Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

メルヴィル・プポー来日

2012-06-14 09:19:30 | 私の日々
フランス映画祭が有楽町朝日ホールやTOHOシネマズ日劇などで、
来週後半から開催される。
WOWOWでは既に今月からフランス映画特集が始まっている。
関連イベントとしてユーロスペースと日仏学院エスパスイマージュで、
「メルヴィル・プポー特集」が組まれた。
メルヴィルの今までの主だった作品、
短編映画も含めたレアな作品を共に鑑賞することができる。

Melvil Poupaud、デビューは9歳からなので、
子役の時から数えると長い経歴になるが'73年生まれなので、
現在は39歳。

最初にメルヴィル・プポーを観たのは1996年のエリック・ロメールの作品、
「夏物語」だった。
20代前半の若者の不安定な気持ちが描かれていたが、
それを演じるメルヴィルの外見はあくまでも爽やかな好青年だった。

その後、2005年のフランソワ・オゾン監督の「僕を葬る(おくる)」
余命3ヶ月と告げられた30代初めのゲイの写真家が治療を拒み、
親しい人にも真実は告げず、祖母(ジャンヌ・モロー)にだけ、
打ち明ける。
淡々と死へ向かっての準備、死後の後始末などを済ませた後、
最後に浜辺で眠るように息絶えていく痩せた姿には胸を突かれた。

本人の自伝"Quel est Mon noM?"(「僕の名前は何だろう?」)や
「カイエ・デュ・シネマ ロメール追悼」などからの抜粋が
今回の特集に向けてのパンフレットには掲載されている。

かつてメルヴィルの妻だったキアラ、
キアラの母であるカトリーヌ・ドヌーヴ、父であるマルチェロ・マストロヤンニ、
とのエピソード、俳優としての役作りについてが語られている。

エリック・ロメールについては、
「夏物語」でこの役はロメール自身を反映させていると感じ、
監督をするロメールを観察して話し方や仕草を参考にしていたところ、
ある日、ロケ現場に行ってみたら二人はほとんど同じ服装、
白いTシャツ、薄いグレーのズボン、麦わら帽子、だったという逸話。

この時の二人の写真が掲載されているが、写真ではサングラスを二人とも手に持ち、
セーターを腰にしばりつけ、カメラに向かって笑顔を見せている。
この写真、フランスの夏景色の光の中で微笑む二人の姿が、
監督と俳優の信頼関係までも捉えているようで素晴らしい。

メルヴィル・プポーは今回の特集に合わせて来日し、
上映前の舞台挨拶、上映後の映画についてのレクチャーなどの機会を設ける。
映画でしか観たことのなかった彼の姿を直に見て、素で語るところを聴いてみたい。
最後に観た作品から7年が経過している。
39歳になったメルヴィルは変わっているだろうか。
どんな抱負を聞かせてくれるのだろうか。