思いつくままに書いています

間口は広くても、極めて浅い趣味の世界です。
御用とお急ぎでない方は、ごゆっくりどうぞ。

家庭用放射線測定器 エアカウンターS

2012年04月25日 | 買物メモ
手頃な価格でけっこう評判の家庭用放射線測定器 エアカウンターS、昨年から発売されていたようです。
私は最近になって知りました。

私も昨年の福島原発事故発生直後は、何とか測定できないものかとこの種のカウンターを探しましたが、当時は品薄で、あったとしてもかなり高い値段だったので諦めていました。
まあ住所が大阪なのでそれほど切迫感がなかったこともありますが。

偶然2週間ほど前にこの商品の存在を知り、値段も手ごろなので、早速注文した次第です。私の購入価格は、送料・代引き手数料込で5,200円余りでした。

実際手にしてみると小さいのに驚きます。全長17cm・太さ2.2cm、細身のLEDライト程度で、重さもわずか60g。拍子抜けするほどコンパクトです。


早速付属の単三アルカリ電池を入れて、その場で測ってみました。まあ当然ですが、室内では測定限界の0.05μSv/hを下回っていました。このカウンター、測定限界以下の数値だと液晶表示が0.05μSv/hのまま点滅します。

ただ、屋外の隣家との境界付近、双方の屋根からの雨が落ちてくるところでは0.13μSv/h程度の表示が計測されました。年間では1mSv/年以上となるけっこうな数値です。ただし、試しに短時間計測しただけなので、ここについてはもう一度きちんと測って見ようと思います。
またどういうわけか我が家の風呂場の換気窓周辺(北面)でも、それよりやや低いものの他の場所より高い数値(0.10μSv/h程度)が出たりしていますので、ちょっと気がかりです。
この窓は入浴時以外は開けているので、塵が網戸に引っかかっているのでしょうか。これも時間をかけてきちんと測ってみようと思います。
その他の場所は、道路の側溝の会所などを含めて0.05μSv/h前後でした。


とにかくこのカウンター、操作がわかりやすいので、気軽に測定できます。
放射線を感知すると液晶のドット表示が点滅したりして、けっこう測っている気分になれます。(笑)

測定できる線量の範囲は先のように最低値が0.05μSv/h、最大値は9.99μSv/hで、この最大値は年換算値にすると80mSv/年になります。この線量より高い場所では限界オーバーで計測不能ですが、本来そんなところでこんな簡易なカウンターを使うのは力不足、荷が重すぎますね。
メーカーも言っているように、あくまでもこの商品は、自分の住環境がどの程度汚染されているかを見るといった用途のもので、そう割り切れば十分価値のあるものだと思います。


またこのカウンターに添付の「正しく覚えよう 放射線の基礎知識」というパンフレットは丁寧に書かれていて、よくまとまっています。私のような基礎知識のあやふやな素人にとってはいい教科書になりました。


カウンターの側面に、取扱説明書の主な内容をテプラに印刷し、貼っています。
いちいち説明書を見なくてもいいので便利です。(笑)



この商品、関西ではまだしも、関東地方などでは、雨水の集まりやすいところや子供たちの砂遊び場などの放射線値を調べてみようという用途では結構役に立つのではないでしょうか。
ハンディなので、放射線の絶対値を云々(測定誤差は+-20%となっています)するのではなく、場所ごとに計測して線量を比較検討したり傾向を見るといった目的には十分適していると思いました。

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アウターヘブリディーズを訪ねて その1

2012年04月18日 | 旅行

一時期、私たちは夫婦で毎年のようにイギリスを彷徨っていました。
大まかにテーマ(?)を決めて、あとは行き当たりばったりのほんとうに適当な旅でした。
今回はそのうちの2002年の旅をご紹介します。

1.アウターヘブリディーズへ
この年は、スコットランドのヘブリディーズの島々を巡る旅でした。
ヘブリディーズ諸島の中でアラン島(アイルランドの有名な「アラン・セーター」の島ではなくスコットランドのほうです)やスカイ島、マル島はインナーに属し、今回の旅はそれらよりさらに外側アウターに区分されているユイスト島やハリス島などの島々を巡ります。



