行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

円は目下世界最強の通貨だ

2010-07-16 16:05:25 | Weblog
ワールドカップはスペインが優勝したが、国際通貨について言えば円がドル、ユーロ,ポンドよりも強い最強の通貨だ。ただ今のところという条件付きだが

本日のレートは1ドル87円で一時86円台に、1ユーロは112円で円は買われている。世界一の財政赤字を抱えている国の通貨が世界最強とはケインズ博士も天国でびっくりしてるだろう。先のカナダでのG20でも先進国の財政赤字半減目標決議も日本はできっこないので特例扱いとなった。経済学史上まれな事例として今後特筆されるがひとえに日本の特殊事情がなせることだ。

財政赤字の補填は国債で、ギリシャ危機は国家財政危機から国債がデフォルトになるのではないかということが発端だった。ギリシャの場合、国債は9割かたEUを中心とした外国の銀行が所有してたために国際金融危機をまねくという騒ぎになり、ユーロが一気に下落した。外貨保有のユーロは目減りし、中国のように外貨を貯め込んでいた国はかなりの被害を受けた。

これに対し,日本は世界最大の国債残高もギリシャとは違い95%日本国内で保有し、継続して消化もしているので、デフォルトの心配はない。いざとなったらヨーロッパ並みに消費税を上げればよいという読みもある。日本の国債を持ってれば安心と言うことでフィナンシャアルタイムズによれば、中国のようにユーロで痛い目にあった国はこのところ日本国債を買いだしている。景気の良いアジアの国々も外貨を円で持つべく日本国債を買っている。かくして円高になっているがいつまで続くのであろうか

2009年度末日本国債684.3兆円の保有状況は銀行38%、保険・年金基金24.4%、公的年金11.6%、個人家計5%、海外4.6%、その他16.4%となっている。銀行の保有がトップだが個人の銀行預金がその原資であることは間違いない。
問題は公的年金と年金基金で、ここのところの株安(円高による影響が大きい)、高齢化の進展で積立金を取り崩さなければならない事態となりつつあり、国債売却に動き出している。

かくして日本国債も外国政府や外国の金融機関、個人が所有する比率が徐々に拡大するだろう。その比率が50%を越えたとき、そして政治が無力化して消費税の増ができないとき、日本売りが始まり,円安へ転換することになる。

円高で最も得をするのは海外旅行だろう。特にユーロ地域への旅行はワンランク上のホテルに泊まれる。しかしいつまで楽しめるだろうか?


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1 コメント

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経済はバランスよくできている (伊藤 誠)
2010-07-29 00:28:13
円が安くなれば、輸出関連企業が
わんさか儲かる。

法人税収入増。
平均株価の急騰。

現在の日本の経済体質では
むしろ、円安のほうが受け入れられる。
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