環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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21世紀のモデル探し-スウェーデンは21世紀のモデルたり得るだろうか-

2010-10-31 22:34:37 | 持続可能な開発・社会/バックキャスト
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10月25日のブログでは、 「2010年の日本の混乱」を検証するために今年4月以降に出版された著名人による一般向けの本3冊を取り上げてみました。辛坊治郎さん兄弟による『日本経済の真実』(幻冬舎)、田原総一朗責任編集による『絶対こうなる! 日本経済』(アスコム)、そして、辛坊治郎さんの『日本の恐ろしい真実』(角川SSコミュニケーションズ)です。

大変困ったことに、上記の3冊の本が明らかにしたことは現在の日本が「持続可能な社会」を構成する3つの側面のうち①経済的側面(辛坊さんの「日本経済の真実」および田原さんの「絶対こうなる日本の経済」)でも、②社会的側面(辛坊さんの「日本の恐ろしい真実」)でもひどい状況にあるということです。さらに加えて、私がこれまでにこのブログや本で言い続けてきた①や②よりもっと重要な③環境的側面でも極めて不十分なこと、つまり、日本は先進工業国の中で21世紀にめざすべき「持続可能な社会」へ転換することが極めて困難な国であることが証明されたことです。

そして、この3冊の本に共通の致命的な欠陥は、他の多くの21世紀論と同様に、「資源・エネルギー・環境問題」がほとんど(まったくと言ってよいほど)考慮されていない上に、従来型の(20世紀型の)経済成長が前提になっていることです。21世紀の市場経済を揺るがす最大の問題である「資源・エネルギー・環境問題」を考慮しない経済論などは絵に描いた餅です。

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国際社会の動きにたえず振り回されている感がある日本の「21世紀前半のビジョンづくり」のために、モデルが必要でしょうか。日本は20世紀には欧米をモデルにしてきたわけですが、21世紀は果たしてモデルなしでいけるかどうか、おそらく、上記の結果に加えて、今までの経緯から考えますと、日本にはモデルが必要だと思います。

そうであれば、どこがモデルたり得るでしょうか.今までの私の経験からすると、おそらくスウェーデンが21世紀のモデルになるだろうという感じがします。

ちょうど10年前の2000年3月10日に、(財)スウェーデン交流センターが主催した私の講演会1999年9月18日 北海道石狩郡当別町のスウェーデン交流センターで開催) を収録したブックレットが発行されました。



この66ページのブックレットから、当時の私が将来をどう考えていたかということと、講演の結論を抜き出しておきます。10年後の今、読んでみてもまったく違和感はありません。


 

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