思いつくままに書いています

間口は広くても、極めて浅い趣味の世界です。
御用とお急ぎでない方は、ごゆっくりどうぞ。

ダーティ・ビットが消えません!

2011年11月30日 | パソコンあれこれ

9月に修理したヨメさんのノートパソコン、またトラブル発生とショートメールが来た
とりあえず「帰ってから見るから」と返事しました。

ヨメさんが使用中のパソコンは、以前にも書いたとおり、東芝のDynabook SS1610という5年前に買ったパソコンです。
2月にトラブル対策でSSDからハードディスクに戻したのですが、この9月12日になって、ワードとエクセルのファイルが開けなくなるトラブルが起こるようになりました。

このトラブル、いろいろ考えたのですが、原因がもひとつわかりません。

どちらも開けようとすると、「エンコード方法を選択してください(ファイル変換)」というメッセージが出てきます。
でもどのエンコード方法を選択しても結果は同じで、文字化けして原形をとどめていないのです。

バックアップをこまめにしていたので実害は最小ですんだのですが、頻繁に発生するので安心して使用できません。
通常はまずOfficeの再インストールとなりますが、もともと今のシステムは、不安定になったSSDのイメージファイルをハードディスク上に復元したものです。

SSDについては一時の熱もすっかり冷めて、寿命や信頼性に疑問を抱き始めていたので、この際Officeの再インストールだけではなく、OSから新規にインストールしなおして、システム全体をリセットしようと考えました。

ところがここで問題が。

我が家にあるXPのパソコンは3台。ところがすべて自分でインストールしたものの、本体にプロダクトキーのシールを貼っていなかったため、どのインストール用CDを使えばいいのかわからない‥。

なんとも間抜けな話です。
でも、世の中には同じような失敗をする人が多いと見えて、こんな方法が見つかりました。
大助かりです。

おかげで何とかWindowsXPとOfficeの再インストールを始めたのはよかったのですが、うっかりヨメさんのプロバイダ・メールのアカウントのエクスポートを忘れてフォーマットしてしまい、そこにISPの接続トラブルが重なって、一時インターネットが出来なくなるなど、てんやわんやになってしまいました。

余談ですが、ダイナブックSS1610はOSの再インストールなどで使用するCD-ROMのドライブは、東芝純正のものしか使えないという制約がありました。購入時、ショップで何度もそれは念を押されました。
実際、購入後しばらくたってからWindows2000からWindowsXPに変えようとしたときは本当に苦労しました。

でも9月の再インストール時は、それすら忘れていたほど普通に外付けCDドライブから起動できていました。
つまり偶然買ったドライブが適合品だったというわけですが、どうやら最近のUSBバスパワーのドライブは結構使えるものが多いとの事です。

以上は前回の9月のトラブルです。
話を戻します。
夕食後とりあえず毎回起動時にディスクチェックが始まるトラブルの確認です。

やはりヨメさんの言うとおりで、電源オンしてXPのロゴが表示された後、ブルーの画面でディスクチェックが始まります。チェック後は普通に立ち上がりますが、毎回チェックがかかるのは気分がよくないですね。

自動チェックをとめるのもアリですが、もともと何かエラーがあるためチェックがかかるのわけですから、その原因を解決しなければ一時しのぎにすぎません。
なにが原因か探る必要があります。

まずは「ファイル名を指定して実行(R)」→「cmd」→「chkntfs c:」と入力してファイルシステムをチェック。

すると、案の定ファイルシステムの種類はNTFSです。C:が正しくありません。/Cオプションで次回起動時にこのドライブに対してchkdskを起動するようにスケジュールできます‥のメッセージが出ました。

ダーティ・ビットがセットされています。
(ちなみにOSがXPの場合は「ドライブがダーティです」というメッセージになるといくつかのサイトで書かれていましたが、今回の場合は、XPなのに上記のメッセージでした。)

普通は一度強制的に「ファイル名を指定して実行(R)」→「cmd」→「chkdsk /f /r c:」と入力して再起動したらダーティ・ビットは解消するはずですが、何度やっても残ったままです。マイコンピュータのドライブのプロパティから実行しても消えません。

