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『ファイナルファンタジーXI 電撃の旅団 編 ヴァナ・ディール公式ワールドガイド 2010 Vol.2』

2010年10月23日 21時11分27秒 | FF11
ファイナルファンタジーXI 電撃の旅団 編 ヴァナ・ディール公式ワールドガイド2010 Vol.2ファイナルファンタジーXI 電撃の旅団 編 ヴァナ・ディール公式ワールドガイド2010 Vol.2
価格:¥ 2,100(税込)
発売日:2010-10-22


6月に発行された電撃のFF11ワールドガイド2010シリーズ第2弾。

『ファイナルファンタジーXI 電撃の旅団 編 ヴァナ・ディール公式ワールドガイド 2010 Vol.1』

Vol.1は98ページで1575円だったのに対して、本書は194ページで2100円。電撃のFF11攻略本恒例の厚さに戻り、細かな字でびっしり書き込まれているので読み応えは十分にありそうだ。レベルキャップの解放とアビセア導入によって大きく変化したヴァナ・ディールの現状を追うにはこれだけのボリュームが必要だと言えるだろう。

巻頭恒例の目次と旅団メンバープロフィール、そして、開発者インタビューのさわりがあって2ページ。

○最新バージョンアップ特集:最新バージョンアップ情報(6P)
9月9日のバージョンアップ情報。イベント・システム・バトルの概略、ウェポンスキル、アイテム・合成・錬成、その他の調整について見開き2ページで。ジョブ調整として4ページで20ジョブを。ただ別にジョブガイドのページがあるのでまとめた方が良さそうにも思えた。

○最新バージョンアップ特集:エンピリアン装束(4P)
AF3とも称されるエンピリアン装束について。性能はもちろん、型紙や強化アイテムの入手一覧もまとまっている。

○最新バージョンアップ特集:アトルガンエリア最新狩り場情報(2P)
9月9日のバージョンアップでモンスターの配置が変更されたアトルガンエリアの紹介。エジワ蘿洞、ゼオルム火山、カダーバの浮沼、アラパゴ暗礁域について地図入りで紹介されている。また、新規に追加されたモンスターは使用技も詳しく一覧になっている。

○最新バージョンアップ特集:アビセアの死闘(10P)
基本情報2ページのあと、3エリアのマップ&クエストを中心にそれぞれ見開き2ページずつ、最後に簡単なNMガイド。マップは通常モンスターの配置はもちろん、アクティブかどうかを色分けしているので見やすくなっている。NMガイドがボリューム不足なのは時間的制約を考えると仕方ないところか。

○『禁断の地 アビセア』(26P)
順序的に『アビセアの死闘』のあとに『禁断の地アビセア』の記事というのはちょっと変な感じがする。
アビセアエリアに対するより基本的な情報から始まり、「アビセアという世界」1ページ、「アビセアのシステム」パート1が1ページ、パート2が2ページ。アライアンス狩りの説明に見開き2ページ、メインクエストについても2ページ。
エリアガイドは各エリア6ページずつ。マップは死闘エリア同様色分けして表示されている。NM攻略に3ページ割かれていて、攻略法も記されている。

○レベル80台対応データ&全ジョブガイド(50P)
NEXT経験値やスキル適正&スキル上昇値がLv85まで対応。バトルコンテンツにLv80で挑んだ記事は読み物として楽しむ感じ。ウェポンスキル&連携解説はスキルで使用可能なWS及びレリック・ミシック用WS、カンパニエ専用WSのリスト。ただし、エンピリアンウェポン専用WSは記載無し。
全ジョブガイドは各ジョブ2ページで、最新事情2010とメイジャンの試練武器&狩り場ガイドから成っている。なお、9月に発行された「ヴァナ・ディール通信Fact Book1」で誤植ではないかとされた戦士のダブルアタック3段階目や赤魔道士のファストキャスト5段階目についての真実が語られている(青魔法セットによるダブルアタックやファストキャストが1段階目扱いとなり、戦士や赤魔道士の習得するジョブ特性は最初から2段階目扱いとなる)。9月のバージョンアップ情報が最新情報には反映されていない点はマイナス。各ジョブについてはもう少し詳しく書いて欲しい感じだが、12月にはまたレベルキャップの引き上げが予定されていることを思えば、なかなか難しいところかもしれない。

