外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

夜の西早稲田

2010-06-12 17:52:51 | 大学野球
今週は何かと忙しい日が続き、かなり疲れが溜まりました。

早く帰宅して休もうと思って、デスクの上を片付け始めたところに、野球部のTくんから胸を打たれるメールが届き、心は一気に早稲田モードに。

そんなわけで、丸ビルの前からタクシーに飛び乗って、西早稲田の八幡鮨に出かけました。

カウンターに座り、鯛のヅケを肴に飲み始めると、隣席で80歳を超えたご老人が1人で煮魚を食べていらっしゃるのが目に入りました。
「それ、美味しそうですね」と声をかけたのをきっかけに、そのご老人と、よもやま話が始まりました。

その方はYさんとおっしゃって、昭和3年生まれ。
東京帝大出身で、かつては都立両国高校や大学で教鞭をとっていらしたと。
そして、何と野球部の旧・安部寮の隣家で生まれ育ったというではありませんか。

早稲田の野球部員たちが常に行き来する環境で育ち、安部球場で練習風景を眺め、仲良くなった野球部員から時々入場券をもらって早慶戦を応援に行くという少年時代を過ごされたそうです。

Yさんから戦前の早稲田界隈の様子を、色々と伺いました。
現在の理工学部の辺りには陸軍の射撃場があり、耳を澄ますと小銃や機関銃の銃声が聞こえてきた、
今も明治通りに面している病院の前身は陸軍病院だった、
安部球場で試合がある時の賑わいは凄かった等々

そして、話の流れで私が神宮球場の前にある青山高校の卒業だと話したら、「へぇー、私は府立十五中(現・青山高校)の一期生ですよ。そして私の息子も、青山高校から東大に進んで、私と同じ大学教授になりました。そうですか、あなたも青高ですか」とYさん。
その後は、青山高校にまつわるYさんとご子息(私より五歳年下)の話題で大いに盛り上がりました。

高校の大先輩との予期せぬ出会いで、すっかり気分の良くなった私は、八幡鮨のお勘定を済ませると、西早稲田の交差点を渡って、源兵衛に顔を出しました。

すると、野球部OBの河上さん(山口鴻城)が飲んでいらっしゃいました。
かつて野球部の石井藤吉郎監督の下で助監督をされ、その後は帝京大学の監督もお務めなった方です。

河上さんに、現役部員のTくんのメールをお見せすると、「有難いなあ。こういう地道な苦労を担ってくれる部員が野球部を支えているんですよ。そして、このような部員が、将来OBになった時にも、野球部のために骨折りしてくれるんです。」

そんな話に興じていたときに、隣のテーブルには、1人で生姜焼き定食を食べる若くて可愛らしい女性。
源兵衛では珍しい光景です。

聞けば、彼女は山梨の吉田高校から早稲田の商学部に進んで今春卒業したばかり。
華奢な体つきなのに、在学中はウエイトリフティング部で活動し、アジア大会にも出場したのだと。
今は、スポーツ選手を対象にドーピング検査を実施する機関に勤務しているそうです。

彼女を同じテーブルに招き、私たちの早稲田スポーツ談議は夜遅くまで続いたのでした。

西早稲田まで足を伸ばした甲斐がありました。

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