簡単に終わるかと思っていましたが、これはなかなか手強いですね。

簡単なのは、ハードディスクをパソコンから外して、適当なUSBの外付けケースに入れ、ディスク管理ソフトなどで修復オプションつきでディスクチェックすることですが、何せひ弱なフレキケーブルです。
また壊れたら元も子もないので、なんとかパソコンにハードディスクを装着したままでダーティ・ビットを完全に退治する方法をあれこれ考えました。

その結果、Xpのインストールディスクで「回復コンソールを使うことが一番確実ではないかと思いつきました。

思い立ったら実行あるのみです。

すぐに外付けドライブにXPのインストールディスクを入れて起動し、コマンドモードで
「chkdsk /f /r c:」と入力。
すると、これまでの起動時のディスクチェックと違い、なにやら本格的に5段階の検査が始まりました。その後結構時間がかかったものの、無事第5ステージまで終了しました。うまくいった感じです。

祈るような気持ちでパソコンを立ち上げました。ディスクチェックはかからず立ち上がりました。
すぐにまた「ファイル名を指定して実行(R)」→「cmd」→「chkntfs c:」を実行。ちよっとドキドキですが「正常です」とのメッセージが返ってきました。
やれやれです。

ダーティ・ビットがセットされる原因はいろいろあるようですが、今回の場合についてはよくわかりませんね。

ただフレキケーブルは依然不安材料なので、念のため、ハードディスクとの接続部は付けたまま、フレキケーブルとパソコンの基板とのコネクタ部を入念に掃除し、リボンケーブルの裏に薄いプラ・フィルムを当てて、コネクタのロック部の圧力を高める加工をしました。

その後はたまにチェックしてもダーティ・ビットはなく、自動ディスクチェックが起こるトラブルは生じていません。

この回復コンソールは別にフルインストールするわけではないので、手元にあるXPのCDならどれでも使えます。普通のディスクチェックではダーティ・ビットが退治できない場合、お試しになってはいかがでしょうか。

しかし、ダイナブックのこのひ弱なフレキ・ケーブル、他のユーザーの皆さんはどうしているのでしょうか。一応対策品のはずなのに半年しか持たないとは困ったものです。

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タカラヅカ星組公演「オーシャンズ11」を観て

2011年11月25日 | 宝塚
今回の宝塚観劇はショーなしの一本もの公演で、タイトルは「オーシャンズ11」。


古くは1960年にフランク・シナトラが出演した「オーシャンと11人の仲間」で知られ、そのリメイクが「オーシャンズ11」として2001年に公開されたアメリカ映画の世界初の舞台版です。(笑)

↓久しぶりに買ったプログラムです。


ちなみに映画は、別バージョンとして2005年に続編の『オーシャンズ12』が公開され、2007年には新たに『オーシャンズ13』が公開されたので、皆さんもご覧になっていると思います。

ストーリーは、ダニエル・オーシャンと彼が率いる10人の仲間がラスベガスのカジノの金庫破りに挑む犯罪アクションですが、現在の宝塚で最も力量のある演出家・小池修一郎の手でどんなミュージカルになるのか、興味津々でした。

今回演ずるのは星組で、主演はもちろん男役トップの柚希礼音(ゆずきれおん)。演技力・歌唱力・ダンス力(?)の三拍子そろった今の歌劇団でトップクラスの実力の持ち主です。私は2001年版映画の配役などまったく忘れていましたが、礼音を双眼鏡(これコンパクトでお勧めです)で見たとたん、「あっジョージ・クルーニーや!」と思い出しました。(笑) それほど宝塚には珍しい短髪でよくイメージを再現していました。


相手役のヒロインは夢咲ねね。現在の各組の娘役トップの中では大柄のほうで、スタイルもよくゴージャスで舞台栄えのする娘役さんです。苦手だった歌も頑張って練習した甲斐があり良くなっていましたね。


映画では金庫室に至るまでの厳重なセキュリティシステムをどうやって突破するのかが見所ですが、舞台ではさすがに映画ほどの緊迫感やスリルは味わえない代わりに、イリュージョンやマジックなどを交えて華やかなショーの場面を演出し、トップ2人の愛情の駆け引きを、カジノを舞台にしたストーリー展開の中で丁寧に描いていました。
このトップコンビも共演を重ねて、ぴったり息が合ってきています。
ただ、脚本の仕上がりが遅れて練習時間が少なかったらしく、礼音をはじめ何人か台詞をかんでしまった場面もありましたが、これも回を重ねるにつれ解消しているとのことです。