○メイジャンの試練 武器編(30P)
Vol.1の22ページを上回るボリュームとなった。基本情報などに4ページ、武器種ごとに1~2ページずつ(エンピリアンウェポンの紹介記事あり)、討伐対象NM一覧はVol.1のものと同じで地図付きで4ページ、試練関連のアビセア系NM一覧に2ページ、レリックウェポン&ミシックウェポンで2ページとなっている。

○ウォークオブエコーズ(4P)
基本情報と#01~#03までをマップ付きで攻略。

○最新版レベル75以降レベル上げガイド(6P)
経験値関連の算出法の表、コンテンツごとの経験値入手法、そして、6月のバージョンアップでモンスターの配置が変更されたプロマシアエリアの最新狩り場情報が取り上げられている。最新バージョンアップ特集のアトルガンエリアと同様地図付きで新モンスターの特殊技一覧も記載されている。

○サルベージ完全ガイド(26P)
なぜ今?って感じだけれど、電撃の攻略本ではしっかりとは攻略されていなかったのも確か。レベルキャップ解放により難易度は格段に下がっているようだが、同時に防具の価値も下がり気味か。
基本情報に2ページ、戦利品として各防具に2ページ、各エリア攻略に4~6ページから成る。エリアは地図付き。

○『プロマシアの呪縛』ミッション攻略最新版(8P)
レベル制限エリアの制限が撤廃され非常に楽になったプロマシアミッションの攻略記事。ソロ攻略の記事も。

○お役立ちデータ集(4P)
ヴァナ・ディール最新食事事情とお役立ち錬成レシピにそれぞれ2ページ。新規レシピやオススメメニューが掲載された食事事情は要注目。合成職人向けの食事として、職人修行力、職人品質力という食事効果が追加されている点もはっきりした。

○開発者インタビュー(7P)
6月22日に行われたものが4ページ、9月9日に行われたものが3ページ。このインタビューからアビセアNMの弱点法則が判明し、それについて1ページでまとめられている。

○声優さんコラム(2P)
Vol.1から引き続き、声優の中村悠一と加藤英美里のコラム。

○FF11バカノ会(1P)
こちらもVol.1から引き続いての企画記事。

○きまぐれ旅団パラダイス(3P)
団長と七つ星のユリィ(ペット)とのトレハン対決やMMM警備課調練室の紹介など。

巻末は奥付の他にモンスター種族別ガイドとして種族別のモンスターリストが掲載されている。モンスターについてだけで一冊攻略本を作ってくれても面白いかもと思うがどうだろう。

やはりこれくらいの厚さがないと電撃の旅団本としては物足りない感じがする。9月のバージョンアップに対する記事は突っ込んだ部分が少なく、6月のバージョンアップの分との統合が出来ていない印象は否めないが、それだけ大きな変化がヴァナに起きているという証明でもある。Vol.3の発売も予定されているが、その時にはどんなヴァナになっているだろう。
Vol.1の感想に食事効果一覧が欲しいと書いたが、一覧ではないものの食事効果についての記事があったのも「買い」。一方で、これだけの情報量だから仕方がないものの誤植と思しき記載もある。アビセア-タロンギのエンシェントジェイドの入手について「真価」と「貪欲」が逆じゃないかと。

【追記】
電撃の旅団公式サイトに、「『電撃の旅団 2010 Vol.2』の内容訂正について」という修正記事がアップされた(電撃プレイステーション Vol.483にも掲載)。
9月のバージョンアップ内容を盛り込むために通常以上に大変だったせいか、誤植が増えたのは仕方ないところではあるが、こうして訂正記事が公開されたのは良かったと言えるだろう。


ヴァナ・ディール近況

2010年10月18日 02時03分00秒 | FF11
当面の目標だったLv75ジョブ9つのレベル上げが完了。スキルや装備は手付かずのまま、ただレベルだけがカンストした。
次のバージョンアップまでは2ヶ月くらいありそうなので、その間にやっておきたいことを記しておこう。

