開幕を明日に控え、今シーズンのNFLを展望してみたい。
数年前から、開幕戦が1試合早く行われるようになり、今期は三連覇を目指すNew EnglandがOaklandを迎えて戦うこととなった。というわけで、その前にAFCの予想から。NFCは日曜までになんとか書く予定。
順位予想はかなり適当。レギュラーシーズンの試合の勝敗予想を1試合5~10秒というペースで行い、その集計から。集計してみて、予想した本人が非常に驚いたなんてこともあったし(笑)。
■AFC EAST
★New England Patriots (12-4)
HC: Bill Belichick (6: 62-27)
OC:
DC: Eric Mangini
OT: QB Tom Brady, RB Corey Dillon, FB Patrick Pass, WR David Givens, WR Deion Branch, TE Daniel Graham, LT Matt Light, LG Russ Hochstein, C Dan Koppen, RG Steve Neal, RT Brandon Gorin
DT: LDE Richard Seymour, NT Vince Wilfork, RDE Jarvis Green, LOLB Willie McGinest, LILB Chad Brown, RILB Monty Beisel, ROLB Mike Vrabel, LCB Randall Gay, RCB Asante Samuel, SS Rodney Harrison, FS Eugene Wilson
ST: K Adam Vinatieri, P Josh Miller, KOR Patrick Pass, PR Kevin Faulk
Patsに関しては昨日の記事でもすでに書いたが、ワイズ、クレネルの攻守のコーディネイターが抜けた穴が最大の注目点。大局においては、ヘッドコーチの手腕が鍵を握るが、接戦でのワンプレーワンプレーの選択などにコーディネイターの力量が発揮されてくるのではないかと思っている。これまで抜群の勝負強さを見せていたチームだけに、接戦で落とすようなことが続くとリズムに乗れなくなる可能性も考えられる。
攻撃に関しては、ブレイディのケガだけが心配といったところか。バックアップは大ベテランのダグ・フルーティが務める。
守備は、自慢のLBに不安が残る。ディフェンスリーダーテディ・ブルスキの健康面のトラブル、テッド・ジョンソンの引退とインサイドの二枚が欠けることで、これまでのような守備力が維持できるのか心配だ。チャド・ブラウンの加入は頼もしいが、守備はキープレイヤーにベテランが多いだけに負傷や疲労といったリスクも抱えている。
接戦で苦労するという視点で12勝。まあブレイディのケガがなければ、このくらいは勝てる気はする。ただ三連覇はさすがに厳しいと思う。今シーズンはプレイオフでマニングの執念に倒されそうな予感。
★New York Jets (11-5)
HC: Herman Edwards (5: 37-32)
OC: Mike Heimerdinger
DC: Donnie Henderson
OT: QB Chad Pennington, RB Curtis Martin, FB Jerald Sowell, WR Laveranues Coles, WR Justin McCareins, TE Chris Baker, LT Jason Fabini, LG Pete Kendall, C Kevin Mawae, RG Brandon Moore, RT Adrian Jones
DT: LDE Shaun Ellis, NT James Reed, DT Dewayne Robertson, RDE Bryan Thomas, SLB Victor Hobson, MLB Jonathan Vilma, WLB Eric Barton, LCB Ty Law, RCB David Barrett, S Erik Coleman, S Kerry Rhodes
ST: K Mike Nuqent, P Ben Graham, KOR/PR Justin Miller
華やかさには欠けるが、Jetsはいいチームだと思う。ミニPatriotsと言おうか・・・・・・。ただあそこまで勝負への執着を感じない。選手の個性の差というより、コーチングスタッフのちょっとした違いなんだろうけど。
大ベテラン、カーティス・マーティンは昨シーズン1ヤード差でラッシングのタイトルゲット。本当にタフなランナーだ。これを支えるOLはRTが変わったのがやや不安。レシーバーでは、サンタナ・モスとのトレードでコールズが復帰した。あとはペニントンがこの攻撃を上手く得点に結び付けられるかだが、能力は買っているQBなのに怪我が多いのが悩みの種。シーズンを通してプレイしないとチームのリズムを作れない。バックアップにジェイ・フィードラーを獲得はしているが・・・・・・。
守備ではDTジェーソン・ファーガソンの抜けた穴を埋められるかが重要。一方、タイ・ローの加入は大きなプラスだ。昨シーズンはケガで欠場したが、大舞台を何度も経験したビッグネームはチームにいい刺激を与える期待ができる。