これらの島々はウェスターン・アイルともいわれ、古くから北欧文化の影響下にあり、島々の名前も古代スカンジナビア言語やゲール語、先史時代のケルト語など様々な言語に由来しています。

とはいえ、この時も、「島めぐりも楽しいかも!」程度の思いつきで決め、ほとんど予備知識もなく出発しました。日程配分も大まか、インターネットでフェリーの時刻表をダウンロードして、レンタカーと最初の宿舎だけ事前に決めての出発となりました。

でも行き当たりばったりでも、本土同様これらの島にも旅行案内所が整備されているのは確認していたので、その営業時間内にたどり着ければ宿は確保できるだろうと、あまり心配はなかったですね。

予め宿泊日程を決めていると安心ですが、気に入った場所が見つかっても変更できないのが不便です。ましてほとんど知識のないところでは、行ってから決めたほうがいい場合が多いです。
そんな旅でも、宿が取れないことはなかったし、なにより自由で、いかにも「旅烏」という感じが楽しめます。(笑)
むしろ日本ではそれが出来ませんね。

といっても、私たちの英語たるや、義務教育も怪しいという程度。
でも最低限のコミュニケーションは出来ていたので、食べたり飲んだり・泊まったり・遊んだりには不自由しませんでした。まあ書かれたものは理解できたので、なんとかなったのでしょうね。
もちろん「もっと喋れたらなあ」という思いはいつも感じていましたが。

2.エジンバラ空港から最初の宿へ
さて、今回も関空からKLMでスキポール経由でエジンバラ空港に向かいました。
2002年7月25日、午前10時25分に関空を離陸、乗り継ぎのスキポールには現地時間午後2時48分に着き、フオッカー100に乗り換えて、エジンバラ空港に定刻より早く4時10分に着きました。

エジンバラ空港も、初めて利用した1995年頃と比べたら見違えるように整備されてきて、立派になっていました。その分、レンタカーの駐車場がどんどんターミナルビルから遠ざかっていって不便になりましたが。

でも今回は、いつものハーツではなく、娘が予約してくれたアーノルドクラークという大手の現地自動車ディーラーで借りることにしました(娘夫婦がハーツは高いからといって代わりに予約してくれたのです)。
ただ、借り出すためには空港外のかなり離れた場所にある支店まで行かないといけないのでさらに手間がかかりましたが。(送迎は会社の車でした)

早く着いたにもかかわらず、婿殿はちゃんと空港に迎えに来てくれていました。
感心です。少し遅れて娘も仕事を終えて合流、4人でレンタカー屋に行きました。

今回借りた車はボクスホール・コルサ。非力ですが、二人+スーツケース等を運ぶには十分です。レンタカー屋は普通のカーディーラーで、新車が何台か展示されていました。やはりハーツに比べるとかなり安かったです。

夕食のレストランはレンタカー会社で教えてもらったフォース湾の対岸にあるQueensferry Lodge Hotelのレストラン。薦めてくれただけあっておいしくて値段も手頃でした。

レストランの前で


宿舎も娘たちが手配してくれた婿殿の勤務する大学の来客用宿舎で、簡素で狭いものの、気楽でした。
宿泊手続きを終えて彼らはそのまま帰宅するので、帰国前に再会することにして別れました。
私たちは疲れもあってパタンキュー。長い一日でした。


3.ハプニングのあとフォートオーガスタスへ
翌7/26の朝は大学の食堂で朝食。あまり期待せずに行きましたが、けっこう品数の多いバイキングが用意されていて満足。昼食用にヨーグルトやジャム、果物もいただいて意外においしいコーヒーを楽しんでいるとハプニングが!(>またかよ!)
↓食堂の外観です


食堂といってもだだっ広い講堂のようなところですが、突然そこで警報ベルが響きました!
まもなくアナウンスがあり、「火災を感知したため全員外に出るように」とのこと。私たちもみんなの後について外に出ました。しばらくして消防車が到着しました。
でも煙や炎はありません。

消防が調べている間、キャンパスの庭園内に植えられた植物などを見て写真を撮ったりして待ちました。

いつものことで慣れているのか、一緒に食事していた学生たちはちゃっかりとコーヒーカップやサンドイッチなどを持参して朝食を続けていました。(笑)

