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アニメ感想:ハヤテのごとく!! 第13話「FEELING OF FREEDOM」

2009年06月28日 13時12分24秒 | 2009春アニメ
放送時間や制作スタッフが変わったせいか、1期と2期では大きく印象の変わった『ハヤテのごとく!』。1期はパロディやギャグがメインだったのに対して、2期はラヴコメメインとなっている。

1期は同時期に『さよなら絶望先生』や『らき☆すた』といった、より尖がった作品があったせいでパロディやギャグとしては及第点といった印象だった。それでも1年にわたり、その質をキープし続けた点は評価できる。ギャグが前面に押し出されていたので、キャラクターの恋愛要素はほぼ記号的なもので、内面描写も形式的だったが、それがかえってキャラクターの良さを引き出していた面もあった。

2期は一転してラヴコメ要素が強く打ち出された。1話からこの13話までの1クールは、実質的に桂ひなぎくをヒロインにその内面やはやてとの関係を描いていた。「綾崎くん」から「ハヤテくん」に呼び方が戻るまでを描くのに13話を要したわけで、これは完全にラヴコメの作り方だ。
パロディやギャグがなくなったわけではないが、1期に比べるとかなり減少した。キャラクター間の構図も微妙に変化し、特にハヤテは1期に比べると「ヘタレ」な印象を受ける。ハーレム系の主人公っぽくなってきたとも言えるだろう。

理想のヒロイン像があって、それは自分の力だけで世界を切り開く少女というもの。”男らしい”女の子、”男前”な女の子、バトルヒロインなど形容する言葉を思い浮かべたがどれも物足りなく感じられる。その代表格である、『高機動幻想ガンパレード・マーチ』の芝村舞は、”ヒーロー”と公式から称された。
最近、といっても2年前になるが、このヒロイン像を受け継ぐキャラクターと出会った。それが『グリムグリモア』のリレ・ブラウ。どちらも、世界の危機を自らの才覚で乗り越えようという存在だ。
こうしたキャラクターが量産されないのには訳がある。物語になりにくいからだ。それでもそれが男性の場合なら成立させる様々な手法が確立しているが、女性の場合いまだ手探りの状態と言えるだろう。

女性向けの作品の場合、どうしても男性との恋愛要素が加わるため、そこまでの強さが求められない。例えば、『花咲ける青少年』の花鹿は魅力的なキャラクターだが、周囲の男性に守られている側面も強い。そこで自立してしまっては読者の共感を得られにくくなってしまうだろう。
男性向けの場合も主人公との恋愛によってその立ち位置が変わってしまうことが少なくない。『Fate/stay night』のセイバーや遠坂凛も主人公と関わる中で弱さや甘さが強まっていく。そうした弱さや甘さは時としてキャラクターの魅力となるため、このような描かれ方が多用される傾向にある。
バトルヒロインを主人公として扱った作品は数多いが、苦悩や葛藤をストーリーの中心に据えることが多く、”強さ”を維持したものはほとんど見当たらない。『攻殻機動隊』の草薙素子や、ギリギリという感じもするが『スレイヤーズ』のリナ・インバースが思い当たるくらいか。

桂ひなぎくは、特に1期では記号性が強かったがゆえに”強い”ヒロインとして成立した。メインのヒロインではないこともあって、物語性を背負い込むこともなく、いい立ち位置を作り出していた。かっこよく描いていればいい存在だったし、ハヤテとの距離感も絶妙だった。
2期になり、身体性が強まり、内面がどんどんと描かれていった。”弱さ”が表現され、悩んだり、戸惑ったり、恐れたりする様があらわになった。それでも、今はまだ”強い”ヒロインの印象が勝っているように思える。それはこれまで培った残像かもしれないが。ハヤテのためにひなぎくらしさが失われる行動を取った時が幻想の終わりだろう。できることならば、この幻想を最後まで保ってほしい。

