シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

これまでのラブストーリー・シネマを否定する・・って?・・「ある愛のすべて」

2008-02-23 23:53:06 | Weblog
72年ブライアン・G・ハットン監督作「ある愛のすべて」
製作にはアラン・ラッドJrの名前があるが、この方は俳優アラン・ラッドの息子様。「ブレイブ・ハート」などなかなか立派な作品をプロデュースしちょる。

原題は「X,Y and Zee」エリザベス・テイラー演じる奥さんの名前がZeeだったように記憶しているが、この頃、「ある愛の詩」が大ヒットだったため似たような邦題で勝負したのでしょう。

この映画は未見だけど、リズともうひとりの主役であるスザンナ・ヨークのファッション分析などが当時の映画雑誌に掲載され、結構興味深かった記憶がある。

リズとマイケル・ケインは夫婦役。
たぶん若い頃は絶世の美女であったであろうリズだけど、今やマイケルにとっては、ただのワガママ放題な古女房となりはてていた。

そんなときにマイケルはスザンナと出会う。
当然妻より若いし、知的でシンプルなたたずまいの彼女に惹かれる彼。

気づいたリズが許すわけありません。

ありとあらゆる方法を企て、邪魔しようとしますが、そうされればされるほど夫の心は離れていくわけで。

まあ、よくある話です。

でも、画像のポスターにあるように
「これまでのラブ・ストーリー・シネマを否定する」
といきまいているのはオチがいささか変わっているからです。

実はスザンナは男性も愛せるけれど、どっちかというと女性が好きなバイ・セクシュアルだったわけで、リズはそこに気づき、スザンナを誘って自分の虜にしてしまう・・

ふたりが「出来ちゃった」ことに茫然自失するマイケル・・

勝利の笑みを浮かべるリズ・・

そんな終わり方なんだそうです。

それで「ラブストーリー・シネマを否定したことになるのか」意味不明ですが、それまでにないオチであったことは事実かも。
当時はまだ同性愛が映画の中で扱われることも少なかったしね。


この時代のリズは、豪華な美女である彼女が夫に愛想をつかされるっていう役をたびたび演じています。

ヘンリー・フォンダとの「別離」も同様路線で、全身整形で20年若返り夫の愛を取り戻そうとしますが「うんざりしているのは君の性格」とパッキリ言われちゃう役。

やはり「美女は見飽きるし、ブスは見慣れる」ってこと?

スザンナ・ヨークはブロンテ原作の「ジェーン・エア」のジェーン役が美しく印象に残っています。