やはり警報装置の誤作動だったようで、しばらくしてまた食事再開となりました。しかし日本と違い、イギリスでは警報がなったら勝手に処理できず、消防車が来るまで退避していなければならないようでした。以前ロンドンでも同様の経験がありました。

部屋に戻り、荷物を車に運んで、支払いも済ませて出発です。今日のうちにフェリーの出るスカイ島・ユイグ港までできるだけ近づいておかねばなりません。


ダンディの大学を後にして、まずパース市まで行き、スコットランドのナショナルトラストの植物園ブランクリン・ガーデンに立ち寄ることにしました。走行中目にした看板に誘われて行ってみることにしたのです。



こじんまりした植物園ですが、管理が行き届いていました。花たちが元気です。
ガーデンショップに誰もいなかったので、案内板の指示に従って入場料を払いました。係員がいてくれたら、イングランドのナショナルトラストの会員証で無料になったのですが‥。

良く手入れがされていて、きれいな花々が咲いていて、立ち寄った甲斐がありました。




1時間余り見て回ってから植物園を後にして、パースの町で持って来るのを忘れたスリッパと風呂用のタオルを買いました。

一応今夜はフォートオーガスタスで泊まることにして、A9を北上です。以前泊まったモーテル風のB&Bが大変快適だったことを思い出したので、また泊まろうというわけです。

途中バーナムでポターの記念館に立ち寄ったあと、テイ川河畔にあるダンケルドの大聖堂(修復中)と周辺の町並みを見学。修復工事中なので見るところもなく、余り収穫なし。お腹がすいてきたので、テイ川の河畔のベンチで、パースで調達したサンドイッチや、大学の食堂の戦利品(笑)のヨーグルトなどで昼食タイムにしました。




腹ごしらえを済ませて、再びA9に戻り、ニュートンモアの手前でA86に分岐、フォートオーガスタスを目指します。

途中午後3時にBlair Atholl公爵の居城Blair Castleに寄り、場内のカフェでお茶にサンドイッチ、アップルパイを食べました。真っ白な砂糖菓子のような建物です。


その後4時ごろにフォート・オーガスタスに到着。
カレドニアン運河の近くにある修道院も大規模で歴史のある建物ですが、前に見ているのでパス。
前回泊まった宿に直行しました。
ところが、前回は空いていたこの宿、その後評判が広まったのか、今夜は満室とのこと。大誤算ですが、やはり居心地がよかったのでさもありなんでした。

仕方なく、道沿いのB&Bの看板を見ては宿泊交渉。結局何軒目かで交渉成立で安心しました。
運河近くには案内所もあるのですが、B&Bの看板も多いし、まだ夕方まで時間があったので、直接飛び込みで交渉することにしたのです。

早く決まって、予約手数料も節約できてよかったです。
宿泊を決めたB&Bは離れみたいに独立した建物になっていて、駐車スペースも専用で安心でした。


夕食は以前泊まった宿の主人に教えてもらったパブがおいしかったのでまた行ってみました。
運河の前にあるパブで「ザ ロック イン」という店です。
ロック(Lock=閘門)ということで、確かに運河の閘門の前にありました。




今回も前回と同じメニューにしたのですが、味がやや落ちていたのが残念でした。別の旅でも同じようなことがありましたが、やはり以前の経験だけでなく、その都度地元の人に聞いて確かめるほうがいいですね。

翌朝は曇り。さすがによく眠れました。
朝食はセルフサービスになっていたので、自分たちで作らなければなりません。
でもちゃんと専用の流し台や調理器具が完備、冷蔵庫の中にはハムやベーコン、トマト、牛乳やジュースなどが入っていて、食パンやシリアル、コーヒー・紅茶も用意されていました。
気兼ねなしに過ごせるので、これもよかったです。その4年前に行ったニュージーランドのモーテルみたいな感じでした。
ヨメさんも「郷に入っては‥」ということで、スコティッシュ・ブレックファーストのセオリーどおりに作ってくれました。といっても、アイリッシュやイングリッシュのそれとどう違うのか今もってわかりませんが。(笑)

