環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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1992年の 「地球サミット」 当時のスウェーデンと日本の環境問題に対する認識の大きな相違

2010-09-13 13:44:47 | 持続可能な開発・社会/バックキャスト
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1987年4月に、国連の「環境と開発に関する世界委員会(WCED)」が「持続可能な開発(Sustainable Development)」の概念を国際的に広める先駆けとなった報告書「われら共有の未来」(通称ブルントラント報告)を公表してから、今年で23年となります。

ブルントラント報告が公表される以前から、発展途上国への援助を通して「持続可能な開発」を試みてきたスウェーデンが描く「持続可能な社会」の環境的側面の要約が、92年の地球サミットの前年(91年10月)に、スウェーデン環境保護庁から公表されています。


10月に名古屋市で開催されるCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議=国連地球生きもの会議)との関連で言えば、上の図の⑧がわかりやすいと思います。この判断基準に従えば、70年代頃までは、日本のどこにでもいたメダカやドジョウ、タナゴなどの魚、フジバカマのような野草は、今絶滅が危惧されていますし、日本の普通の風景であった里山や棚田の現状を見れば、日本の状況の厳しさが実感できるでしょう。

最近の状況は、日本では3155種が 「絶滅危惧種」 になっているそうです。



次の図はスウェーデンと日本の環境政策の長期目標を比較したものです。

スウェーデンの目標は1991年、日本の目標は1995年に公表されたもの。両国には明らかな認識の相違がみてとれます。スウェーデンの長期目標は翌92年の「地球サミット」で署名された「生物多様性条約」の一歩先を行くものでした。ここに、スウェーデンの先見性を見ることができます。「生物の多様性」に対するスウェーデンの認識は92年の地球サミット以前からのものですが、これがスウェーデンが現在めざしている「エコロジカルに持続可能な社会」(緑の福祉国家)を実現する必要条件の1つとして認識されていることにご注目下さい。

この認識は2003年8月にスウェーデン環境保護庁によって16番目の「環境の質に関する政策目標」として提案され、国会の承認を得て、2005年11月から正式に16番目の「環境の質に関する政策目標」となりました。政策目標の達成期限は2020年です。この目標は16の環境の質に関する目標のうち最も達成が難しい目標の1つと見なされています。


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