思いつくままに書いています

間口は広くても、極めて浅い趣味の世界です。
御用とお急ぎでない方は、ごゆっくりどうぞ。

洗濯物に着いていた黒い物体のナゾ

2014年08月13日 | 日記
7月17日の午後、昼に洗濯してベランダに干してあったシーツを取り入れようとしたときのこと。

洗濯竿にぶら下がったシーツに黒いものが着いていました

干した時にはなかったその黒いもの、平らな布切れのようにも見えました。なんでこんなものが付いているのかなと不審に思いながら、指を触れたら、なんとパタパタと動きながら足元に落ちました
まさか動くとは思わなかったのでびっくり。もしや蛾?と思いましたが、真っ黒な蛾は見たことも聞いたこともありません。蝶ならカラスアゲハが有名ですが、飛び方が不細工で、どう見ても蝶ではないし。

蛾といえば以前も書きましたが、我が家にはオオミズアオとか↓

ヤママユガとか↓

が飛んできます。これらの蛾も動作が緩慢でしたが(何しろ成虫になると絶食するそうで)、今回ほどではありません。
ついでに子ダヌキも↓来られました。(笑)


今回のその黒い物体というか生き物は、そのまま動かず、じっとしています。

何だろうと近づいてよく見ると、小さな頭と耳がついていました!
ということはどうやらコウモリですね。
私はコウモリを至近距離で見たのは初めてです。以前よく夕方になると忙しく飛び交うコウモリ群をよく見かけましたが、最近はそれも余り見なくなったし。だいたい結構早く飛び回っているので、どんな姿なのかもわからず。

しかし今回のコウモリ君、動作が緩慢で、以前見かけたような俊敏に飛び回っている姿とはかけ離れた情けない状態です。ひょっとして病気かなと思ったり。
だとすればはなはだ迷惑ですが、まあせっかくの珍客のご訪問なので(笑)、洗濯物を取り込んでからデジカメで撮影してみました。

何とも小さいです。


洗濯バサミと比べたらよくわかりますね。


ベランダで死なれては困るので何とか立ち退いてもらおうと針金ハンガーでつつくと、のそのそと這って、隅にあったプラスチックのチリトリの下にもぐりこみました。





余りつついたら、そのストレスで死なれては困るしと、そのまま様子を見ることに。

で、撮影後、ネットでコウモリについてちょっと調べてみました。
Wikipediaによると、
コウモリ(蝙蝠)は、古語に『かはほり』、『かはぼり』(いずれも蚊を食べるからですね>私)と呼ばれたものが転訛したものである。別名に天鼠(てんそ)、飛鼠(ひそ)がある。
コウモリ目は約980種程が報告されているが、その種数は哺乳類全体の4分の1近くを占め、ネズミ目(齧歯類)に次いで大きなグループとなっている。
』ということです。
そして日本でもコウモリの種類の多さは同じで、
日本では、移入種を除く約100種の哺乳類のうち、約3分の1に当たる35種(種数は分類説により若干変動する)をコウモリ類が占めており、約4分の1に当たるネズミ目(齧歯類)24種を抑えて、最多の種数を擁している。(中略)このうち、オオコウモリ類は熱帯性で、日本では小笠原諸島と南西諸島にのみ分布する。』とのこと。

でもそんなコウモリも今急速に数が減っていて、環境省の調査では多くの種類が絶滅危惧種となっているそうです。しかも蚊などの昆虫を主食にしていて益獣とか。

ただ怖いことに、日本にはいないものの、小型のコウモリの中では少数ですが血液食、つまり吸血コウモリも実際にいて、それが吸血鬼ドラキュラにつながったのでしょうね。

それで西洋では嫌われてきましたが、中国では古来から縁起物とされていて、その影響で日本でも縁起のいい生き物になっていました。
実際に日本石油は1980年代初頭まで商標としていたし、自治体の市章や、長崎のカステラ屋の商標、また家紋にも使われていますね。そういえば今も売られている煙草に「ゴールデンバット」もあります。