キッカー、パンター、リターナーがルーキー。ドラフト2巡という非常に高い評価のナケントが期待通りの活躍をできるかどうかがチームの浮沈に繋がっていくだろう。
ペニントンが離脱しなければという感じの11勝評価。離脱すればその分が負け数にというところか。地力があるのに、殻を打ち破るインパクトに欠けている。ちょっとしたケミストリーで大化けする可能性もあるチームなんだけど。今のままではスーパーまでは届きそうにない。
★Buffalo Bills (7-9)
HC: Mike Mularkey (2: 9-7)
OC: Tom Clements
DC: Jerry Gray
OT: QB J.P. Losman, RB Willis McGahee, FB Daimon Shelton, WR Eric Moulds, WR Lee Evans, TE Mark Campbell, LT Mike Gandy, LG Bennie Anderson, C Trey Teague, RG Chris Villarrial, RT Mike Williams
DT: LDE Chris Kelsay, LDT Sam Adams, RDT Ron Edwards, RDE Aaron Schobel, SLB Jeff Posey, MLB London Fletcher, WLB Takeo Spikes, LCB Terrence McGee, RCB Nate Clements, SS Lawyer Milloy, FS Troy Vincent
ST: K Rian Lindell, P Brian Moorman, KOR Terrance McGee, PR Nate Clements
注目はただ1点。若きQBロスマンの能力次第。昨年のドラフト1巡。同期のロスリスバーガーのように、一気に才能を発揮できるのか。正直、QB以外の陣容は十二分にプレイオフ当確といった感じ。昨シーズン、QBブレッドソーの出来に非常にばらつきがあって、勝てる試合を落としたりしているのに9勝を挙げたのはチーム力の高さの証だ。
優秀なRBトラヴィス・ヘンリーを追い出したマゲイヒーが更なる成長を見せられるか興味深い。ラインは左サイドの二人が新加入。攻撃はとにかくロスマン次第なので、やってみないと分からない部分が多い。ロスリスバーガーのように結果を出しながら成長するか、カーソン・パルマーのように育てながら戦うか、イーライ・マニングのようにただ使い続けるかはヘッドコーチの判断ということになるだろう。
守備は、中堅からベテランが主体だが、非常に優秀だ。オフェンスがリズムよく戦えれば、更にいい働きができそう。
高い評価の割に7勝止まりとなったのは、未知数のQBのせい。実力均衡の相手にはどうしても厳しい評価が出てしまった。逆にロスマンが活躍すれば、一気に様相が変わる。ロスリスバーガーのみならず、ブレイディやワーナーのようにブレイクする可能性もある。ただし鳴り物入りで入ってもさっぱりなQBも大勢いた。こればっかりは何試合か見てみないと評価しようがないから・・・・・・。
★Miami Dolphins (5-11)
HC: Nick Saban (1)
OC: Scott Linehan
DC: Richard Smith
OT: QB Gus Frerotte, RB Ronnie Brown, FB Heath Evans, WR Chris Chambers, WR Marty Booker, TE Randy McMichael, LT Damion McIntosh, LG Jeno James, C Seth McKinney, RG Rex Hadnot, RT Vernon Carey
DT: LDE Kevin Carter, NT Keith Traylor, DT Vonnie Holliday, RDE Jason Taylor, SLB Donnie Spragan, MLB Zach Thomas, WLB Junior Seau, LCB Reggie Howard, RCB Sam Madison, SS Tebucky Jones, FS Yeremiah Bell
ST: K Olindo Mare, P Matt Turk, KOR/PR Wes Welker
新体制で再建の年。というか、ここ1、2年で上手く立て直さないと低迷期を迎える危険もありそう。話題としては、RBリッキー・ウィリアムズの復帰だが、1年間のブランクを取り戻せるかは疑問。
先発QBの座はジャーニーマンのガス・ファーロットがとりあえずゲット。とはいえ、長期的展望に立てば若手の育成もしたいところだが。リッキーはサスペンドもあって、RBはルーキーのブラウンが担う。ただラインも強くないので、苦しいスタートになりそうな気配。
守備陣は名前を見れば錚々たる顔触れ。逆に言えば、年齢的にそろそろ下り坂の選手が集まってる感じ。若返りが急務だと思うが果たして・・・。
自慢だった守備力に翳りが見え、チームの再建は非常に難しそうだ。起爆剤になりそうな要素に乏しいが、ベテランが多いので上手く勝ちを拾っていければもう少しは上積みできそう。
■AFC NORTH
★Cincinnati Bengals (14-2)
HC: Marvin Lewis (3: 16-16)