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アニメ感想:咲-Saki- 第12話「目醒め」

2009年06月27日 16時06分40秒 | 2009春アニメ
県大会決勝中堅戦。後半の半荘の様子が描かれた。とはいえ、風越のキャプテン福路や龍門渕の国広のエピソード、のどかのペンギンの行方など卓外の話がほとんどで中堅戦は終わってしまった。
部長の竹井久のユニークな打ち筋はもっと堪能したかったところだが、次回いよいよのどか登場でストーリーは盛り上がってきた。

のどかのペンギンのエピソードは、最愛のペンギンのぬいぐるみが行方不明になることで彼女が実力を発揮できないというありがちな展開も予想されたが、結果的には天江衣のキャラクター性を前面に打ち出す内容だった。彼女の麻雀の腕に関しては神がかったエピソードは数々話されているが、打つ前にその個性を表現しておいたといった感じだ。卓外での子供っぽさがどう豹変するのかが今後の見所の一つになりそうだ。

卓上での見所は久のカラテンリーチだ。麻雀の面白さは駆け引きにあると感じる。確かに高得点の手を上がることも楽しいが、それ以上に駆け引きによってうまく上がったり、狙い通りの展開に持ち込んだりすると、してやったりと喜びが溢れ出しそうになる。上がることが最善と言えない場面も多々ある麻雀の奥深さが、このシーンによく現れていた。確率にこだわるのどかの打ち筋に対して、あえて悪い待ちで受ける久の麻雀だが、駆け引きの妙としては久の麻雀の方が面白い。

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アニメ感想:アスラクライン

2009年06月26日 11時45分38秒 | 2009春アニメ
13話終了時に2期の制作決定の告知。『クイーンズブレイド 流浪の戦士』がやったばかりなので、つい、またかと思ってしまう。2期は今秋放送予定。

ストーリー的には何もケリはついていないので、2期前提ということだろう。
ライトノベルらしい作品だ。主人公の男の子の周りに美少女が集まる構図、悪魔やロボット、生徒会などのギミックもいかにもといった感じ。正直、全体的な薄さは最初から最後まで変わらず感じ続けた。
説明不足な部分も少なくなかったが、思わせぶりなタイトルやセリフと、テンポよく進んだストーリーがなんとかエンターテイメントとしての興味を繋ぎとめていた。ただそれは本当に際どいものだった。

様々な「謎」が関心を惹いて興味を保つが、それが明かされれば明かされるほど作品の薄さが目立つようになる。目くらましによってなんとか目を引いているが、目が慣れてくるとあらばかりが目に付くようになる。
演出も特に優れているというわけではないが、それでも1期の最後まで目くらましを続けた点は評価できる。ただこのまま2期を描かれてもついていくのが難しそうだが……。

結局は、主人公の薄さ、キャラクターの薄さ、設定の薄さ、世界の薄さとどれもこれも厚みが感じられない点に問題があるわけだが、これが急に改善するとも思えず、余程演出が頑張ってくれないと辛い2期目となりそうな予感がする。

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アニメ感想:涼宮ハルヒの憂鬱「エンドレスエイト」 (その2)

2009年06月26日 11時21分49秒 | 2009春アニメ
タイトルも変わらずに「エンドレスエイト」、その2回目である。15498回目とも言う。

原作ではこの15498回目にループを抜け出したが、アニメではどうやら失敗したようだ。ループに気付いた回数が描かれなかったのでもしやと思ったら、次回も「エンドレスエイト」になりそうだ。正直、たいしたオチではないので、ここまで引っ張るかと思わなくもない。
女性陣の溌剌さが目立った(長門除く)前回に比べて今回は小泉の目立つ回となった。解説役として当然の出番ではあるが、それ以上に動きや演技が印象的だった。色気あって良かったが、女性陣が目立たなかった分評価は低そうな気もするが、『涼宮ハルヒの憂鬱』らしい展開ではある。

