「'081218バージョンアップ対応」と明記されているわけだが、4月のバージョンアップでは白魔道士や赤魔道士に大幅な修正が入ることが判明し、また「オーグメントアイテム」といった装備品に対する変更も予告され、出す時期が悪いとネット上では喧騒されている。
MMORPGの攻略本はあくまで”旬”のものなので、バージョンアップまでの今読まずにいつ読むという感じだろうか(苦笑)。
この「上巻」では、スタンダードジョブ6種(戦士、モンク、白魔道士、黒魔道士、赤魔道士、シーフ)と初期エキストラジョブ5種(ナイト、暗黒騎士、獣使い、吟遊詩人、狩人)が取り上げられている。
先日ソフトバンクより出た『ジョブ・マスターズガイド』は、1冊で20ジョブを取り上げ、更にサルベージ攻略なども掲載していたため、1ジョブ当たりの記述が少なく、どうしても通り一遍等な印象を受けた。
それだけに期待していたこの電撃ジョブ編な訳だが、1ジョブ当たりの記述はかなり豊富なのだがそれでも物足りなさを感じずにはいられなかった。7年近く経過したFFXIの歴史が各ジョブの厚みを生み、現在のヴァナ・ディールでは非常に多様なあり方が存在している事実がある。
感想はまた述べるとして、内容を見ておこう。
全210ページ。お約束の四コマが204本で、ほぼ全ての見開きの右に2つずつ掲載されている。また、ページ下部に定番のコメントも。
各ジョブの説明は、「○○の魅力は?」、注意点&苦手なこと、ステータス、戦闘スキル&魔法スキル、ウェポンスキル、ジョブアビリティ&ジョブ特性、サポートジョブ考察、メリットポイント、マクロ指南、関連クエスト解説、魔法リスト(魔法を使えるジョブ)、「レベル帯別・バトル,レベル上げ,装備ガイド」、「部位別・レベル75オススメ&あこがれの装備ピックアップ」、「アーティファクト〔カスタム〕&レリック衣装解説」、きまぐれ○○パラダイス、旅団員が語るジョブいろいろ座談会、○○今昔物語といったところ。これらの中にポイントや検証、状況による立ち回り方など様々な要素が書かれている。
目次と恒例の電撃の旅団メンバープロフィールで2ページ。「20のジョブとレベル75までの流れ」で2ページ。ここではサポートジョブ取得、アーティファクトの大まかな流れ、レベル限界突破、メリットポイントの基本について書かれている。
○戦士(14ページ)
「○○の魅力は?」、注意点&苦手なこと、ステータス、戦闘スキル&魔法スキル、ウェポンスキル、ジョブアビリティ&ジョブ特性で2ページ。サポートジョブ考察、メリットポイント、マクロ指南、関連クエスト解説で2ページ。関連クエストは主にアーティファクト取得クエストについて。
「レベル帯別・バトル,レベル上げ,装備ガイド」がメインで、レベル1~19、20~29、30~39、40~49、50~59、60~69、70~75に分けてポイントや重要なアビリティ、装備品、レベル上げでの特徴、ウェポンスキル、ジョブ特性、ENMクエストを取り上げている。また、レベル20、30、40、50、60での代表的な装備例、「星の輝きを手に」の限界突破のポイント、検証では「ダブルアタック」の発動率、「ダブルアタック効果アップ」の内容とは?、「リタリエーション」の反撃率は?が書かれている。
「部位別・レベル75オススメ&あこがれの装備ピックアップ」は部位ごとの注目装備が性能・入手方法付きでラインナップされている。次回のバージョンアップ次第ではあるが、かなり興味深いリストだ。
75の装備品では、片手斧&ピザ用の通常攻撃装備、片手斧&ピザ用のWS装備、両手斧&ピザ用の通常攻撃装備、両手斧&ピザ用のWS装備が掲載されている。他にもグループ2で修得できるアビリティ&ジョブ特性を解析!という検証や、ランページ&レイジングラッシュ、キングズジャスティス、スチールサイクロンのWSのダメージを効果的に伸ばすには?というアドバイスもある。