OC: Bob Bratkowski
DC: Chuck Bresnahan
OT: QB Carson Palmer, RB Rudi Johnson, FB Jeremi Johnson, WR Chad Johnson, WR T.J. Houshmandzadeh, TE Reggie Kelly, LT Levi Jones, LG Eric Steinbach, C Rich Braham, RG Bobbie Williams, RT Willie Anderson
DT: LDE Justin Smith, LDT Bryan Robinson, RDT John Thornton, RDE Robert Geathers, LLB Landon Johnson, MLB Odell Thurman, RLB Brian Simmons, LCB Deltha O'Neal, RCB Tory James, SS Kevin Kaesviharn, FS Madieu Williams
ST: K Shayne Graham, P Kyle Larson, KOR Tab Perry, PR Keiwan Ratliff
何故こんなに勝ち星を挙げているのか私自身にも謎。ただAFCで最もシンデレラチームになる可能性の高さは感じている。昨シーズンは1勝4敗から8勝8敗に持ち直した。序盤にQBカーソン・パルマーを見たとき、正直彼ではダメだと思ったが、後半になると見違えるように成長した。これが持続すれば、十分台風の目になれるだろう。
やたらジョンソンの多いチームだが、ルディとチャドの二人は素晴らしい選手だ。パルマーの成長によって、攻撃の形が作れるようになり、攻撃だけなら既にかなりの力を持っていると言えるだろう。
課題は守備だ。ドラフト1巡ルーキーLBポラックら若手の成長なしには大躍進はありえない。
スケジュールはそれほど厳しくない。序盤から勢いに乗ることが出来ればチャンスは十分ある。ただし波に乗れなければ昨年以下の成績も十二分にあり得るので、開幕戦の戦い方が注目だ。
★Baltimore Ravens (10-6)
HC: Brian Billick (7: 61-42)
OC: Jim Fassel
DC: Rex Ryan
OT: QB Kyle Boller, RB Jamal Lewis, FB Alan Ricard, WR Derrick Mason, WR Clarence Moore, TE Todd Heap, LT Jonathan Ogden, LG Edwin Mulitalo, C Mike Flynn, RG Keydrick Vincent, RT Orlando Brown
DT: LDE Anthony Weaver, LDT Kelly Gregg, RDT Maake Kemoeatu, RDE Terrell Suggs, SLB Adalius Thomas, MLB Ray Lewis, WLB Tommy Polley, LCB Clarence Moore, RCB Samari Rolle, SS Ed Reed, FS Will Demps
ST: K Matt Stover, P Dave Zastudil, KOR/PR B.J. Sams
Ravensの凄みはメンバーが変わってもその守備力は変わらないことだ。スーパーボウルを制した時に主力だった選手はもうあまり残っていないが、未だに強力ディフェンスは健在だ。
同時に当時から変わらないのは、攻撃力の低さ。ジャマール・ルイスがケガやサスペンドでフルにシーズンを活躍できていないのが一因だが、QBの能力の低さにも原因がある。もっといいQBを取ってくれば、もっと勝てるのにと思うが、ビリックHCには深謀遠慮があるのだろうか。デリック・メイソンが加入したが、攻撃力は相変わらずな感じだ。
守備についてもそう大きな変化はない。今シーズンも対戦相手はこの守備をこじ開けるのに苦労するだろう。
守備力が勝利をもたらすのは間違いないが、プレイオフ以降まで考えるとこの攻撃力では厳しい。PatriotsやColtsを越えるにはボーラーでは無理だろう。
★Pittsburgh Steelers (9-7)
HC: Bill Cowher (14: 138-86-1)
OC: Ken Whisenhunt
DC: Dick LeBeau
OT: QB Ben Roethlisberger, RB Jerome Bettis, FB Dan Kreider, WR Hines Ward, WR Cedrick Wilson, TE Jerame Tuman, LT Marvel Smith, LG Alan Faneca, C Jeff Hartings, RG Kendall Simmons, RT Max Starks
DT: LDE Aaron Smith, NT Casey Hampton, RDE Kimo von Oelhoffen, LOLB Clark Haggans, LILB James Farrior, RILB Larry Foote, ROLB Joey Porter, LCB Ricardo Colclough, RCB Deshea Townsend, SS Troy Polamalu, FS Chris Hope