食べ終わって、荷物をまとめて、ベッドも整えて、使った食器や器具はきれいに洗って元に戻しました。
ヨメさんが母屋?に行って支払いを済ませ、出発です。
宿泊料はなんと2人で30ポンド
清潔な部屋でゆったりできてこの額。この旅で一番安かったです。

<続く>
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宝塚雪組公演 『ドン・カルロス』と『Shining Rhythm!』再び

2012年04月13日 | 宝塚

もう大劇場公演はとっくに終わったのに今頃観劇報告、我ながら遅すぎです。m(__)m

ヨメさんの発病後、リハビリを兼ねて毎公演1回は必ず観劇することにしている宝塚ですが、2回見るのは今回が初めてです。

ちなみに私が複数回見たのは星組の「王家に‥」だけです。

最近もう一度見たいなと思った作品は「スカーレットピンパーネル」や「ロミオとジュリエット」、「オーシャンズ」ですが、どれもチケット入手難でかなわぬ夢。

ところが今回の公演は、出来は最近の宝塚ではベストと言えるほどなのに、どういうわけか客足は伸びず、チケットが売れ残っていました。
それで物は試しと、チケットを「宝塚歌劇 Webチケット」で探して見たら、あろうことか前楽・4月8日11時公演のチケットが3枚連番で取れました。
席までのアクセスの関係で、1階のS席が購入条件でしたが、やや後ろとはいえ19番の上手側席があったのはびっくり。
喜んでいいのかなんとも複雑な感じでした。

という前置きはこれぐらいで、観劇報告です。

4月8日は遅れていた桜が満開になる予報もあって、道路の渋滞が心配でしたが、実際は交通量が少なく9時40分には駐車場に着きました。花の道の桜も5分咲きぐらいになっていて、気温も上がって暖かく、花見の人たちも目立ちました。

劇場ロビーには久しぶりに誘ったヨメさんの母も来ていて無事合流。
席はこれまでほとんど下手側だった私たちにとって初めての上手側で、新鮮な感じでした。そして今回は前回のようにごっそり空席があるということもなく、1階はほぼ満席になっていました。

芝居の感想ですが、進化していましたね。

前回は公演が始まってすぐでしたから、まだ固さがあって、場面の展開がぎこちない感がありましたが、今回は滑らかに話が進んでいきました。

明るく快活でありながらやさしく人情の機微も分かる王子と、少し向う見ずなところもあるが素直で可愛い女官、そして家族の絆を見失って孤独な王と、その王との関係に悩む王妃。この2つの関係を軸に話が組み立てられています。

始まってすぐ気がついた変化は、未涼亜希のフェリペ2世。
前回はビジュアル的には苦悩する国王として申し分なかったのですが、声がそれに合っていない感じでした。
私としてはどうにも声が軽くて若すぎなのです。ヨメさんは「そんなことないよ」と言っていましたが、私は違和感アリアリ。

ところが今回は全くそんな感じはなく(というか、あとからそうだったよねと気がついたほど)、亡き妻を思う気持ちや、現王妃と息子の関係に疑念を抱いて苦悩する孤独な国王を見事に演じていました。
このヒト、斜めから見たらちょっとベン・キングズレーみたいで(笑)、いい性格俳優になれそうです。

主演の王子と女官は初めからよく演じていたので変化は気付かなかったのですが、
その相手役の王妃や、国王と並ぶおいしい役のフアナはさらによくなっていましたね。
やはり舞台は生き物ですね。進化していきます。

ただ今回も少し説明不足を感じたのはポーザ侯爵です。
焼身自殺するクララとの関係や「ネーデルラントでの惨状」が展開不足でいまひとつ理解できないので、彼が手紙を盗み出すという非常手段に至る経過と、最後に自分を裏切った侯爵を王子が無条件で許すところがしっくりこないのです。
結局ネーデルラントはどうなっていくのかもよくわからない。まあ、王子が現地に行き、侯爵と一緒に事態を打開するということでしょうか。

まあ逆に言うと、難といえばそんな細かいところぐらいで、全体としてはやはりよくできた作品でした。我が家(といっても二人だけですが)で「キムシン再評価」の声が上がっています。(笑)

