細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

カラマーゾフの兄弟 読了

2021-05-30 16:23:06 | 趣味のこと

先ほど、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を読了しました。さすが、歴史に残る名作とあって、何とも言えない読後感です。この作品について私が語っても仕方ないので、読むに至った経緯や、おそらく再読すると思うので、その辺りの気持ちのみ、まとめておきます。

おそらく15年近く前のことと思いますが、横浜国立大学の工学研究院長をされていた白鳥先生が、学内の広報媒体か何かで、カラマーゾフの兄弟のことを書いておられました。白鳥先生が若いころに読まれたのだけど、年配になられてからまた読み始めた、そういうような内容でした。白鳥先生のことは個人的にはほとんど存じ上げませんでしたが、教授会でのご発言や、間接的にお話を伺ったことがあり、少しお慕いしていたこともあり、それがきっかけで、光文社文庫(亀山郁夫訳)のカラマーゾフの兄弟を購入しました。

当時、少し読み始めたと思うのですが、全く読み進められず、挫折。私の職場の本棚に眠っていました。

その後、私もいろいろと読書をしました。読書の点では私は奥手でして、小学校のころはほとんど読書せず。甲陽学院中学校で中倉邦男先生のご指導で、少しずつ良質の本を読むようになり、大学では岡村甫先生とのご縁で、読書の幅が拡がりました。30代、40代といろいろな本を読んできましたが、それらは私のバックボーンになっています。

本格的な長編小説もいろいろと読みましたが、40歳のころにフランスに滞在しているときに、「土木チャンネル」で藤井聡先生と宮崎哲弥さんの対談で、三島由紀夫の「豊饒の海」のことが取り上げられ、いつか読んでみたいな、と思っていました。

その後、藤井先生は「表現者クライテリオン」の編集長を務められ、その中での編集委員たちの読書会の企画で三島由紀夫の作品が取り上げられ、「憂国」や「真夏の死」などの短編を読み、感銘を受けました。

2019年、コロナの前でしたが、土木チャンネルの藤井先生と宮崎さんの対談を再度視聴し、一念発起して、「豊饒の海」を読み始めました。これもとてつもない作品でしたが、途中少し間も空きましたが、2020年のコロナ禍の4月ごろに読了しました。この作品も、おそらく人生の中で再読する小説になろうかと思います。

NHKの「100分de名著」という番組が結構好きで、番組自体と、番組で使われるテキスト(本屋で買える)が大好きで、これも自分の読書ライフを支えています。この番組で「カラマーゾフの兄弟」が取り上げられ、亀山郁夫先生が解説者で登場し、大きな興味を持ちました。

コロナ禍で「豊饒の海」を読了し、その次の長編小説として読み始めたのが「カラマーゾフの兄弟」でした。これまたときどき読む「まんが学術文庫」の「カラマーゾフの兄弟」も入手し、登場人物のイメージもクリアに持つように参考書として活用。

光文社文庫で4冊の分厚い文庫本と、エピローグと亀山先生の解説・解題を収録した第5巻。

昨年の最初の緊急事態宣言が終了したころに第3巻の途中まで読み進めて止まってしまっていましたが、今年2021年GW明けに、私自身の生活リズムがアクティブさを取り戻した5月の勢いとともに再開。引き込まれるようにリズム感のある第3巻の魅力にはまり、毎日の通勤時や休日なども読み進めました。

そして、先ほど、ついに歴史に残る名作を読了。訳者の亀山先生の解説・解題を読み始め、この作品がいかに深く、緻密な構成となっているかを少しずつ理解し始め、おそらく人生の中でもう一度は読むことになるのではないか、と予感しています。

古典、名作を読むこと、読み切ること、は人生における喜びでもありますね。

いろんな本が「積読(つんどく)」状態になっており、自分自身の好調のバロメータの一つ、でもあります。。。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