ST: K Jeff Reed, P Chris Gardocki, KOR Ricardo Colclough, PR Antwaan Randle El
昨年のシンデレラチームの一つ。選手の流出の多いチームだが、戦力的には昨年とさほど変わらないだろう。ただし、昨年あったモメンタムはもうない。今シーズンは地力が試されることになる。
ベティスとデュース・ステイリーの併用は今シーズンも変わらない。ラン主体で、必要な時にロスリスバーガーのパスを狙うという戦術も変わらない。ターゲットのWRプラシキコ・バレスが去ったが、セドリック・ウィルソンを獲得した。
守備力は安定しているが、ややセカンダリーに不安を残す。それでもボールコントロールオフェンスが決まれば守備の負担は軽減され、よりよい守備が期待できる。
昨シーズンは運やツキに恵まれたロスリスバーガーだったが、能力的にも見るべきものの多いQBなだけに、今シーズンの成長が楽しみだ。成長分がこの9勝から上積みといった感じになると思う。
★Cleveland Browns (6-10)
HC: Romeo Crennel (1)
OC: Maurice Carthon
DC: Todd Grantham
OT: QB Trent Dilfer, RB Reuben Droughns, FB Terrelle Smith, WR Antonio Bryant, WR Dennis Northcutt, TE Steve Heiden, LT L.J. Shelton, LG Joe Andruzzi, C Jeff Faine, RG Cosey Coleman, RT Ryan Tucker
DT: LDE Orpheus Roye, NT Jason Fisk, RDE Alvin McKinley, LOLB Matt Stewart, ILB Ben Taylor, ILB Andra Davis, ROLB Chaun Thompson, LCB Daylon McCutcheon, RCB Leigh Bodden, SS Sean Jones, FS Brian Russell
ST: K Phil Dawson, P Kyle Richardson, KOR Josh Cribbs, PR Dennis Northcutt
ロメオ・クレネルHC就任1年目のシーズンとなる。チーム力から言って、いきなり大きな成果を期待するのは酷だろう。復活後なかなか結果を残せないBrownsだけに、一からチームを作り直すくらいでやらなければ難しいかもしれない。
あのトレント・ディルファーが正QBとして迎えられた。Tampa Bay時代から、その良さと欠点をよく知ってるQBなだけに、頑張って欲しい気持ちで一杯だ。ガッツとリーダーシップがあり、肩も強い。大舞台も経験している。難解なプレイを覚えられないとかそういったことには目をつぶれば、チームの再建向きのキャラクターだと思う。RBもドローンズを補強。ただタレント不在の印象は拭えない。
無名な選手がほとんどの守備陣だが、クレネルによってどう変わっていくか興味深い。ビッグネームを集めてくることがフットボールではなく、組織を作り上げ組織で戦うのがフットボールだからだ。特に守備はそれが顕著だ。もちろん個々の選手の能力の低さが、組織の能力の低下に繋がるのも事実だ。それでもなお、変革の風をクレネルには期待したい。
Brownsも再建色が強く、6勝挙げれば御の字といった気がする。いきなり大躍進といった地力は感じられないし。
■AFC SOUTH
★Indianapolis Colts (12-4)
HC: Tony Dungy (4: 37-17)
OC: Tom Moore
DC: Ron Meeks
OT: QB Peyton Manning, RB Edgerrin James, FB James Mungro, WR Marvin Harrison, WR Reggie Wayne, TE Dallas Clark, LT Tarik Glenn, LG Ryan Lilja, C Jeff Saturday, RG Jake Scott, RT Ryan Diem
DT: LDE Raheem Brock, LDT Larry Tripplett, RDT Montae Reagor, RDE Dwight Freeney, LLB David Thornton, MLB Gary Brackett, RLB Cato June, LCB Nick Harper, RCB Donald Strickland, SS Joseph Jefferson, FS Bob Sanders
ST: K Mike Vanderjagt, P Hunter Smith, KOR Dominic Rhodes, PR Troy Walters
そろそろスーパーボウルに出してやりたいという気持ちが高まってきた。ケガのリスクの高いフットボールでは、1シーズン1シーズンが勝負の年。マニングの執念を実らせたいシーズンだ。
エジャリン・ジェームズが残留しトリプレッツは健在。TEマーカス・ポラードの離脱は痛いが、攻撃力の高さはリーグ随一だ。
