今年22回を迎える若手音楽家を顕彰する出光音楽賞、
オペラシティーコンサートホールで行われる授賞式、ガラコンサート、
及び受賞者を囲んでのレセプションのご案内状を頂いた。
今年度の受賞者は三名、マリンバの塚越慎子、ピアノは金子三勇士と萩原麻未。
塚越は会場に溶け込むようなピンクベージュのワンショルダーのドレス、
萩原は鮮やかなロイヤルブルーにシルバーの縁取りがあるドレス、
金子三勇士は燕尾服、髪型がかなり短くなりさっぱりと夏らしい。
その後、一人一人の紹介と演奏になる。
塚越慎子 E・セジョルネ:マリンバと弦楽のための協奏曲
マリンバをメインにした協奏曲の演奏を観るのは初めてだった。
分野も楽器も異なるが鍵盤打楽器の演奏を今までにライヴで観たのは、
コットンクラブでのファンクブラザースのビブラフォンやロイ・エアーズなど。
今回は大きなコンサートホールでのマリンバをメインにした演奏。
1700席余りの観客を惹きつけるだけの迫力に満ちていた。
インタビューの際に700本近いマレット(マリンバの演奏に使用するバチ)
を持ち、スーツケースに約100本を詰め持っているという話が出たが、
演奏中も楽章の変わり目でマレットを換えていて、
塚越ならではの拘りがあるのだと察した。
休憩を挟み、我らが金子三勇士の登場となる。
演奏前のインタビューでは、
「音楽をやっていると楽しいこともあるけれど、つらいこともある。
このような素晴らしい賞を頂くことは多いに励まされるし、
今まで応援してきたくれた方々にも喜んでいただけて恩返しができた想い。」
と感謝の気持ちを語った。
リストの手は大きかったのではとアナウンサーの女性が尋ね、
三勇士の手と大きさを較べる。
指の長さよりも掌の部分が大きいのでは、ここには筋肉があるので大切、
というような会話になった。
今回の受賞コンサートに「リスト:ピアノ協奏曲 第1番」を選んだのは、
リストの若い頃の作品であり、元気の良さ、若々しさがあり、
出光音楽賞に相応しいだけの華やかさがあるから、とのことだった。
私は金子三勇士のこの曲の演奏をちょうど一年前にもサントリーホールで聴いている。
その時は某交響楽団に某指揮者が就任してそのお披露目的な演奏会だった。
三勇士の演奏はもちろん非の打ちどころがなかったが、
指揮者、コンマス、交響楽団の人々に気を遣いながら、その中で自分を控えめに表現した、
というような印象を受けた。
今回は三勇士の授賞式であり、三勇士のための演奏会ともいえる。
自信に満ちて何の躊躇いもなく思ったままを曲にぶつけている、
そしてこの一年間で約80公演をこなしたと聞いたが、
それだけに演奏の細部まで行き届き、
もはやどんな状況にも臆しない職人芸というレベルに彼の演奏が達していることを、
容易に察することができた。
リスト音楽院で学んできた金子三勇士、リストのスピリットを受け継ぎつつ、
自分の世界を構築し、会場、観客とのコネクトも完璧な演奏だった。
続く萩原麻未 ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
戦争で右手を失ったピアノ演奏者のために何人かの作曲家が曲を作った。
その中でも秀逸な作品とされると司会者から説明がある。
萩原はパリに在住しピアノの研鑚に励んでいるが、自転車にも乗り、
料理もしながら自然体で生活しているそうだ。
気取りのない性格が演奏にもストレートに反映されていた。
しかし途中まで司会進行があったこの演奏会、
萩原の演奏が終わった途端にライトが点き、観客は立ち上がり帰り始める。
司会者からの〆の挨拶があるのかと思っていたので意外だった。
最後に3人の共演、という形で終わっても良かったのではとも思った。
ピアノ二人とマリンバではどのような共演が可能かは想像もつかないが。
既に9時半を回っていたので、関係者パーティーには出席せず、
そのまま失礼することに。
入り口付近で金子三勇士がタキシードに着替えて来て
多くのファンの方々に囲まれている様子が見える。
写真撮影も請われて応じている。
子供の頃からピアノ一筋を貫いてきて、日本に戻った16歳からは、
日本語や人間関係や日本の習慣、更に多くのことを学びながら、
22歳となり日本音楽界で最も栄えある賞の受賞となった。
これからもこの受賞を励みに更なる飛躍を続けて行ってほしい。
この日の演奏の様子は9月16日(日)午前中にテレビ朝日系、
「題名のない音楽会」にて放映される。
指揮:村中 大祐
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