Q&Aでは、片手斧二刀流と両手斧のどちらを選べばいいの?という質問に対して食事や敵の強さなどによっての使い分けをグラフを用いて指摘している。メリポ稼ぎパーティでは両手斧&ピザが無難!?という検証も。更に特別対談と称してリディルvsブラビューラ頂上対決を対談で語っている。
「アーティファクト〔カスタム〕&レリック衣装解説」は1ページ。AFとAF〔カスタム〕、レリック防具とレリック防具〔カスタム〕の性能が一覧で見られるのは便利。またレリック衣装のファッションチェックも掲載。検証ではウォリアークウィスのダブルアタック発動率を取り上げている。
きまぐれ戦士パラダイスは、「戦士が敵対心プラス装備を極めるといったいどうなるのか確認しなさい!」というお題で1ページ。
○モンク(14ページ)
最初の4ページは戦士と同様。
「レベル帯別・バトル,レベル上げ,装備ガイド」では装備品に関する記述が目立つ。検証は気孔弾がMNDアップでどこまで変わるか。
「部位別・レベル75オススメ&あこがれの装備ピックアップ」に続いて、75での装備では、命中+ヘイスト装備、ヘイスト特化装備、WS用着替え装備、「チャクラ」用着替え装備が掲載されている。もちろん、黒帯取得方法なども書かれている。
サルベージも触れられているが、その扱いは非常に小さい。
「アーティファクト〔カスタム〕&レリック衣装解説」は1ページで、検証はチャクラ効果アップの性能に迫る!というもの。
きまぐれモンクパラダイスは、「種族ごとに蹴撃のモーションって違う?それと「猫足立ち」ってどうなの?」というお題で1ページ。
○白魔道士(16ページ)
最初の4ページは戦士と同様。サポートジョブ考察で定番トップに学者が挙がっている。
魔法リスト及びそのポイント解説で3ページ。ログに表示されない状態異常やオススメチャットフィルターは要注目。
「レベル帯別・バトル,レベル上げ,装備ガイド」では当然ながら魔法に関する解説が多い。テレポ&リコール系魔法の取得クエストも掲載している。検証は、アンデッドに対するバニシュ系魔法の効果。
75装備ではヒーリングMP+装備とケアル回復量25%アップ装備を紹介している。また、メリポパーティやデュナミス、ナイズルでの立ち回り方についても掲載されている。
「アーティファクト〔カスタム〕&レリック衣装解説」は1ページで、検証はリジェネの効果がここまで変わる!?というもの。
きまぐれ白魔道士パラダイスは、「そんなに殴りたいなら好きなだけサソリ(×6)を殴ってきなさい!!」というお題。結果は瞬殺だったようだが、ネット上では白による撃破報告もあるようで……。
○黒魔道士(20ページ)
最初の4ページは戦士と同様。
魔法リスト及びそのポイント解説は3ページ。ガ系の敵の数によるダメージ比較、単体I~IV系,範囲I~III系,古代I~II系のダメージ比較、INT値で見る精霊弱体のスリップダメージ比較という検証あり。
「レベル帯別・バトル,レベル上げ,装備ガイド」ではソロレベル上げが取り上げられている。レベル26~メリポまで18ヶ所の狩場が紹介されている。検証は、ドレインの暗黒魔法スキルによるHP吸収量の比較、アスピルの暗黒魔法スキルによるMP吸収量の比較、属性杖装備によるダメージの比較が取り上げられている。
75装備では、ソロでの活動向きの魔法攻撃力アップと格上相手用の2種類が書かれている。立ち回りではデュナミス、リンバス、エインヘリヤルが掲載されている。
「アーティファクト〔カスタム〕&レリック衣装解説」は1ページ。
きまぐれ黒魔道士パラダイスは、「アットワ地溝のパラダモの丘を、トラクタで山頂まで宅配!」というどうでもいい企画。
○赤魔道士(18ページ)
最初の4ページは戦士と同様。
魔法リスト及びそのポイント解説は2ページ。
75装備では一般的な装備例とソロ活動時の装備例が書かれている。戦術として、サポート役、マラソン役、スタン役、キープ役、盾役が紹介され、特に盾役についてはいろいろと書かれているもののもうひとつという印象。立ち回りでは、ナイズルやアサルト、サルベージ、デュナミス、ソロが掲載されている。また、バイオIIIに関する検証も。