「禁断の地アビセア」エリア3ヶ所の名声上げも終了。「アビセアの死闘」エリアは型紙クエストをやれば自然と上がりそう。欲しいアートマやジェイドはほとんど取れていないので少しずつでもシャウトに乗って取っていきたい。
型紙取りはおいおいと。相変わらず、常に収納の問題とリンクしてしまうので難しいところだ。ちなみに取れたAF3足は、戦士、モンク、ナイト、吟遊詩人、獣使い、学者。装備できないものが混ざってる……。焦せらずに集めようと思う。

メイジャンは現在片手剣と片手刀をそれぞれ二つずつ進行中。二刀流で同時進行可能なのでなんとか進められているが、すぐ飽きるのが難点。片手剣はWSとカンダ狙い。2回攻撃は無理っぽいのでダブルアタック+が希望だがカラマリ30匹は無茶かなとも。片手刀はとりあえずWSと回避。回避2本、命中2本が理想だが、そこまでやる気力はない(きっぱり。
他に必要なのは両手斧と両手棍。両手斧は命中かWS、両手棍はケアル回復量アップや氷・雷あたり。いろいろ欲しくはなるけれど、現実的に作れるのは限られてるしね。

召喚士Lv67でアビセア乱獲に潜り込んで73になったので、召喚士のレベル上げも視野のうちに。エボカーリングを取るために走り回った。フェンリルとイフリートの息吹はすでに持っていたので残り5つの召喚獣と対戦。なめてかかったら、最初のタイタンに完敗。青だったからかアスフロ技をレジれなかった。その後、赤で4つ危なげなく勝ったけれど、最後のシヴァで再びレジれず。かろうじてHP11残ったのでなんとか立て直せたけれど、感覚としてLv85になってもレベル差補正が75から変化してないように思えてしまう。アビセアだと支援やアートマなどで強くなった気になるけれど、他のエリアだと……。
ペットジョブはアビセアで特に活躍できるので、召喚士と獣使いを上げたいところ。

レベル的にもう少しなのがマートキャップなんだけれど、アビセア乱獲を体験するとFoVでせこせこ稼ぐのが嫌になってくる(苦笑)。箱開けで参加というのもそうちょくちょくはできそうにないので、主催するのも考えているけれど、まああと1~2レベルなのでFoVなどを頑張るかもしれない。

ほとんどやっていなかった「モグ祭りの夜」「シャントット帝国」、それにここ数回のVU分が放置状態のアルカナミッション&過去三国連続クエストを進めるのもやっておきたいところ。人工アートマの獲得にも繋がるし。とはいえ、今からだと人集めは大変そう。
あと、召喚士のレベル上げと連動して、オーディン&アレキサンダー取得もやらないといけない。なんとなくBF戦前で放置しているし。
やりたいことと言うよりもやっておかないとと思うことの方が多い感じだけれど、少しずつ焦らずにやっていかないとね。


感想:BECK ―音楽を表現するということ―

2010年10月15日 18時17分18秒 | アニメ・コミック・ゲーム
作者のハロルド作石の作品は『ストッパー毒島』が好きで、『BECK』は連載中から気になっていたコミックではあった。TVアニメは当時は見る習慣がなかったため、ほんの数話見ただけだった。
ある程度の予備知識は持っていたものの、全34巻を一気に読んで感じたことを記しておきたい。

雑誌連載ではすぐに読むのを投げ出していたかもしれない。コミックスで追いかけるのも諦めたかもしれない。ストーリー展開はうまいとは言えず、もどかしく感じることが多々あった。特に少年マンガ的設定である「敵」の表現に関しては。

「成長」がテーマのようでありながら、実は音楽面においては簡単に上手くなっている。もちろん、そこには厳しい練習があってのことだが、それをしたからといって誰もが成功するわけではないという見方は省みられていない。
才能ある5人が集まってすごいバンドを作った。それだけだとストーリーが展開できないために「敵」を配置した。それによって純粋な音楽をめぐる青春物語とは異なるカオスな作品になっている。それは作品の破綻にも繋がったが、同時に作品のパワーを溢れさせることにもなった。小さくまとまらなかったからこそ、人々を魅了することができた。