課題はやはり守備。とはいえ、シーズンを戦うには十分な力を持っている。プレイオフでNew Englandに勝つための何かは、守備だけでなく攻撃面でも大きな課題として残っている。
予想は12勝だが、プレイオフでのホームフィールドアドバンテージ獲得のためにはもう少し勝ち星を積み上げておきたいところ。極寒のBostonで戦いたくはない。勝つために必要なのは点を取ることだけではない。その辺りが鍵を握っていくだろう。
★Jacksonville Jaguars (9-7)
HC: Jack Del Rio (3: 14-18)
OC: Carl Smith
DC: Mike Smith
OT: QB Byron Leftwich, RB Fred Taylor, FB Greg Jones, WR Jimmy Smith, WR Reggie Williams, TE Kyle Brady, LT Mike Pearson, LG Vince Manuwai, C Brad Meester, RG Chris Naeole, RT Maurice Williams
DT: LDE Paul Spicer, LDT John Henderson, RDT Marcus Stroud, RDE Reggie Hayward, LLB Akin Ayodele, MLB Mike Peterson, RLB Daryl Smith, LCB Rashean Mathis, RCB Kenny Wright, SS Donovin Darius, FS Deon Grant
ST: K Josh Scobee, P Chris Hanson, KOR/PR Chad Owens
攻守のバランスがいい。若手・中堅・ベテランのバランスも悪くない。昔のような強さは感じないが、いいチームに仕上がっている。しかし、そこから更にステップアップしなければ上には行けない。まずはレフトウィッチが一皮剥けることが必要だろう。
テイラー、スミスらベテランが要所を締める攻撃陣。ポイントはもちろんレフトウィッチだ。昨シーズン、彼の負傷欠場中の連敗がプレイオフ進出を阻んだ。ケガをしないのは絶対条件。その上で、より安定したクォーターバッキングを見せることが大切だ。
守備はビッグネームはいないが、手堅くしっかりしている。中堅どころが多いだけに更なる成長が期待できる。
いいチームだから、そこそこは勝てる。問題はブレイクスルーできるかどうかだ。起爆剤となる要因があれば、楽しみなチームなのだが。
★Houston Texans (7-9)
HC: Dom Capers (4: 16-32)
OC: Chris Palmer
DC: Vic Fangio
OT: QB David Carr, RB Domanick Davis, FB Moran Norris, WR Corey Bradford, WR Andre Johnson, TE Mark Bruener, LT Victor Riley, LG Chester Pitts, C Steve McKinney, RG Zach Wiegert, RT Todd Wade
DT: LDE Gary Walker, NT Seth Payne, RDE Robaire Smith, LOLB Jason Babin, MLB Morlon Greenwood, BLB Kailee Wong, ROLB Antwan Peek, LCB Phillip Buchanon, RCB Dunta Robinson, SS Glenn Earl, FS Marcus Coleman
ST: K Kris Brown, P Chad Stanley, KOR Jerome Mathis, PR Phillip Buchanon
エクスパンションチームも、4勝、5勝、7勝と毎年勝ち星を延ばし、そろそろ成果の欲しいシーズンとなった。しかし、飛躍のためにはまだ地力不足を感じてしまう。
デイヴィッド・カーもそろそろ真価を問われる時期。ただ攻撃陣のタレント不足が解消されている訳ではないのでその分は差し引いて見るべきか。最大の課題はOLの整備だろう。OLの弱さは、ランにもパスにも影響する。またQBの負傷にも繋がるリスクを持つ。ヴィクター・ライリーを補強したが、果たして改善されているのか。
ブキャナンの獲得はビッグニュース。ただそれでも守備は不安が残る。サック数24はリーグ最下位の数字。まずはこの辺り改善からやっていく必要がありそうだ。
昨年並みという予想だが、これを大きく覆すのは難しい感じがする。成果を求める声は大きくなっても、もう少し醸造させてみたいチームだ。
★Tennessee Titans (2-14)
HC: Jeff Fisher (11: 98-77)
OC: Norm Chow
DC: Jim Schwartz
OT: QB Steve McNair, RB Chris Brown, FB Troy Fleming, WR Drew Bennett, WR Tyrone Calico, TE Erron Kinney, LT Brad Hopkins, LG Zach Piller, C Justin Hartwig, RG Benji Olson, RT Michael Roos