司会:池辺晋一郎・本間智恵
オペラシティーコンサートホールで行われる授賞式、ガラコンサート、
及び受賞者を囲んでのレセプションのご案内状を頂いた。
今年度の受賞者は三名、マリンバの塚越慎子、ピアノは金子三勇士と萩原麻未。
塚越は会場に溶け込むようなピンクベージュのワンショルダーのドレス、
萩原は鮮やかなロイヤルブルーにシルバーの縁取りがあるドレス、
金子三勇士は燕尾服、髪型がかなり短くなりさっぱりと夏らしい。
その後、一人一人の紹介と演奏になる。
塚越慎子 E・セジョルネ:マリンバと弦楽のための協奏曲
マリンバをメインにした協奏曲の演奏を観るのは初めてだった。
分野も楽器も異なるが鍵盤打楽器の演奏を今までにライヴで観たのは、
コットンクラブでのファンクブラザースのビブラフォンやロイ・エアーズなど。
今回は大きなコンサートホールでのマリンバをメインにした演奏。
1700席余りの観客を惹きつけるだけの迫力に満ちていた。
インタビューの際に700本近いマレット(マリンバの演奏に使用するバチ)
を持ち、スーツケースに約100本を詰め持っているという話が出たが、
演奏中も楽章の変わり目でマレットを換えていて、
塚越ならではの拘りがあるのだと察した。
休憩を挟み、我らが金子三勇士の登場となる。
演奏前のインタビューでは、
「音楽をやっていると楽しいこともあるけれど、つらいこともある。
このような素晴らしい賞を頂くことは多いに励まされるし、
今まで応援してきたくれた方々にも喜んでいただけて恩返しができた想い。」
と感謝の気持ちを語った。
リストの手は大きかったのではとアナウンサーの女性が尋ね、
三勇士の手と大きさを較べる。
指の長さよりも掌の部分が大きいのでは、ここには筋肉があるので大切、
というような会話になった。
今回の受賞コンサートに「リスト:ピアノ協奏曲 第1番」を選んだのは、
リストの若い頃の作品であり、元気の良さ、若々しさがあり、
出光音楽賞に相応しいだけの華やかさがあるから、とのことだった。
私は金子三勇士のこの曲の演奏をちょうど一年前にもサントリーホールで聴いている。
その時は某交響楽団に某指揮者が就任してそのお披露目的な演奏会だった。
三勇士の演奏はもちろん非の打ちどころがなかったが、
指揮者、コンマス、交響楽団の人々に気を遣いながら、その中で自分を控えめに表現した、
というような印象を受けた。
今回は三勇士の授賞式であり、三勇士のための演奏会ともいえる。
自信に満ちて何の躊躇いもなく思ったままを曲にぶつけている、
そしてこの一年間で約80公演をこなしたと聞いたが、
それだけに演奏の細部まで行き届き、
もはやどんな状況にも臆しない職人芸というレベルに彼の演奏が達していることを、
容易に察することができた。
リスト音楽院で学んできた金子三勇士、リストのスピリットを受け継ぎつつ、
自分の世界を構築し、会場、観客とのコネクトも完璧な演奏だった。
続く萩原麻未 ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
戦争で右手を失ったピアノ演奏者のために何人かの作曲家が曲を作った。
その中でも秀逸な作品とされると司会者から説明がある。
萩原はパリに在住しピアノの研鑚に励んでいるが、自転車にも乗り、
料理もしながら自然体で生活しているそうだ。
気取りのない性格が演奏にもストレートに反映されていた。
しかし途中まで司会進行があったこの演奏会、
萩原の演奏が終わった途端にライトが点き、観客は立ち上がり帰り始める。
司会者からの〆の挨拶があるのかと思っていたので意外だった。
最後に3人の共演、という形で終わっても良かったのではとも思った。
ピアノ二人とマリンバではどのような共演が可能かは想像もつかないが。
既に9時半を回っていたので、関係者パーティーには出席せず、
そのまま失礼することに。
入り口付近で金子三勇士がタキシードに着替えて来て
多くのファンの方々に囲まれている様子が見える。
写真撮影も請われて応じている。
子供の頃からピアノ一筋を貫いてきて、日本に戻った16歳からは、
日本語や人間関係や日本の習慣、更に多くのことを学びながら、
22歳となり日本音楽界で最も栄えある賞の受賞となった。
これからもこの受賞を励みに更なる飛躍を続けて行ってほしい。
この日の演奏の様子は9月16日(日)午前中にテレビ朝日系、
「題名のない音楽会」にて放映される。
指揮:村中 大祐
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
司会:池辺晋一郎・本間智恵