酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

平和ニッポン、万歳?!

2008-08-17 15:01:21 | Weblog
 久々にゆったりした夏休みを取ることができた。お盆を挟んでほぼ1週間、明日から勤務かと思うと、多少の憂鬱感が漂う。


 それにしても、である。我が日本国の何と平和なことか。


 グルジアとロシアの軍事衝突、それにアメリカの東欧MD配備が絡んで、新冷戦の構図が鮮明になっている。国内のGDPはマイナスに陥り、不況は長期化しそうだ。五輪後の中国は、チベットやウイグルで大粛清に乗り出すことが懸念される。


 内外で火柱が上がり、懸案も山積している。でも、そんなことにはお構いなしにこの国のメディアは北京五輪一色だ。NHKは定時ニュースの時間さえずらして、五輪報道に当てる始末だ。


 NYタイムズ=グルジア、停戦協定に調印
 Wポスト  =個人情報収集へ警察の規則緩和も
 朝鮮日報  =李大統領、脱石油エネルギーを訴える
 英タイムズ =ロシアがポーランドに核使用の可能性
 仏フィガロ =原油相場続落
 独フランクフルター・アルゲマイネ
       =独ロ首脳会談 グルジアめぐり見解分かれる
 露コメルサント
       =グルジア領土一体化はロシア軍の駐留下で
 バンコク・ポスト
       =タクシン夫妻の連れ戻しは困難か
 読売新聞  =21歳石井金
 朝日新聞  =21歳石井金

 16日の各国主要紙1面トップ記事を並べると、上のようになる。日本の異様さが突出しているのがよく分かる。朝日も読売も毎日も、五輪についてああだこうだ言いながらも、1面のトップから外せない。読者への迎合が大きな要因だが、高校野球同様、夏休み対策の面も否定できない。五輪で紙面を埋めておけば、とりあえず無難であり、社会部と運動部、関係支局以外はゆっくり休める、というわけだ。


 NHKも全く同じだ。五輪期間中は契約アナのオンパレードで、正職員様はどこかで英気を養っておられるようだ。


 「グルジアだの東欧MDだのと言ったところで、読者や視聴者は関心を示さない」。そんな言い訳が聞こえる。その通りだろう。だからこそ、きちんと報じなければならないのではないか。8月15日に「平和」の二文字を躍らせるメディアの責務とはそういうことだ。お涙頂戴の人間ドラマにはいい加減うんざりしてきた。これがあと1週間も続くのか。


 
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朝日新聞の「看看北京」を悲しむ

2008-08-14 06:10:13 | Weblog
 北京五輪が開幕してから始まった朝日新聞3面の「看看北京」が面白い?。
 どうしたらこんなに捻じ曲がった国家観やスポーツ観になるのか。論理と感情、スポーツと政治がごちゃ混ぜになった怪作である。


11日に登場した前論説主幹、現コラムニストの若宮啓文は『「革命」はどこへ消えたのか』のタイトルで次のように書く。


 《そういえば、この国には「四大発明」があったんだな、と思い出させてくれる五輪の開会式だった。
(中略)それにしても、と感じたことがある。過去から現代へ。では、間をつなぐ革命中国はどこへ行ったのか。国じゅうの歴史博物館で描かれる「毛沢東の革命」が、その片鱗すらのぞかせないとは。


 若宮氏は「革命中国」を高らかに歌い上げるのを期待していたのだろう。残念でした。でも、少し考えれば、そんな演出はあり得ないことぐらいすぐ気づくはずだ。それこそ、五輪の政治利用であり、共産中国のプロパガンダだからだ。



 「革命、毛沢東の中国から小平の中国への歩み」、その叙事詩が謳いあげられるの若宮氏はを待っていた。そして、その演出にこうケチを付けるつもりだった。《鳥の巣で演じられた革命中国は、一歩街に踏み出せばいくらでも見聞できる。チベットでは抑圧が続き、報道統制は相変わらずだ》


 開会式の演出に政治体制が出てこないといぶかったり、出てきたら出てきたで文句をつけようと身構える若宮氏は、尋常な感覚の持ち主ではない。このように書かねばならないと思い込んでいるとしたら、悲しむべきことだ。



