義した上で論理を組み立てる訓練は学校で受けた記憶がない。最近は知らないが、昔はそうだった。私自身も論理性においては未熟もいいところだと感じている。
みながみな高い論理性を身に付けるなんてことは理想論だが、日本では実のある議論がほとんどなく、時間と労力の無駄遣いになっている。生産性の低さを高い勤勉性で補っているとしたら、勤勉であることはいいことなのか、みたいな。労働時間の長さがツケとして社会のあちこちに影響を与えているわけだしね。論理性と生産性は完全なイコールではないけれど、関係はあるし。
ネット以上にTVが、そうした論理性を高めることに対する障壁のように感じるのは前からだけど、TVに何かを求めてももう無理だろうし。生産性が低くても忠実で勤勉な人々を大量生産したほうが良いという社会モデルが戦後に作られ、いまだにそれを崩せていない。ゆとり教育や能力主義・成果主義も新たなモデルになりえていない。まあ年取った人は逃げ切れるからね。苦労するのは若者。当事者がどうにかしようとしなければ、誰かが助けてくれるわけもなし。
戯言だけど。




奇天の本棚 - 2014年09月 (3作品)
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わずか3冊。




2014年8月に読んだ本
2014年7月に読んだ本
2014年6月に読んだ本
2014年5月に読んだ本
2014年4月に読んだ本
2014年3月に読んだ本
2014年2月に読んだ本
2014年1月に読んだ本

2014年8月に読んだ本

2014年09月01日 23時54分41秒 | 本と雑誌
2014年8月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1878ページ
ナイス数:89ナイス

プロ野球向上委員会 (新書y)プロ野球向上委員会 (新書y)感想
雑談。ふたりの頭の中にオリックスというチームは存在していない模様(佐藤達の名前は出たけどw)(☆☆)
読了日:8月1日 著者:野村弘樹,仁志敏久
教場教場感想
『傍聞き』よりは面白く読めた。連作短編という形式をうまく利用した印象。ただそれ以上の何かがあるとも感じない。エンターテイメントとしては、それで十分とも言えるわけだが。(☆☆☆☆)
読了日:8月12日 著者:長岡弘樹
櫛挽道守櫛挽道守感想
木内昇は6冊目(小説は5冊目)になるが、その中ではもうひとつに感じた。キャラクターの考え方が江戸末期というより明治中期とかそんな感じがしたこと。主人公含めどのキャラクターも自分のことしか考えてないように見えたこと。職人の技の描写が物足りないことや、時代の出来事と無理に絡ませようとし過ぎている印象を受けたことなどもその理由だ。主人公の視点の使い方の巧みさはさすがなんだけどね。(☆☆☆☆☆)
読了日:8月20日 著者:木内昇
男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書 1067)男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書 1067)感想
タイトルが「男子の貞操」だけにツッコんだら負けかなって思ったが・・・。現状認識はそう問題ないのだが、一足飛びの結論という印象。きれい事が並んだ道徳の教科書で世界が良くならないのと同じように、ここに描かれた理想論は著者のマスターベーションにも感じられ、読むのが苦痛だったところもあった。私が、副題の「僕ら」に含まれていないから尚更なんだろうけど。(☆☆☆)
読了日:8月22日 著者:坂爪真吾
雨の降る日は学校に行かない雨の降る日は学校に行かない感想
正直、食傷。「特別」でないと物語にならないとしても、もっと「普通」の子を描いてみせてよ。視点を替えた「プリーツ・カースト」は主人公の内面が描けてないのが残念。「死にたいノート」「放課後のピント合わせ」が印象に残る程度。学園ものとしての上手さはあるんだけど、物足りなさの方が勝る感じかな。(☆☆☆☆)
読了日:8月22日 著者:相沢沙呼
美雪晴れ―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)美雪晴れ―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)感想
シリーズ完結直前ということで、いろいろと事態は良い方向に進んでいる。これまで積み上げたものがあるからこその予定調和。最終巻を読むのが楽しみだ。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:8月29日 著者:高田郁
歴史人口学で読む江戸日本 (歴史文化ライブラリー)歴史人口学で読む江戸日本 (歴史文化ライブラリー)感想
非常に面白かった。ある程度の予備知識はあったが、イベント・ヒステリー分析や中央日本・東北日本・西南日本という地域差の話は興味深かった。気候変動と世帯レベルでの合理的な行動など様々な科学分野との関連性も大切だとよく分かった。現在の日本の少子化との関連はともかく、江戸時代の日本の姿を知るためには最も重要な研究分野だと感じる。(☆☆☆☆☆☆☆)
読了日:8月30日 著者:浜野潔