そして、『BECK』にはストーリーを枝葉と思わせるほどの表現が存在する。
以前、『のだめカンタービレ』の感想でも書いたことだが、フィクションにおいて音楽を表現するのに最適のメディアはコミックだと思っている。音楽の力に対峙できる唯一の存在が絵だからだ。
文章だけで音を表現するのは非常に難しい。優れた詩を描いてもそれを読者に音楽として伝えることは不可能と言える。
実写やアニメといった映像表現は同時に音を使うことが出来るため、音楽を表現できそうに思えるが、実はそれこそが欠点となりうる。人々を熱狂させる音楽を演奏するシーンで奏でられる音楽を聴いて視聴者を納得させることができるのか。例えば『BECK』であれば、コユキの歌声を特別なものと感じさせられるのか。或いは、「DEVIL'S WAY」を実際に聴いて感動するのかどうか。コミックなら想像力で読み手がそれぞれ最高の音楽を思い描けても、映像メディアでは最高の音楽を実際に提示しなければならない。人々の想像力を上回る表現ができる可能性は高くない。

また、上手い下手などの差を実際に音楽で示すのも難しいことだ。ジャイアンの音痴くらい下手だとまだ表現できるが(とはいえコミックで表現している破壊的パワーは描けないが)、それなりに上手い演奏者の優劣は実際の音楽では差を見せられない。聴き手が素人なのだからどうしようもない。結局、それは音楽以外の方法で示さなければならなくなる。

映像メディアだからこそできる強みももちろん存在はしている。特にすでに名曲と評価される音楽を利用できる場合は。しかし、繰り返しになるが、受け手の想像力に働きかけるには、音楽を音楽で表現するのは難しいと感じてしまう。

絵の力も描き手の力に拠るところが大きい。古くは『To-y』などの例があるが、成功している作品ばかりではない。『けいおん!』のように音楽を扱いながら音楽を表現しようとしないコミックもある。読み手に納得させるためには高い表現力が必要であり、誰にでもできることではない。その高いハードルを越えられた作品だけが音楽マンガとして歴史に燦然と輝くことになる。そして、現時点ではその最高峰にこの作品が位置しているのは間違いないだろう。


アルゼンチン戦歴史的勝利

2010年10月09日 00時43分59秒 | スポーツ
ホームでのテストマッチとはいえ、世界トップクラスのアルゼンチンを相手に1-0と完勝した日本代表。ザッケローニを新監督に迎え、最高の滑り出しを見せることが出来た。

見たのは前半16分頃から。序盤はアルゼンチンが押していたというが、見始めてからは日本の方が押している印象を受けた。攻撃の意識が高く、特に本田と香川の二人はプレッシャーを感じていないくらいの余裕がうかがえた。仕掛けもアイディアがあり、見ていて楽しめた。アルゼンチンはメッシはキレのよいプレーを見せていたが、周囲ともうひとつかみ合っていないように見えた。

長谷部のミドルシュートをGKがはじいたところを岡崎が詰めて先制。本田と香川は直接得点には絡まなかったが、その後も再三チャンスを作り、アルゼンチンゴールを脅かした。

後半、アルゼンチンが猛攻を見せる。しかし、決定的な場面はそれほど生まれなかった。ただ、日本がメンバー交代を始めてからは攻撃の形がなかなか作れなくなり、特に香川を替えてからは本田が孤立する場面も見られた。後半に関しては攻撃的意識が十分に見られたとは言えず、やや残念な内容。それでも、アルゼンチン相手、しかも、メッシ、テベスといった豪華メンバー相手に完封したのは見事だった。

W杯とは打って変わって、4-2-3-1の攻撃的布陣。サイドバックやボランチの攻撃参加も特に前半は多く見られた。セレッソ大阪も4-2-3-1でアイディア溢れるファンタジスティックな攻撃を見せているが、MFに優秀な人材の多い日本人には合った布陣だと思う。もちろん、ザッケローニが得意とする3-4-3を今後採っていく可能性も高いが。

大きな舞台で今日のような攻撃的姿勢を取るのは難しい。W杯では多くのチームが守備的な戦いを見せたのは記憶に新しい。だが、攻撃力を磨くことは戦術の多様性を高めてくれる。また、相手の攻撃意識を削ぐことにもなる。ファンに見たいと思わせることもプロだから大切だ。

日本代表の欠点のひとつに、好不調の波の大きさが挙げられる。先日もパラグアイ戦では素晴らしい試合を見せたのにグァテマラ戦ではひどい試合内容だった。日本代表に限らず、好不調の波はどんなチームにも存在するが、その大きさがよくサッカーで使われる「経験不足」と指摘される点だろう。次の韓国戦が非常に注目となるのはまさにそれがどれだけ改善されるかの試金石になるからだ。

