女の子が死ぬ話 (アクションコミックス) | |
柳本 光晴 | |
双葉社 |
響の作者、柳本光晴の作品ということで買ってみた。
買うということは決めて、とりあえず本当に同じ作者で間違いがないか確認がてら尼損のレビューを見てみると、どうにも歯切れの悪いコメントが多い。
原因がタイトルにあることは容易に想像が付くが、レビューがどんなだろうが響の作者であることへの期待は揺らぎはしないので、ヨドバシでお買い上げ。
尼で買うのも何だけど、楽天で買うと傷だらけのことが多くて、迷ったらとりあえずヨドバシで行こうと決めた今日この頃。
いや、迷わずヨドバシでいいんだけど。
女の子が死ぬ話というのは合っていないわけではないが、正確ではない、というか間違っている。
女の子が死ぬのは結果であって、作品的にそこは大して重要ではない。
というか、確かに死ぬけど、生き続けるわけだから。
正直、このタイトルで行くことにGOを出した編集者に猛省を促したい。
気を引いて買わせるには十分なタイトルなのかも知れないが、作品の内容を表していないというか、風情がない。
鏡に映った制服姿に自惚れて、進学を機に格好いい女から可愛い女へと転身を図ろうと勇んで登校した主人公が初日に出会ったのは絶世の美少女だった。
可愛いとはこういうことなんだと思い知らされた主人公は、少女のお付きのイケメンくん含め強烈に惹かれる。
トイレの鏡に向かい少女への素直な憧れを呟いたその時、少女が立ち聞きしてしまったことで好感を持つ。
人との関わりを避けて生きてきた薄幸の美少女が、余命宣告を受けきれいに死のうとの決意を胸に進学した先で出会った、快活な少女との儚くも濃密な時間。
ぼっち姫が残された僅かな時間の中で、一生の親友と呼べる関係を築くという作品。
この作者はあだち充ばりにキャラの引き出しが少ないなと思わされるほど、響の登場人物のプロトタイプ的なキャラが多い。
ヒロインの幼馴染みなんか涼太郎そのものって感じだし。
だがそれは悪い意味ではなく、響が好きな人なら、この作者の作品は好きになれる可能性が高い。
逆に言えば、このキャラが嫌いなら、この作者の作品はどれも好きになれないだろうけど。
しかしなんだ、どいつもこいつもすぐに手が出るな。
いや、嫌いじゃないけど、サイヤ人が立場を失うレベル。
自分は別に薦めはしない。
でも、響好きなら当然持ってるでしょ。
つまりはそういうこと。
響ほど萌える要素はない。
泣けるかどうかというのは微妙なところ。
いいはなし系。
この作品を読むと、タイトルで釣れるかどうかというのはどうでもいいことだと思わされる。
だって、響の作者じゃなかったら買っていないわけだから。
良い作品を描くことが一番の宣伝になるってことですね。