それ以外にもいろいろ調べていると、ウチに来たのは「アブラコウモリ(別名イエコウモリ)」のようです。真っ黒な色はまだ子供だったからのようで、成長すると褐色になるとか。
習性はやはり夜行性で、日中は市街地の家屋の瓦の下とか羽目板と壁の間、戸袋の中、天井裏、換気口など建物の隙間などに隠れて休息するそうです。

ということでコウモリ君は多分休息中で、ネボケていての緩慢動作だったようです。ちなみにドラキュラの活動が日没から日の出までの間で、夜明けとともに死体に戻るとされているのも、このコウモリの習性に由来しているのでしょうね。
なので、日が陰ってきてから、日暮れとともにすばやく飛び立てるように(笑)、チリトリの下から出してベランダの縁に載せておきました。(笑)
その際もピクリとも動かなかったので心配でしたが、寝る前に再びベランダに行くと、いなくなっていました。

無事飛び立ったようです。よかったです。いくら小さくても動物の死骸にさわるのはいやですからね。
なんでシーツに張り付いていたのか不明ですが、とにかく眠りたかったのでしょう。

最後に、このアブラコウモリだけは市街地で生息して唯一増えているそうで、苦情も増えているそうです。もうひとつ、野生動物全般に共通のことですが、人畜共通感染症のウイルスなどを持っている可能性があり、接触は要注意とのこと。

そういえば、アフリカで今猛威をふるっているエボラ出血熱はオオコウモリのウイルスが人間に感染したことから始まったといわれていますね。詳細はココをどうぞ。

ということはあのシーツ、もう一度洗わないといけないか‥。

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梅田芸術劇場で『レディ・ベス』を観て感じたこと

2014年08月11日 | 観劇メモ
私たちが観たのは8月2日の12時の公演でした。
地下1階のレストラン街で昼食をとってからメインホールに向かいました。

この劇場には観客用エレベーターはありません。なので、事前に連絡していた劇場スタッフに案内されて、裏口の楽屋のエレベーターまで行って劇場に入りました。席は障害者用スペース。上手側通路端に車椅子を止め、私はその横の折り畳み椅子に座りました。
1階席はほぼ満席。でも2階席はけっこう空席が目立ちました。逆に3階席は結構埋まっていましたね。

以下、とりとめもない感想です。少々ネタバレありです。例によって敬称は略させてもらっています。

この作品は、『エリザベート』『モーツアルト!』を生んだゴールデントリオ(脚本・歌詞 ミヒャエル・クンツェ、音楽・編曲 シルヴェスター・リーヴァイ、演出が小池修一郎)という触れ込みなので、大いに期待していました。ちなみに『エリザベート』はElisabeth、『レディ・ベス』のエリザベス1世はElizabethで一字違い。よほどこのトリオはエリザベスがお気に入りなようです。

まず全体の感想というか印象から。

上質な舞台でした。まず役者が粒ぞろい。みんな歌の水準が高く、安心して聞いていられます。そして演技も説得力があります。舞台装置も衣装も豪華で重厚。生演奏がまた素晴らしかった。
ただ、脚本としては平板で盛り上がりに欠け、途中??な部分があって白けたところも。それと使用されている音楽が先の通り名手・シルヴェスター・リーヴァイということで期待していたのに、『エリザベート』のようにインパクトのある耳に残る曲がなかったのが残念。
同じような例では、ジェラール・プレスギュルヴィックで期待していた『眠らない男・ナポレオン』の音楽も大ガッカリだったし、有名な作曲家といってもいつもヒットを飛ばすわけではないということですね。

『レディ・ベス』は今回が世界初演だそうで、それだけでも期待していました。ただ、私たちが観たのは残念ながらベスが花總まりではなく平野綾のほう。大体どんな公演でもWキャストというのは気に入らないですね。チケットが偏って、希望の配役の公演が観られないし。

もうこの点でもかなりガッカリ感があったのですが、それでも先のとおり基本的に豪華な出演者なので、気を取り直しての観劇でした。(笑)