読書メーター

7冊。「2014の夏、艦これの夏」って感じで本を読む時間があまり取れず。

小説は『美雪晴れ』を別としてもうひとつコレというものはなし。

印象に残ったのは、評価は異なるが『男子の貞操』『歴史人口学で読む江戸日本』の二冊。

『男子の貞操』は性機能ケアサービスを行う団体の代表が著者。「性の公共」を掲げ、様々な活動をしている。性風俗の現場・現実に対する理解、これまでタブーとして語られなかった性の問題をはっきり語る姿勢などは共感・支持できる。
感想でも書いたように、この本に書かれているのはその前提から一足飛びに掲げられた理想だ。現実の活動は理想通りには行かないので、あえて理想を掲げるということは正しい。ただそれによって、この本は道徳の教科書のようなものになってしまった。
何事でもそうだが、現実から理想への過程をどう言葉で描いていくのか。

で、ラブコメなどを通して見る男性が女性を(あるいは女性に)求める視線。フィクションにおいてヒロインを主人公と対等のパートナーとして描くことはまれで、ほとんどは母親的な存在として描かれている。こうした母親像は明治中期頃から生まれた「良妻賢母」思想によって形作られたと思われる。この思想は女性の社会参画のひとつの手法として広まったものだが、それが今では女性の負担になっている。
『男子の貞操』の中でも女性を対等のパートナーとして考え、それを前提としたセックスや性風俗のあり方を希求しているが、理想論にしか見えてこない。

『歴史人口学で読む江戸日本』はその名の通り歴史人口学による江戸時代の研究成果が描かれている。歴史人口学は単に人口の推移を求めるだけでなく、人々がどう生まれ、どう死ぬか、つまりはどう生きたかを知ろうとする学問だ。
特に出産に関する行動様式が環境にいかに左右されるのかは興味深かった。例えば、中央日本の西条村(岐阜県)の初婚年齢は、満年齢で男性27歳、女性21歳程度。現在の日本の状況からすれば早いが、早婚とまでは言えない年齢だ。一方、東北日本の仁井田村(福島県)では男性18歳、女性13歳と明らかな早婚で、特に記録が残る最初の18世紀中期はより若かった。
その理由としてこれまで「後進的」だったからとされてきたが、本書によると江戸期に気候が寒冷化し、その被害を最も受けた東北日本で「世帯内生産年齢人口比率」を安定化し、生き抜くために合理化された行動だったとしている。

江戸時代は人口的には「停滞」していた(実際は地域ごとのばらつきなどあって停滞とは一概に言えないが)。その状況を打破し、人口増へと繋がったのは開国による貿易の促進だった。経済的なパイが大きくなると人口増へ繋がる。当たり前と言えば当たり前のことだ。
現代日本の少子化対策で最も効果的なのはかなりの好景気だろうが、誰もが恩恵を得られるほどの好景気が訪れるとはもはや考えにくい。
そういった少子化対策という視点でなく、人の生き方を考えるという意味でも歴史人口学から学べることはあるように感じる。




奇天の本棚 - 2014年08月 (13作品)
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ここに挙げてはいないが、『ああっ女神さまっ』を最終巻まで。何巻から読んでなかったのか記憶が曖昧で、再読してもよく分からず(汗。たぶん33巻以降だと思うのだが。

感想も書くつもりだが、なかなかまとまらなくて棚上げになっている。機会があれば……。

野球マンガでは『ラストイニング』『おれはキャプテン』が完結。『ラストイニング』は妥当な終わり方。『おれはキャプテン』はちょっと書き手が飽きてきたって感じ。どちらも野球マンガらしくて面白かった。




2014年7月に読んだ本
2014年6月に読んだ本
2014年5月に読んだ本
2014年4月に読んだ本
2014年3月に読んだ本
2014年2月に読んだ本
2014年1月に読んだ本


2014年7月に読んだ本

2014年08月03日 20時50分57秒 | 本と雑誌
2014年7月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2925ページ
ナイス数:57ナイス

