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外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

継続性

2009-09-11 08:24:21 | 社会全般
明治大学ラグビー部の吉田監督が、対抗戦開幕を前に、恩師・北島忠治さんのお墓をお参りされたそうです。

抜群の運動能力を備えながらもストイックにラグビーに取り組んできた吉田さんは、北島さんが磨き上げた明治魂の忠実な継承者であるといってよいでしょう。

吉田さんは、対抗戦優勝を墓前で誓ったとか。

試合の何日も前からラグビー・ファンが落ち着いていられなくなるような、熱い早明戦を今年こそ期待できそうです。


さて、民主党が補正予算の未執行分を凍結しようとしていることに対して、地方自治体などから強い反発が出ています。

このような民主党の動きは選挙前から予想されていたわけですが、地方自治体サイドがメディアに対してしきりに口にする「行政の継続性」という言葉に、私は複雑な感情を抱いています。

新政権が従来の縦割りの予算配分を見直そうとする限り、もらえるはずだった予算をもらえなくなる人が必ず出てきます。
ですから、民主党が公約を実行しようとすれば、最終的には誰かが泣くしかありません。

かたや、例えばダム建設予定地で既に立ち退きされた住民の方々の憤りなども、至極もっともだと思います。

「悩ましい問題だなあ」と考えていた時に、第二次大戦前に英米との戦争を避けるには、中国などからの完全撤兵しかないという局面のあったことが、頭をよぎりました。

当時の軍部は「ここで撤兵したら、これまでに大陸の権益を守るために血を流された英霊たちに、どうお詫びするのか」と主張して満州などにおける駐留を継続し、結果として英米との開戦を避けられない状況を招きました。
そんな軍部の「継続性の論理」を、ふと私は思い浮かべてしまったのです。

軍部も官僚組織の一つ。
組織の論理、発想は、現在のお役人と何ら変わりません。

彼らが主張する行政の継続性に重きを置いて、直接の当事者たちの憤りを鎮めようとすると、国家百年の計を誤る場合もあり得るということです。

当事者の多様な痛みを十分酌んで、なおかつ国家百年の計を誤らない。
民主党は、大変に難しい舵取りを求められています。

メディアも、現場の混乱をセンセーショナルに報じるだけでなく、大所高所からの報道と国民への問いかけを心掛けてもらいたいと思います。
今は、国民の一人一人が、悩み、考え、決断していく時なのですから。
Comments (3)
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