 さらに傑作なのが、翌12日に掲載された西村欣也編集委員の「ダルビッシュと日の丸」だ。


 《13日から野球の競技が始まる。12年のロンドン五輪では種目から除外されることが決まっており、「最後の五輪」と出場国は力が入る。日本を含めて国家主義的なにおいが立ちこめるなか、一人のアスリートの言葉にすくわれる思いがした。ダルビッシュ有投手だ》



 思い切り思い入れだけで書いている。「最後の五輪」と力が入っているのはどこの国か、またその国の誰か。日本の朝日新聞、とりわけ、西村氏がそう思っているということではないのか。「ジョン損」監督率いるアメリカは相変わらずマイナーしか送り込んでいない。韓国は「打倒日本」が目標だ。この記事は前提そのものが間違っている。



 さらに西村氏は五輪憲章の「(五輪は)選手間の競争であり、国家間の競争ではない」を引用しつつ、《現実は国家間のメダル獲得競争の場になろうとしている。(中略)選手が国家の重みにつぶされて力を出し切れないシーンだけは見たくない》と書く。



 2008年の朝日新聞の記事でこのようなご高説を拝読できるとは思わなかった。西村氏はスポーツ記者一筋と記憶している。現場感覚がなくなった記者が頭で記事をひねり出している様が伝わってくる。


 「国家の重みにつぶされる選手」とはどんな選手か。要するに精神的にも実力的にも弱い選手ということだろう。選手が背負うものはそれぞれだ。その重みがばねになり、エネルギーに転化する。これまでの取材でそれぐらいのことはとうに承知しているはずではないか。


 《自戒もこめて、メダルの数だけを数える五輪にしたくない》。ぜひ、後輩たちを指導してそんな紙面を作らないようにしてほしい。


 それにしても、西村氏はナショナリズムとスポーツの関係をどう考えているのか。スポーツの現場で発露される「国家主義」は「郷土愛」や「母校愛」とつながっている。国家至上主義の「国家主義」とは意味合いが違うはずだ。甲子園賛歌を謳いあげる西村氏が、そのことに気づいていないとは信じられない。


 スポーツ記事までが「社風」に染まってしまうとすれば、それこそ悲しむべきことだ。無残なコラムをいつまで掲載するつもりですか。


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野口みずきの決断を歓迎する

2008-08-13 05:06:17 | Weblog
 女子マラソンの野口みずきが、北京五輪出場を断念した。「走るべきではない」と主張していた当ブログとしては、野口の決断を率直に評価する。悔しいだろうが、これで人生が終わるわけではない。再起を期してほしい。


 ここまで問題を大きくした原因は、監督やコーチ、陸連幹部の当事者能力の欠如にある。故障の程度、レースまでの時間などを考慮すれば、即回避の判断ができたはずだ。野口の判断に任せるような態度を取り続けたことは責任回避である。


 選手が故障するのは、監督コーチが作る練習メニューが間違っているせいだろう。走りたがる選手を制御する、故障防止の補助運動を増やす。疲労回復日を設ける。さまざまな工夫があってしかるべきだし、野口もそうしていたはずだ。にもかかわらず、である。


 野口が国民をはじめ土佐や中村にわびている。立派な行動だ。だが、なぜ藤田信之監督は沈黙しているのか。野口を壊した原因の半分以上は監督の指導にあると考える。


 選手の才能で商売をさせてもらっている、ほかの監督にもよく考えてほしい。



 
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日朝協議で何か進展したの

2008-08-13 04:41:42 | Weblog
 11日から2日間、中国の瀋陽で開かれていた日朝実務者協議がきょう未明に終わった。各紙の速報を見ると、一定の前進があったように書いているが、そうなのだろうか。



 《【瀋陽=玉川透、牧野愛博】中国の瀋陽で11日に始まった日本と北朝鮮の外務省実務者による公式協議は13日未明、北朝鮮が拉致被害者再調査のための委員会を早期に立ち上げ、秋までの調査完了を目指すことなどで合意して終了した。

 日本側は、委員会が立ち上がった段階で、人的交流の再開など、制裁の一部緩和に踏み切る。(略)

 協議には日本から斎木昭隆外務省アジア大洋州局長、北朝鮮から宋日昊(ソン・イルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使が出席した。斎木氏によると、合意の主な内容は以下の通り。

