酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

南オセチア戦争はどちらが仕掛けた

2008-08-10 06:29:05 | Weblog
 8日、北京五輪の最中に、グルジア軍が南オセチアに侵攻、ロシアの平和維持部隊と激戦、のニュースが流れた。世界に耳目が大イベントに集まっているとき、何かことをしでかすのは、国際政治ではよくある。サーカシビリはこれに倣ったのだろう。


 グルジア北東部、南オセチアは親ロシアを標榜する自治州である。EU入りが悲願のサーカシビリには盲腸のような存在だ。2代前のガムサフルディア大統領当時から、グルジア政府は南オセチアへの武力侵攻を企てていた。


 だが、住民の圧倒的多数がロシア系のオセチア側は自衛軍を組織して譲らず、ここにロシアも絡まって事態は複雑化した。シェワルナゼ大統領時代に停戦協定が発効、サーカシビリに引き継がれている。


 サーカシビリは米国留学経験を持つ41歳、急進的民族主義者として知られる。それだけに、南オセチア紛争の行方は予断を許さない。ロシアの衛星国家は、多かれ少なかれグルジア同様の民族問題を抱えている。スターリンによる民族移住の結果、あちらこちらにロシア人がばら撒かれた。


 モルドバ、チェチェン、ナゴルノ・カラバフ、そしてグルジア。多数を占める現地人の中で、従来の支配者であるロシア人が苦境に陥っている。この勢力が分離独立を求め、テロや紛争が拡大している。ロシア政府としても、見捨てては置けないということになる。


 グルジアやチェチェンは、ロシア国内のマフィアとつながっている連中も多い。グルジア情勢の緊迫化は、即ロシアの治安悪化となって跳ね返る。若いサーカシビリが、後先を考えずに「戦争」の選択を維持すれば、ロシアはかなり危険なことになる。



 グルジアはワインがおいしく、肉料理もいける。だが、モスクワ市内のグルジアレストランには、グルジアワインがない。禁輸されているのだ。グルジアはロシア芸術にも一定の地位を占めてきた。古臭い民族主義を脱ぎ捨てよ。能天気な日本人はそう言いたい。宗教や民族対立は、私たちには理解しがたい。
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谷亮子の敗戦は必然だった

2008-08-10 05:56:17 | Weblog
 北京五輪、日本選手団の金メダル第一号と期待されていた谷亮子が準決勝で敗れて3位に終わった。当ブログのメダル予想では、谷は金候補に入れていない。勝つ予感がしなかったからである。


 谷は昨年、今年と日本体重別選手権で勝てなかった。昨年は今年負けた山岸を延長戦でやっと退けたが、決勝では高校生の福見に負けた。この時点で、谷の時代は終わっていたのだ。


 だが、「ママでも金」を目指す谷は北京へ執念を燃やし、今年4月の体重別選手権に挑んだ。結果は山岸絵美の完勝だった。しかし、柔道連盟は07年の世界選手権で谷が優勝していること、過去の五輪の実績--などから「世界と戦えるのは谷しかいない」と判断、北京の代表に選んだ。



 結果論ではなく大きな判断ミスだ。スピード、技のきれ、パワー、どれをとっても山岸や福見のほうが上だ。世代交代を読み誤るとこういう結果になる。


 谷は準決勝敗退で心が崩れることなく、3位決定戦を制した。その点は素直に評価したい。だが、1回戦からの戦いぶりをみると、これが精一杯という感じだった。谷自身、内心「いかん」と思っていたのではないか。


 選考のあり方に批判が出るだろう。現に谷に決めた時点で「おかしい」という声は多く上がっていた。柔連に選手を見る眼がないということだ。


 たまたま弾みで1本をくらって負けるのと、押されっぱなしで優勢負けするのとでは意味が違う。谷は2年連続して柔道の内容で負けていたのだ。トヨタ、なかんずく元老・奥田が目をかけている谷を外せなかった柔道連盟は情けない。


 それにしても、柔道はいよいよ道着を付けたレスリング、総合格闘技の様相を濃くしている。もっと上半身の強化をしなければ、とても外国勢には太刀打ちできない。日本らしいきれいな柔道を、などといっていては、メダルが遠のく一方だろう。講道館柔道と国際柔道は別物だ。考え方を切り替えてもらいたい。


 
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