金庫のモニター室もうまくプロジェクタによる映像で再現して、金庫室のレーザービームも頑張ってそれらしく工夫していました。
プロジェクタでの演出で感心したのは地下鉄の車両です。舞台上手から出てきた車両の形のセットに地下鉄の車両の映像がピッタリに投影されていて、その映像の中のドアが開くと生身の人が出てきたのはビックリでした。最初はどうやっているのかわからなかったですね。

他にも場面転換に映像をうまく活用している場面があり、この分野の技術の進歩がうかがわれました。
カジノのスロットマシンは本物のようで、その移動や出し入れも人力で行うので、生徒は大変だったようです。
↓これは開演前舞台両袖に置かれていたスロットマシンです。ピンボケです。m(__)m


話としてはやはり金庫破りがメインなので、普通の宝塚の作品のようにクライマックスの感動シーンではあちこちからすすり泣きが聞こえる、といった展開にはならないのですが、話のテンポが速く、畳みかけるような展開が面白かったです。
イリュージョンやマジックも本格的で、タネはわかりませんでした。

私たちが観劇した日は、団体客、それも男の観客が多かったですね。でも初めて見る客でも充分楽しめたと思います。
豪華な衣装(普通はけっこう使いまわしが多いのですが、今回は殆ど新調だそうです→ SkyStage情報)と凝った舞台装置、頑張っている出演者、それに分かりやすいストーリーで宝塚入門にもピッタリな作品でした。

私が宝塚を見始めたのは27年前の雪組公演からです。それまでは、開演に遅れそうなヨメさんと娘を車で宝塚まで送って行き、そのまま見ないで帰るというアッシー君でした。でも、せっかくだから一緒に見たら?といわれて嫌々見始めたのがきっかけです。
でも今以上に男性客は少なく、劇場のロビーでもどうにも恥ずかしくて居心地が悪かったですね。

でも考えてみれば、回りの観客はほとんど女性客ばかりで目障りな男どもがいないし(笑)、日本ではトップクラスの豪華な舞台と、完璧な養成システムで鍛えられた出演者が作り上げる舞台芸術。何度か見ているうちに、これを見ない手はないと思うようになってきました。
第一、心配しなくてもだれも私など見ていません。(笑)

観劇を重ねるうちに、公演の出来不出来、各組のトップコンビの評価もできるようになってきて、面白さも深まってきました。
それでもヨメさんの発病前は平均年間1、2回程度の観劇でしたが、今はリハビリも兼ねて、各組必ず1回は公演を見るようにしています。

宝塚だけでなく一般の演劇も、面白そうなものでチケットが取れればできるだけ見に行くようにしています。宝塚同様最近の劇場はすべて障害者に手厚く配慮してくれるようになっています。
ですが、劇場内ではどこも程度の差はあれ階段状の座席配置のため、移動は「バリア・アリー」(笑)、しかしこれも階段歩行の訓練と思って、積極的に見に行くようにしています。

ちなみに、この何年かの間に観た一般の演劇では、順不同で「タイタス・アンドロニカス」・「かもめ」・「グレイガーデンズ」・「レベッカ」・「黙阿弥オペラ」・「MITSUKO~愛は国境を越えて」・「秘密はうたう」・「キネマの天地」などが面白かったですね。
逆にイマイチだったのは、最新のものでは「アントニーとクレオパトラ」。ちょっと期待はずれでした。

ともあれ、宝塚未見の方は、ぜひ一度、足を運ばれることをお勧めします。
とくにこの「オーシャンズ11」、絶対観られても悔いのない作品だと思います。

大劇場では12月13日(火)まで、その後東京宝塚劇場で1月2日(月)から2月5日(日)まで上演されます。



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特別展 磯江 毅=グスタボ・イソエ ~ マドリード・リアリズムの異才~を観る

