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行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

判然としないウクライナ危機

2014-03-05 16:30:44 | Weblog

街頭デモクラシーが大統領を引きずり下ろし、EUとの連携を進める反対派が暫定政権を樹立したが、ロシアが元ロシア領であったクリミア自治区を占領し、これに欧米が反発をしているという図式。マスコミはプーチン大統領の強さとオバマ大統領の弱さを強調し、新冷戦の始まりかと報道している。

肝心のウクライナの一般国民がどう思っているのか、クリミア自治区の国民がどう思っているのか情報がなく、この危機がどうゆうことなのか判然としない。ソ連が崩壊し、ロシアとは兄弟国として独立したが、政争に明け暮れ財政危機の中、国民生活は悪くなるばかりと推測する。旅番組でウクライナをやっていたが、黒海の漁師の家での会話の中で、昔のソ連時代の方が生活はましだという場面があった。キエフだけの情勢では全体像がよく判らない。

大統領を引きずり下ろし、大統領邸宅で見たものは、42億もするシャンデリアをはじめ、信じられない贅沢品の数々、逃亡した最高裁判所長官の自宅も同じだと公開された。明らかに自分の給与では実現できない贅沢で、今回の大衆デモクラシーの背景は権力者が腐敗をしていることへの反発で、親西欧か親ロシアよりも自分たちの生活を何とかしたいということではなかったか。テレビインタビューでは街頭デモ参加者が「自分たちには失う物は何もない」と言っていたのが印象に残る。

判然としない理由で勝手に新冷戦などに入ってもらっては困る。経済制裁をロシアに課せば、世界経済に与える影響は大きい。如何にプーチン大統領が強力でも、石油やガスが売れなければロシア経済が瓦解するし、彼自身もよく判っているだろう。日本もロシアからのエネルギー供給が途絶えれば、困ることになる。

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