酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

脱北者、実はスパイ

2008-08-27 22:10:06 | Weblog
 命からがら北朝鮮を脱出してきた女が、実はスパイだった。


 あれだけ多くの脱北者がいれば、中にこういう手合いがいると考えるのはむしろ自然だろう。いままで一人も見つかっていなかったことの方が不自然だ。


 《韓国の夕刊紙、文化日報は27日、北朝鮮脱出住民(脱北者)を装って韓国に亡命した女性(35)が北朝鮮のスパイとして活動、韓国の軍事機密などを北朝鮮側に送っていたとして、国家保安法違反容疑で韓国の捜査当局が身柄を拘束したと報じた。

 
 同紙によると、女性は2005年に脱北して韓国入り。ソウル近郊の軍部隊の将校らと親しい関係になり、軍施設の写真や軍事地図、兵器情報などを電子メールで中国にいる北朝鮮の公安機関、国家保衛部の幹部に送付していた。

 女性は韓国でスパイ活動を行うため、北朝鮮でスパイ教育を受けていた。女性に協力した軍将校ら2人も拘束されたという》=共同=。



 韓国の警備・公安もなめられたものだ。取調べ段階で怪しいとは思わなかったのだろうか。やつれ方や言葉の端々で察知できるのではないか。取調官も色仕掛けでやられてしまったか。


 この報道はなかなか示唆に富む。北を逃れてきたと称する人物の中に、かなりの数のスパイが紛れ込んでいることを暗示している。妙齢の女が、涙を流しながら北の惨状を訴える。かなりの堅物でなければイチコロだろう。さすがスパイ映画が好きな金正日さまだ。芸が細かいねえ。



 ここから汲み取るべき教訓は何か。脱北者だとか、政治的迫害を理由にした亡命者だとか言っても、頭から信用するのは考え物だ。金日成のころから、北から南への浸透作戦は続いている。韓国の政治的デモやストライキにこれらの人物がかかわってはいなかったか。


 これは韓国にとどまる問題ではない。北朝鮮の罠は思いがけないところに仕掛けられている(それでこそ罠といえるのだが…)。一つ一つの事象を注意深く見守る慎重さが求められている。軽率な行動で窮地に陥っている大物がいるとも伝えられるが、さて。
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北島に国民栄誉賞だって?!

2008-08-27 04:16:34 | Weblog
 官邸が北島康介に国民栄誉賞を出す方向で検討しているという。なんべん馬鹿なことを繰り返せば気が済むのか。アスリートの勲章で五輪のメダルに勝るものはない。不人気の首相の人気取りに利用されるだけでは、もらった方がいい迷惑だ。余計なことを考えず職務に精励してほしい。


 スポーツ選手への国民栄誉賞授賞問題は01年と04年に賞を打診された際のイチローの回答で決着済みだ。「プレーのモチベーションが下がるのはご免だ」である。20代や30代の現役選手に与える賞ではない。


 そもそも国民栄誉賞は法的根拠も原則もない、いい加減なものだ。時の首相の気まぐれと言ってもいい。第一号は福田首相のオヤジが1977年に本塁打の世界記録をつくった王貞治に授与した。就任一年、貧乏神にも似た当時の首相の人気は陰りだしていた。


 以来、2000年の高橋尚子まで受賞者は15人、うちスポーツ関係者は王、山下泰裕、衣笠祥雄、千代の富士、高橋の5人である。


 その他は芸能関係が中心で、古賀政男、長谷川一夫、美空ひばり、藤山一郎、長谷川町子、服部良一、渥美清、吉田正の顔触れだ。マッキンリーで遭難死した冒険家の植村直己もいる。


 文化勲章に縁のない人たちに光を当てる賞があっても悪くはない。それならちゃんとした選考機関を置き、基準も明確にすることだ。高橋尚子への授賞が田村亮子と比較され、物議を醸したことを思い出すべきであろう。


 長谷川町子が該当するなら手塚治虫はどうなのか。遺族が断るだろうが赤塚不二夫が受賞しても不思議ではない。

 北島に国民栄誉賞などといっているようでは、五輪を政治的に利用した中国を笑えない。こういうことをしているからスポーツ後進国、スポーツ文化のない国と言われるのだ。


 ロンドン五輪組織委員会会長はあのセバスチャン・コーだ。メダリストを宣伝の道具としか考えていない国とは大違いである。
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