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朝日を食べる

2024年09月07日 | エッセー
  朝散歩を始めてから、お昼寝をたっぷりしても夜の寝落ちを維持できるようになって、早朝の太陽を浴びて、人間の体内で化学変化が起き、メラトニンやらセロトニンがたっぷり生成されているんだろうなって実感している。
 何より、体全身を包み込む早朝の日の出前後の空気の清涼感は、何にも代えがたい。
 私の人生、わくわく不全症候群だった。唯一のわくわくは、お昼寝をせんと布団に身を投げる瞬間か。トホホ・・・。
 夜は、逆に寝るのが恐怖だった。寝落ちできないから、いつも『今日こそは、スーッと眠れますように。』と祈る日々。びくびくしていた。毎晩。
 それが寝る前の股関節いろいろテキトーストレッチで、寝落ち能力を身に着けられた。そして、今や早朝散歩で昼寝をしても夜の寝落ちに影響しない物質をゲットすることができた。
 夜、すぐ眠れるようになったので、自然と朝、6時前に目が覚める。以前は、仮に目が覚めても、目覚めがよくなく1時間くらい布団の中でうだうだしていたけれど、最近は、15分くらいで、すっきりとした感覚になれる。
 日の出前後の早朝散歩は、睡眠効果もさることながら、わくわく不全症候群の私に、わくわくをもたらしてくれている。
 本当に、日の出前後の空気感は、爽快感はんぱない。
 我が家は、堤防のそば。その堤防には、橋がかかっている。その橋から見える風景は、絶景だ。霧島の山々が遠くに連なり、その手前には豊かな田園風景。そして、その手前には、ジャングルのような手付かずの草むらが生い茂り、そして、川の流れに白い鳥がぴちゃぴちゃと。草露たちは、なんともいえない瑞々しさを朝日に反射しながら、私の目に植え付けていく。
 霧島の山々のもっと手前の東の山から、日が昇っていく。その景色は、見事に毎朝異なる風合いを醸し出す。
 毎朝、違う空気感。
 霧の深い日もあれば、うっすらと山肌に霧がかかっている日もあれば、霧のかかり具合も様々で、とにかく、毎日、違う。
 それが、わくわく。
 夕方は、深呼吸して、がんばるぞって感じで、気合でスロージョギングを30分しているけれど、朝の散歩は、ほんとうに散歩だから、30分という一時が、すべて幸せに満ちている。
 とにかく、爽快感に包まれながら、刻一刻と空気感も含めた景色が変化していく自然の雄大さをかみしめながらの贅沢な30分は、格別だ。毎朝、味付けの違う朝日を味わう30分。
 朝露をいっぱい含んだ朝を満喫するという毎朝のわくわく。
 やったー。
 推しも趣味もない私が、初めて手にしたわくわくは、早朝散歩。
 田舎に住む唯一の贅沢かもしれない。不便だからね。








 
 











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