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宝塚月組公演「『All for One』~ダルタニアンと太陽王~」の遅すぎる感想です

2017年08月28日 | 宝塚

ようやく三銃士の感想です。もう鮮度落ちまくり、とっくに賞味期限切れですが、日々薄れ行く私の記憶をとどめるためにのみ(殴)、書いています。なので、今でもまだ興味がおありでしたらどうぞご覧ください。ネタバレは少ないと思いますが、舞台を未見の方はスルーが吉です。

今回、先行予約でチケットを取るときに、演目が「三銃士」と聞いて、真っ先に思い浮かべたのは、NHKの人形劇でした。

ご覧になられた方も多いと思いますが、脚色・脚本を三谷幸喜さんが担当して、『連続人形活劇 新・三銃士』として2009年10月12日からNHK教育テレビで、また、2010年4月4日からNHK総合テレビでも放送された名作!!です。
私が見たのは総合テレビで日曜日に再放送されたほうでした。
はじめは夕食の食器などを片付けながら、カウンター越しにテレビの画面をチラ見&台詞を聞き流していました。でも子供向けとは到底思えない台詞のやり取りと、人形のキャラクタの魅力で、いつのまにか画面に引き込まれていって、やがて毎回楽しみにして見るようになりました。

とくに気に入ったのがミレディ。

赤毛のスレンダーな美女ですが、かなり性悪です。
でもだいたい善人より悪人のほうが魅力があるし(殴)、話が進むにつれ、結構可哀そうな身の上であることもわかってきて、一番感情移入してしまった人物でした。戸田恵子さんの声がまた良かった。でも最後は処刑されてしまって大ガッカリ。(笑) 

なので、てっきり宝塚版では、だれがミレディをやるのだろうかと期待していたのですが、こちらは三銃士とはいってもまったく別の話で、ミレディのミの字もなし。(笑)
「三銃士」といっても、「異説・三銃士」or「三銃士異聞」、「三銃士外伝」みたいな作品です。

(しかしいつも思う基本的な疑問としては、使うのは剣ばかりなのになぜに「三銃士」?(笑))
それとAll for One じゃなくてTous pour un, un pour tousのほうが良かったのではとも思ったり。(長いけど(笑))

しかし、期待にそぐわず、小池先生は手練れ。とにかく話がぶっ飛んでいます。
事前情報なしに劇場に行った私は、半ばあきれながら、でもあまりのタガのはずれっぷりに感心しながら観ていました。

でも面白い。
はじめは「直虎」にヒントをもらった話かと思っていたら、途中からさらに話が飛躍して、まあ自由奔放というか荒唐無稽というかデタラメというか(殴)、でも月組+専科メンバーの絶妙な配役&好演で、こちらもいつのまにかドップリ話に引き込まれていました。

それと、ギャグが絶妙で、客席は爆笑の連続。

ぶっ飛んだ話とは言ってもそこは小池作品で、ロミジュリみたいな場面とか、スカピンみたいな香りが漂う場面とか、巧みな構成で展開がうまいです。

まあ全体には軽い話なので、面白いけど帰りの車中ではストーリー自体はあまり話題にならず、もっぱら月組メンバー、とくに愛希れいかの演技が話の中心でした。

ということで個別に簡単な感想です。いつもの通り敬称略。画像はナウオンの画面撮りです。参考までに。

まず珠城りょうのダルタニアン。

この人は舞台映えがしますね。強そうで、でもやさしそうで、クセがない。(殴)
三銃士を率いるリーダーシップもあり、適役です。それと、今回の作品のウリでもある剣さばきがダイナミックで、タカラヅカの殺陣の場面でいつも感じるハラハラ感が少ないのも(皆無とは言いませんが)良かったです。





歌も余裕でこなし、安定した歌唱力で聴かせます。ナウオンなどでも話のリードがうまくて、すっかりトップが板についています。

壁ドン!!