幕が上がって舞台には天文時計をモチーフとした傾斜したターンテーブルと、同じモチーフの宙に浮くリングが舞台にセットされています。モデルとなったのはヘンリー8世ゆかりのハンプトンコートにある天文時計とのこと。
ターンテーブルの傾斜が不安なストーリー展開を暗示しています。
このセットは非常にうまくできていて、映像も交えながら場面転換に効果を上げていました。
上で演技する役者が大変ですが、さすがにみんな危なげなく演じていました。
(以下の画像はすべて当日購入のプログラムより)


衣装も豪華。宝塚と違って派手ではないが、いぶし銀のような色合いで上品で重厚なデザイン。


まず、荘重な衣装に身を包んだロジャー・アスカム(ベスの家庭教師ですね)役の石丸幹二が登場。天文時計のセットの横で歌い始めただけで感動しました。

男の声もいいものです。(笑) 力強い、よく響く美声が舞台から客席に流れだすと、それだけで名作の予感が。ひよっとして、あの名作フランス版ロミジュリの再来となるかと期待しながら観ていました。
ロジャー・アスカムについては、今回観劇した石丸幹二のほうが好みだったのでラッキーでした。
繰り返しますが、「レディ・ベス」の出演者全員が歌のレベルも高くて聴きごたえがありました。
これで『エリザベート』とか『ロミジュリ』や『ファントム』などのような耳に残る曲があれば言うことなかったのですが。
なんといってもミュージカルですからね。

歌でいえば、今回もっとも印象に残ったのはアン・ブーリンの和音美桜でした。もう絶品です。これを聞けただけで本望。余裕たっぷりの、深くてどこまでも伸びる美しい歌声でした。

といっても、事前知識ゼロな私は和音美桜が出ているとはツユ知らず、幕間にヨメさんに「アレ誰?うまいねー」と聞いて呆れられました。
彼女は宝塚時代でも早くから歌と演技で目立つ存在でしたが、今回久しぶりに聞いて、その美声にさらに磨きがかかっていることに驚嘆しました。こんな逸材を活用できなかった歌劇団の人事には、当時も本当に疑問に思ったものでした。

私にとってはこの二人の歌が今回の舞台でのベストでした。(二人でベストかいと言わないように(笑))

もったいなかったのが涼風真世でした。出番の少ない、筋に絡まない端役で、実力からしたら彼女にこそメアリーをやらせたかったですね。もちろん歌は変わらぬ歌唱力で聞きごたえがあり。


レディベスの平野綾は、歌はよかったのですが、ビジュアル的にとても王女には見えなかったのが残念。
ファンの方には申し訳ないのですが、どう見ても彼女は庶民顔。せいぜい王女の「お世話係」にしか見えなくて(殴)、最後まで感情移入できなかったです。ここはやはり花總で見たかったですね。


といっても、私は宝塚時代から花總まりはなじめなくて(横顔を見ていると夜な夜な箒にまたがって飛びまわっていそうで(殴))、実力は初演のエリザベートでよくわかっていましたが、どちらかというと早く辞めたらいいのに(殴)と思っていました。
でも今回はエリザベートつながりで(笑)、彼女のベスが観たかったですね。

花總まりが適役なのはこれを見ても一目瞭然ですからね↓




そっくりです。(笑) 
(↓これもプログラムから)

でも花總まり、いったい実年齢はいくつになるんでしたっけ。

話の方ですが、新約聖書をベスが読んでいることが問題とされて、これは「ドン・カルロス」の陰鬱な異端審問法廷の再現かと思ったがそうでもなく、シェイクスピアばりの王権争いのドロドロした血なまぐさい話が続くかと思ったら途中からロミジュリそっくりの逢い引きシーンになったりとどうもトーンが一定していないので、観ていて違和感がありましたね。
とくに架空の人物・ロビンが違和感の最たるものでした。重厚なストーリー展開がロビン(山崎育三郎)の唐突な登場で急に軽くなって、しかも登場する必然性が全く理解できませんでした。
ロビンとベスが魅かれあうのもよくわからず。ただの世間知らずの王女が、大道芸人兼吟遊詩人な若い男に「軽」チャーショックを受けてひっかけられたみたいな話(笑)で、必然性が感じられなかったですね。