1期は全14話だったが、この2期は1期と合わせて全28話と言われている。ここまで13話が放送されたが、うち10作が1期の再放送だ。
1期の残り4話は、文化祭用にSOS団が撮影した映画「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」、文化祭を描いた「ライブアライブ」、文化祭過ぎを描いた「射手座の日」、そしてアニメオリジナルの「サムデイ イン ザ レイン」である。なお、「サムデイ イン ザ レイン」は時系列としては「射手座の日」の後ということである。
2期はもちろん今後どのようなエピソードが描かれるか不明であるが、多くのファンは最も人気の高い「涼宮ハルヒの消失」に期待をしている。「笹の葉ラプソディ」が8話で新作として作られたので、「消失」をやることはほぼ間違いないだろう。

8話で「笹の葉ラプソディ」が放送された頃、まことしやかに流れたスケジュールの噂があった。12話「エンドレスエイト」までは的中していたが、残念ながら「エンドレスエイト」が3話構成になるとは予想できなかったようだ。
「エンドレスエイト」から文化祭まで原作には特にエピソードがない。「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」の製作過程を描いた「涼宮ハルヒの溜息」は1期では制作されなかったが、これを描くかどうかが大きな注目点となりそうだ。ちょっと今更って感じもするが、シャミセンの登場などハルヒらしい話ではある。
順当であれば、1期の残りエピソードを経て、「消失」に突入だろう。1期は1巻目にあたる「涼宮ハルヒの憂鬱」を6話かけて描いたが、「消失」も4~6話程度の長さも考えられる。「溜息」にも話数をつぎ込むならば、「消失」までで2期終了の可能性も高い。

現在9冊刊行されている原作小説だが、9巻目の「涼宮ハルヒの分裂」は前後編の前編にあたり、後編として「驚愕」が書かれるはずだった。だが、その刊行は予定より2年を過ぎても行われず、話が成立しているのは8巻までとなっている。
「消失」以後は、最も長編となっている「涼宮ハルヒの陰謀」があるが、話数的に2期でそこまで描かれることは考えにくい。「陰謀」後にあたる「編集長★一直線!」「ワンダリング・シャドウ」の中編2作も同様だ。残るのは、短編の「ヒトメボレLOVER」「雪山症候群」「猫はどこにいった?」「朝比奈みくるの憂鬱」の4編。うち、「朝比奈みくるの憂鬱」は「陰謀」に繋がるので2期ではなさそう。そうすると、残りは3編だが、長編をどれくらいの話数で描くかやオリジナルがあるかどうかなどで変わってきそうだ。
気が早い話だが、もし3期があるとしたらこれらの短編は3期に回す可能性が高くなる。「陰謀」を軸に1クール分程度の量は残る計算だ。

13話は12話を踏まえて、面白く描けているとは思うが、更に引き伸ばす話には思えなかっただけに、ここまで引っ張って14話でどうケリをつけるのか興味深い。ここまで引くと原作のようにさらっと終わるわけにもいかないだろう。このケリの付け方が2期の方向性を示すことになりそうだ。ワクワクするような内容を期待しよう。


アニメ感想:ファイト一発!充電ちゃん!! CHARGE01「ぷらぐ・いん」

2009年06月25日 22時45分37秒 | 2009夏アニメ
エロよりも、閃登(♂)のヒロインぷらぐへのツッコミというか容赦ない暴力のインパクトが絶大。確かに怪しいけれども可愛い女の子相手に金属バットで思い切り殴るか?

