思いつくままに書いています

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星組公演『ガイズ&ドールズ』再び-ますます面白くなっていました

2015年09月14日 | 宝塚
8月27日に観てから、とにかく楽しい舞台だったので、帰途の車中で再観劇の合意に達しました。(殴)

そして、ヨメさんとチケット仲介サイトを探索、まもなくリーズナブルな価格のチケットを見つけてポチッとな。
9月13日に観てきました。
私たちの観た11時公演は貸し切り公演で、スポンサーはセディナ。
でも前日までセディナとは何ぞや?でしたが、三井住友グループのクレジットカード事業会社なんですね。ちっとも知らなかった。(^^;

当日の道中は往復とも稀に見る交通量の少なさで、1時間きっかりで大劇場に到着。劇場はまだ閑散としていて、弁当を買うにも販売開始時間になっていませんでした。で、ロビーを見わたすと、セディナさんのブース?があって、チケットの席番号の抽選で当たる賞品などが置いてありました。


結構賞品がよくて、次回星組公演(コウモリですね)のSS席最前列中央にペアでご招待とか、豪華です。


幕間に抽選発表があると書いてありました。「何か当たるといいね」と私がいうと、ヨメさんは「そんなんあたらへんわ」。
二人の性格の違いがよくわかるでしょう? でも最下段の、列関係なし席番号だけの抽選なら当たるかもと、未練な私はひそかに期待していました。(笑)

前回は上手側端の席でしたが、今回は下手側の端。車椅子利用には下手側のほうがいいのですが、先行予約で当たるのは上手側ばかり。久しぶりの下手側でした。幕の見え方も違うし、

レンガ塀も新鮮でした。




で、ようやく感想です。いつにもましてとりとめのない話ですが、よろしければお付き合いください。以下敬称略です。

まず最初は北翔海莉のスカイです。やはり公演の回を重ねて自信がついてきたのか、余裕たっぷりの歌でした。迫力のある歌声にさらに磨きがかかって、聞きごたえ十分でした。

それに加えて、貸し切り公演ならではアドリブでも楽しませてくれました。最初のタクシーの場面では「支払いはセディナカードで!」。
そして(前回私が勘違いしていましたが、実際はサラではなくてアデレイドとの同席場面での)ホットボックスでの支払いでも「支払いはセディナカードで!」。ウケていました。(笑)
一番面白かったのは、舞台の後半、北翔海莉が、十輝いりすのテディベアを取り上げて客席に投げるような仕草をしたところ。一瞬まわりが驚いて、それを見た北翔海莉が自分で吹いてしまって、しばらく笑いが収まらず、後ろに下がって帽子で笑顔を隠していました。それを見た客席も大笑い。
その後すぐ立ち直って、真顔で演技していましたが、私は百戦錬磨な彼女でもこんなことがあるのかと、素の彼女を垣間見た感じでちょっと得した気分でした。
演技もメリハリがはっきりしてきて、ますますよくなっていました。

サラ・ブラウンの妃海風はやっぱり初演のキャストよりもいいですね。ハバナ行を巡って、スカイへの想いとか自分の気持ちの変化がよく表現できていて、ヨメさんもすっかり気に入った様子で「妃海風は良かったね」と褒めていました。学年差はあってもいいカップルで一安心。(笑)

ただ、前回はほめすぎだったのが歌で、アデレイドと一緒に歌う場面だとまだ発展途上な感じがしました。今後に期待しましょう。

ネイサン・デトロイトの紅ゆずるは今回観て、やはりハマリ役だと思いました。裏町を仕切るバクチうちの頂点にいても、実は小心者で軽くて頼りなくて、どこか憎めなくて優しいところもあるネイサン。

初演のウタコもよかったですが、今回の紅ネイサンもアリだと思いました。

結婚しても礼アデレイドの尻に敷かれて幸せな生活を送れそうです。(笑)

そのアデレイドの礼真琴です。私はリピートで一番楽しみにしていた役ですが、本当にうまいもんですね~♪
演技に過不足なくて、こういう役にありがちなやり過ぎ感が全くなくて、歌も恐ろしくうまい。
「ミンクを持って帰る男(TAKE BACK YOUR MINK)」などの曲は、何度聞いてもすごいです。
男役で、短時間の稽古でよくこんなに完ぺきに女役をできるもんだと感心しながら観ていました。それとダンスも見ごたえがあります。私的にはアデレイドが一番おいしい役だと思っています。大したものです。
男役をやっているといい意味で演技に強さが出て、今回のような役でも臆せず存分に弾けまくれるのでしょうね。演出も適切で、いい感じでした。
ショーの紅とのデュエットも期待通りで、ダンス巧者の本領発揮でした。


