奇想庵@goo

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2012.02.28 つぶやきし言の葉

2012年02月29日 02時20分44秒 | Twitter



2012.02.27 つぶやきし言の葉

2012年02月28日 02時20分43秒 | Twitter



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2012年02月25日 02時20分42秒 | Twitter



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2012年02月23日 02時20分42秒 | Twitter



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2012.02.20 つぶやきし言の葉

2012年02月21日 02時20分42秒 | Twitter



世界構造マニアからの苦言―感想:『ゲート1 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり <接触編>』

2012年02月20日 21時00分06秒 | ライトノベル
『ゲート1 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり <接触編>』を読んだ。現代の東京に突然ゲートが現れ、そこから大量のモンスターを含む軍勢が人々を襲った。それを退けた上で、自衛隊がゲートの先の異世界へと侵攻していく物語。

設定的に「迷宮街クロニクル」に近い。こちらは舞台が京都で、ゲートの先にあったのはダンジョンだったという設定。自衛隊ではコストがかかり過ぎるため志願者を募り探索に当たらせる。現代版ウィザードリィで群像劇を描くための設定だが、よく練られていた。

「ゲート」の場合、自衛隊をはじめとする現代パートの設定は著者が元自衛官ということもあり、ツッコミ所もあるものの比較的受け入れやすい内容だったが、問題は異世界の部分だ。

「ゲート」を読んで自覚したことだが、ハイ・ファンタジーのように異世界丸ごとを創作している場合はそれほどでもないが、現実世界と異世界をリンクさせているような作品だと異世界の世界構造への不満を強く感じてしまう。
これは高く評価されているような作品でも変わらず、「十二国記」に対しても世界観に関しては納得していない部分が多々ある。「ソードアート・オンライン」もWeb版を読み通せなかった原因はその辺にある。

「ゲート」の場合、異世界はあまりにもお約束の世界観になっている。何らかの狙いを持って意図的にそういう世界観なのだとしたら構わないのだが、少なくとも1巻を読んだだけではそうした意図は感じられない。
現実世界の描写は非常にステレオタイプなものではあるが、現実ゆえの世界の強度を保っているのに対して、異世界はとても薄っぺらに感じる。専制的な皇帝や無力な村人たちといったファンタジー像は確かにゲームなどでお馴染みではある。
だが、ゲーム的なお約束の世界をそのまま描かれても読むに耐えなくなってしまう。

例えば、盗賊。ファンタジーではお馴染みでも現実的に考えれば盗賊だけで食っていくのは難しい。現代社会なら盗みだけで生計を立てられるかもしれないが、文明レベルが低い世界では生活を維持するのは大変だ。
食糧と言っても保存が利くものばかりではない。アジトや山や森の中であれば輸送も大仕事だ。ある程度の集団になれば、戦闘員以外のメンバーも必要となる。

歴史上、海賊や山賊は存在するが、それらは略奪行為がメインなのではなく、交易を始め様々な仕事をしており、略奪はその中の一部に過ぎない。
また農業を始めとする一次産業従事者は体力があり、彼らが武装することで兵隊となった。日本では秀吉の兵農分離によって分けられたが、江戸期においても村の戦闘力は決して低いものではなかった(農具は武器となりうるし、害獣駆除のため猟銃も所有していた)。

「ゲート」の中では村民は領主から守られない存在として描かれているが、魔法で食べ物が無尽蔵に取得できるのならいざ知らず、そうでないのなら村からの徴税の安定確保は領主の最大の関心事である。
詳しくはないが、中世ヨーロッパでは領主と教会という異なる二系列の統治があった。『狼と香辛料』はその辺りをうまく描いている。

『スレイヤーズ!』のようなハイ・ファンタジーでは細かなツッコミを入れだしたらキリがない。特に魔法を扱う場合、その社会的影響力は計り知れず、細部まで気にしていたら物語を描いていられないだろう。
「ゲート」などもライトノベルなのだから細部に目をつぶるのが当たり前と言えば当たり前である。ただ繰り返しになるが現実世界の描写があるため、どうしても気になってしまうのだ。

「ゲート」内でもチラッと触れられている『七人の侍』の歴史設定は正しくないと言えるだろう。そのことが作品の質を貶めるものではない。映画史に残る傑作であることは間違いない。それでも、いや、それだからこそああいったことが歴史的にあったと人々に広まることは良くないのではないか。

お約束だから。それを分かった上で、ツッコミたい。例えば長命のエルフの村が古代龍の棲息圏にあるとかどうなのよ?
ご都合主義まで批判したりはしないし、細部に目をつむって読むべき作品だとは理解しているけど、ところどころに見られる著者のメッセージに信頼感が皆無となってしまうのはどうしようもない。

『まおゆう』はWeb版をチラッと見ただけでちょっと合わないかなと思ってまだ読んでいないが、『ログ・ホライズン』はどうやら世界の構造が物語の軸になりそうなので今後の展開をとても楽しみにしている。大地人とモンスターと冒険者の間のパワーバランスにやや疑問を感じていたりもするが、さすがに世界の構造に関してはよく考えられてはいる。「ゲート」にこのレベルを期待するのは間違っているけれど、間違いだと分かっていてももう少しどうにかならないのかと思うのは致し方ない。