今日の考え事〈applemint1104〉

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「アガサ・クリスティ・大女優殺人事件~鏡は横にひび割れて~」の感想

2018-03-30 10:33:01 | ドラマ
アガサクリスティーのドラマ化というので見てみました。
放送と一緒に見た時はまったくつまらなく、ほとんど印象も残らなかったのですが、後になってどこか見落としがあるのではないかとまた見てみました。
 
多分惹かれたのは全体の雰囲気でしょう。どんより暗くて重たい。造りがいかにもミステリーっぽいです。
熱演していた黒木さん古谷さんの力もあるのでしょう。この二人、「失楽園」コンビです。
と言っても、黒木さんは映画、古谷さんはテレビでしたけど。
でも黒木さんが大女優って‥、この人、演技は上手でしょうが、主役級じゃないんですよね。体つきも薄くて軽くて、いかにも脇役的です。
やっぱり大女優って、存在感が違うんですよ。オーラというか、それがこの人はないですもんね。
 
いろどりまど香というこの主人公は、私生活で悩み苦しみがあって、13年ぶりにそれを乗り越えて映画を撮ることになりました。
監督は三度目の夫の海堂(古谷一行)そして、ななんとこの映画を撮るためにだけ買った豪邸で(すごいわ)クランクイン・パーティをします。
そこへ、かつて色々訳ありだった人達が次々表れます。津川さんなんか楽隊引き連れてですよ。こんなの今の時代ありますか‥。
もう一組、曰くありげな夫婦が来ます。これが、63歳と33歳のカップルです。聞くと、この夫は婿に入りましたが妻が亡くなり、その娘を今度は妻にしたんですって。
大胆です~(笑)その若妻、凛が毒を盛られたダイキリを飲み、パーティのさなかに死んでしまいます。これが第一の殺人。
しかし‥なんとこれが、この物語りの主軸だったのです。
 
これを皮切りに、まど香の身近な人間が次々に殺されます。
〆子という海堂の秘書。そして、印伝(でいいの?)という男。彼は金を脅し取っていました。
犯人は誰か‥警察の捜査が始まります。
回りを見渡すと、怪しい人が沢山あらわれます。まど香の人生は、トラブルばかり。どれ一つとして幸せな関係ではなかった。
人に恨まれ、ある女優には殺したいと宣言されるほど嫌われていました。
 
まど香は三度の結婚歴があります。二度目の結婚で養子を三人取り、それは幸せな生活をしていました。
完璧な家族でした。
が、妊娠した時に、養子たちを手放します。その後、まど香は死産してしまいます。そこから歯車が狂い始めます。
三度目の結婚相手が海堂でした。
一度目の結婚の相手が、殺された凛の夫でした。実際に会ったのにまど香は気がつかなかったのです。
この辺がおかしいですよね。
いくら30年経ってると言ったって‥。
 
二度目の夫の息子も刑事達に調べられます。が、シロ。
まど香の回りに、過去関係があった人達が明かされます。養子だった人たちも、今はカメラマンや監督の付き人になって周りにいるのです。
そして、皆口々にまど香の女優としての才能をほめ讃えるのです。
後半の一時間30分を過ぎた頃から謎解きが始まります。

一つ一つ事件の謎を解いていく警部補の相国寺。言われてみるとな~んだという、簡単な種明かし。
全てはまど香の自作自演でした。
自分が飲むコーヒーにまで毒を盛って、自分が狙われていると演出したのです。
それもこれも、実は、死産した子供の原因を作った人がいたのです。それは15年前の凛でした。
彼女のかかったジキ熱をうつされて、まど香は子供を死産してしまったのです。(この検証が出来ていない)
つまり、これは15年にわたる復讐劇でした。更に周りの人をも巻き込んだ‥
 
一体この話は何を言いたかったんでしょう?
因果関係を説明するのに精一杯で、何が重要なのか見えてこなかったです。
女優魂がメインなら、何で子供を失った恨みを果たすことがあるの?
女優としての生き方を尊重しながら、「女としての人生は決して幸せでなかった。でも、もういいだろう、休んでイギリスの田舎へ言ってみないか」と誘う海堂でした。
この人が主人公のような穏やかさです。しかし、まど香は自分で自分の人生の幕を下ろします。
大好きな白薔薇に囲まれウェディングドレスを着て‥。なんじゃこりゃーという感じです。
 
一つも楽しい事のなかった話、おまけに最後は自殺で幕引きという後味の悪さ。
まど香は他の人でも良かったと思いますが‥、そして古谷さんはチャゲアスの飛鳥に見えてしょうがなかったです。
やはり時代が違うからなのか、大作家の物語とは思えぬ肩すかしでしたけど、皆さんはどう感じたのでしょうか。


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