ショーのほうの出来もやはりよくできていました。

各場面の展開にメリハリがあり、新鮮な振り付けのダンスと、聞かせる歌。
ひさしぶりに楽しめました。
「ジャズの場面」では結構激しいダンスが続いて圧巻です。
そのあとは打って変わって落ち着いたスペイン・アンダルシアが舞台のストーリー性のあるショー。何回見てもこれがしっくり馴染みます。ギターの演奏と歌もいい曲で印象に残ります。
ほんとうにいい仕事していますねぇ~と感心しました。

というわけで、見終わって無理して来た甲斐があったと3人納得して家路につきました。
好天で、花のみちの桜も一気に満開となっていました。

翌日が千秋楽で、後日スカイステージのニュースでその模様を見ました。
その最後で、今回の公演で退団するフアナを演じた涼花リサの挨拶を見ましたが、よかったですね。短い挨拶でしたが、気持ちのこもったいいものでした。
その映像で再確認しましたが、この人本当に美人ですね(いつも気づくのが遅い私です)。
前回の観劇でこんなきれいな人がいたのかと思いましたが、惜しいです。

今回の公演、残念ながら東京公演でもチケットの売れ行きが今一つですが、芝居とショーいずれもいい作品なので、もっと多くの人に見ていただければと思います。

今からでも良席が手に入りますので、ぜひご覧ください。お勧めです。


【東京宝塚劇場】
・雪組『ドン・カルロス』 『Shining Rhythm!』
・公演期間:2012年4月27日(金)~5月27日(日)


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人生に一区切り そしてスパーダ突然のご乱調

2012年04月03日 | バイク
私は4年前に60歳でいったん定年退職した後、再雇用で引き続き働き続けてきました。
再雇用での仕事は庶務全般に関わるもので、ひたすら黒子役に徹してきました。

定年退職の時は、あと4年間まだ仕事があるということで、感慨めいたものは全く感じませんでしたね。

でも今回は本当に退職です。なので、年明け頃から結構意識するようになっていました。
2月に入って、いよいよ最終コーナーを回ったという感じで、カウントダウン開始です。1日の過ぎるのが早くなってきていました。

そして3月、本当にあっという間でした。

フルタイム勤務ではなく金曜日が指定休の短期勤務だったので、勤務の最終は3月29日(木)となりました。

後任の方も再雇用ですが、私の担当していた仕事はまったく未経験とのこと。

このため最後の週は、毎日仕事の引継ぎに明け暮れました。最後の日になって幸か不幸か会社の経理システムでは処理できない変則業務が発生して、その説明と処理に時間がかかりました。
でも私の退職後発生していたらもっと大変だったでしょうね。なにしろ人手不足で、処理は単純でも、手続きを経験していたのは社内でもほんの少数になっていましたから。

わが社の再雇用社員の退職はあっさりしたものです。定年退職時に済ませていますから、会社としてのセレモニーはなにもありません。
現に勤務時間の関係で私より一日早い退職となった同じ職場の再雇用の人は、最終勤務の日、自分で主だった人に別れの挨拶をしてまわって、そのまま定時に退職していきました。

でも最近とみに涙腺が緩くなった私は、それすらも苦手です。

それで、仕事が終わったら、いつものとおり係のメンバーだけに「お先に失礼します」といって、さりげなく消えようと決めていました。

ところが、夕方になって上司が「最後に皆さんに紹介しますから、簡単に挨拶してください」と耳打ち。

まあ不意打ちでしたね。オキテ破りじゃないですか。

動揺を隠して仕事をしながら、何かしゃべることを考えようとしましたが、すぐこみあげてくるものがあり、何も浮かんできませんでした。
なるようになれです。

その時間になり、みんなの前で退職を紹介されたとき、花まで用意されていたのには、本当に驚きました。


なんとかお礼の挨拶をしようとしましたが、やはり途中で詰まってしまい、かろうじて皆さんの温かい拍手に助けられて切り抜けられました。

花はバイク通勤を考慮してくれたとのことで、コンパクトなアレンジメントにしてくれていました。なによりみんなの気持ちが詰まっていて、本当にきれいでした。

その後も仕事の引継ぎを継続。退社したのは7時過ぎでした。日が長くなったとはいえ、真っ暗でした。

これで終わっていたら、いい1日だったなあということですが、なかなかそうはいかなったのです。

このあと、思わぬトラップが仕掛けられていました。

とにかく服を着替えて、みんなの心遣いに感謝しながら駐輪場に向かいました。

小さい花といっても今日はスパーダです。全く収納スペースがないので、どうやって持って帰るか考えましたが、付いていた手提げバッグに入れて右腕に引っ掛けて帰ることにしました。