「ローマの休日」ふうなところもあったり。脚本家の想定ではロビンはシェイクスピアだったりするとかでよくわからない人物設定でした。ベスとロビンが塔の上下で話す場面では、音響の悪い客席端では「ロビン」が「ロミオ」に聞こえたりしてもう意味不明。(殴)

それと、最後で腹違いの姉のメアリー(吉沢梨絵)と和解するのも余りにもあっけなくて、ただ病で気弱になったメアリーが王位を譲ったみたいな感じでした。
吉沢梨絵のメアリーも歌・演技ともよかったですが、私としてはやはり本命の未来優希のド迫力な歌が聞きたかったですね。

それと異常にいい役だったのが平方元基のスペイン国王・フェリペ。宗教問題にも異様に寛大で(笑)、ベスを救ったのはひとえに彼の功績となっているのも「ほんまかいな」と思ったり。今回一番の儲け役でした。

ということで、事前の期待が過剰だったのと、本命キャストではなかったのであまり絶賛していない感想になりましたが、舞台としては、先に書いたように粒ぞろいの水準の高い歌唱力の役者と、豪華な衣装、よくできた舞台装置で決して損はしない作品になっていました(と思いたい)。


いろんな意味で、なかなか柳の下にいつもドジョウがいるわけではないと思った今回の観劇でした。


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宝塚星組公演『The Lost Glory ―美しき幻影―』『パッショネイト宝塚!』 観てきました

2014年08月02日 | 宝塚
ナポレオン以来久々の星組。期待して出かけました。
途中の阪神高速松原線で渋滞との道路情報で少々心配しましたが、渋滞区間はわずかで、着いて見たらいつもと同じ時間。10時前には劇場に向かって車椅子を押していました。

大劇場はもうけっこうな賑わいで、当日券は完売。木曜日なのに立ち見まで出る盛況ぶりでした。

先日来、花組エリザのチケット確保に悪戦苦闘の挙句、結局入手できなかったことといい(泣)、この人気はやはり100周年効果でしょうか。それにしてもエリザのチケット難は異常です。全く無いのではなくて、あちこちで大っぴらに定価の三倍近くで売られていたり。組織的にダフ屋が入ってきているのかと思いたくなるほどです。

愚痴はさておき、今回も、暑さしのぎにジェラートショップ「ボヌール」で三色の「バラエティ」を食べてから劇場へ。


席は8列の下手側。端っことはいえオペラ要らずの良席でした。

開演前、急に客席がザワつきだしたので見ると、花トップコンビの観劇でした。終演後も、二人が出て行くのを見送りましたが、思った以上に明日海りおの肩が薄く、ちょっと痛々しい感じ。体力勝負のトップなのに今から痩せていて大丈夫かなと思ったり。

前置きはこれくらいで、少々ネタバレありのいつもの薄い感想ですが、よろしければお付き合いください。以下、敬称はすべて略しています。


『The Lost Glory―美しき幻影―』はシェイクスピアの「オセロ」をベースに植田景子脚本・演出でミュージカル化したものです。彼女自身がイメージモチーフといっているように、結末など大幅に変わっているので実質は別の話ですね。

ショーの方は稲葉大地 作・演出の「パッショネイト宝塚!」。楽しいラテンショーで観どころ満載でした。

で早速ですが、芝居のほうの感想です。
よかったです。少なくとも破綻していない。いやこれかなりの賛辞ですが。(笑)

でも、もしチケットがあったとしても、リピートはないですね。(やっぱりホメてないか。(殴))
でもショーの方は、ショー音痴な私でも絶対リピートしたいと思ったいい出来でした。

芝居は前半がちょっと単調な感じで退屈でした。
あまり変化のない、同じような場面が続いて、説明台詞も多かったし。それで、アレ、このまま最後まで同じ調子かなと、不吉な予感がしてきました。もちろん話はそれなりに展開されていきますが、話の「山」と「谷」の差が小さく、ちよっと期待が空振りという感じでした。
もともと今回は、星組公演ということもありますが、あの『アンドレア・シェニエ』の植田景子脚本・演出なので、これは何をおいても観なくてはと期待していたので。