本筋に関係あるなし関わらずエロシーンは豊富。特に放尿シーンはお約束となっている。これは地上波だといろいろと修正必要そうだ。

本筋は、閃登とその妹のはこねの関係をキチンと描いている。分かりやすすぎる描き方だが第1話だし妥当なところか。
しかし、それらを吹っ飛ばすのが、閃登とぷらぐとのドツキ漫才。ぷらぐがほとんど堪えている様子がないので悲惨さは感じないが、ちょっと引くのは確か。

ちなみに、作品予告のエロいぷらぐの変身シーンは本編にはなし。それでも十分すぎる内容ではあるのだが……。

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アニメ感想:タユタマ -Kiss on my Deity-

2009年06月25日 22時26分15秒 | 2009春アニメ
監督元永慶太郎、シリーズ構成上江洲誠のコンビでは、『School Days』『あかね色に染まる坂』と18禁PCゲーム原作を手掛けている。衝撃的な内容の『School Days』はともかく、『あかね色に染まる坂』や本作は独創的な内容ではなく、高い評価を与える出来とは言いかねる。
それでも最後まで見てしまったのは、しっかりとした演出であったり、キャラクターの内面描写の確かさであったりする。

『タユタマ -Kiss on my Deity-』は、主人公の男の子の元に、神様の女の子が転がり込むというありがちなもの。主人公・裕理、たゆたいの少女・ましろ、主人公の幼馴染・アメリの三角関係を軸にストーリーは展開する。一方、封印の解かれたたゆたいの「三強」との戦いがもう一つの軸となる。
ありがちな内容を、一定の水準まで引き上げたのはやはり演出の力だ。凝った演出ではないが、分かりやすさと、何より作品のポイントを絞り込むことで芯の通ったストーリーにまとめ上げた。キャラクターの内面もシンプルだが丁寧に描いている。
全体にひねりはなく、秀作とは呼べないものだが、作り手の意志は感じられる作りになっている。

11話でのましろとアメリのやり取りは、見ているときは演出として弱いように感じられた。だが、最後まで見るとそれで十分だったようにも感じられる。カタルシスを狙った演出ではないので、インパクトには欠けるが、人とたゆたいが心を通わせるというテーマを丹念に描いたと言えるだろう。
最終話が単純なハッピーエンドでない点も、作り手の真摯さの表れと受け取った。残念ながら全体的な厚みのなさはいかんともしがたく、感動的なシーンも薄さが感じられてしまったが、物理的にこれが精一杯ということだろう。

佳作と呼べるかどうかも怪しいところだが、こういう作りは嫌いではない。制約の中であれもこれもと欲張ってもうまくはいかないだろう。削ぎ落とすことで作品の精度を高めるのも一つの道だ。作り手の狙いが伝わるだけの出来になっているのは確かで、その意味では成功と呼んでも差し支えないだろう。

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アニメ感想:蒼天航路 第1話「少年 曹操」

2009年06月24日 21時50分54秒 | 2009春アニメ
関西ではおよそ1クール遅れてのスタートとなった。原作コミックは全36巻中24巻まで読んだ。

少年時代の曹操の2つのエピソードを描いた第1話。曹操を主人公とした破天荒な三国志である原作の魅力が、残念ながら伝わってこない印象を受けた。そこで、原作を読み直してみたところ、アニメよりも遥かに躍動が感じられた。

ストーリーは原作に忠実だが、最も肝心のところを削ぎ落としてしまい、本来の面白さを失わせている。例えば最初のエピソードでは、曹操と曹仁との会話が削られてしまった。曹操の祖父である中常侍の賄賂に関する曹操の評価は、単純な善悪で測れない彼の姿が描かれた最初の場面ということになる。もう一つのエピソードでも、許褚とのやり取りや、夏侯惇らとの軍議が大きく削除され会話のやり取りの面白さがなくなってしまった。

しかし、それ以上に損なわれたのが動きの迫力だ。アニメも動きが悪いわけでは決してないが、演出のメリハリに欠けているため生かし切れていない。コミックのダイナミズムをアニメで表現するのは難しいが、静と動の使い方がより印象的な動きを作り出すこととなる。動きでコミックに負けているようでは何のためにアニメ化したのか分からなくなってしまう。『クイーンズブレイド 流浪の戦士』も見せ方の下手なアニメだったが、同じような印象をこの作品からも受けてしまうのは残念だ。

