フェニックスの赤い惑星での自画像
NASAのマーズフェニックスランダー(Mars Phoenix Lander)は、2008年6月5日から7月12日まで、地表面ステレオ画像装置(SSI:Surface Stereo Imager)を使って自身のイメージを集めた。この合成は、それぞれのポイントの三つ異なるフィルタでとられたイメージによる、100以上の異なる SSI ポイントから成っている。15年前の2008年8月、フェニックスは、火星の、氷、土、大気圏を調査するその3ヵ月のミッションを終えた。
フェニックス火星着陸船の目的は、火星の北極圏の水の歴史を調査し、居住可能地帯の証拠を探し、氷と土壌の境界の生物学的可能性を評価することであった。広義には、この着陸船は、火星に生命が存在したか否かを判定し、赤い惑星の気候と地質を特徴付け、その地表面での将来の人間の探査に備えるように設計された。フェニックスは氷のために火星の土をサンプリングし、2か月後、科学者達は火星に水があることを確認した。加えて、他の土のサンプルの調査では、これらの土が、塩類及び、過塩素酸塩、ナトリウム、マグネシウム、塩化物、カリウムなどの、他の化学物質から成ることを示唆した。
火星の冬を迎え、日光の不足と劣悪な気象条件のために、この着陸船は2008年10月28日にセーフモードに入った。セーフモードの間、宇宙船は、ミッション・コントロールからの指示を待つ間、最低限の活動を除き停止された。10月30日から11月2日までは着陸船からの毎日の通信があったが、2008年11月2日以降信号は受取れなくなった、そして、ミッションは終わった。
<出典>: 「火星探査着陸船フェニックス(Mars Phoenix)」
<大判>: 大判はイメージをクリック。
<ひとこと>: フェニックスは3カ月の短命の着陸船であったが、それは予定されたことであった。火星探査の最も重要な目的の一つは火星の生命の痕跡を探すことであり、そのためには「水」の存在を探すことであった。これまでの探査で火星に水が存在するという証拠は様々に認められているが、いずれも間接的な証拠に基づいている。フェニックスは、敢えて寒さの厳しい北極に着陸船として送り込まれた。狙いは当たった。これまでに水の氷そのものの存在を直接見たのはフェニックスが唯一である。
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