2011年11月20日 | 美術館を訪ねて
11月18日に奈良県立美術館で開催中の「磯江毅=グスタボ・イソエ マドリード・リアリズムの異才」展を見てきました。


この展覧会は、今年7月にNHKの日曜美術館のアートシーンで練馬区立美術館で開催されていた同名の展覧会の紹介を見て以来、関西にくるのを心待ちにしていました。日経新聞でも紹介されていたので皆さんもご覧になられたかと思います。

まあとにかくすごい画業でした。圧倒されました。並みの言葉では言い表せない迫力と芸術性に、言葉もなく立ち尽くすばかりでした。

最初こちらの事情で、初期のデッサン画群の特別展示から見始めたのですが、画家生活をスタートした時期から、貪欲に対象の内面にまで迫る気迫をもってデッサンに励んでいたことがよくわかりました。
展示されたものはデッサンといってもみんな完成度が高く、立派な作品になっていると思います。

その後本展の会場に行きました。とにかくすごいというしかありません。圧倒的な描写力です。細密画とか写実主義などという言葉を超えて、人物画も静物画も徹底的な描写力が観るものを圧倒します。
単に細かいところまで描いているといったものではありません。
それなら写真でもいいと思います。

磯江さんの作品は、描かれている対象の表面的な形質を突き抜けて、描かれた対象そのものがたどってきたそれぞれの時間や、人物ならその人の内面の世界も併せて表現されていると言った感じです。小品も大作も同じように作者の物自体の存在への探究心が凝縮されて詰まっていて、そのオーラに圧倒されます。


スペインで画家としてのスタートを切って、現地での画壇に認められて、やがて世界的な評価を得るとともに日本での本格的な活動を始めたばかりの53歳で病死。余りにも早く、本当に残念です。

代表作「新聞の上の裸婦」(150×182)や「深い眠り」(100×182)などの裸婦像は、計算しつくされた構図と正確きわまる細密描写によって崇高な精神性と厳粛ささえ感じる大作です。

以下は会場で買い求めた絵葉書をスキャンしたものです。

「新聞の上の裸婦」(絵葉書)↓背景の新聞の記事や写真も再現されています!


「深い眠り」(絵葉書)↓


ただ作品としては静物画が主なようで、そのどれもが質感にこだわって徹底的に細部を描ききっています。例えばドライフラワーの薔薇などは、枯れた葉の葉脈や花弁の細かな襞、細い枝の表面の微細な筋まで正確に描かれています。古酒の瓶に積もった埃や古い食器の錆などもリアルに再現されています。

まさにこの展覧会のテーマである磯江自身の「物は見ようとしたときにはじめて見えてくる」という言葉どおりの作品ばかりでした。

19世紀タラベラ焼と葡萄(絵葉書)↓


静物(板の上の葡萄と4つの柘榴)(絵葉書)↓


カルバドスムーラン1920と18世紀タラベラ焼(絵葉書)↓


見終わって、日常の雑事から離れて精神が洗われる思いでした。

作品のすべてを鑑賞するために、ぜひ愛用の双眼鏡などを持参されたらいいと思います。会場でも無料で双眼鏡の貸し出しがされていますが、使い慣れないせいかよく見えなかったのが残念でした。

会場の奈良県立美術館は初めてでしたが、事前に障害者であることなどを電話で告げて駐車場などの状態をお聞きしたら、懇切丁寧に説明していただきました。当日もスタッフの皆さんにきめ細かく配慮していただき、ありがたかったです。

会場の混雑が心配でしたが、いつものとおり今回も朝早く出かけたおかげで、前半は会場にはまだ人が少なく、ゆっくりと作品を鑑賞することが出来ました。私たちが見終わって帰るころになって人の数も増えてきました。

絵葉書と本格的に編集された図録を買って、正午過ぎに会場を後にしました。


途中昼食のためにここに寄りました。
いつも奈良からの帰り道沿いに看板を見ていて気になっていたのですが、前回立ち寄ってすっかり気に入ったので、今回は迷わず車を止めました。
最初は暖簾のかかった門や立派な庭、本格的な和風の店構えでちょっと財布が心配になりましたが、心配無用でした。


小鉢セットが一番のお勧めで、1200円です。


昼にはちょうどいい分量で一つ一つおいしく見た目もきれいで楽しめました。
スタッフの方もみんな丁寧な応対で気持ちがいいです。法隆寺にも近いためか遠方からのお客さんもいて、ほぼ満席に近い盛況振りでした。