DT: LDE Kyle Vanden Bosch, LDT David Stewart, RDT Albert Haynesworth, RDE Antwan Odom, LLB Peter Sirmon, MLB Brad Kassell, RLB Keith Bulluck, LCB Andre Woolfolk, RCB Tony Beckham, SS Tank Williams, FS Lamont Thompson
ST: K Rob Bironas, P Craig Hentrich, KOR Courtney Roby, PR Troy Edwards
気がつけばリーグ最下位の予想となってしまった。過去5年間で二桁勝利3回という実績のあるチームだが、再建期に入ったと思われる。
満身創痍のマクネアがスターター。彼が元気ならもっと勝ち星は上積みできる。RBはトラヴィス・ヘンリーを補強し、ブラウンと二枚看板となる。素晴らしいスピードを誇るブラウンだがケガがちなので、いい補強だ。WRデリック・メイソンを失い、パッシングゲームには苦労しそうだ。
若手主体の守備陣。CBサマリ・ロールが去り、残るビッグネームはキース・バラックくらい。ジェフ・フィッシャーHCがどう鍛え上げるのかが注目だが、それにはもう少し時間がかかるだろう。
昨年の戦い方を見て、再建には少し時間が掛かるという印象を受けた。実際はもう少し勝てるだろうが、大きな変化は期待しにくい。
■AFC WEST
★Denver Broncos (10-6)
HC: Mike Shanahan (11: 108-63)
OC: Gary Kubiak
DC: Larry Coyer
OT: QB Jake Plummer, RB Mike Anderson, FB Kyle Johnson, WR Rod Smith, WR Ashley Lelie, TE Stephen Alexander, LT Matt Lepsis, LG Ben Hamilton, C Tom Nalen, RG Cooper Carlisle, RT George Foster
DT: LDE Courtney Brown, LDT Michael Myers, RDT Gerard Warren, RDE Trevor Pryce, WLB Ian Gold, MLB Al Wilson, SLB D.J. Williams, LCB Champ Bailey, RCB Lenny Walls, SS Nick Ferguson, FS John Lynch
ST: K Jason Elam, P Todd Sauerbrun, KOR/PR Darrent Williams
大崩れしないのがマイク・シャナハンHCの手腕だが、エルウェイ引退後上を目指す戦いまでは出来ていない。スーパーを見据えるには、PatriotsやColtsに見劣りしてしまう現状を打破しなければならない。
安定した強さの秘訣はOLにある。Gダン・ニールが抜けたが、OL育成に定評があるだけに、あまり心配する必要は無さそうだ。ジェイク・プラマーは結果を残す必要に迫られている。安定した勝利やパス成績でなく、スーパーボウルのタイトルを求められている。能力的には決して悪くはない。あとは貪欲さを見せてもらいたいところだ。
守備も決して弱くはない。ただ昨シーズン、26点以上取られた試合は3試合のみだったが、その3試合は40点以上の失点と完全に守備陣が崩壊した。Atlanta, KC, Indianapolisと攻撃力の高いチームばかりだが、これをどうにかしなければスーパーへの道は閉ざされている。
Patriot、Coltsの2強の壁を打ち破るには、シンデレラチームのモメンタムに期待する以外、正攻法では非常に難しいと感じる。Broncosは正攻法で破る可能性の最も高いチームだと思うが、それにはホームフィールドアドバンテージが絶対条件だ。負けられない緊張感を持った試合をシーズン中持続できるかどうかが、見極める注目点となるだろう。
★San Diego Chargers (10-6)
HC: Marty Schottenheimer
OC: Cam Cameron
DC: Wade Phillips
OT: QB Drew Brees, RB LaDainian Tomlinson, FB Lorenzo Neal, WR Keenan McCardell, WR Eric Parker, TE Justin Peelle, LT Roman Oben, LG Toniu Fonoti, C Nick Hardwick, RG Mike Goff, RT Shane Olivea
DT: LDE Jacques Cesaire, DT Jamal Williams, RDE Iqor Olshansky, LOLB Ben Leber, LILB Donnie Edwards, RILB Randall Godfrey, ROLB Steve Foley, LCB Quentin Jammer, RCB Drayton Florence, SS Terrence Kiel, FS Jerry Wilson