【Amazon.co.jp限定】ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア2 書き下ろし4PリーフレットSS付き (GA文庫)【Amazon.co.jp限定】ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア2 書き下ろし4PリーフレットSS付き (GA文庫)感想
おもしろいのは、もちろん、おもしろい。ただ、本編に比べると、「ありがち」な感じがしてしまう。求めるものが高くなってしまっているせいもあるのだけれど。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:7月2日 著者:大森藤ノ
RAIL WARS!―日本國有鉄道公安隊 (創芸社クリア文庫)RAIL WARS!―日本國有鉄道公安隊 (創芸社クリア文庫)感想
キャラ立てはライトノベルらしい感じだけど、手堅いエンターテイメントとしてよく書けているね。アニメ化向きって思えるだけに、アニメも楽しみ。(☆☆☆☆☆)
読了日:7月3日 著者:豊田巧
RAIL WARS!〈2〉日本國有鉄道公安隊 (創芸社クリア文庫)RAIL WARS!〈2〉日本國有鉄道公安隊 (創芸社クリア文庫)感想
キャラクターやストーリーがお約束でもエンターテイメントとして成立するという見本のような作品。伏線とか教科書通りで絶対にひねらないところとかゲーム的と言えるかもしれない。どこで楽しませるかのツボが大切ってことね。(☆☆☆☆☆)
読了日:7月3日 著者:豊田巧
RAIL WARS!〈3〉日本國有鉄道公安隊 (創芸社クリア文庫)RAIL WARS!〈3〉日本國有鉄道公安隊 (創芸社クリア文庫)感想
前半の展開はかなり強引に感じたが、後半のアプト君は盛り上がった。ここは特に映像で見てみたいよね。アニメに期待。(☆☆☆☆☆)
読了日:7月4日 著者:豊田巧
RAIL WARS!〈4〉日本國有鉄道公安隊 (創芸社クリア文庫)RAIL WARS!〈4〉日本國有鉄道公安隊 (創芸社クリア文庫)感想
ちょっとワンパターンになってきて、飽きてきたかなあ。どんなご都合主義でもいいんだけど、読んでるさなかはそれを忘れさせてくれる「芯の部分」が欲しい。高山はともかく、桜井や岩泉がなあ・・・。「軽い」ならいいけど、「薄く」感じてきたのが辛いところ。(☆☆☆☆)
読了日:7月4日 著者:豊田巧
RAIL WARS!〈5〉日本國有鉄道公安隊 (創芸社クリア文庫)RAIL WARS!〈5〉日本國有鉄道公安隊 (創芸社クリア文庫)感想
アニメ1話を見てがっかりし、原作読んでも更にがっかり。主人公が絶体絶命のピンチに陥ると、空からご都合主義の神様が降りてきてなんでも解決してくれる。そんな手抜きを平気でできるようになると、ストーリー性はゴミ以下になる。鉄オタなら別かもしれないが、個々のエピソードが特段おもしろいってわけでもなし、ストーリーで見せ場作れないんじゃ読む価値がなくなってしまう。残念。(☆☆)
読了日:7月8日 著者:豊田巧
MM9-destruction- (創元日本SF叢書)MM9-destruction- (創元日本SF叢書)感想
やはり1巻の気特対の活躍を描いた頃の方が良かった。物語そのものの出来が悪いわけではないが、新鮮味は感じられない。「ウルトラQ」の限界みたいなものなのか?神話世界を生かすなら、もっと奇抜で突飛な展開があってもよかったような。(☆☆☆☆☆)
読了日:7月15日 著者:山本弘
忘れ物が届きます忘れ物が届きます感想
大崎梢にミステリは期待していない。と言うと言い過ぎになるが、短編ミステリでは著者の良さがあまり感じられなかった。ミステリの定型に押し込んでいるような印象も受けた。「野バラの庭へ」なら、告別式あたりで終わっても良かったのでは。(☆☆☆)
読了日:7月19日 著者:大崎梢
校閲ガール校閲ガール感想
校閲とは渋いところを・・・と思ったけれど、校閲である必然性はあまり感じず。おもしろく読めたので、いいんだけど。「人は見た目が9割」なんて本もあるけど、実際に身だしなみやファッションを含めて外見でその人となりは表れているとは思う。それを読み取る力があれば、だけど。主人公はそういうリテラシーはかなり高い感じ。ただそれで「イケメン」に一目惚れすることに納得できるかというと微妙な感じもして・・・。この世にいい男は「イケメン」か「オカマ」しかいないという真実を照らし出しているとも言えるけど(笑)。(☆☆☆☆☆)
読了日:7月23日 著者:宮木あや子
ゴースト≠ノイズ(リダクション) (ミステリ・フロンティア)ゴースト≠ノイズ(リダクション) (ミステリ・フロンティア)感想
ミステリと思って読んだら、ただのライトノベルだった。そう悪くはないが、もう少し終盤の見せ方に工夫が欲しかった。全体の構成やキャラクターの立て方など、ケチをつけたくなる要素はいろいろとあるが、凡庸というのが最大の欠点。なにかコレってのがあれば良かったのだけれど。(☆☆☆☆)
読了日:7月25日 著者:十市社

読書メーター

10冊。半分が『RAIL WARS!―日本國有鉄道公安隊』。お気楽なエンターテイメントで、3巻くらいまではメリハリもあって良かったのだけど、徐々に読むのが辛くなってきた。TVアニメもアレだし、いろいろと残念。




奇天の本棚 - 2014年07月 (7作品)
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7冊。

読んだ本はさておき、『ああっ女神さまっ』が完結したことを知って感慨深かった。全48巻。30巻過ぎくらいまでは追いかけていた。
ハーレム系ラブコメは、『うる星やつら』を起点に『ああっ女神さまっ』と『天地無用!魎皇鬼』によってスタイルが確立したと思っている。メインヒロインが一人か二人かで、作品の構造がかなり異なる。

