行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

日本マックドナルドのサラ・カサノバ社長の日本的経営

2017-12-22 18:23:42 | 経済
テレビで日本マックドナルドのサラ・カサノバ社長のインタビューを見て、感動した。中国工場での不衛生なチキンナゲット生産過程がネットに流され、日本ではマックの商品に異物が混入してたりして、客のマック離れが喧伝された。2015年の決算は300億円を超す赤字となり、ちょうど日本に乗り込んできたサラ・カサノバ社長はテレビニュースに出るたびに頭を下げっぱなしだった。それがV字回復し今期は220億円の利益と予想され、彼女の経営手腕に注目していた。
 
カサノバ社長が取った再建策は特に目新しいものではなく、時間があれば店に出向いて顧客と接することで顧客のニーズを掴み、新製品開発につなげたことと、顧客に接する従業員は社の「人材」として重視し、チームワークにより一体化を図ったことだ。そしてそれぞれのコミュニケーションを絶えず絶やさないことを強調していた。「顧客」と売り手の「人材」こそがカサノバ社長の経営の基本で、世間の信用を取り戻したわけだが、これは近江商人の家訓「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」の精神に通じるものがある。
 
ブラック企業が問題視されてる今、米国人経営者から、あらためて日本の伝統である「三方よし」を教わった気がした。付け加えるならば、彼女の目の付け所も良かった。顧客の多くは子連れのママだったところからママさん部隊による日本人向けの商品開発、店の現場での検査実施などで信頼回復に寄与した。

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