でも、そんな不安も、株の大暴落あたりから俄然面白くなって解消。やはりなんでも順調というより悪くなる方が面白い。(殴)

話の時代背景は、第一次世界大戦後、空前の好景気に沸く1929年のニューヨーク。舞台に林立する摩天楼のセットが、ペットボトルの集合体なのも、その後の大量消費時代の幕開け&バブル経済を象徴していますね。ちなみに舞台装置は「アンドレア‥」以来おなじみの松井るみですが、今回はちょっと期待外れでした。

主人公はギリシャ移民から身を起こし、アメリカで実業家として成功をおさめた建築王のオットー(原作ではオセロですね)。扮するは久々の星組特出の轟悠

私は「第二章」でも書いたように、轟悠は大の苦手でした。(笑)
でも「第二章」で見なおしましたが、あれはドラマシティ公演。今回のような特出で主役降臨の公演はかなり抵抗がありました。ただ今回も、「第二章」同様に、台詞や歌が以前のような(たとえば『長崎しぐれ坂』みたいな)無理に声を押し殺したような発声の勿体ぶった印象は消えていて、丁寧で役のツボを押さえたいい演技でした。
ただ体の絞りすぎなのか、年なのか(殴)ちょっとやつれて見えるのが辛いですね。もう少しふっくらしてほしいです。

でもそのおかげで若い妻への疑心暗鬼・猜疑心に苛まれる苦悩のシーンや、↓



信頼していた部下に裏切られて衝撃を受ける場面ではリアリティが出ていたともいえるし、黒くパワフルな野心にあふれたイヴァ―ノ(原作ではイヤーゴ)役の柚希礼音との対比も際立っていますが。

そして久しぶりに観る黒い役の柚希礼音は期待通りの出来。
柚希礼音のイヴァ―ノは、オットーの信頼が厚いものの、イタリア系移民の父親の妾の子という出生のコンプレックスから逃れられず、さらに後進のカーチス真風涼帆)に昇進を出し抜かれて、一気にワル役全開となります。その契機となったカーチスの昇進発表時の彼の表情が凄いです。(笑)





以前ドラマシティで観た『永遠の祈り革命に消えたルイ17世-』での悪役が強烈でした。主演の湖月わたるを喰ってしまう存在感で、これが最初の衝撃でした。そしてスカピンのショーブランが圧巻悪漢(笑)。どちらも眼のチカラが強かった。
最近見たスカステのNow on Stageで、柚希が今回の役作りについて話していましたが、イヴァーノについて「初めはいい人だったが、だんだん悪くなっていく人物にしようか」とか迷っていたが、演出家から「最初から悪役全開で」といわれて変えたとか。

ちなみに、これから観劇される方はこのNow on Stageをご覧いただくといいと思います。いろいろ苦労話が語られているので観どころが増えて舞台がさらに深く楽しめると思います。私は先に見ていなかったので後悔の日々。

さて柚希イヴァーノは、演出家期待通りの渾身の黒さで、早々にオットーに宣戦布告しています。


そしてオットーを陥れるために次々に策略をめぐらし始めます。

ただ、この芝居、やはり二人トップな舞台なので、焦点がはっきりしない話になってしまったのが残念。もういいかげんに「トップ降臨」はやめてほしいですね。
それと、イヴァーノの「裏切り」を際立たせるためには、二人が相互に信頼し合っていた頃や、そもそも二人が出会った馴れ初めなどのエピソードがもっとあったほうがいいと思いました。

大富豪キャンベル一族の令嬢で、オットーと結婚するディアナが夢咲ねねですが、歌がもうビックリの大進歩でした。まあうまくなるものですねぇ。こんなに伸び代があったとは。
今までは、そつなく歌えているものの、どこかで声が裏返ったりかすれたりするのではと(笑)、ハラハラ感がつきまとっていましたが、今回の歌はどれも素晴らしい。安心していられました。
たいしたものです。こんなに歌えるのかとヨメさんと顔を見合わせていました。