ヒロインが一人のパターンは、『翔んだカップル』『タッチ』などのラブコメの王道にサブヒロインを増やしたもの。男性主人公を描きやすいが、ヒロインが空気化しやすい。
ヒロインが二人のパターンは、『きまぐれオレンジロード』が代表作。三角関係がメインとなるため、ストーリーの展開は広がりやすい。男性主人公が空気化しやすい一方、ヒロイン同士のやりとりは描きやすい。

ハーレム系ラブコメは、数多くのヒロインが登場するといっても、メインクラスは一人か二人というものが多い。『ああっ女神さまっ』はあくまでもベルダンディが特別な存在であり、『天地無用!魎皇鬼』は魎呼と阿重霞の二人がメインとなっている。

3人以上を等価にメインヒロインに据える作品は多くない。『涼宮ハルヒの憂鬱』は3人がほぼ等価だが、この作品では主人公とヒロインの一対一の関係があるだけで、ヒロイン同士の繋がりが希薄だ。
『ハヤテのごとく!』の場合はメインとサブの境界が曖昧なのが特徴だろう。主人公との関係よりもヒロイン同士のやりとりで展開させるユニークな印象を受けている。

このあたりをもう少しまとめて記事を一本書きたかったが、最近の傾向に疎いのでなかなか難しい。とりあえず『ああっ女神さまっ』を最後まで読めたらいいな。




2014年6月に読んだ本
2014年5月に読んだ本
2014年4月に読んだ本
2014年3月に読んだ本
2014年2月に読んだ本
2014年1月に読んだ本


ひとめ惚れ

2014年07月24日 21時46分40秒 | 本と雑誌
『校閲ガール』の主人公は24歳女性。そんな彼女がコーヒーショップで偶然見かけた男性に恋をする。その理由は、イケメンだから。

彼女は子供のころからファッション雑誌の愛読者で、自分に対しても他人に対してもファッションに対する感覚は鋭い。くだんの男性も駆け出しとはいえファッションモデルだった。

『人は見た目が9割』なんて本もあったが、実際に身だしなみや服装を含めた外見にその人となりは如実に表れるものだ。外見を装うことなんてくだらない、内面を磨けなんていうのは、妄言といっていい。

だから、主人公がひとめ惚れすることに異議はない。異議はないのだが、ひっかかりはある。
その後ふたりは知り合いとなり、恋が実りそうなところで終わる。その中で男性の内面が描かれることはない。その人となりすらほとんど描かれない。主人公が好きになった理由もイケメンだからだったと自分自身で納得している。




最近の少年向けライトノベルやラブコメ系コミックで、主人公がひとめ惚れする場面が思い浮かばない。これらは、「主人公」だから無条件で周囲のヒロインに好意を持たれるため、主人公が積極的に好きになった相手にアプローチするという展開がほとんどない。

ヒロインがあまりに絶世の美女だった場合、主人公が気後れしたり、釣り合いが取れているか気にすることがあると思う。俺TUEEE系の主人公であればともかく。

男性がヒロインに求めているのは、かわいいことは絶対条件だが、容姿よりも関係性であったり、なにより「無条件に自分を愛してくれるという母親の代わり」的なものだったりする。




「現代日本のエンターテイメントでは、男の子が空から降ってきた美少女にすべての願いを叶えてもらうのはありだけど、女の子はすべて自分で道を切り開かなきゃ許されない。男がヘタレという事実をみなが気付いているから・・・。」と先日ツイートした。

男がヘタレでマザコンでもいいという女性もいるにはいるだろうが、多くの女性はいまの日本の男性に幻滅しているんだろうなとは思う。

『校閲ガール』で主人公の同世代の女性が男性に求めているのはカネと容姿。身も蓋もないけれど、それくらいしか求めるものがない。

この本の中に出てくる男性で、「いい男」と呼べるのは、イケメンの彼と、主人公の先輩のゲイ(?)のふたりだけ。作品的にファッションセンスのない人物はバッサリ切られるのでより顕著だが、現在の日本社会の縮図としては正しい感じもする。




ただ以前Twitterで見かけたのだけれど、「スーフリ」のような(そこまでひどくなくても)男たちを、男なら見た目である程度判別できるが、女にはできないという話があった。

外見から、その人となりや所属する集団を識別するリテラシーは同性に対しての方が高くなると思う。服装などは異性に対してであっても、それをよく見ているのは同性の方だ。経験を積んでいけば、異性の外見へのリテラシーも向上するのだろうが、若いうちは限界があるだろう。




カネもない、容姿も恵まれない男は、生きる価値がないのが現在の日本だ。そのためのオタク産業であるとも言える。

私のオタクの定義は、異性に対する外見的(あるいはそれ以外の)努力よりも自分の趣味に時間・労力・お金をかける人というもの。実際には、イケメンでなくてもモテる方法はあるが、どちらにせよ、何もせずに愛されるなんて幻想は、大金持ちか美形かでなければありえないという、当たり前の話に行き着く。

というか、「リア充、爆発しろ!」って結論しかないよねw




以前、宮下奈都『スコーレNo.4』を読もうとした。主人公の中学、高校、大学、就職という4つの時期を描いた作品なのだが、最初の中学時代までしか読めなかった。

主人公はひとりの少年にひとめ惚れする。遠くから見て、一瞬で射ち抜かれるように。

それだけのこと。だけど、どうしても主人公に気持ちが寄り添えなくなってしまった。

描き方などに引っ掛かりがあったのかもしれないが、続けて読もうという気持ちは失せてしまった。

ひとめ惚れしたことがないから?