 【北朝鮮側が取る措置】

 拉致問題の具体的で全面的な再調査を行う。

 権限を与えられた調査委員会を迅速に立ち上げ、可能な限り秋までに調査を終了する。

 調査の進展過程を日本に随時通報する。

 日本が関係者への面談、資料の共有、関係場所への訪問などを通じて調査経過について直接確認することに協力する。

 【日本側が取る措置】

 北朝鮮の調査委の立ち上げに並行して、人的交流やチャーター便の往来の規制を解除する。》=朝日電子版



 「調査委員会」が登場し、「可能な限り」秋までに調査を狩猟する。進展過程を日本に報告する--といったあたりが、具体的調査方法への言及だと外務省は解説したのだろう。



 調査の主体が委員会であろうが司法当局であろうが関係ない。したがって、委員会の立ち上げをもって経済制裁の一部を解除するなどという判断はおかしい。相互主義の原則に従って、相手が何か行動したら、行動で返す--と外務省は言いたいのだろうが、片務的では話にならない。



 6月の日朝協議合意は以下の内容だ。

 「北朝鮮側が取るべき行動」

1、拉致問題解決の具体的行動として、生存者を発見し、帰国させるための調査再開。
2、日航機「よど号」の乗っ取り犯とその家族の引き渡しに協力。

 
 「日本が取るべき行動」
1、経済制裁のうち、日朝間の人的往来と航空チャーター便の乗り入れの規制解除。
2、北朝鮮船舶が人道支援物資を運搬する場合に限り入港を容認。



 今回の協議では、よど号容疑者問題は乾かなかった。結果、日朝双方とも①を履行することで手を握って分かれたことになる。


 6月協議と今回では内容的に何ら異なる点はない。こういう交渉を時間稼ぎと言うのではないか。「日朝間でも前進が見られる。米朝も進めよう」。今回の協議は北がアメリカを引き出すためのお膳立てに過ぎなかったと見るべきだ。


 委員会の設置など1時間でできる。なにせ将軍様の国なのだから。そんな組織ができたからといって、制裁を一部解除するなど噴飯ものだ。
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それでも野口みずきは走るのか

2008-08-12 05:13:01 | Weblog
 北京五輪の女子マラソンで史上初の連覇を目指す野口みずきは、果たして出走するのか。13日に結論を出すというが、優柔不断というか、決断力がないというか。「野口は走らせない」。沢木啓祐陸連専務理事や藤田信之監督は喉から出掛かっている声を飲み込んではいけない。


 レースまであと6日である。この時点でジョグしかできない選手が、酷暑のフルマラソンを走れると考える方がおかしい。ところが、関係者は「野口ならやれるかも」などと無責任なことを言っている。



 《▽木内敏夫・陸上日本代表ヘッドコーチ 藤田監督は選手が完ぺきでないと試合に出さない人。その監督が出場させると言った時は、それは自信があって選手を送り出すということだ思う。

 ▽山下佐知子・第一生命女子陸上部監督 野口さんは練習の質と量を自信に成長してきた選手。それだけに、練習が完璧にできなかったと不安になる面はあるかもしれない。ただ、深刻な故障なら、藤田さんは、もう決断しているはず。順調に良くなっているのだと思う。

 ▽谷口浩美・東京電力監督 私もバルセロナ五輪前に疲労骨折したが、その時は1カ月前から練習ができ、急ピッチで調整した。選手はみんなが万全の状態というわけではなく、(悪いところを)隠しながらレースをしているものだ。痛みさえなければ走れるのでは》


 谷口が言っていることは示唆に富む。トップアスリートほど故障に悩まされる。それだけ負荷の強いトレーニングを積んでいるからだ。スプリント系なら、無理をすればレース中に「ブチッ」とくる。マラソンはだましだまし走っているうちに、筋肉がほぐれて調子が回復するケースもある。


 谷口は1カ月前から急ピッチで仕上げたと言っている。ここがポイントだ。野口が腰の違和感を訴えたのは、先月末から今月初めの間と推定できる。レースまであと3週間、最も大事な調整期間を失ってしまったのだ。これは致命的だ。


 「(故障を)隠しながらレースをしているものだ」と谷口は言う。逆に言えば、故障を公表したら五輪のような大レースは走らないのが常識、ということだろう。応援する人が心から「頑張れ」と叫ぶには、選手は頑張れる状態だとの暗黙の了解が必要だ。



 もっとも、走るのは本人である。このレベルになると自分の力に対する過信も目立つ。そうでなければ、反吐を吐くようなトレーニングには耐えられまい。野口自身は本気で「出たい」と思っているかもしれない。「これで休める」の思いも潜在意識としてはあり得る。