演技は「第二章」でも確認済みですが、今回も余裕のディアナでした。

細かい表情の変化に感心しました。
一方的に愛を打ち明けせれて戸惑う場面とか

基本は育ちのいい令嬢ですが、後半、オットーの妄想を表現したコケティッシュなタンゴダンスシーンではガラッと変わった大人の女性の一面を見せていました。

↓そのセクシーなダンスです。あくまでオットーの妄想ですが‥







スカステの対談番組では絵描きでもある役ということでしたが、それは最後の場面でわかりました。そこでのねねの台詞、轟悠の実生活での趣味とひっかけてあって、思わず笑ってしまいました。

イヴァーノの策謀でディアナの不倫相手に仕立てられるカーチス真風涼帆
女たらしで派手な立ち居振る舞いで陽性の目立つ役です。








それと対照的なのが、紅ゆずる扮するディアナの初恋の相手ロナルド。歌も演技もひ弱そうで内気で陰気で臆病な(笑)若者でした。

紅は、家庭教師のころから一方的にディアナを想い続けています。それを利用したイヴァーノにいいように操られていきます。



そんな一途にディアナに恋焦がれる小心者の役をよく演じていました。あまりこれまで観たことが無い頼りなさそうな紅が新鮮です。(笑)

でもそれが二番手?な紅の適役かというと、微妙ですね。(笑)大体出番も少ないし。
派手な人物設定のカーチス役のほうがまだやりようもあったと思いますが。

今回意外な収穫だったのがウォルター・ライマン役の十輝いりす。貫禄の富豪ぶりでした。

そして歌も今まで観た中で一番の出来だと思いました。

こんな恰幅のいい、貫禄十分な人物に「株は大丈夫」と断言されたら、誰でも信用してしまいそうです。


そして歌唱力ではなんといってもパット・ボローニャ役の礼真琴ですね。

役としてはほとんど筋に絡まない小さなものでしたが、歌では一番目立つ存在でした。礼音の歌も聞かせますが、声質では礼真琴の方がきれいで、正統派の歌唱力を再認識しましたね。




今回の舞台で一番期待外れな役だったのがサム役の美城れん
台詞も少なく歌はなし。オットーとの生活の描写もなしで、せいぜい「花を渡してくれ」と頼まれるぐらいの役ではしどころなし。
せっかくの演技も歌も生かせていない。勿体ない話です。



衣装はアルマーニが全面協力したそうですが、かなり普段のタカラヅカ衣装とは違いますね。

さてショーの『パッショネイト宝塚!』は、ラテンもの。


このショー、ラテン物が苦手な私でもつい見入ってしまうほどテンポのいい展開で、見せ場も多く印象に残る作品でした。ダンサー柚希を先頭に、星組メンバーのチームワークの良さが稲葉大地によって十二分に引き出されていてGood Job!!

プロローグからいきなりダイナミックなダンスが始ります。

以下、順不同でショーの場面から






ねねとわからないほどの黒塗りです(笑)












ショーで使われている曲は、前回の雪組同様に耳によくなじむ「マシュケナダ」や「黒いオルフェ」「キサス・キサス・キサス」などおなじみのナンバーが続くのがうれしいです。懐かしのメロディです。(笑)
↓キサス・キサス・キサスがいい感じでした


トップコンビのダンスも見ものです。








しかしなんといっても凄かったのが、中詰めのあと柚希礼真琴を中心に踊るダイナミックなアフロブラジリアンダンスのカポエイラ
この場面は本当に圧巻。森陽子の振り付けが斬新で、タカラヅカでもこんなことが出来るんか(殴)と感心しました。ヨメさんもモロに感激していました。









息があった二人のダンスでした。



というわけで私の感想では異例なことですが、ショーの方が高得点という結果になりました。でも芝居もよくできています。(説得力無いかな(笑))

ぜひみなさんも劇場まで足をお運びください。おすすめです。



さて、次は昨日観てきたレディ・ベス。いろいろ感じることの多い舞台でした。

最近物忘れが激しいので、早く書かないと‥。^^; でもいつになるかな。(殴)



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