それでもフィクションとして書くのはありだと思うのだけれど、この作品だけは割り切れなかった。それだけよく描けていたからなのかもしれない。

結局、「リア充、爆発しろ!」と呪詛を吐くしかないわけだが。


2014年6月に読んだ本

2014年07月01日 20時06分17秒 | 本と雑誌
2014年6月の読書メーター
読んだ本の数:1冊
読んだページ数:289ページ
ナイス数:41ナイス

上岡龍太郎 話芸一代上岡龍太郎 話芸一代感想
TVのバラエティを見なくなって久しくなるが、「話芸」を感じる機会が減ったことも一因だろう。伝統芸能を除く、芸や笑いへの扱いの軽さには昔から不満を感じていた。批評もなく、ただ消費するだけではすぐに廃れていく。なにごとも。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:6月13日 著者:戸田学

読書メーター

ハハハ。わずか1冊。

ワールドカップの真っ只中だもの。仕方ないじゃないか!




奇天の本棚 - 2014年06月 (3作品)
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コミックも3冊のみ。




2014年5月に読んだ本
2014年4月に読んだ本
2014年3月に読んだ本
2014年2月に読んだ本
2014年1月に読んだ本


2014年5月に読んだ本

2014年06月01日 13時37分22秒 | 本と雑誌
2014年5月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:853ページ
ナイス数:69ナイス

ガンコロリンガンコロリン感想
濃淡はあれ、桜宮サーガ色の付いた4編よりも、筒井康隆っぽさを感じた「ランクA病院の愉悦」が印象深い。現代日本の価値観の極みのようなものかもしれない。「健康増進モデル事業」「ガンコロリン」は面白かったが、独創的とは言い難い。「被災地の空へ」はユニークな切り口だが、極北シリーズは未読なので分かりづらかった。(☆☆☆☆☆)
読了日:5月2日 著者:海堂尊
晴れた日は図書館へいこう (ポプラ文庫ピュアフル)晴れた日は図書館へいこう (ポプラ文庫ピュアフル)感想
いちおう日常の謎だけど緩め。でも、もっと緩やかでいいと思う。連作短編最終話で「まとめ」ちゃったなあという印象。番外編はおもしろかった。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:5月8日 著者:緑川聖司
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 5 (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 5 (GA文庫)感想
圧倒的。あえて言おう。日本のファンタジーRPGの歴史はこの一冊のためにあったのだと!(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)
読了日:5月15日 著者:大森藤ノ

読書メーター

4月に38冊読んだ反動か、5月はわずか3冊。アニメやゲームに時間を費やしたせいでもある。

読書メーターに登録するようになって、それとは別に星評価をつけている。772冊目にして初の☆9つが出た。シリーズものなので、より高めの評価になってはいるが、読書メーターに書いた感想はいまも揺るがず。
6月には外伝2巻が刊行予定。本編5巻では、戦闘シーンのなかったアイズたんの活躍に期待(笑)。




奇天の本棚 - 2014年05月 (9作品)
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コミックは9冊。定番ばかり。

「おお振り」は”母親”目線的高校野球といった感じがあって、独特さは強いのだけれど、野球そのものの描写にかんしては『ダイヤのA』『おれはキャプテン』『ラストイニング』といったストレートな野球マンガに見劣りする。好みの問題でもあるが、ちょっとね。




2014年4月に読んだ本
2014年3月に読んだ本
2014年2月に読んだ本
2014年1月に読んだ本


ゲーム系ファンタジーの到達点としての「ダンまち」

2014年05月16日 20時59分00秒 | 本と雑誌
子供から大人へと、人は成長する。肉体的にも。精神的にも。

しかし、思春期以降、ある程度成熟してから、人は成長するのか。

もちろん、外的環境、社会人となり、結婚し、子供を持つといったことに、適応していくだろう。それが成長と呼べるのかどうかはともかく。

昔は、立派な大人になることが求められた。そこに段階的に近づいていくことが成長と言えた。
価値観が多様化している現代において、立派な大人像もまた多様化している。誰もが認めるような、社会的に成功し、家庭でも役割を担い、地域においても活動し、博識多才で趣味も豊富、健康で真面目、ウィットに富み、友人が多く……と、そんなスーパーマンに誰もがなれるわけではない。それを目指している人が多いのかどうか分からない。