「アーティファクト〔カスタム〕&レリック衣装解説」は1ページ。
きまぐれ赤魔道士パラダイスは、「旅団の赤魔は「南海の魔神」に行ってクラーケンクラブを取ってきて!!あ、ソロでね」というもの。
○シーフ(14ページ)
最初の4ページは戦士と同様。
「レベル帯別・バトル,レベル上げ,装備ガイド」ではお約束のトレジャーハンターの効果の検証も。
75装備では基本装備、DEX重視、AGI重視の3パターン。トレハンについての更なる検証や、アサシンチャージ使用時のWS比較なども。
「アーティファクト〔カスタム〕&レリック衣装解説」は1ページで、アサシンボンネットの「かすめとる効果アップ」の検証と、アサシンアムレット&盗賊のナイフによるいわゆる「トレハン4」での検証が行われている。
きまぐれシーフパラダイスは、「ちょっと岩塩とってきて!」とヴァナ全土のカニから岩塩が盗めるかどうかの検証企画。
○ナイト(16ページ)
最初の4ページは戦士と同様。サポートジョブ考察で忍者が定番として取り上げられている。
魔法リスト及びそのポイント解説は1ページ。
「レベル帯別・バトル,レベル上げ,装備ガイド」の検証は、センチネルで軽減されるダメージ量。
75装備では盾役2種、殴り、カンパニエバトル時の4種類の装備が紹介されている。他に75各コンテンツへのナイトでの参加時のポイントや、シバルリーのTP量とMND値の違いによる変換量の差、防御&敵対心と攻撃&命中でロイエのダメージが挙がりやすいのは?といった検証が掲載されている。
「アーティファクト〔カスタム〕&レリック衣装解説」は1ページ。
きまぐれナイトパラダイスは、「印章BF本の「6人ナイト」が面白かったのでまたナイトだけでなんかと戦ってきなさい!」という企画で「会議は踊る」に挑戦している。
○暗黒騎士(14ページ)
最初の4ページは戦士と同様。
魔法リスト及びそのポイント解説は1ページ。INT、魔法攻撃力、暗黒魔法スキルがドレイン&アスピルのHP&MP吸収量に与える影響の検証も。
「レベル帯別・バトル,レベル上げ,装備ガイド」では、「暗黒効果アップ」の性能は?という検証。
75装備では通常時とギロティン時の2パターン。ストアTPに関するトピックや、「ブラッドウェポン」+「暗黒」使用時の武器選択で、オリハルコンサイズ、サブドゥア、メリクリウスクリスでの比較検証が行われている。
「アーティファクト〔カスタム〕&レリック衣装解説」は1ページ。
きまぐれ暗黒騎士パラダイスは、「やっかいなあの技はスタンで止められるの?旅団の暗黒騎士なら、止めてみなさい!!」というお題でインシナレートと負の歌を止めるというチャレンジが。
○獣使い(16ページ)
最初の4ページは戦士と同様。
獣使いの基礎知識として3ページ。あやつりペットのモンスターデータ一覧と呼び出しペット一覧は見応えあり。
「レベル帯別・バトル,レベル上げ,装備ガイド」では、ソロ獣道としてレベル別のオススメ狩場を紹介している。
75装備では、魅了用と戦闘用の2種類が書かれている。検証は、ビーストアフニティとコルセアのファントムロールを取り上げている。
「アーティファクト〔カスタム〕&レリック衣装解説」は1ページで、モンスターグローブの検証なども。
きまぐれ獣使いパラダイスは、「最強のペットがいれば何でもできる!?獣使いならそれを証明しなさい!!」というお題で、フォミュナ水道で獣使い二人による白サブリガ取りを行っている。
○吟遊詩人(16ページ)
最初の4ページは戦士と同様。
歌リスト、楽器リスト及びそのポイント紹介で2ページ。
「レベル帯別・バトル,レベル上げ,装備ガイド」では、「ピアニッシモ」使用時の歌の効果範囲の違いが検証されている。