走り出したらなんとか行けそうです。スピードを抑えて、風に煽られないようにしながら帰途につきました。
行程の3分の1ぐらい走って赤信号で停車。青信号で再び走り出そうとしてトラブルが起きました。

クラッチケーブルが突然切れたのです。エンストのあとセルを回しても車体がドドッと動いて始動できません。クラッチレバーは全く手ごたえなくブラブラ。
ショックです。とにかく青信号のうちに手で押して交差点を渡り、安全なところに停めました。


切れた個所はクランクケース側。
ワイヤーの先のストッパーが抜け落ちていました。
普段からオーバーメンテナンス気味な私ですが、クラッチケーブルは見ていませんでしたね。ミスでした。
屋内保管で錆の心配がないので、文字通り油断していました。しかしクラッチ操作は運転操作の中でも最も頻繁な部類になるので、定期的に交換するほうがいいでしょうね。

ほのぼの気分は一瞬で吹き飛びました。
気を取り直し、どうしたらいいか考えました。

バイクショップに運んでも、すぐには修理は無理ですね。部品の手配が必要です。
22年前の、それも余り売れなかったバイクのクラッチケーブルなど、メーカー以外に在庫しているところはありません。メーカーの在庫すら怪しいぐらいです。(笑)
とにかく今は家まで運ぶことが先決です。
といっても押して帰るのは距離と家周辺の坂を考えたら無理。

と考えていたら、JAFに入っていたことを思い出しました♪。
プリウス購入時に勧められて会員になっていたのでした。
運のいいことに、今日は携帯電話も持っていました。(笑)

すぐ電話です。出てきたオペレーターに状況と場所を伝えたらすぐ手配してくれて、「35分以内に到着の予定です」とのこと。地獄に仏とはこのことです。
2年目の会費を払うかどうか迷ったのですが、継続して正解でしたね。

幸いその夜は暖かで、30分ぐらい待っていても寒くはありませんでした。

来てくれたのは一般的な牽引式のレッカー車ではなく、フラットタイプの「セーフティーローダー」という車両。
荷台全体が後方にスライドして路上にピタッと水平に降りるタイプ。マジックを見ているような感じで荷台が滑り降りてきました。
車やオートバイなどを持ち上げないで楽に載せることが出来ます。世の中進んでいますねぇ。
作業員は2人で来てくれました。ショップは東大阪の北部とのこと。
車内で道案内しながら話していたら、JAFがバイク対応サービスを始めたのはほんの2・3年前からとのこと。知らないこととはいえ、ラッキーでしたね。

家まで運んでもらって、ガレージに入れて、ようやく長い1日が終わりました。
この日のことは一生忘れないでしょうね。

で、翌3月30日に以前発注したことのあるパーツオンラインにクラッチケーブルを発注しました。ここは部品番号での発注が基本です。前回はまずパーツリストの購入が必要でした。

でも今回はこれがあります↓。


部品番号は22870-KY6-000です。


交換作業はこれのおかげで最短時間でできます。


この2冊、スパーダ購入時に一緒に買ったものです。この当時はいつもそうしていました。

で、意外に早く在庫状況を知らせるメールが来ました。ホンダの在庫の残りは36本とのことでした。まあこれを多いと見るか少ないと見るか微妙なところですが、まあ今後はもっとメンテしてあげるということで、1本だけ注文しました。

そしてこれを書いている今から1時間前に配達されました。パーツリスト記載の部品価格は870円!ですが、今回支払ったのは代引き手数料込で1,921円。まあ22年間たって値段の改訂は当然のことなので、納得でした。





今日午後から交換作業開始です。思ったより早く落着となってよかったです。

そしてJAF。年に一度のお布施のご利益、てきめんでした。

まあ、今回のトラブル、携帯も通じない紀伊半島の山中などで起こらなかっただけ幸運だったのかもしれません。


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