フィクションにおいてさえ、そこまでの大人はファンタジーすぎる。段階的に近づいていく様を思い浮かべることさえ難しい。
フィクションにおいて、成長を描くことは本当にむつかしい時代だ。




ゲームは当初、スポーツと同じようにプレイヤーの成長が求められた。繰り返しプレイすることで少しずつ上手くなる。その過程こそが楽しみと言えた。

今でもそんなアクション系のゲームは存在するが、RPGの登場以降プレイヤーではなくゲーム内のキャラクターが成長するゲームが特に日本では主流となった。

多くは時間さえかければ強くなる。手軽に成長を実感できる。それが受けた。

先日、記事の中でゲーム系ファンタジーについて書いた。決して新しいジャンルというわけではないが、最近ライトノベルで非常に目立っていると。

フィクションにおいて、成長を描くことは本当にむつかしい。ならば、RPG的な要素を取り入れることで、RPG的成長を描けばいい。ゲーム的な要素を取り入れる理由は様々だが、そのひとつにRPG的な成長を成長として描くというものがある。

その現時点での到達点が「ダンまち」こと『ダンジョンで出会いを求めるのは間違っているだろうか』だ。

ダンジョンRPGの世界をファンタジー小説化した設定。レベルやステータスの存在を設定に取り込んでいる。だが、この作品の魅力はそんな設定にあるのではない。

ライトノベルらしい多数の魅力的なキャラクター。特に、人間だけでなく、エルフや神様に多彩なキャラクターを配置している。それでも、この小説の肝はそこではない。

ウィザードリィなどのダンジョンRPGや、FF11、PSOなどのMMO、MORPGにハマった人なら、この作品に引きずり込まれるかもしれない。そこにある冒険の香りと、RPG的な強さへの憧れ。

読書メーターの感想にこう書いた。「圧倒的。あえて言おう。日本のファンタジーRPGの歴史はこの一冊のためにあったのだと! 」

エンターテイメントに成長の苦悩なんて別にいらない。嘘っぱちでも、楽しませてくれる成長の物語こそが最高のエンターテイメントだ。

私は物語性を求めない。非物語的なフィクションを好んでいる。そうした方向性をより志向した作品を評価している。
それでも、この物語の持つ魔力を否定はできない。こうした物語に出会ってしまうから、主人公の成長に引き込まれてしまうから、たいていの物語をミソクソに貶していても全てを否定することはできない。




ストーリーは王道中の王道。先の展開がすぐに読めるが、あえてひねらないところが良い。1巻2巻のうちはまだいろいろと粗さがあったが、書き手もまた成長している印象だ。

ライトノベルでは、どんどんとスケールアップすることで見せた『羽月莉音の帝国』や、伏線の一気の収束で引き込まれた「戦う司書」シリーズ、高い完成度を誇った『ソードアート・オンライン(アインクラッド編)』、古典的な正統派ストーリーの『フルメタル・パニック!』や『スレイヤーズ!』、バカバカしくも熱い『ベン・トー』など素晴らしい作品に出会ったが、それに勝るとも劣らない。

ゲーム系ファンタジーというだけでなく、ライトノベルとしてもひとつの到達なのかと感じている。マイナーレーベルだけどw

【Amazon.co.jp限定】ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 5  書き下ろしSS付き4Pリーフレット付き (GA文庫)【Amazon.co.jp限定】ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 5 書き下ろしSS付き4Pリーフレット付き (GA文庫)
価格:¥ 702(税込)
発売日:2014-05-15



2014年4月に読んだ本

2014年05月01日 23時03分54秒 | 本と雑誌
2014年4月の読書メーター
読んだ本の数:38冊
読んだページ数:12636ページ
ナイス数:130ナイス