なお、原作は水晶登場から記憶に残っていたが、正直アニメではそこからスタートしても良かったようにも感じた。


第9回 ヴァナ・ディール国勢調査

2009年06月23日 02時40分49秒 | FF11
第9回 ヴァナ・ディール国勢調査 (2009/06/22)

恒例のヴァナ・ディール国勢調査。今年は事前アンケートも行われ、その調査も踏まえての結果発表となっている。

○ログイン状況

グラフは常に一定数以上のプレイヤーがログインしていることを示しており、ワールドワイドでサービスを展開するファイナルファンタジーXIの強みである、「ゲーム内に常にプレイヤーの姿がある」状態が維持されていることが見てとれるのではないでしょうか。
この、常に他のプレイヤーとコミュニケーションが取れる環境こそが、コミュニティの活性化に良い影響を与え続けているといえるでしょう。


このように混合サーバの利点を強調しているものの、ヴァナ内外での評価は決して肯定的な意見ばかりではない。FF14では国別のサーバを求める声も高まっており、そうした意見に耳を貸すかどうかが注目される。

また、1日の平均ログイン時間が最も短い「1時間から3時間」が昨年の75%から85%に増加し、平均ログイン時間も昨年の約171分から約126分に45分も短縮している。確かに短時間で遊べるコンテンツが増えたことなども原因だろうが、やはりそれ以上にFF11へのプレイヤーの熱中度の低下は紛れもない事実と言うべきだろう。

○ジョブレベル

レベル75の割合は昨年の12.41%から15.60%に増加。グラフ自体は昨年とほぼ同じ姿だが、レベルシンクやフィールド・オブ・ヴァラーなどレベル上げしやすい環境は整ってきている。惜しむらくは、もう少し早くこのような環境整備ができていればと思わなくもないが。

○ジョブ

アンケートによるプレイヤーのメインジョブ一位は断トツで赤魔道士。優遇ジョブと言われ続け、あらゆるコンテンツに席を持つジョブだけに、この結果は当然と言えそうだ。
実際のデータでは、白赤黒の三色の魔道士が突出した数字を残している。利便性などにおいてこれらのジョブがそれだけ抜き出ていると言えるだろう。
ナイトの人気の高さも興味深い。忍者や赤魔道士に盾の座を脅かされ続けたナイトだが、度重なるてこ入れの末非常に高いジョブ性能を持つに至った。AFなど見た目のかっこよさも含めて人気ジョブらしい結果だ。
アンケートで予想外に健闘したのが8位の竜騎士だ。戦士や暗黒騎士といった他のアタッカーを抑えてのこの数字は驚きに値する。
ゲーム内で10位の吟遊詩人はアンケートでは18位。能力の高さが人気に反映していない。更にコルセアはゲーム内・アンケートの双方で最下位だった。支援系ジョブとして詩人同様評価は高いが、実際にプレイする人は非常に少数派ということになる。確かに銃弾やカードなど費用もかさみ、苦労する割りに報われにくいジョブとも言えるだろう。詩人やコルセアといった支援系ジョブにもっと楽しめる要素を組み込めなかったかという思いは残る。
アンケートやゲーム内データで2%を切るようなジョブは早急にてこ入れする必要があると思うのだが。

○メリットポイント

今回非常に興味深い調査がこのメリットポイントの振り方だ。もちろん振り方の傾向はいろいろと言われているが、やはり実際の数値として出てくるとなかなか面白い。

「HP / MP」は意外とHPも多いなというのが印象だ。もっとMP派が多いと思っていたがそうでもないようだ。

「ステータス」はSTRが圧勝。他はDEXとINTくらいで残りは非常に少数派となった。ヴァナのアタッカー志向の強さの表れと言えるだろうか。

「戦闘スキル」は片手剣がトップという意外な結果に感じられた。片手刀が次ぐのはメリポPTでは未だ忍者の人気が高いせいか。短剣も大健闘で、隠れシーフが多いということなのか。8振りの数だけなら片手刀といい勝負でトップを分け合っているのが格闘。サルベージに席のあるモンクという点が人気の理由だろうか。片手斧が続くのも意外。戦士は両手斧主体へと様変わりして久しいがまだ名残りがあると言うべきか。両手刀・両手槍・両手斧といったアタッカーのメイン武器がようやくその後に続く。両手鎌は射撃にも負けていてかなり予想外の結果だった。
防御スキルが回避一択なのは仕方ないところだ。