75装備は基本1種類のみだが、ミンストレルリング潜在発動のためのHPマイナス装備なども紹介されている。また、立ち回りはメリットポイント、デュナミス、リンバス、ナイズル、サルベージ、エインヘリヤルと多彩に取り上げられている。
「アーティファクト〔カスタム〕&レリック衣装解説」は1ページ。
きまぐれ吟遊詩人パラダイスは、「最強の音楽のユニットを生み出しなさい!!そしてヴァナ・ディールに平和を!」ということで、詩人6人パーティによるメリポ狩りが行われた。
○狩人(16ページ)
最初の4ページは戦士と同様。
「レベル帯別・バトル,レベル上げ,装備ガイド」では、スカベンジで拾えるアイテムのエリア対応表、狩人装備可能な矢弾リスト、ソロミミズ狩り用リスト、飛命・飛攻アップのオススメ食事、弓・クロスボウ・銃及び矢弾のレベル別対応表、乱れ撃ちの本数とレベルとの関連表といったリストが多数掲載されているのが目に付く。また、ホーリーボルトでの光ダメージがMND補正でどこまで上昇するのか?といった検証も。
75装備では、弓、クロスボウ、銃使用時の装備例が挙げられている。ホーリーボルト使用時に効果的な装備は?といった検証もあり、全体的にホリボル重視の内容だ。
「アーティファクト〔カスタム〕&レリック衣装解説」は1ページ。
きまぐれ狩人パラダイスは、「緊急指令!!ヴァナ・ディールの地下に眠るアイテムの真実とは?その謎を追え!!」としてスカベンジについての検証企画。
○戦闘知識&データ解説(17ページ)
・敵対心とモンスターの占有
敵対心に関する簡単な説明。最近は各行動のヘイト値すら検証されているので物足りない内容となっている。
・キャラクターの能力を表すステータス
・攻撃間隔とヘイスト
戦士のブリッツリングの説明ではかなり詳細な数字が上がっていたが、ここでは数字はなく簡単な説明のみ。
・装備の説明欄の見方
・属性と天候・曜日
・魔法の詠唱時間
・モンスターの知覚と知覚遮断
・レーダー
・状態異常
・マクロ活用法
・テキストコマンド解説
・スキル適性&スキル上限値一覧
・全ウェポンスキルリスト
・技連携早見表
上記二つにはミシックウェポンスキルが追加されている。
・食事効果一覧
オススメメニューと全食事効果リストの二本立て。
○注目の装備&クエストピックアップ(11ページ)
<ミッション&クエスト編>
・種族装備
・その他の種族専用装備
・ストーリーを進めて入手できる装備
ジラート、プロマシア、世界クエ、アトルガンのアイテム入手に関する簡単なポイント紹介。
・ブリジッドのファッションチェックII
・EVWS&ジョブ別WS
<NMアイテム編>
・免罪符&呪われた装備
・トゥー・リアNM編
・ルモリアNM編
・花鳥風月NM編
・獣人軍将領NM編
・その他のNM編
孔雀経の護符、オプチカルハット、スウィフトベルトの3種。
○巻末企画 全20ジョブ スペシャルアビリティ・エフェクト集
座談会も掲載されているが、「バージョンアップも気になりますね」の言葉がちょっと哀しい。
旅団本の最大の魅力は、各ライターがキャラクターとして成り立っている点だ。どこかの誰かではなく、プレイヤーと同じフィールドに立つキャラクターとしての存在感が他の攻略本との大きな差別化となっているのだ。従って、読み物として十分に楽しめる。たとえバージョンアップによって内容が過去のものとなっても、決して情報だけを売りにしていないために『電撃の旅団クロニクル』といった過去の記事を集めたものさえ商品として成立している。
とはいえ、やはり書けないことも多い。ヴァナのジョブ格差など負の面はなかなか描けないし、最先端の戦術などもなかなかフォローできているように見えない。このジョブ本でも、レベル上げ以上に75コンテンツでの役割や戦術などをもっともっと突っ込んで書いて欲しかった。
下巻は残りのジョブに加え、次回バージョンアップの検証など気になる要素も多い。更に75コンテンツのガイドも掲載予定なのでどんなものになるか楽しみだ。