で、幕間になって、ヨメさんに付き添って障がい者トイレに行く途中、プレゼントの抽選結果のアナウンスがありました。歩くのに必死なヨメさんを見守りながらなのでよく聞こえなかったものの、どうやら私の席番号7が当たったように聞こえました。
その後、席に戻って昼食を済ませてから、「礼真琴だといいね」と言いながらチケットを持ってロビーに確認に行きました。やはり当たっていて、礼真琴のサイン入り色紙でした。(笑)

これで~す♪↓

帰宅後座席表で数えてみると、大劇場の7番は40席ありますね。直筆ということですから、40枚書いたのでしょうか。
ただ、何と書いてあるのか文字がちょっとわかりません。(笑)

今回の観劇でもう一人印象に残ったのがナイスリーの美城れんです。やっぱり絵になる!それと歌も味がある!
ベニーとラスティを従えて、舞台を歩き回る姿はまさに「余人をもって代えがたい」。(笑)

この役を2002年に大空祐飛がやったというのはちよっと想像できませんね。

前回あまり触れなかったですが、今回観て壱城あずさのハリーも結構目立っていました。サングラスがよく似合って、ちょっと強面のワルのギャンブラーです。 アーヴァイトの天寿光希の善人そのものの役と好対照でした。

十輝いりすのビッグ・ジュールは、前回かなり台詞が軽く感じましたが、今回は強くなっている印象でした。ただ彼女は、声が体に似合わず(殴)やさしいですね。これがもっと押し殺したような低い声で「クラップやろうぜ」と言ってくれたらさらに迫力が出ると思いますが。

初演の旺なつきがかなりインパクトがあったので、つい比較してしまいます。

あと前回記していなかったことでは、クラップ集団のアンサンブルの見事なこと。大したものです。この公演、本当にどの歌も聞き応え十分でした。それと、使われている曲がまた耳に残るいい曲ばかり。

ただ、2回観た後で、ヨメさんが残念がっていたのは二幕目からのダンスの振付です。これは初演のほうがよかったとしきりに言っていました。あのバスティーユのKAORIaliveだったらどんな振付になっていただろうかとも。でも私は初演を観たことさえ忘れていたので(殴)、このあたりの違いは分りませんが。(笑) 確かにKAORIaliveならまた別の見せ場を作ってくれたとは思います。

話は前後しますが、この日は貸し切り公演なのに立ち見も出ていて、30人ぐらいが観劇されていました。リピートのお客さんも増えているのでしょうね。

ということで、観終わって二人とも大満足。
前回見落としていたディテールもじっくり観ることができて、楽しいアドリブとラッキーなプレゼントで値打ちのある観劇でした。
古い作品でも、「ミーマイ」などと違ってあまり題材に古さを感じないのもよかったです。シリアスな文芸大作ももちろんいいですが、こういうハッピーな気分にしてくれる楽しい作品も宝塚には欠かせないですね。
芸達者揃いな現星組ならではの面白い出来で、久しぶりに幸せな気分で帰途につきました。

これに続いて、次作品もいい出来になることを願いたいですね。(チト題材が不安ですが(笑))

ここまでご覧いただきありがとうございました。
コメント (2)
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宝塚星組公演 『ガイズ&ドールズ』、面白い舞台に即リピート決定!です

2015年09月09日 | 宝塚
宝塚星組公演「ガイズ&ドールズ」、面白かったです

8月27日、新・星トップ北翔海莉の大劇場初舞台に期待しながらムラに向かいました。
途中少し渋滞がありましたが、なんとか予定時間内に大劇場駐車場へ。ただし障害者駐車スペースが満杯。でもかろうじて入り口近くが空いていたのでなんとか駐車できました。この日は確かに車椅子の方が多かったです。
劇場内はもう多くの方でにぎわっていて、ホールも活気がありました。公演の人気を表しているようです。これが不人気な公演だと、どこか虚ろな雰囲気が漂っていたりしますね。

さて今回は北翔海莉のトップ就任初の大劇場公演ですが、これまで長く彼女のトップ就任を期待していた私たちにとって、感無量・万感胸に迫る(はちと大げさかな)な観劇でした。

もう10年ぐらい前になりますが、職場でヅカファンな同僚女性と話していて「北翔海莉もトップになる実力があると思うけどね」と言ったら、「昭和の香りプンプンですね」と軽くいなされました。それまで感想などでは一致することも多かったのでちょっと意外でしたが、「あーそんな見方もあるのか」とも思ったり。ただその後、長く二番手ポジションだったのが、だんだんその保持が怪しくなってきて、とうとう専科入り決定となってからはこちらも吹っ切れました。(笑)
ところがその後、よもやのトップ就任発表というドンデン返し。100周年記念のどんなイベントもかすんでしまう大ビックリ。世の中、何が起こるか本当にわからないですね。
でも彼女も現在研18。あと何回公演できるかなと他人事ながら心配になります。(^^;

余談ですが、開演前トイレに行くと、携帯で大きな声で通話中の男性がいました。
ええ、今回は招待ということでセットしています」とか「本人も本当によくやってきたと思います。まったく縁もカネもないところで、ひとりで長い間頑張ってきて、ようやくここまで来られましたので‥」とか話していました。ひょっとしてご家族とか?

