シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

元祖ドロップアウトの話ですが

2009-01-24 20:18:35 | Weblog
アッシジのセント・フランチェスコは実在の人物だが、たくさんの伝説をもっている。

彼が池のそばを通ると、その姿を見ようと魚がピョンと飛び跳ねた
彼が森にいると、鹿や小動物が寄ってきた

などなど

本作「ブラザーサン・シスタームーン」はそんなフランチェスコの生涯の一部を描いている作品ですね。

なんと今回初めて見たの~~
相方に「これが初めてなんだ~」と言ったら
「嘘だろ~~~」と半ば軽蔑のまなざしでジロジロ

彼は何度も見たし、鳥を追うフランチェスコあたりから伴宙太状態の落涙だそうで、50歳近くになってようやくその作品を見る私が信じらんないという気持ちだったようである。

でもさ、今見てよかったよ!

もしね、10代で見たら、この世界になだれ込んでいたかもだから!

画像は歌を歌いながら雨に打たれ、街で托鉢をするフランチェスコと仲間に、彼を慕うクレアがパンを差し出すシーンだ。

もうあきまへん。

なんてキレイなの!

そして、ふたりが花畑を走りながら、互いに近づいてくるシーンの美。
それを見ただけど、涙、涙。

他の方のレビューでは
「裕福に育った子供が突然神に取り付かれたようになって、こともあろうに、親の財産、私物を窓からぶん投げ、すべてを捨てろ、持っているから不幸だというなんて、とんでもない話。これだからヒッピーは困ったもんだ」
とあった。

その通りで、笑えました。

元祖ヒッピー、まあフラワー・チルドレンに近い話ですからね。

でも、フランチェスコは神様に選ばれちゃったので、そこはそれ、勘弁してあげてください。

普通に「働くのがイヤ」とか「社会がイヤ」というレベルでドロップアウトしたのとはわけも違うし、レベルも違うので・・

フランチェスコの説教は法王、オビワン=アレック・ギネスをも土下座させちゃいます。
まあ、これは「フリ」という見方もあるのですが、この土下座によって、フランチェスコたちの布教は潰されることがなかったそうですね。

今、とんでもない世の中になっているので、こういう映画を見るのもいいかと思うよ。

ただね、anupamが嫌いな言葉が「清貧」

清くて貧しい人がいるのは肯定するが、貧しくないと清くないという考えは否定しちゃうよ!










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4 コメント

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10代で観てしまいました (HAL)
2009-01-26 15:00:23
ええ、観ましたとも!

中学生か高校生のときTVで放映されたのを観たんですが、
いや~本当に美しい映画でしたねぇ~

この映画がTV放映される前に、テーマ曲とともに短い映像を繰り返し流して番組の宣伝をしていたんですよ、『◯月◯日放映予定、ご期待下さい』みたいな感じで、
テーマ曲は聞き覚えがあったので、「ああこの曲、この映画の曲だったんだ~」と思ったのと、映像があまりに美しいシーンをつなげた物だった(ような気がする)ので、構えて観ることにしたのでした。

内容は、当時の私には難しい物でしたが、言い知れぬ感動を覚えた…とでもいうのでしょうかそんな感じでした。

印象的だったのは、
貧しい労働者が染色工場(だと思っているのですが違うかも)で染料にまみれて重労働をしているシーンと、女性が長く美しい金髪をバッサリ切るシーン、(これは番宣にもありました)それとやはり
最後のローマ法王に説教するシーンでしょうか、

工場の、染料と労働者のシーンが、やたらサイケデリックだったり、フランチェスコが家財道具を窓から放り投げたり,屋根の上をフラフラ歩いたり、(ありましたよねこんなシーン…なかったっけ?)
まさにフラワーチルドレン、ヒッピー全盛だった時代の映画って感じです。

でも古くさいとかじゃなく、時代とか、宗教とか関係無く、この映画が描いているものは人間にとって不変のものだと思います。
うまく言い表せないですけど…

本当に美しい映画でした。映像も、内容も。
今でもテーマ曲を聞いただけで目頭が熱くなります。


これを観た翌日学校で、普段あまり仲がいいという訳ではなくそれほど話もしなかった同じクラスの女の子に、「昨日観た?」と話しかけられまして、「観たよ」と言うと
「なんかさ~難しくってわけわかんないとこもあったけど、凄いいい映画だったよね、最後のとこのローマ法王が変なポーズして壁のキリストがアップになってさ……」
という様なことを彼女は語りながら、そのシーンの『ローマ法王のポーズ』の真似(確か天を仰ぎ、うち震えながら片手を上げて宙をつかむような動作)をして、その時の彼女の目が完全にイっていたので、爆笑してしまいました。

最も感動するところなのに…!

今思えば彼女も、感動をだれかに語りたかったのだと思います。で、なぜか私が映画好きという事を知っていて、さほど親しくはないけれど、「コイツならわけわかんないこと語ってもわかってくれるだろう」と思ったのでしょう。
…そんな思い出もあります。

それにしてもあのローマ法王がオビワン=ギネスだったとは知りませんでした。

もう一度観てみたい映画です。10代の頃とは、また違った感動が得られるに違いありません。









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ん、綺麗 (アゲハ)
2009-01-27 09:44:43
アッシジの聖フランチェスコのお話、どっかで見たか聞いたかの記憶あります。
是非見てみたいわ。
こーゆーの好きなんよね、私。
画像からしてイコンみたいじゃん!!!!
聖アントワーヌの誘惑なんてのもあったら見てみたいわ、無いかもしれないけど。

貧しくても清く....なんて生き難い人生でしょう。
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HALさん (anupam)
2009-01-27 18:19:07
ほぼオンタイムでご覧になった!?

染色の労働現場のシーンは、結構重要なシーンです。フランチェスコの自宅の地下で労働者が一切の言葉も発さず、哀しそうに働いているのを見た彼がすごく混乱するんですよね。

そして、あの断髪シーンったら!
ブロンドの髪をブワっと前にたらしてさ~~

ハラハラと金色の髪が川に流れていくんですよね~

ぜひもう一度見てみてください。

やっとDVD化され、レンタルで見ることができるようになっています。

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アゲハちゃん (anupam)
2009-01-27 18:23:44
ぜしとも!

おすすめです!

汚れきったヨコシマな私には、六甲の天然水よりも清らかに感じました。

それにフランチェスコの良いところは、決してルールで縛らないところです。

禁欲も強制しません。どうしても女性への欲望が抑えられないと苦しむ仲間には、「行って、結婚し、子供をたくさん作れ。禁欲することで苦しむなら、それは神の望むところではない」と諭します。

あくまでも、「自由意志」を大事にするところが、かっこいいし、見ていてつらさを感じないの~

ぜしとも!おすすめです!

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