選手層については次回W杯に向けて言えばまだとやかく言う段階ではない。この試合で先発した選手たちは全体に高いレベルのパフォーマンスをしてみせた。怪我などで欠場した主力選手もいるし、途中交代で結果を示した選手もいた。それでも選手層は厚いとは言えず、4年後に向けてはもっと激しい競争が必要となってくるだろう。ベストな状態の本田や香川をベンチに座らせるような選手が出て来ることを期待したい。


「けいおん!!」空気系アニメと四コママンガ

2010年10月07日 01時21分08秒 | けいおん!
TVアニメ第1期がスタートしたとき、原作の四コママンガはメジャーとは言い難かった。著者のかきふらいにとって「けいおん!」はプロとして初の単行本だった。

私自身はTVアニメの第1期を見て原作に手を出した。そして、原作に対してさほど強い印象を持つことはなかった。

第1期は原作の1、2巻をベースに唯たちの入学、軽音部の結成、梓の加入、二度目の学園祭までを12話で描いている。(1期13話は番外編)
一方、第2期では原作の進行との兼ね合いもあり、オリジナルのエピソードが非常に多くなっている。2クールをかけて、唯たちが3年生として過ごした1年間を描いた形だ。

第1期は駆け足の印象を受けたが、原作にかなり忠実で、ストーリー性を強く打ち出したのは最終回に向けて唯の風邪のエピソードあたりくらいだった。それを除けば良くも悪くも肩の力が入っていないまさに「空気系」と呼ぶに相応しい内容だったと思う。更に完全なオリジナルであった番外編も、その点を強調したような作りだった。

2期になって違和感を覚えたのは、ストーリー性の匂いを感じたせいだろう。原作にないエピソードが増えるのは当然だが、そこに作り手の意図が透けて見える気がした。通常の物語であればそれが当たり前だが、空気系の場合興醒めしてしまう思いを抱いた。もちろんそれは通常の物語で見られるような強いメッセージではない。本当に微かなものだ。しかし、それを消し去らなければ独特の空気は漂わない。

原作の3巻は1期と2期の間に発売された。2期は原作を先行して読んだという立場で見ることとなった分、厳しい視線を注ぐことになったのかもしれない。原作に忠実であれと望んでいたわけではない。繰り返しになるが、原作にある力の抜け具合がTVアニメで感じられなくなってしまったことに戸惑ったのだ。

2期15話「マラソン大会!」あたりからようやく普通に見ることができるようになった。慣れたせいなのか、それとも作り手の肩の力が抜けたのか。そして、24話の最終回を経て残る2回の番外編の1回目「企画会議!」を見た後で最終巻となる第4巻を読んだ。

それはひとつの衝撃だった。

それまで私の中ではTVアニメ版が原作を上回っていた。原作をないがしろにしていたわけではないが、TVアニメによって原作の魅力が大きく膨らんでいたのは間違いないことと思っていた。いや、実際にそうだったのだ。
それが逆転した。
原作は最終回に向けて、それでも強い想いは込められず、淡々と、しかし、魅力的なエピソードを描いている。ものすごく腕が上がったというわけではないが、着実にステップアップしている。そして、今までの「けいおん!」の空気を壊すことなく、それでもぐっと来るような些細な描写を織り込んでいる。

大学受験、合格発表、そして、卒業式。これらのエピソードは先に見たTVアニメ版ではなく原作のエピソードによって上書きされた。
2期の制作スタッフは1期から継続しており、オリジナル色の強い話でも世界観を壊すようなことは決してなかった。原作の有無に関わらず、それぞれの回はよく出来ているのは間違いない。だが、結局2期は1期の時ほど心を動かさなかった。その差を分かつ要因がなんだったのかはまだよく分からない。ただ作り手が力を込めたからといって良くなるわけではないのも事実なのだ。