それはさておき、当日は立ち見とまではいかなかったものの、ほぼ満席でした。私たちの席は7列上手端に近い席。

舞台の両袖の通路には、1950年代のニューヨーク・ブロードウェーの街頭が再現されていて、凝った作りの公衆電話ボックスのセットや、

レンガ塀に貼られたリアルなテレビや車の宣伝ポスターと落書きなどがあって、雰囲気たっぷりでした。見ているだけで期待感が高まってきます。

さて、感想です。いつものとおり敬称略。(画像はプログラムの部分スキャンとスカステ・ナウオンステージのキャプチャーです。)

幕が上がってちょっと古めかしいなと思ったのはオープニングが長くてスローテンポなこと。でもセットや舞台を往来する人物の多彩さ、いい出来栄えの舞台装置で、'50年代のニューヨーク・ブロードウェーの雰囲気たっぷりです。行きかう人々を観ているだけでも楽しい。

話は単純で、ニューヨーク・ブロードウェーの裏町に生きるギャンブラーや小悪党たちの世界と、そこでの二組のカップルの恋愛関係を描いたミュージカルコメディですが、やはりアメリカの良き時代を反映してみんな人情味のある人物ばかりです。


で、まず主役スカイ・マスターソンの北翔海莉から。


冒頭の場面でいきなり登場した北翔の歌は、期待どおりの伸びやかな美声で気持ちよく聞けました。これだけでもう作品の出来が予測できます。(笑)
(ただ彼女、前から気になっているのが会話の声ですね。やや鼻にかかった、軽い風邪気味な声(殴)が今回も気になりました。ただそれが歌になるとまったくクリアになるのが不思議です。)


オペラで見ると、ちょっとお疲れか眼の下のクマがちょっと目立っていました。やはりいろいろ心労もあるのでしょうね。(殴)
それと、たまに彼女の演技はどこか頭で作っているように思えて、心ここにあらずな印象を受ける時がありました。でもそれも束の間、舞台は娘トップの妃海風との絶妙の掛け合いが楽しくて、また細かい感情の駆け引きも自然で、安心して観ていられました。

二人とも相手を思う気持ちとその変化がよく表現されていて、見ごたえがありました。
ハバナに連れ出すのに成功したスカイです↓サラは酔っぱらっています。





歌声の組み合わせもよくて、息の合ったいいコンビぶりです。やはりトップの第一条件は歌ですね。


フィナーレも魅力たっふりで、歌も堪能しました。耳福なひと時でした。


その救世軍のお堅い女軍曹サラ・ブラウン妃海風ですが、外見に似合わない(殴)度胸の演技にびっくりしました。ナウオンステージとかで見ていると、上級生から突っ込まれたらすぐ顔を真っ赤にしているのに、舞台では堂々の演技。

大したものです。それに歌もよかったのでバランスのいいコンビになっていました。



最初はギャンブラーなんかとんでもない!だったのが、だんだんスカイに傾いていくところが面白いです。わざとらしくなくしかもしっかりした演技で、黒木瞳よりこちらのほうがはるかに好みです。観劇前は苦手なタイプと思いこんでいましたが、今回の好演で一変して好感度急上昇。(殴)

つぎはネイサン・デトロイトの紅ゆずる
最近(といっても去年です)スカステで「風と‥」全国公演のニュースを見て、あんまりなレット・バトラーぶりだったので、かなり我が家では評価が低下していたのですが、今回彼女がナウオンで「風はガチガチの型芝居でやりようがなかったが、今回はいろいろ自分で演技ができてよかった」みたいなことを言っているのを聞いて一安心。そのとおり今回はのびのびと演じていてよかったです。
歌劇団ももういい加減に古色蒼然とした型芝居の「風‥」とか「ベルバラ」は打ち止めにしないとダメです。賞味期限がとっくに切れています。

今回のネイサンは、彼女の持ち味がよく出ていて、安心して観られる出来で本当によかったです。歌もよかったし。
ここにきて彼女も再評価の機運です。

ただ、最初はちょっと横山やすし風なところもあったりしましたが(殴)、話が進むにつれそんな気配もなくなって、アデレイドとの呼吸もピッタリ。
二人の絶妙な掛け合いはこの作品の大きな見どころの一つです。