大日本サムライガール 7 (星海社FICTIONS)大日本サムライガール 7 (星海社FICTIONS)感想
これまで順風満帆だったが、大詰め間近となりいよいよ試練のときに。姿の見えない敵とどう戦うかというのは面白そうだけど、それをどう描くのか。早く続きが読みたいね。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月1日 著者:至道流星,まごまご
福家警部補の報告 (創元クライム・クラブ)福家警部補の報告 (創元クライム・クラブ)感想
福家の初めてとも言える大きなミスや宿敵になりそうな存在の登場と、シリーズならではの展開が目立つ一冊。いくつかグッとくるような福家のセリフもあるのだが、内面を描写できない作劇上キャラクターの魅力が十分に描けているかというと物足りなさがある。どうしてもスーパーマンになっちゃうんだよね。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月4日 著者:大倉崇裕
魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)感想
アニメ放送前に駆け込みで。文章、キャラクター、設定、ストーリー、どれも取り立てて際立っているようには感じない。いかにも、”俺TUEEEE”だし。ただ巧いとまでは言わないが、読者の興味をうまく引っ張る術があって、ライトノベルには珍しい印象を受けた。とりあえず上巻だけ読むつもりが一気に下巻まで読んでしまった(笑)。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月5日 著者:佐島勤
魔法科高校の劣等生〈2〉入学編(下) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈2〉入学編(下) (電撃文庫)感想
”俺TUEEEE”主人公の「謎」でストーリーを牽引する形式は小池一夫的。主人公だけでなく周りまで強いことには辟易する部分もあるけれど、願望充足系エンターテイメントにいろいろツッコミ入れても仕方ないか。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月5日 著者:佐島勤
世界に通用する セレッソ大阪の「育て勝つ」流儀世界に通用する セレッソ大阪の「育て勝つ」流儀感想
『セレッソ・アイデンティティ』より、より現場に近い立場からのセレッソ本。目先の結果ではなくクラブ哲学を貫き通すことを掲げ、その成果が実を結ぼうとしている。Jリーグを盛り上げるためにもセレッソは強くならなければならないと改めて感じた。レヴィー・クルピとのエピソードなど著者しか描けない内容も多く、セレッソファンには必読の書と言えるだろう。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月6日 著者:梶野智
ノーゲーム・ノーライフ1 ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです (MF文庫J)ノーゲーム・ノーライフ1 ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです (MF文庫J)感想
ゲーム系ファンタジー世界観と俺TUEEEE系主人公という組み合わせはよくあるスタイルで、もはや一ジャンルになっている感じ。バトル部分の面白さがウリになるのかと思っていたが、正直微妙。ただキャラクターや設定のシンプルさは悪くはない感じで、もう少し読んでみたいかな。(☆☆☆)
読了日:4月7日 著者:榎宮祐
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか4 小冊子付き限定版 (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか4 小冊子付き限定版 (GA文庫)感想
いまいちばん続きが読みたくなる作品。この4巻は踊り場的だったが、熱さは相変わらず。チートな成長速度だけど、この主人公なら許せるってキャラ造型だしね。短編も広がりがあっていい感じ。(☆☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月8日 著者:大森藤ノ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア 小冊子付き限定版 (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア 小冊子付き限定版 (GA文庫)感想
本編が白兎の成長奇譚であるのに対して、こちらはダンジョンの謎の解明に進むのかな?という感じ。強すぎるアイズだけど、周りのキャラクターとの絡みが良く描かれていて楽しく読める。本編ともども早く続きが読みたいね!(☆☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月9日 著者:大森藤ノ
魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編(上) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編(上) (電撃文庫)感想
俺TUEEEEの限界に挑むって感じの「大物」ぶりはある意味すがすがしいくらい(笑)。魔法理論とかちょっと薄い感じだけど、ラノベだとこれくらいになっちゃうのかな。手を広げすぎて薄さが目立つのが気になるけど、ノリでなんとか読ませているって印象。そのノリが持続できればエンターテイメントとしては十分なんだけど。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月10日 著者:佐島勤
魔法科高校の劣等生〈4〉九校戦編(下) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈4〉九校戦編(下) (電撃文庫)感想
12章は事後にそれとなく匂わせるような書き方がいいかなと思ったが、主人公のダークさをより印象付ける効果を狙ったのかな。何かあってから動くよりも起きる前に動くのが当然なんだけど、それだと物語にならないしねー(笑)。目立ちすぎる点といい、主人公の性格によって行動が決まるのではなく、物語の要請によって決まっているのが目に付くけど、あんまり細かなツッコミは野暮か。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月10日 著者:佐島勤
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (1) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (1) (電撃文庫)感想
最近のライトノベルっぽくないファンタジー。怠惰な主人公像は掃いて捨てるほどいるし、どうしてもヤン・ウェンリーと重なる面が多い。ただラストで提示された目的はなかなかユニークで興味深いものだった。このラノで推されるほどとは思わないが、続きを読みたいとは思わせる内容。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月11日 著者:宇野朴人
魔法科高校の劣等生〈5〉夏休み編+1 (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈5〉夏休み編+1 (電撃文庫)感想