ST: K Nate Kaeding, P Mike Scifres, KOR Darren Sproles, PR Eric Parker
昨シーズンPittsburghと並んでシンデレラチームとなったSan Diego。ただ地力もあったが勢いの部分が大きかったPittsburghと比べ、かなり地力で戦っていた印象を受けた。それだけに今シーズンもかなり期待ができそうな気配だ。
ブリーズは自信も付けたが、何より地力を付けた。彼のクォーターバッキングは安心して見ていられるレベルになった。Chargers慢性の課題はOL。ブリーズを守ることが何よりも肝心だ。
守備は、LBユニットは優れているが他は不安が残る。それでも失点を許さない守備力がある。今シーズンは守備の強化が欠かせないところだ。
TEアントニオ・ゲイツは契約の遅れから開幕戦は出場できない。オフシーズンのこうしたトラブルがマイナスに作用する危険はある。それでも昨年のいいフットボールに期待して高めの評価とした。
★Kansas City Chiefs (7-9)
HC: Dick Vermeil (5: 34-31)
OC: Al Saunders
DC: Gunther Cunningham
OT: QB Trent Green, RB Priest Holmes, FB Tony Richardson, WR Eddie Kennison, WR Samie Parker, TE Tony Gonzalez, LT Willie Roaf, LG Brian Waters, C Casey Wiegmann, RG Will Shields, RT Jordan Black
DT: LDE Eric Hicks, LDT Ryan Sims, RDT Lional Dalton, RDE Jimmy Wilkerson, LLB Derrick Johnson, MLB Kawika Mitchell, RLB Kendrell Bell, LCB Patrick Surtain, RCB Dexter McCleon, SS Sammy Knight, FS Greg Wesley
ST: K Lawrence Tynes, P Dustin Colquitt, KOR/PR Dante Hall
破壊力ともろさを併せ持つチーム。一昨年の躍進に比べ、ホームズの負傷など昨年はパッとしないままシーズンが終わった。ホームズの復帰がチームにあの時の勢いをもたらすのか。
強力なOLを始め、オフェンス陣はほぼ昨年と同じ陣容。ホームズは現役RB最高の危険なランナー。トレント・グリーンも優秀なパサーだが、QBとしてはやや物足りなさを感じる。
課題は言うまでもなく守備。パトリック・サーティンら補強は行ったが、果たして成果となって現れるか。ザルのような守備はもちろんだが、接戦での弱さも直さなければ上は厳しい。
昨年はホームズの負傷もあったが、何より一昨年のようなモメンタムを保持できなかった点が負け越しの要因となった。地力的には五分五分くらいかと思うが、モメンタムを掴めば躍進の可能性もあるだろう。
★Oakland Raiders (4-12)
HC: Norv Turner (2: 5-11)
OC: Jimmy Raye
DC: Rob Ryan
OT: QB Kerry Collins, RB LaMont Jordan, FB Zack Crockett, WR Randy Moss, WR Jerry Porter, TE Coutney Anderson, LT Barry Sims, LG Langston Walker, C Jake Grove, RG Brad Badger, RT Robert Gallery
DT: LDE Bobby Hamilton, NT Ted Washington, DT Warren Sapp, RDE Tommy Kelly, LLB Tyler Brayton, MLB Danny Clark, RLB Grant Irons, LCB Nnamdi Asomugha, RCB Charles Woodson, SS Derrick Gibson, FS Stuart Schweigert
ST: K Sebastian Janikowski, P Shane Lechler, KOR Alvis Whitted, PR Chris Carr
ランディ・モスの加入はチームに勝利を呼び込むのか。能力的には現役最高のWRと言っても過言ではない。しかし、TO同様、あるいはそれ以上にトラブルメイカーであることも間違いない。Raidersのカラーに合っていると言えばそれまでだが・・・。
コリンズは優秀なパサー。モスとのホットラインは魅力的だ。ただそのようなロングパス主体の攻撃はオーナーのアル・デイヴィス好みだろうが、勝利に結びつくかと言えば大いに疑問。OLは悪くないが、RBに人材を欠いている。
守備は課題が多い。昨シーズン半数以上の9試合で30点以上の失点を喫した。許したFDもリーグ最多。若手の育成が急務と言えるだろう。
グルーデンHCが去って彼の能力の高さが浮き彫りにされた。攻撃力の高さこそ維持しているが、チームのまとまりや勝負強さは影を潜め、フットボールらしいフットボールが見られなくなった。Raidersの復活にはもう少し時間が掛かりそうだ。