この日は、久しぶりに期待以上にすばらしい展覧会を見て、おいしい昼食も楽しめて、充実した一日になりました。


関西にお住まいの方、ぜひ特別展 磯江 毅=グスタボ・イソエをご覧ください。絶対にお勧めです。12月18日まで開催されています。


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TPPは「憲法より上位」の罠

2011年11月14日 | TPPについて
バタバタと「ドジョウ」首相が表明したTPP(環太平洋経済連携協定)参加に向けた協議入りですが、この協定、とんでもない内容です。

マスコミはTPPに反対しているのは農業関係者だけ、関税撤廃すればバラ色の未来が開けるかのように宣伝していますが、まったくのデマです。

首相の11月11日の参加表明に先だって行われた参議院での集中審議で、このTPPについて、面白い質疑がなされました。

質問者は自民党の佐藤ゆかり議員です。このサイトでは質疑の文字起こしまでやってくれています。ぜひご覧下さい。非常に面白いし、分かりやすいです。

自民党議員の立場から見ても、このTPPがいかに危険と考えているかがよくわかります。

質問の要旨は、
1.TPPは単なる関税交渉・通商交渉ではなく日本の「国家社会全体を網羅する」問題であること。

2.その上で、さまざまな通商自由化協定のなかでTPPが本当に有利の協定ではないと指摘。

3.しかも日本が実際に交渉に参加する半年後には、TPPの条項の中身や条文は決定済み。この段階で日本が入ると決まった条文を丸のみするかしないかの二者択一の選択を迫られることになる。今後交渉で日本に有利な条文に変える余地はない。

4.TPPでもっとも問題なのは知的財産権を扱う知財条項と、投資の紛争解決に関わる手段の条項=ISD条項の二つ。

5.まず知財条項。TPPのアメリカ案では、WTOのトリップス協定を超えて、極めて厳格で広範に財産権を規定。アメリカは医療技術(手術や治療方法も特許の対象!)や医薬品、社会保障分野でさえ、特許を付している。これを呑んでしまえば、社会分野、社会保障分野のサービス提供が自由に出来なくなる。アメリカの製薬会社が特許を盾にとって申し立ててくれば、国産のジェネリック医薬品の生産に支障が出て、薬価上昇で薬が買えない人たちが出てくる。

6.ISD条項とは、1企業投資家がその参入先の相手国を訴訟できるという条項。WTOにはこういう条項は存在しない。これを認めれば、例えば現在海外の企業が北海道や長野県の水資源の近隣の土地を買収しようとしている問題について、規制ができなくなる。
つまり、国内法より条約のほうが上位になるので対抗できなくなる。TPPで決められたものを丸呑みすれば、国内法は曲げて変えなければいけなくなる。
といった点について具体的に質問しています。

これに対してドジョウ首相は「あの、ISD条項の話、あの、ちょっと私あまり寡聞にしてそこ詳しく知らなかった‥」などと無知をさらけ出す始末で、他の関係閣僚もただ指摘された事項について追認するだけで、不利にならないよう交渉して行くとお茶を濁しています。

しかしすでに明らかになっているように、交渉できる時間はなくなりました。

ドタバタ劇を演じた挙句無理やり表明した記者会見の甲斐もなく、ホノルルで開かれた環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉9カ国による首脳会合にドジョウさんは招かれませんでした。
その首脳会合の後、オバマ大統領はTPP交渉については「大筋合意に達した」と宣言して基本条文を変えないことを表明しています。

結局出来上がったものを呑まされるだけになりそうです。

これはホノルルに行く前から分かっていたことです。
もっとも、時間があったとしても、日本の対米交渉能力などもともとゼロなので同じ結果になったでしょうが。

私が今でも疑問なのは、マスコミがこの程度のことも分からず(分かっていたが黙っていたのでしょうが)、「TPPで開国」とか「新たな成長戦略」などとデマって、内容の危険性を隠し、あたかも反対しているのは一部の農業従事者だけであるかのような歪んだ報道をつづけていることです。