でも、今回の公演で一番目立っていたのはやはり国王ルイ14世に扮する愛希れいか
これまでもこの人には驚かされ続けでしたが、今回もまさに水を得た魚。





ルイ14世が実は女性だったみたいなトンデモ話でも、この人が過去の経験を生かした無理のない男の声で演じるともっともらしくなり、途中で女性に変わるところではすっかりかわいらしい女性になるなど、メリハリの利いた演技には改めて感心しまくりでした。小池先生も演出家冥利に尽きるといったところでしょうね。

これまでのタカラヅカの歴史で、長く娘トップを続けている人を見ると、もういい加減に辞めたらと思ったりしますが、この人は別で、次はどんな役を演じてくれるかと楽しみになります。ナウオンなどで見ていると珠城りょうとも相性のいいコンビぶりで、こちらも見ていて安心。(笑)

アラミスの美弥るりかもおいしい役で(私は「三銃士」ならミレディはこの人がベストと思っていましたが)、目立っていました。でもやはり派手な美貌で、いつも私は、この人が退団して俗世間に戻ったらどんなふうだろうと妄想してしまったり。(笑)




残るアトスの宇月颯、ポルトスの暁千星も個性が際立つ好配役でした。
アトスはヒゲがよく似合っていましたが、はじめは誰かわからなかった。^^;
でもこの人が加わって三銃士のアンサンブルが絶妙で、月組も歌ウマが多いなと感心しながら観ていました。やや遅咲きでもいい役にめぐりあえてよかったです。やはり宇月颯のような中堅の実力派は大事にしなくては。

アトスのポルトスは童顔なのに大酒のみの力持ち。岩を投げたり(発泡スチロールっぽくて重そうには見えづらいけど^^;)して頑張っていました。


敵役は王家乗っ取りを狙うマザラン枢機卿の一樹千尋


この人、今回も登場するだけで存在感が舞台に充満、いかにも老獪で権謀術数をめぐらす腹黒い役そのものでしたが(笑)、私の印象としてはそんなに悪いことをしていないですね。

悪逆非道な暴政で、民衆に塗炭の苦しみをなめさせる、みたいなエピソードはなくて、王権をめぐる陰謀話が中心。なので、まあこのぐらいならどの国の歴史にもゴロゴロしてそうなので、ちょっと悪人度が低いのではと思いながら観ていました。(笑)

しかし舞台では、やはり余人をもっては代えがたい円熟の演技でした。

そのマザラン一派の護衛隊長・ベルナルド役が月城かなと
この人もまたおいしい役で目立っていました。黒ずくめの衣装に酷薄さがただよう美貌が良く似合い、口数も少ない直情径行のアブナイ武闘派ですが、愛希ルイをめぐる珠城ダルタニアンとの恋争いの場面では、まじめな顔で言った一言がバカ受け。客席は大爆笑でした。結構純情で、愛すべきところもある人物です。
でもこの人、もう月組にしっかり溶け込んで、大きなポジションを得ていますね。大成の予感で、次の公演も楽しみです。

あと、今回も沙央くらまがモンパンシェ公爵夫人として目立つ役をもらっていました。

かなりの老嬢(殴)でも目を引く美人で、コミカルな演技も全く不自然さがなくて、小池先生の登用がバッチリ当たっていました。フィナーレのショーでも出番が多くて大活躍。ついオペラで追ってしまいました。


考えてみれば、今の宝塚でこういう役のできる女役があまりいませんね。
専科に行って良かったですね。
これまで何度も言っていますが、男役経験者のほうがいい意味で表現に強さがあって、女役でも演技に厚みが出る感じがします。
今後も女役中心でお願いしたいです。(殴)

風間柚乃のジョルジュは、出ました!おなじみ貴種流離譚!みたいな役どころ。でも全く私は知らない人だったので、ヨメさんにアレ誰?と聞いたら、さすがに彼女はスカステでチェックずみでした。
かなりの抜擢のようで、今後の注目株ですね。素朴なたたずまいで、役によく合っていました。

最後はショーが付いていて、これがかなり長く内容も濃く、お得感タップリ。

美弥るりかをはじめ三銃士ももちろん、月城かなともカッコ良くて、舞台映えしました。


先に言ったように今回も沙央くらまの出番が多くてちょっとびっくりでしたが、センスのいいきれいな衣装で美貌が生きて、女役の魅力全開でした。

この作品、一本物として期待通りの(ストーリーは全く意外でしたが)内容の濃い作品で、暑さを吹き飛ばす楽しい舞台でした。一度しか観られなかったのが残念でした。

というわけで、なんとかアップしましたが、もう今週の木曜は宙組観劇。^^;
今度はもう少しタイムリーに書ければと思いますが、どうなりますやら。

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最後にお詫びです。m(__)m
昨年来、当ブログにコメントいただいていたあみさんをはじめみなさん、せっかく投稿いただいていたのに先日まで気づかず、大変申し訳ありませんでした。
これまであまりコメントを頂くことがないのでついチェックがおろそかになり、反省しています。

今後は定期的にチェックするように致しますので、どうかご容赦いただきますようお願い申し上げます。

コメント
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