「魔法スキル」は弱体魔法と精霊魔法が群を抜く。青魔道士・吟遊詩人・召喚士を上げてなければこの2つで決まりなのは間違いない。

「その他」ではクリティカルヒット率が断トツ。詠唱中断率が被クリティカルヒット率を上回っているが、どちらも体感しにくい要素であることは間違いないだろう。

「ジョブ」のグループ1は既存のジョブアビリティの強化が主体となっており、ほとんど選択されないものがあるのは仕方がないと言えなくもない。だが、グループ2で選ばれない項目というのはやはり実装のバランスがおかしいという証左と言えなくもない。今から見直しは難しいかもしれないが、いくつかのジョブは調整が必要だと思うのだが。
個別のジョブに関しては機会があればまた書いてみたい。

○アイテム

レリック最終段階は1,376増の3,245となった。なかでもイージス、アポカリプスの増加が目立ち、他にマンダウ、天の村雲、ギャッラルホルンも100以上の増加となった。
最も少ないレリック武器は両手棍のクラウストルムの19。片手斧ガトラーの22がそれに次ぐ。

ミシックウェポンはナイトのブルトガングの14が突出している。戦士のコンカラーの6が2位で、青魔道士のティソーナの4が3位。3で続くのがカルンウェナン(吟遊詩人)、小鴉丸(侍)、ヤグルシュ(白魔道士)。
また、アイムール(獣使い)、竜の髭(竜騎士)、トゥプシマティ(学者)、ガストラフェテス(狩人)、デスペナルティ(コルセア)は調査時点ではヴァナには存在していない。
ミシックウェポンはレリックと異なり武器ごとの取得難易度には差がないため、能力や人気を反映しやすいと言えるだろうか。

○合成

「ギルドポイントと交換できるアイテムの存在数」が注目。「印可以上のキャラクター構成比」と比較して必ずしも多い合成のアイテムが交換されているわけではないところがポイントだろう。納品のしやすさやアイテムの必要性などがかえり影響していると思われる。他は非常に少ないのにメガネ目的で彫金を上げているプレイヤーの多さも目立っている。

また、ヴァナ最難関クエスト「折れぬ魂」の報酬である恵比寿釣竿の全ワールド現存数941と発表された。この数が多いのか少ないのか判断は分かれそうだが、レリックやミシックを得るのとは違う凄さを感じる数字だ。

○経済

アンケートを元にした分析。週の収入は5万ギル以下が54%を占める。自己申告ではあるが、一般プレイヤーの現実と言えるだろう。
正直1000万ギル以上といった答えは信憑性に欠けるので、~500万ギルあたりまでを参考に見たい。戦利品の売買というプレイヤーは実質金策していない、あるいは素材狩り主体ということになるが、週給が増えるに従い割合も減っていく。金策として非効率な手段であることは間違いないだろう。
一方、週給が増えるに従い増えていく手段が、合成、栽培、チョコボ掘りあたりだ。安定した金策として向いているのは間違いない。ただ、コメントにもあるように一定の週給以上になると合成以外の割合は減少する。また、ロット権の売買は現在のヴァナの需要から見てかなり割りのいい金策手段と見なせるかもしれない。

支出では、性能を重視して選んだ装備品がどの週給でもトップといった感じだ。やはり装備集めがこのゲームの主体と言うことができる。他で目立つのは、特定の装備品を入手するために必要なアイテムの購入費用で、トリガー購入→外販という流れがヴァナ経済に根付いてきていることを示している。