マスゴミのこの異様なまでの対米不平等条約締結への衝動、その根底にいったい何があるのでしょうか。

彼らの意図が、TPPを口実に、震災で壊滅状態の東北の農水産業を切捨てて外国資本に売り渡そうという陰謀でなければいいのですが。


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パナソニックの行方

2011年11月05日 | 日記
ささやかなこのブログで、コメントが絶えない唯一の記事がパナソニックの電子レンジについて書いたものです。
不良マグネトロン問題はいまだに放置されたままのようです。

いただいたコメントで最も長く使えた例が5年5ヶ月で、この方は5年保証に入っておられたのですが、それを5ヶ月過ぎて壊れたそうです。

我が家の場合は、当該部品の2年保証を過ぎた3年で壊れました。同じく3年でこわれたというコメントもいただきました。

でもこれらは長く持ったほうで、最近はあまり使用していないのに、わずか1年4ヶ月で壊れた例や、ひどいのではネット販売で購入してすぐに試しに使って見たら即エラーという例も寄せられました。

改善どころかますます品質が落ちてきています。私のところでさえこんなに実例があげられているのですから、販売台数から見たら半端な数字ではないでしょうね。

それなのに一向に改善せず放置とは、パナの品質管理・顧客管理はどうなっているのでしょうか。修理受付窓口から生産管理部門に情報が伝わっていないのでしょうか。

数日前にパナソニックは尼崎の最新のプラズマテレビ工場を閉鎖すると発表しましたが、これには外国勢の安値攻勢だけではなく、品質管理での対応のミスなども影響していると思います。

うちのテレビ(23年間使用してきたソニーのテレビです)が壊れる前兆のような現象が現れて、買い替えを迫られたとき、液晶かプラズマかという選択肢はなかったです。
プラズマははじめから対象外でした。
というのは、
1.原理的には蛍光灯と同じなので、長寿命化に限界がある
2.画面の焼き付きが起こる
3.省電力に限界がある
4.明るい部屋では画面が暗く見える
5.パネルからの発熱が多く、パネルヒーターになり夏は暑い (その分冬は暖かいかも)(笑)

などの理由です。もっとも大画面はプラズマの方が安くできますが、そもそもそんな大画面は狭い我が家には不適です。

で、親類がプラズマテレビを買ったと聞いて驚いたものでした。実際画面を見ても、プラズマ陣営が宣伝するほど画質が良いとも思えなかったですね。
まあいわれなければ液晶かプラズマかわからないという感じでした。

話は戻りますが、尼崎への大規模なプラズマ工場の建設は、シャープの堺の大工場建設計画と並んで、発表当時は関西で大きなニュースになりました。
関西の産業空洞化に対して明るいニュースでしたから。

でも両社とも市場の動向を完全に読み違えていましたね。
結局2年前後で両社は工場閉鎖や計画変更を余儀なくされました。でもそれはソニーや日立、東芝なども程度の差はあれ同様です。
こういうことを見ていると、今が日本の産業構造の大きな転換点になっていることは間違いないようです。
1960年代にアメリカの家電業界が衰退して日本が市場を席巻して行ったように、今度は韓国や中国が日本に取って代わろうとしているのでしょう。

しかし、商品は価格だけで選択するものではないと思います。価格競争がすべてではないと思います。
厳しい生産管理のもとで安心していつまでも使えるというところに日本製の強みがあったと思います。安かろう悪かろうではなかったというところが、海外での日本製品の絶対的な強みだったと思います。

それが、最初の電子レンジの例や、プラズマテレビの縦線問題のように欠陥が明らかなのに、いつまでも問題を隠したまま販売し続けていては、客が離れていくのは当然ですね。

どのメーカーでも絶対壊れない商品はないと思います。問題はそれとどう対処するかですね。
我が家でも、パナの掃除機MC-F200NXDのノズル故障や、食器洗い乾燥機NP-60SS5の扉ヒンジの錆問題などありましたが、いずれも納得の行く対応でした。
とくに掃除機は購入後3年たっていましたが、新品のノズルに交換してくれ、窓口の担当者が原因も教えてくれて気持ちがよかったです。

それで今回の電子レンジでも同様の対応を期待していたのですが、まったく裏切られました。
韓国中国勢の安値攻勢に余裕がなくなってきたということでしょうが、目先の損失を恐れるあまり、もっと大事な企業としての信用や、製品への信頼をなくしてしまうといういい例だと思います。


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