 野口が自分で決断できるのか。それは違うだろう。グローバリーからの移籍に絡む問題を抱えているかもしれない。グローバリーの広告塔としての役割を厳しく追及されてもいる。所属するシスメックスやスポンサーのドコモなどとの契約もあるだろう。銅メダルに終わった柔道の田村亮子が進退について「自分だけでは決められない」と述べているのと同様だ。



 「自分だけでは決められない」。善意に解釈すれば、お世話になった周囲の方とも相談しないと--という意味になる。一方で、スーパースターを取り巻くビジネスは巨大化しており、選手はがんじがらめになっている、との解釈も成り立つ。



 話を元に戻そう。野口は走ってはならない。センチになって「何とか頑張らせてあげたい」などというのはひいきの引き倒しだ。


 陸連は補欠を解除した森本友を走らせることが可能かどうか検討しているというが、神経を疑う。パーツを交換するような発想はどこから出てくるのか理解できない。



 
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太田誠一クンには農相を辞めてもらおう

2008-08-11 05:13:33 | Weblog
 かつて「若いうちはレイプするぐらいの方が、元気があって正常だ」と言ってのけたツワモノ、太田誠一農相がまた正直な発言をしたらしい。


 《太田誠一農相は10日、NHKの討論番組で、食の安全に関連し「特に日本は潔癖で、国内は心配しなくてもよい」「消費者としての国民がやかましくいろいろ言うと、応えざるを得ない」などと発言した。
 福田康夫首相は相次ぐ食品偽装問題や中国製ギョーザ事件を踏まえ、消費者庁創設などを打ち出して食の安全確保をアピールしてきたが、野党は「国民がうるさいから消費者庁をつくるということだ」などと強く反発している》=共同



 「消費者重視」「消費者の目線」とは福田首相が常々強調している言葉だ。その福田が、食の安全に大きくかかわる農相に据えたのが太田だ。この発言は、福田の任命責任をも直撃することになりそうだ。




 さすがに「やばい」と思ったのだろう。番組終了後直ちに釈明している。

《太田誠一農相は10日、NHKの討論番組で「消費者としての国民がやかましくいろいろ言う」と述べたことについて「(日本は)民主主義の国だから(国民が)きちんと主張できて、それに政府が応えるという仕組みのことを言っている。文脈をみてほしい」と釈明した。番組終了後、記者団に語った。
 太田氏は「わざわざ(やかましいという言葉を)使ったわけではなく、1つの弾みだ」と述べた。》=共同





 弾みとか言葉のあやとかは、失言を釈明する常套句であり、ほとんど何の意味もない。今回の太田の釈明も全く理解不能である。「わざわざ使ったわけではない」とは何たる言い草であろうか。言葉を発するのが商売の政治家が、こんな釈明しかできないとは情けない。その昔は大学で経済学を講じていたセンセイですよ。


 「やかましい」を広辞苑は次のように定義する①騒々しい、騒がしい②わずらわしい、めんどうだ③小言が多くて理屈っぽい④好みがむずかしい⑤きびしい--。いずれも否定的なニュアンスである。


 太田は、「消費者がごちゃごちゃうるさいから、行政もこれに対応せざるを得ない」と言っているのだ。消費者目線とかけ離れていることは明白だろう。こんな人物が農相に坐っていては、日本の食の安全は守れない。福田さん、さっさと罷免しましょう。



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南オセチア戦争はどちらが仕掛けた

2008-08-10 06:29:05 | Weblog
 8日、北京五輪の最中に、グルジア軍が南オセチアに侵攻、ロシアの平和維持部隊と激戦、のニュースが流れた。世界に耳目が大イベントに集まっているとき、何かことをしでかすのは、国際政治ではよくある。サーカシビリはこれに倣ったのだろう。


 グルジア北東部、南オセチアは親ロシアを標榜する自治州である。EU入りが悲願のサーカシビリには盲腸のような存在だ。2代前のガムサフルディア大統領当時から、グルジア政府は南オセチアへの武力侵攻を企てていた。


 だが、住民の圧倒的多数がロシア系のオセチア側は自衛軍を組織して譲らず、ここにロシアも絡まって事態は複雑化した。シェワルナゼ大統領時代に停戦協定が発効、サーカシビリに引き継がれている。