○リンクシェル

アンケートから複数のリンクシェルを使い分けている現状が改めて確認できた。雑談系のリンクシェルから、コンテンツ攻略用のリンクシェルとの併用へと変わっていく状況はここ数年のヴァナの常識と言ったところだろう。
加入のきっかけで、フレンドから誘われたが最も多いのも実感できる点だが、特に複数のリンクシェル所有者でそれが多いのは、野良募集よりもフレンド繋がりでメンバーを増やすタイプの攻略系LSが多いということだろう。

今回最も興味深かったのは、リンクパールの色についての調査だ。”2009年5月下旬の時点で、全ワールドを通してひとつも存在していないリンクシェルのカラー”や、”リンクシェルのカラーで多かった上位10位”といった結果は非常に面白かった。

○拡張データディスク

拡張データのミッション進行度の変化だが、目に付くのはプロマシアの呪縛のクリア数増加だろう。レベル制限下で装備品をそのまま着ていられるようになり、着替えの必要性が減少したことが大きな影響を与えたことは間違いない。

○プレイヤーの声

ここではGMコールやスペシャルタスクフォースについて述べられている。スペシャルタスクフォースの活動報告が最近なかったので今回はその代わりのような形になっている。
基本的にスペシャルタスクフォースの活動により不正活動等の報告数は減少している。ただ最近非常に多い、テルによるRMTサイト広告については、”抜本的な解決へ向けた対策を鋭意開発中”だそうだ。




これまでにあった種族やフェイスタイプに関する調査はなくなったが、全体的によく掘り下げられた調査だったと思う。しかし、今後FF14の開始などFF11を取り巻く環境は大きく変わっていきそうな現在、この調査をこれからのヴァナにどう生かしていくのかといった視点が欲しかったように感じられた。特にジョブの調査結果はただ数字のみでなくプレイヤーの想いを汲んで開発に生かして欲しいところだが果たして期待していいものかどうか不安が大きいのも事実だろう。

MMORPGでは作り手とプレイヤーとのコミュニケーションのあり方が問われる。少なくともFF11はそこで躓いた。ゲームの質の高さやいくつかの幸運に助けられ成功と呼べる結果を残したとはいえ、FF14が同様の結果を得られるとは限らない。いろんな意味で次回の国勢調査が重要に感じられるが果たしてどういったものとなるのだろうか(或いはあるかどうかさえ不安だけれど)。


アニメ感想:咲-Saki- 第11話「悪戯」

2009年06月20日 20時15分37秒 | 2009春アニメ
今年春スタートしたアニメの中で、話題の『けいおん!』よりも待ち遠しい作品がある。それがこの作品だ。
麻雀を扱ったアニメはこれまでも数多くあるが、かなり異色作と言ってもいいだろう。「賭け事」としての麻雀ではなく、「対戦ゲーム」的なノリが特徴となっている。
また、部活ものとしてもうまく組み立てられていて、「先輩」のいない『けいおん!』よりもこちらの方がバランスは取れているように感じられる。

そして、何よりもこのアニメの面白さを印象付ける点は、演出にある。
ここ2年半集中的にアニメを見てたどり着いた一つの結論は、アニメの良さは演出が非常に大きなウエートを占めているということだ。他の媒体と比べてもそれは突出している。
アニメでは、描かれたものしか存在し得ない。実写系ではどれほど作り込んでもその全てを支配は出来ない。一方、コミックなどでは余白の存在が想像の余地を生みやすい。アニメもまた想像で補う部分もあるが、作り手の意図がダイレクトに見ているものに伝わりやすい。
一方で、アニメは現実と幻想との境界が曖昧だ。そのため、時にアニメはリアリティを求めてしまうこともある。だが、この曖昧さこそがアニメの強みであり、リアリティの垣根を軽々と越えることが出来るからこそ成り立つ演出が数多く存在する。もちろん、作品のリアリティのレベルとかけ離れた演出では成立し得ないが、ギリギリのバランス感覚で生み出される演出は見るものに強いインパクトを与えることが出来る。