TVアニメよりも原作の方が良かったという構図を覆す存在が「歌のシーン」だ。
マンガは音を奏でられないがゆえに音楽を表現するのが難しいという「常識」があるが、私はそれは全く逆だと思っている。『のだめカンタービレ』の時にも語ったが、音が奏でられないがゆえに表現できる音楽があり、アニメでは音が奏でられるがゆえに表現しがたいものがある。
しかし、「けいおん!」に関しては「歌のシーン」の表現力においてTVアニメが圧勝している。これは四コママンガの制約でもあるし、著者の技量の問題でもある。もちろん、TVアニメのスタッフの優秀さが最大の理由であるが。

最後の放映時に劇場版の告知が行われたが、極端な話、映画が丸々ライブシーンであれば何が何でも見てみたいと思う。正直、空気系と映画は相性があまり良くないと思うから。映画は長丁場ゆえに緩急や抑揚が必要だ。けれども、空気系はそうした緩急や抑揚がないところからスタートするようなものである。もちろん、あくまで長編のTVアニメという考え方で貫くこともできよう。また、空気系としてうまく展開できなくとも最後は「歌のシーン」によってチャラにできる強みがある。

空気系アニメのほとんどすべて四コママンガを原作としている。四コママンガがストーリー性の乏しい空気系を描くのに適した表現手段であることは間違いない。TVアニメにおける空気系がそれを単に写し取っただけのものなのかどうか。今後の空気系アニメの登場を待たねばそれを否定できないのかもしれない。



「ゴーストハント」シリーズ復刊

2010年10月06日 16時46分34秒 | 本と雑誌
メディアファクトリーの幽ブックスから、小野不由美の「ゴーストハント」シリーズが加筆の上で完全版として復刊される。

小野不由美 幻のホラー長編「ゴーストハント」シリーズ全編リライトで復刊!

「ゴーストハント」シリーズは1989年より講談社X文庫ティーンズハートで悪霊シリーズとして全7巻(7巻目は上下巻)、1994年に講談社X文庫ホワイトハートよりその続編に当たる『悪夢の棲む家』上下巻が刊行された。
1998年よりいなだ詩穂によって漫画化され、全12巻で最近完結となった。また、2006年にはTVアニメとして2クールにわたって放送された。

小説本編は15年以上前に終わっているが、その後も根強い人気を誇っているシリーズである。小野不由美の代表作である『十二国記』に比べると圧倒的にジュブナイル色が濃いが、少女小説らしいキャラクターの魅力が随所に現れている。現在では小説版は入手が困難ということで、今回の復刊は待ち望まれたものと言えるだろう。

本日発売の雑誌「ダ・ヴィンチ」2010年11月号ではリライト版が掲載、来月号では特集が組まれる予定だという。

ダ・ヴィンチ 2010年 11月号 [雑誌]ダ・ヴィンチ 2010年 11月号 [雑誌]
価格:¥ 490(税込)
発売日:2010-10-06


11月19日に『ゴーストハント1 旧校舎怪談』(「悪霊がいっぱい!?」改題)が発売されるのを皮切りに2ヶ月ごとに全7冊の刊行予定となっている。残念ながら、『悪夢の棲む家』についてのアナウンスは無く、シリーズ自体の復活は望み難い感じだろうか。

小野作品の中でも思い入れのあるシリーズだけに、リライト版も是非読んでみたいものだ。


感想:MM9-MONSTER MAGNITUDE-

2010年10月03日 02時02分17秒 | テレビ番組
山本弘のSF小説を原作とした特撮ドラマ。ただし、原作の基本設定のみ生かして内容はほぼオリジナルとなっている。

怪獣災害が台風のように自然災害として捉えられている日本が舞台。MM1未満はSと称され環境庁の管轄、一方、規模の大きなMは防衛省の管轄とされ、中規模のM災害に対応する存在としての気象庁特異生物部対策課機動班の面々をメインに描いている。
とはいえ、伊藤和典の脚本はストレートでは全くない。正義の公務員という点から、「機動警察パトレイバー」を思い起こさせる雰囲気が随所に漂っていた。

実際にM(怪獣)の登場するシーンは少ない。ちゃんと登場したのは第5話と最終回に至る12・13話くらい。不思議さを前面に出したタイムトリップものである6話は異色作だが、本シリーズの真骨頂は人間関係の細かなやり取りがメインとなった7・8話だろう。
防衛省からの出向でやって来た氷室と、本作のヒロインの一人である朏(みかづき)との恋愛のようなそうでないような微妙な関係性を淡々と描いている様は他ではなかなか見られない面白さがあった。