なんというか、まあラノベらしいというか。キャラ造型が浅くて学芸会っぽくなっちゃうのは仕方ない。むしろそれでも読ませるものがあると評価すべきなのかも(笑)。最強の兄妹のイチャイチャを楽しむ作品だしね。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月12日 著者:佐島勤
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (2) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (2) (電撃文庫)感想
「引き」は良かったけど、他は至ってフツー。王道とも言えるが、ありきたりな感じは否めない。1巻に比べても他の作品との差別化に成功しているように思えなかった。優秀すぎる3人にプレッシャーを受けるマシューの存在がこの作品の特徴だけど、引き立て役にしかなってなかったしね。(☆☆☆☆)
読了日:4月12日 著者:宇野朴人
魔法科高校の劣等生〈6〉横浜騒乱編(上) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈6〉横浜騒乱編(上) (電撃文庫)感想
嵐の前の静けさとまでは言わないが、手強かったのは少女の頑なさくらいという。ボスキャラ的な登場だった呂がぜんぜん強く見えないとか、パワーバランスがどうだろうって感じだけど、魔法設定以外は細かいことを気にしたら負けなんだろうね(笑)。(☆☆☆☆)
読了日:4月13日 著者:佐島勤
魔法科高校の劣等生(7) 横浜騒乱編(下) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生(7) 横浜騒乱編(下) (電撃文庫)感想
主人公を窮地に陥れ、読み手にストレスを与え、それを解決することでカタルシスを感じさせる手法は今の時代に適さないと思っているが、ここまで主人公のみならず仲間たちまで強いと、それはそれでなんだかなあという気がしてしまう。アニメならこれでもいいかもしれない。どう描かれるか楽しみにしておこう。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月13日 著者:佐島勤
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (3) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (3) (電撃文庫)感想
なるほど、銀英伝(笑)。引き立て役っぽさがちょっと強いけど。1巻まるまる戦闘だけど、ナナとの交渉を除けば主人公の面目躍如と言えるものは感じず。無双なら無双で不満を感じるわけだから、文句ばっかり言ってもと思うが、絶妙なさじ加減を期待してしまうわけで・・・。銀英伝っぽいから余計にね。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月13日 著者:宇野朴人
艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! (ファミ通文庫)艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! (ファミ通文庫)感想
奇をてらわないケミストリー系のストーリー。キャラも生き生きと描かれて楽しく読めた。提督を絡めずに、艦娘同士のやり取りがメイン。その点もわたし好みだった。ゲーム自体は3ヶ月ほど放置中だったけれど、再開するきっかけになるかも(笑)(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月14日 著者:築地俊彦
艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! 2 (ファミ通文庫)艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! 2 (ファミ通文庫)感想
駆逐艦であっても夜戦ならボス相手に十分戦えるのが艦これというゲームなんだよね。その前提があるからこそ成立するストーリー。1巻からのキャラの成長もうまく描かれている。細かいところは気にせず、ノリで楽しむ作品だね。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月14日 著者:築地俊彦
はたらく魔王さま! (電撃文庫)はたらく魔王さま! (電撃文庫)感想
アニメ見たので新鮮さはないが、”出落ち”としてはやはり良くできてる。ここからの膨らませ方はアニメではもうひとつに感じたが、原作はどうか。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月15日 著者:和ヶ原聡司
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (4) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (4) (電撃文庫)感想
マシューの活躍は良かった。ただ、第一章は必要?って感じ。だんだんと世界観がストーリーのために侵食されてきてるしね。精霊なんてどこいった?(☆☆☆☆☆)
読了日:4月15日 著者:宇野朴人
魔法科高校の劣等生(8) 追憶編 (電撃文庫)魔法科高校の劣等生(8) 追憶編 (電撃文庫)感想
過去のエピソードを描いた長編というのが好きではない。構成もわずらわしい。まともな大人が出てこない、というより描けないのは、この作品に限らずラノベ・コミックで数多く見られることだけど、より際立っている印象を受けた。俺TUEEEEもここまで来ると、引くとしか(苦笑)。(☆☆☆☆)
読了日:4月15日 著者:佐島勤
戦争の日本中世史: 「下剋上」は本当にあったのか (新潮選書)戦争の日本中世史: 「下剋上」は本当にあったのか (新潮選書)感想
文章や論理展開が新書っぽい感じだが、読み応えはあった。鎌倉後期から応仁の乱までが対象であり、これまであまり興味を持たなかった時代だったので新鮮に感じた。歴史学は、理論の裏付けに史料を用いる姿勢に陥りがちな傾向がある。また、理論の形成に時代の思想的な影響は受けがちだ。そうした点への批判は面白いが、本書への批判も見てみたいと思った。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月16日 著者:呉座勇一
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (5) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (5) (電撃文庫)感想
ジャンはすっかりネタキャラに。もはやライバルに見えない・・・。それはさておき、風雲急を告げる展開で、少し急ぎすぎにも感じるが、エンターテイメントにとって速度は非常に魅力的なもの。この速度を維持できれば楽しみだ。(☆☆☆☆☆)
読了日:4月17日 著者:宇野朴人
はなとゆめ (単行本)はなとゆめ (単行本)感想
予習として『暴れん坊少納言』を再読。『天地明察』『光圀伝』よりも構成やまとまりは良かったと思うが、主人公の魅力という点では物足りなさも感じた。中宮定子という華をいかに描くか。それができていないとは言わないが、歴史小説の限界を感じないでもない。『暴れん坊少納言』のあえて歴史的事実を歪曲してでもキャラクターを生き生きと描いた後では、特に。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:4月18日 著者:冲方丁
はたらく魔王さま!〈2〉 (電撃文庫)はたらく魔王さま!〈2〉 (電撃文庫)感想
和装美人が知り合って間もない貧乏暮らしの男所帯の世話を焼いたっていいじゃないかっ!って、