酔眼独語 

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五輪が終われば弾圧と粛清の嵐?

2008-08-25 04:10:40 | Weblog
 17日間の「北京の暑い夏」=オリンピックが終わった。閉会式と閉会セレモニーもまた、豪華絢爛、光と音の大ページェントであった。万事に大げさな中国流を貫いたのはさすがというべきか。


 五輪後半から、チベットでの弾圧や「デモ公園」の利用実態などが報道されはじめ、中国の人権状況がむしろ後退していることが明らかになってきた。


 《北京五輪期間中に北京市内3か所の公園内に限って認めるとされていたデモ行動は、24日の閉幕日を迎えても、1件も実施されないままに終わる見通しとなった。

 指定会場の紫竹院、世界公園、日壇公園の3か所では同日、パトロールする警察官の姿だけが見られ、デモを行う市民はいなかった。

 北京市公安局の18日の発表では、今月1日以降、外国人3人を含む149人から77件のデモ申請があったが、1件も認められないまま、すべて取り下げられた。国境なき記者団(本部・パリ)によると、このうち15人の中国人申請者が拘束されたという》=8月24日=読売


 《フランス訪問中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は22日付ルモンド紙のインタビューで、中国軍が18日に中国のチベット民族が住む「カム」地方で群衆に向けて発砲したと指摘した。犠牲者数については確認が必要だとしながらも、中国当局による弾圧を非難した。

 
 ルモンド紙の記事は、ダライ・ラマが「(カムで)140人が殺害された可能性がある」と述べたとしているが、ダライ・ラマの事務所はその後、本人が犠牲者数を140人と述べたとの記述を否定した》=共同


 「祭りの後」にくるものを想像させる出来事である。デモ申請をした人たちの動向が気に懸かる。一族郎党、ご近所のみなさまもろとも、労働刑務所などにぶち込まれる恐れがある。外国メディアの監視能力が問われるところだ。


 チベットでの発砲も事実だろう。ラサなどに外国メディアを常駐させておく必要がある。五輪の開・閉会セレモニーから伝わってくるのは「ばれなければ何をやってもOK」という姿勢である。


 偽ブランド品、毒餃子、日本の地名商標登録…などすべて同じ考え方から導き出されている。世界がきちんと見ていないと、何をやらかすか分からない。


 閉会式を伝えるNHKにはあきれた。開会式での偽装の数々を全く封印し、「民族融和と世界平和の祭典」のPRに熱中した。多く太鼓が登場する場面では「55の少数民族に伝わる太鼓を象徴しています」「これは少数民族に伝わる競技です」などと説明していた。開会式で少数民族の子どもをでっち上げたことや口パク事件など眼中にないようだった。


 大体、24日夕方の「7時のニュース」は何だ。延々と「五輪感動シーン」を流しまくっていた。これを当日のトップニュースと報じる感覚は理解できない。NHKはもはや報道機関の名に値しないということか。


 話がそれた。中国である。五輪後の中国の動向にこそ注目すべきだ。

コメント
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