一方で、もう一人のヒロイン藤澤はちょっと造型が雑な印象。彼女だけキャラを際立たせて、他を複雑で厚みのある造型にしようとしたのだろうが、藤澤はもっとシンプルで良かったように思う。藤澤が目立たない展開の方がストーリーに入り込めたのは間違いない。

謎の少女の全容が明かされていないなど、終わったとはいえいくらでも続編が作れるようになっている。もう少しこのキャスト・スタッフでいろんな展開を見てみたいと思わせるだけに、期待したいところだ。


アビセア在住

2010年10月02日 02時29分29秒 | FF11
長く続いたLv75時代が終わり、レベルキャップが解放された時、Lv75のジョブは9つあった。しかし、忙しさもあってほとんどログインせず、3ヵ月後のバージョンアップまでに2つのジョブがLv76になっただけという有様だった。
そして、アビセアの死闘を導入後、初めてアビセア乱獲に参加してから半月ほどのうちに、9つのうち6つのジョブがLv85に到達し、残る3ジョブも80台となっている。時期に乗り遅れてクエストなど苦労している部分もあるが、ログインしている時間の大半をアビセアで過ごしている状態だ。

とりあえずレベル上げ優先でプレイしているので、AF3やアートマなどの獲得はほとんど進行していない。今も、まずは残り3ジョブのLv85化を推進しているところだ。通常の乱獲であれば3回で到達できそうだが。

アビセアの死闘で導入されたAF3は、頭、脚、足の三部位。頭はクルオとの交換だが、クルオはあっという間に溜まったのでいつでも交換できる状態。脚は抵抗軍戦績との交換。現在は4つ分程度溜まっている。バスティオンにもう少し積極的に参加すれば稼げそうだ。難しいのが足。金箱から出るため取り合いの形。ナ、吟、学(あとなぜか獣)を取れたが、赤あたりは人気があるので大変そうだ。
強化するのに必要な型紙は、NMを倒すかクエストで手に入る。とはいえ、どちらもランダムな部分があり、8枚集めるのは容易ではない。クエストによってはソロでは難しいものもあるが、レベルキャップが解放されればまた異なる難易度になるだろう。
今のところはあまり頑張り過ぎない程度に集めているが、それでは全然貯まらない。ただ型紙は鞄をとても圧迫するので、その解決のためには早く集めた方がいいのではあるが。

アビセアのクエストは各エリアごとに名声が存在し、それを上げることが必要になってくる。しかし、補給活動などほとんど詰まってしまうようなものがあって、どうしたものかと頭を悩ましている。レベル上げ以外では目下のところ最も優先しているのがこのクエスト攻略と言えるだろう。
もうひとつ優先していた青魔道士のラーニングは無事に終了した。

AF3以外でも装備の確保が必要になってきた。前衛用のペルル装束一式は交換して手に入れた。後衛用のティール装束も必要かと思うが、鞄がいっぱいで二の足を踏んでしまっている。アイテムの再整理が急務だ。
武器ではメイジャンの試練の必要性が高まっている。NMのレアドロップを除くと、まともな武器がほとんどないような状況だからだ。しかし、メイジャンの試練も一朝一夕にできるものではないだけに、相当時間が掛かりそうだ。

アビセア導入によってジョブのパワーバランスが一変した。アライアンス主体ということで、どのジョブにも活躍の場ができた面はあるが、その中でもペットジョブである獣使いと召喚士が人気となっている。これまでの長い不遇を忘れさせるほどだ。アビセアではプレイヤーへのサービスが大盤振る舞いといった感じになっているが、一方でNMは凶悪になっており、それに対応できるのがこの両ジョブだ。
マートキャップ取得という目標が停滞している現状だが、活躍する姿を見て獣使いか召喚士のレベル上げをしたいと思うようになった。共に60台なのであと一息ではあるが、なかなか険しい道のりでもある。

FF14の正式サービス開始でそちらへの関心もありはしたが、今はFF11を楽しめている。確かにプレイヤーの数は減ってはいるものの、これまでのような「時間稼ぎ」的なコンテンツではない点でアビセアは面白い作りと言えよう。一部には例外もあるけれど。FF14がこんなノリならばプレイしたいと思うのだけれど、いまだどう面白いのかが伝わってこないのが……。