でも今回最大のびっくり&収穫は、そのアデレイド役の礼真琴でした。




リピートを決めたのも、私的には礼真琴の絶品演技なアデレイドをもう一度観たいというのが最大要因。(殴)
まあとにかく脱帽の演技。昔映画でモンローがよく演じていたような、かわいらしくていじらしくてセクシーな役どころを完璧に演じていて、完全に周りの女役を食っていました。(笑)
台詞ももちろんのこと、早口言葉みたいな難しい歌を、男役と全く違う高い女声で完ぺきに歌っているのには本当に驚きました。大した力量です。男役では少し小柄だし、ビジュアルが少し地味目な印象(殴)だったのですが、もともとダンスも歌も演技力も高水準な人ですから、今回のアデレイドではまさに水を得た魚。弾けまくっていました。
彼女はプログラム中でも役作りについていろいろ書いていましたが、その通りの演技になっていて感心しました。興味のある方はぜひプログラムを買って読んでみてください。(笑)
歌が男役時とはガラリと違う声で、伸びもあって感心しました。もう彼女が出てくると勝手に目がロックオン状態自動追尾モードに入っていました。(殴)
フィナーレのショーでも紅ゆずるとのダンスが絶品。最初上手通路から登場しますが、これがまたすごいスタイルです。初め誰かわからなかったほど。
脚色・演出の酒井澄夫から「清く正しくセクシーに」とか「素を出さず色気を出せ」といわれたとか。難しい注文ですが、彼女の演技はその通りの出来で、セクシーでも下品でないのはさすが。(笑) 下品なのも嫌いでないですが。(殴)







その他の出演者もみんな生き生きと演じていました。中でもやはりナイスリー・ナイスリー・ジョンソンの美城れんがよかった。

美城れんは歌も絶品、演技も余裕、もうタカラヅカにはなくてはならない存在になっていますね。マンホールに窮屈そうに出入りする姿も笑いを誘っていました。
ベニー・サウスストリートの七海ひろきと、ラスティー・チャーリー役の麻央侑希を引き連れた凸凹トリオがウケていました。


七海ひろきはちょっと出番が少なくて物足りない役です。


 

そしてビッグ・ジュールの十輝いりすです。

文字通り大きいです。周りの出演者を睥睨しています。(笑)

ところで、余談ですが、この「ガイズ‥」、私は未見の作品とばかり思い込んでいました。
でも途中で十輝いりすが「クラップやろうぜ」と言うのを聞いて一挙に記憶が戻ってきました。実は大地真央と黒木瞳バージョンを観ていました。(殴)
そのときのビッグ・ジュールは旺なつきでしたが、これがインパクトがあって、当時観終えてからも「クラップやろうぜ」がしばらく耳について離れませんでした。その印象からすると、今回の十輝いりすの「クラップやろうぜ」はちょっとおとなしめで物足りない。体に合わせて(殴)もう少しドスを利かせてほしい。(笑)
でも強面なのにテディベアを離さないとか、人情味があちこち垣間見えて、台詞は極少でも面白い人物です。
あと結構目立っていたのがブラニガン警部の美稀千種です。

ただ初めのほうで台詞が滑ったり、ちょっと聞き取りにくかったりしてプチ残念。リピートではよくなっていることを期待します。この役、夢乃聖夏がやったらまさにハマリ役だったでしょうね。

組長さんもよかったです。出番は少なくても存在感があり、ピッタリの役と演技でした。


少ない出番というとアーヴァイド・アバーナシーの天寿光希ももったいないし、

壱城あずさも食い足りない役でかわいそうでした。

そうそう、ちょっとツボだったのが、スカイがレストランでの食事のあと、代金をテーブルに置いて立ち去るところ。その紙幣をウェイター(名前は分かりません)が数えて、ニヤリと笑いながらポケットに入れる場面。この作品では、各場面でみんなそれぞれ楽しい小芝居をしています。

というわけで、やや古さはあっても文句なしに楽しい脚本で、出演者のバランスもよくて、私的には一番いい「ガイズ‥」になっていました。みんな歌ウマぞろいなのも気に入りました。そんな幸福な余韻に浸りながら、帰途につきました。
このあたり、雪組公演の後味の悪さとは対照的。現金なもので、帰宅後さっそくチケット仲介サイトを物色。(笑) 数日後、リーズナブルな価格の良席を発見、リピートが確定しました。

みっちゃんの大劇場デビューとして、まずは上々の出だしでよかったです。おすすめです。観ないと損します。(笑)

今回も拙い感想を最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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