麻雀は動きが少ないため、アニメや漫画で見せるのは難しいジャンルだ。そこで生み出された手法が、解説によって話を盛り上げる方法だ。『アカギ』などがその典型例で、解説役がアカギらの凄さを見るものに伝えていく。ただネームを多用すればいいコミックとは異なりアニメではそれだけだと厳しいのも事実だ。作品としての面白さはあっても、アニメとしての楽しさに欠ける作品になってしまうきらいがある。
『咲-Saki-』では、上がるときの演出を個性的に描いたりしているが、それが十分に成功しているとは言いがたい。麻雀のシーンではどんなに捻ってみても演出は限られてしまう。むしろ対戦中にイメージ映像化していくような演出(『巨人の星』などからある伝統的な手法だが)が馬鹿馬鹿しいがとてもインパクトのあるものとなっている。

『咲-Saki-』の特徴は、描かないことの上手さにあるだろう。例えば、県予選1回戦で、副将のどかの対戦はしっかり描いたが、大将の咲は全く描かれなかった。2回戦は清澄高校の対戦が一切描かれず、風越女子の視点から描くといった見せ方の上手さが目立つ演出だった。
11話では部長の竹井久がメインだったが、ここまで彼女の麻雀は一切描かれてこなかった。龍門渕の天江衣の登場を引きに引いたり、鶴賀学園のエースを未だに描いていなかったりと、見せ方に非常にこだわりが感じられる。こうした演出のメリハリの良さが惹きつけられる最大の要因となっている。

麻雀マンガとして、キャラクターの超人性はツッコミどころではあるが、リアルに描いた『アカギ』などでも実際は似たようなレベルと言えなくもない。むしろ、数多いキャラクターたちをきちんと麻雀と結び付けて個性的に描いている点は他の麻雀マンガと比べても突出していると思われる。
ここまでかなりハイペースで描いてきて、県大会決勝にきてペースダウンはやや感じられるものの、これからの戦いが楽しみで待ち遠しく、久しぶりに面白いバトルアニメに出会えたと言える。

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アニメ感想:涼宮ハルヒの憂鬱「エンドレスエイト」

2009年06月19日 05時45分55秒 | 2009春アニメ
「笹の葉ラプソディ」以来となる新作。夏休み終わり間際の2週間を描く。

冒頭、キョンがTVで見ている高校野球の試合。TVに映った得点と実況の内容が明らかに逆になっている。伏線、ではなく単なる間違いとは思うが……。

それはともかく、2期目のオープニングが初登場した。「笹の葉ラプソディ」はオープニングはなく、エンディングのみ新しいものが放映されたが、今回初披露目となった。涼宮ハルヒの躍動感がポップに描かれていていい感じ。曲は平野綾の「Super Driver」。

ハルヒに呼び出されたSOS団の面々が、残り少なくなった夏休みをハルヒ主導で遊び倒す。市民プール、浴衣を着て盆踊り、セミ取り、着ぐるみを着てのアルバイト、天体観測にバッティングセンター、花火大会、ハゼ釣りとひたすら遊ぶ2週間。そして、夏休み最後の日はだらだらと過ごして終わり……というところでエンディング。
つまり、この話の本質は何も見せずに、1話を終えてしまった。1話でまとめてしまってもいいような話かとも思うが、新作がこれから増えていくいわば第2期の実質的な幕開けということで、じっくりと溜めた1話といった感じだろうか。

次回はアレでナニなので、作画にも余力ありそうだしね(笑)。原作では解決自体はひねりもなくあっさりと終えてしまうが、アニメも原作に忠実なのでそこは同じ感じになりそう。むしろ、「問題」の描き方にアニメらしさが出てきそうで楽しみだ。

脚本は賀東招二、絵コンテ・演出が米田光良、作画監督に高橋真梨子。京アニらしさは随所に見られたが、次回を見てもう一度見返してみるのも面白そう。

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