 サーカシビリは米国留学経験を持つ41歳、急進的民族主義者として知られる。それだけに、南オセチア紛争の行方は予断を許さない。ロシアの衛星国家は、多かれ少なかれグルジア同様の民族問題を抱えている。スターリンによる民族移住の結果、あちらこちらにロシア人がばら撒かれた。


 モルドバ、チェチェン、ナゴルノ・カラバフ、そしてグルジア。多数を占める現地人の中で、従来の支配者であるロシア人が苦境に陥っている。この勢力が分離独立を求め、テロや紛争が拡大している。ロシア政府としても、見捨てては置けないということになる。


 グルジアやチェチェンは、ロシア国内のマフィアとつながっている連中も多い。グルジア情勢の緊迫化は、即ロシアの治安悪化となって跳ね返る。若いサーカシビリが、後先を考えずに「戦争」の選択を維持すれば、ロシアはかなり危険なことになる。



 グルジアはワインがおいしく、肉料理もいける。だが、モスクワ市内のグルジアレストランには、グルジアワインがない。禁輸されているのだ。グルジアはロシア芸術にも一定の地位を占めてきた。古臭い民族主義を脱ぎ捨てよ。能天気な日本人はそう言いたい。宗教や民族対立は、私たちには理解しがたい。
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谷亮子の敗戦は必然だった

2008-08-10 05:56:17 | Weblog
 北京五輪、日本選手団の金メダル第一号と期待されていた谷亮子が準決勝で敗れて3位に終わった。当ブログのメダル予想では、谷は金候補に入れていない。勝つ予感がしなかったからである。


 谷は昨年、今年と日本体重別選手権で勝てなかった。昨年は今年負けた山岸を延長戦でやっと退けたが、決勝では高校生の福見に負けた。この時点で、谷の時代は終わっていたのだ。


 だが、「ママでも金」を目指す谷は北京へ執念を燃やし、今年4月の体重別選手権に挑んだ。結果は山岸絵美の完勝だった。しかし、柔道連盟は07年の世界選手権で谷が優勝していること、過去の五輪の実績--などから「世界と戦えるのは谷しかいない」と判断、北京の代表に選んだ。



 結果論ではなく大きな判断ミスだ。スピード、技のきれ、パワー、どれをとっても山岸や福見のほうが上だ。世代交代を読み誤るとこういう結果になる。


 谷は準決勝敗退で心が崩れることなく、3位決定戦を制した。その点は素直に評価したい。だが、1回戦からの戦いぶりをみると、これが精一杯という感じだった。谷自身、内心「いかん」と思っていたのではないか。


 選考のあり方に批判が出るだろう。現に谷に決めた時点で「おかしい」という声は多く上がっていた。柔連に選手を見る眼がないということだ。


 たまたま弾みで1本をくらって負けるのと、押されっぱなしで優勢負けするのとでは意味が違う。谷は2年連続して柔道の内容で負けていたのだ。トヨタ、なかんずく元老・奥田が目をかけている谷を外せなかった柔道連盟は情けない。


 それにしても、柔道はいよいよ道着を付けたレスリング、総合格闘技の様相を濃くしている。もっと上半身の強化をしなければ、とても外国勢には太刀打ちできない。日本らしいきれいな柔道を、などといっていては、メダルが遠のく一方だろう。講道館柔道と国際柔道は別物だ。考え方を切り替えてもらいたい。


 
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よみがえった「民族の祭典」

2008-08-09 06:37:49 | Weblog
 鳥の巣というテーブルに満漢全席をぶちまけたような演出だった。もちろん、北京五輪の開会式のことである。絢爛豪華を通り越しす度外れた壮大さは、テレビ中継を通じて海外に「大中国の威信」を伝えるという中国政府の意図を余すところなく表していたといっていい。


 72年前、ヒトラーが主宰した「民族の祭典」=ベルリン五輪は「絢爛豪華さにおいて、過去に比類なし」と称された大会だった。実見したことはないが、想像はできる。リヒャルト・シュトラウス作曲による「オリンピック賛歌」が流れる中、飛行船ヒンデンブルグが空を舞い、この大会から始まった聖火リレーの炎がトラックを駆け抜けた。


 北京五輪の演出は徹頭徹尾、中華思想に覆われていたように感じる。中国人の発明になる紙や羅針盤などが次々に登場し、「中国5000年」の文化の素晴らしさを内外にアピールした。冒頭の太鼓の演奏など、マスゲームの見事さはお隣の北朝鮮のイベントを髣髴とさせた。さすが血盟関係だけのことはある。


