Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

永遠の0

2014-01-30 19:28:34 | 私の日々
邦画はほとんど観ることがない。
観るきっかけになったのは偶然会った人が「これから『永遠の0』を観に行くの。」と話し、
私と一緒にいた人が「ハンカチ、最初から用意しておいてね。」と送り出し、
私にその映画について何とも愛おしそうに語り始めたからだった。

祖父とは血が繋がっていないことを知った青年がほんとうの祖父について調べ始める。
そこから20代で特攻として散って行った実の祖父の姿を知っていく。
観るつもりだからそれ以上は話さないでと彼女を静止し別れた後、
駅前のシネコンの上映時刻表を観ると『永遠の0』の開始5分前だった。
余りのタイミングの良さに驚きながら受付に行くと小振りの上映館ではなく、
別の階にある大型スクリーンのある劇場へと案内される。

以下、ネタバレは避けて自分の感想のみを記すと、
泣くべくして作られたツボに素直にはまって泣けるという心地良さ。
号泣という言葉を簡単には使いたくないが、目が腫れるほど泣けた。

ストーリーが綿密に練られていて最後まで飽きさせない。
そして結末にも納得できる。
CGの画面なども全く違和感がない。
暗くなりがちな話を未来へと繋げている。
祖父をたどりながら青年が自分探しをし、
亡くなった祖父の人生を知ることで、自分の生き方もみつけていく。
会ったことのない祖父と彼は心の中で出会い気持ちを重ねることができる。

胸に迫って来るのは人の生きることの意味、生を全うすることの美しさ。
主役の岡田准一を始め、脇を固める名優たちが秀逸だ。
夏八木勲はこの作品が遺作となった。
若者たちにぜひ観て欲しいと思う作品だ。

原作は百田尚樹、監督、脚本は『三丁目の夕日』の山崎貴。

http://www.eienno-zero.jp/index.html

軍国主義・特攻を肯定する映画と批判されていることを後ほど知ることになる。
青年が祖父の人生を追体験することの意義、
時代に流されず生きようとした祖父の凛々しさ(現実には在り得ないとしても)
この作品には一人一人が「命」を大切にするというメッセージが込められている。
それほど生きることは素晴らしいのだからと。