これ、2014年に刊行された小説なんだけど…
「俺が子供の頃は、ワクチンできるまで、ほんと大変だったんだから。いつ感染するか、びくびくして。」
健剛が原因不明のアレルギー体質であるため、予防接種のメリットとデメリットについては神経を尖らさざるを得ず、下手に副作用で大変な目に遭うよりは、とワクチン接種はしないでいた。
新型のウイルスが登場しました。海外で死亡者が出ました。国内でついに感染者が出ました。と日々に報道が加熱する…(略)
「あの時はもう、一人感染者が出ただけでマスコミが大騒ぎした。死亡者が出ればもう、この世の終わり、みたいな雰囲気すらあったけどな、普通のインフルエンザでも年間、数百から千人くらいは死んでるわけだ。マスコミの熱を鵜呑みにしていると、馬鹿を見るぞ」
「そういうものか」
「めったに起きないことが起きるとニュースになる。予防接種の副作用で死亡者が出れば、めったに起きないから話題になる。だか、たくさんの人間が予防接種に救われている事実もある」
・・・えっ、新型コロナのこと言ってます?!
出てくる話題がとにかくタイムリーすぎて一番びっくりした。
わたしが「パンデミック」とか「濃厚接触者」という単語を知ったのはこのコロナ禍だったけど、7年前のこの小説では既に使われてた。
何だろう、歴史は繰り返すというか、事実は小説より奇なりというか…
いいタイミングで読んだなぁーと思いました。
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