 開会式の演出はあのチャン・イーモーだという。「初恋の来た道」や「あの子をさがして」「活きる」で見せた、庶民に寄り添う視線はどこへ行ってしまったのか。名匠も巨匠とおだてられ、国家イベントを引き受けるようになるとおしまいだ、ということなのか。


 最後の方で地球を登場させ、環境問題や平和も訴えていたが、とってつけた感じは否めない。ひたすら華やかな光と音で人を驚かせ続けた4時間、世界記録並の長大開会式だったのは間違いない。


 それにしても、あの花火のすざまじさはどうだろう。爆弾テロで北京が炎上したかのようでもあり、煙がたなびくさまは6年前のバグダッド空爆を思い起こさせた。中国恐るべし、である。


 開会式の途中で、グルジア軍が南オセチアに侵攻、ロシアが報復の空爆を行ったと時事の速報が伝える。こういう大イベントにまぎれて、何かが進行するものだ。メディアはしばらくは五輪一色だろう。こうしたときこそ要注意だ。


 とりあえず注目すべきは、米国が予定通り北朝鮮をテロ支援国家リストから外すかどうか。11日から始まる、日朝協議も含めて眼を凝らしたい。


 すっかりやる気を失っている福田首相の動向も要警戒だ。安倍晋三が変調を訴えだしたのは去年の今ごろである。その後約一ヶ月で、政権を投げ出したのは記憶に新しい。立秋は過ぎたが、内外とも暑い日が続く。五輪だけにかかずらわってはいられない。
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北京五輪 日本の金メダルは6個?

2008-08-08 04:45:56 | Weblog
 話題(問題?)満載の北京五輪がいよいよ、きょう開幕する。まず注目されるのが北京の天候である。現地の予報では日中は雨だが、開会式が行われる夕方からは曇りになりそうだ。中国科学技術陣が事前降雨作戦を展開する局面があるかどうか。


 揃いの服装での応援はダメ、「がんばれニッポン」などと書いてある旗は政治スローガンに当たるからダメ、ただの横断幕もダメ、ラッパや太鼓もダメ、と競技場はダメダメ尽くしである。超人たちの神聖な戦いを神妙に観戦しましょう、ということか。


 昨夜のサッカーでもその傾向は現れていたが、日本選手へは声援よりブーイングの可能性が高い。日中で有望種目が重なり合う傾向もあり、体操や柔道で同じ組になったり対戦することになったら大騒ぎだろう。


 日本選手団の目標は史上最多のメダルラッシュに沸いた前回アテネ大会の再現だ。だが、これはかなり厳しいと見なければならない。1984年のロス五輪以降6大会で獲得した金メダルは計41個。1大会当たり7個弱となり、16個も稼いだアテネが例外なのだ。メダルの総数は137個で、1大会では23個弱となる。アテネとロスで30個以上獲得したのが利いているためで、ほかの大会では概ね20個弱が相場だ。


 一足早く始まったサッカーは、男子が負け、女子は引き分けと重苦しいスタート。日本選手団の前途を暗示しているかのようだ。


 と考えてくると、金メダルは3~7個、メダル総数は20個前後と見るのが妥当だろう。では誰が金を獲るのか。柔道の内柴と谷本(女)、女子レスリングの吉田と伊調馨、競泳の北島は200で。柔道は名前が変わるかもしれないし、もう1個くらいの上積みもあり得る。体操は種目別で1個取れれば上出来だろう。


 ソフトボールと野球は運次第、野口みずきは予定のトレーニングをこなせなかったのは大きなマイナス要因だ。ハンマーの室伏に二匹目のドジョウはいない。


 メダル候補となると数が多すぎて書ききれない。競泳、柔道、女子レスリング、体操男子などなど。楽しみにしているのはメーンの陸上だが、世界が強すぎる。一発マグレで高跳びの醍醐、どこかの国がバトンを落として男子400リレー、苦労を重ねた競歩の山崎あたりに光が当たればうれしい。

 日本勢以外では陸上男子百メートル、バスケの米ドリームチーム復活なるかといったあたりに注目したい。最も目が離せないのは、場外のできごとだったりして。無事に聖火が消えることを祈りたい。


 
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