Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

金子三勇士・としま区民芸術祭@東京芸術劇場 9/16

2012-10-20 09:02:04 | ピアニスト 金子三勇士
画像はハンガリーに里帰りした際に友人と街角で談笑する金子三勇士。

9/16、金子三勇士「題名のない音楽会」での出光音楽賞受賞コンサート、
リスト・ピアノ協奏曲第1番、第4楽章の放映を観終った後、
その日の午後の予定がなくなったこともあり、
金子三勇士がゲストで出演する豊島区民芸術祭、豊島区管弦楽団演奏会、
日曜に電話が通じるだろうかと思いつつ、連絡してみる。

東京芸術劇場にて開演1時間前より、当日券が出るとのこと。
早速向かうことに。
家から湘南新宿ラインで池袋は一本。
30分弱で着く予定が、駅に着くなり信号点検のため電車は不通とのこと。
他の経路で行くことも考えたが30分以内に復旧と聞いたので、
そのまま駅で待つ。
開演30分前には何とかコンサートホールに着くことができた。

当日券は¥800。
左右と中央、3ブロックに分けられているが、ステージに向かい右側前方に空席が目立つ。
視界音響共に良い中央付近を中心に席は埋まり、
前方ではピアニストの指が見える位置左側がふさがっている。
受付の人に勧められてC列右から3番目を選ぶ。

ほどなく開演となり、金子三勇士がステージに登場。
挨拶したところまでは見えたが、ピアノに座ると、
私の位置から見えるのは三勇士の前頭部と足元のみ。
同じ列の私の左側、ほとんどが空いているので真ん中付近まで、そっと移動。
それでも視界に変化はない。

吉村隆・大河ドラマ『平清盛』組曲
組曲の中にピアノはないが、ドラマ中に挿入される曲の中に、
左手のピアニストとして知られる館野泉氏の演奏されたテーマがあるそうだ。
今回は特別に金子三勇士のためにピアノの部分が編曲で加えられたのこと。
荘厳で大河ドラマに相応しいスケールの大きい曲。
金子三勇士、左手のみの演奏。
そして待機時間が長い。
しかし、頭のてっぺんの髪の毛がちょっと、そして靴しか見れないのは、
残念なものがある。
本人に連絡すればアーティスト枠のチケットとかを調達して貰えたかと思うが、
本番前に煩わせたくないのと、あえて自分自身でできる範囲で応援したいというのが、
私のスタンス。
またそのプロセスを楽しんでもいるつもりだ。

最初の曲が終わり、幕間に入場してくる人たちがいる。
その隙に席を立ち、周りの様子を見ると、右ブロック中央付近に空席が一列あるので、
そこに移動する。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調
このピアノ協奏曲の特徴としてオーケストラの演奏からピアノへと導かれるのではなく、
いきなりピアノから始まっていく。
先ほどの席とは違い視界も音響も抜群だ。
思い切って移動して良かったと胸を撫で下ろす。
第三楽章のフィナーレではオーケストラと共にピアノがグルーヴ感たっぷりに
軽快なメロディーを奏でる。
爽快な印象を残してエンディングを迎えた。

この曲の公開初演は1808年、ウィーンにて交響曲「運命」と「田園」と共に、
上演されたそうだが、この二つの交響曲に挟まれて演奏されたピアノ協奏曲、
として歴史に残る作品といえる。

演奏をホワイエで待ちながら、年配の女性がご一緒しているお友達に、
金子三勇士についてレクチャーしているのが聞こえてきた。
「6歳でね、一人でハンガリーに行ったのよ。
もちろんおじいさんやおばあさんがいたとしても凄いことよ。
それも天才だからこそだと思うの。」

演奏終了後、後ろの席の老婦人が「NHKで聴いた時も良かったけれど、
やっぱり生は素晴らしいわ。」と繰り返しているのが聴こえてきた。
金子三勇士、着実にファンが定着してきている様子に聞き耳を立てながら、
思わず顔が綻ぶ。
この日の演奏と共に満たされた気持ちで家路についた。