酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

海賊を撃退するには

2008-08-24 06:30:08 | Weblog
 アフリカ・ソマリア沖で日本船籍のケミカルタンカーなどが海賊の襲撃を受ける事件が相次いでいる。

 《国際海事局(IMB)海賊情報センター(クアラルンプール)に入った連絡によると、ソマリア沖のアデン湾で23日、日本企業が運航するパナマ船籍の貨物船が海賊とみられる高速艇2隻に追跡され、発砲を受けた。乗組員に日本人はおらず、ケガ人の情報はない。

 貨物船は速度を上げるなどして高速艇側から乗り込まれるのを回避したという。

 アデン湾では19~21日にも、日本企業が管理するケミカルタンカーなど4隻が、相次いで海賊に乗っ取られている》=共同=。



 俄然色めき立っているのが、国防族国会議員の方々である。臨時国会ではインド洋派遣自衛隊の延長問題が焦点となる。「インド洋などでの日本のプレゼンスを低下させるのは、海賊対策面でもマイナス」というわけだ。


 《政府は日本人乗組員がいなかったとはいえ、海上自衛隊が米軍などの多国籍軍に対して洋上補給をしているインド洋につながるソマリア沖で事件が起きたことを重視している。
 首相は21日夜、「アフガニスタンの対策のため各国の艦船が出ているが、海上の安全を図ることも大きな任務だ。そういう活動をする艦船に補給し、間接的に海賊行為取り締まりに協力している」と指摘。インド洋での補給活動を可能にする新テロ対策特別措置法の延長は必要だとの見解を改めて強調した》=共同



 かなり強引な論理だ。新テロ特措法には「海賊」のかの字もない。公海上での海賊防止パトロールをどうするかは、アフガンとは別個の話だろう。国際機関や関係各国が艦船や人員、カネの分担について協議するのが筋だ。場合によっては日本が海上保安庁の船艇を出すことも考えられる。


 自民党内などに「これをてこに、シーレーン防衛策の強化に乗り出そう」などと言う声が上がっている。アフリカ沖のインド洋からマラッカ海峡に至るシーレーンの防衛など、旧日本軍にだってできない。そんなところに日本の軍艦がうろうろしては国際的な不信を買うだけだ。



 海賊から身を守るには船員法や船舶法、銃刀法などを改正して外航船乗組員を武装させるのが手っ取り早い。日本に帰国したら入管に武器を返還すればいい。もともと船長は、船舶の秩序維持のため特別司法警察員の資格を与えられている。この権限と能力を拡大するだけのことである。



 自己防衛能力を高めることが、国家、船舶、家庭、会社を問わず求められている。その際、最優先されるべきは「内なる体力の強化」である。よろいや鉄砲玉で身が守られるわけではない。滅び行くもののほとんどは、内側から腐り、錆びていく。武道で心身の鍛錬を~などと考えているようじゃ話にならない。
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