思いつくままに書いています

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御用とお急ぎでない方は、ごゆっくりどうぞ。

梅田芸術劇場で『夜への長い旅路』を観て。 疲れました。(^^;

2015年10月19日 | 観劇メモ
『夜への長い旅路』は20世紀アメリカの劇作家でありノーベル賞作家でもあるユージン・オニール作の戯曲ということで、
妻メアリーを麻実れい、その夫ジェイムズは益岡徹、長男ジェイミーは田中圭、次男エドマンドを満島真之介という配役でした。

もちろん観るといったのはヨメさん。麻実れいさん目当てです。(笑)
でも観劇日が近づくにつれ、「シンドイ話みたい」と弱気になっていましたが、いまさらそんなことを言われてもね。(笑)
当日は道も空いていて、40分で梅芸に到着。いつもの店で昼食後、劇場前に行きました。開場時間となって、劇場スタッフに案内されて車椅子で客席へ。観客層はけっこう年齢の幅が広かったですね。

以下、感想です。といってもいつにも増して薄い感想ですが、ご容赦ください。例によって敬称略で、画像は当日購入のプログラムから。

今回の芝居は、原作者のユージン・オニールの実人生を舞台化したような話で、日本文学でいう「私小説」ジャンルに入るような作品です。私は、昔読んだ島尾敏雄の「死の棘」のような印象を感じながら観ていました。
とにかく家族4人が、果てしなくののしり合って非難の応酬で、悲嘆にくれていたかと思うと和解し、さらにまた傷つけ合うという場面が延々と続くので、最初はどんな話かと緊張感をもって観ていましたが、しだいに体内の防御反応が働き出して、瞼が‥。(殴)

チラッとヨメさんの様子をうかがうと、じっと見入っているので私も慌てて眼を見開きましたが、それも長くは持ちません。(^^;

とにかく話が進まない。演出家の熊林弘高自身が、「この戯曲には物語がない。」と言っていますから確かです。(笑)
麻実れいも同じくプログラムで「山手線みたいに台詞がぐるぐると繰り返される。起承転結がない」と語っていますが、いつまでたってもエンドレステープのように話が循環し続けたまま。
登場人物はとにかくひたすら口論し、誹謗中傷し、和解したかと思ったらすぐ取っ組み合いを始めるという具合で、途中、幕間を挟んでも状況が変わらないので、もうこちらが限界状態。(笑)

だんだん瞼が重くなってきて、でも一方では、ヨメさんに気付かれないように観ているフリもしなくてはならないし(殴)、台詞を聞くどころではなくなりました。もうこれは苦行そのもの。

ちょっと気分転換をと(殴)、同様な人がいないか周りを見渡すと、結構おられましたね。(笑)
特によくお休みだったのは私の右隣の男性客。(笑) 幕間になる前からすでにガックリ頭を垂れておられました。でそれを見た私は、かくてはならじと姿勢を正したものの、ついコクッとな。何度かそれを繰り返していたらなんとか幕間になり、ホッとしました。
さすがにヨメさんも、「やっぱりシンドイ話やね」。

まあ最近観た麻実れいの舞台では、ほぼ「昔の日々」と並ぶ眠い芝居でした。(殴)

ところで先のお隣さんですが、幕間に席を立ってしばらくして戻ってきましたが、座るなり就寝モード。(笑)
そのまま、ほぼ最後までお眠りでしたが、驚いたのは舞台が終わってから。
カーテンコールになった瞬間、彼氏はムクッと起き上がり、いきなり爆竹拍手を開始。(笑)
もうこちらはその鮮やかな変わり身に感心するばかり。すごいです。
この人、後日友人などに会ったら、「いゃあ、いい舞台だったよ」とかいうのでしょうかね。まるで本日5人目の役者さんといってもいい変身ぶりに脱帽でした。(笑)

まあこんな感想ばかりでは何なので(殴)、少しばかり役者さんごとの感想です。

まず主役の麻実れい

こんな脚本なのによくやっているなあ(殴)と感心しました。薬物依存の妻メアリー・キャヴァン・タイロン役をリアルに演じていました。この人、いつも思うのですが、緩急自在の台詞回しが見事で、とくに低い小さいつぶやくような台詞でも明瞭に聞き取れるところがすごいです。
それと、どんな役でも自分のキャラクタによく馴染ませているところも感心します。演出家にとって本当に得難い存在でしょうね。

その夫、ジェイムズ・タイロン役が益岡徹です。

テレビではおなじみですが、芝居は今回初めてお目にかかりました。難しい脚本で、ほとんどしゃべりっぱなしという舞台ですが、頑張っていました。台詞もいいし、演技もリアルでわざとらしさがないし、これでもっと物語性があったらと、残念でした。

もう一人初めてだったのは長男ジェイムズ・タイロン・ジュニア役の田中圭です。
若々しく見えますが、プログラムによれば芸能界デビューは2000年とのことで、結構ベテランなんですね。

今回の演出家とは2度目とのことですが、感情の起伏の激しい台詞をこなしていて、頑張りはよく伝わってきました。(笑)

最後は次男エドマンド・タイロン役の満島真之介

この人は、「祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~」 蜷川バージョンで初めてお目にかかって、その後も「おそるべき親たち」でも好演していたのでおなじみですが、今回も頑張っていたとはいえ、話が話なのでもったいなかったですね。まあこんな難解な話も、役者としての経験上無駄ではないと思いますので、今後またお目にかかれることを期待します。

ということで俳優陣は頑張っていたものの、こちらは最後まで話が見えないままの幕切れで、残念でした。

帰りの車の中でも二人とも話は弾まず、もう気持ちは次の観劇に切り替えていました。(笑)


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こまつ座 『國語元年』 観劇メモ 朝海ひかるも好演していましたが‥

2015年10月17日 | 観劇メモ
兵庫芸文センターで、久しぶりにこまつ座の芝居を観てきました。『國語元年』です。
芸達者ぞろいなキャストでした。中でも一番の関心は朝海ひかる。退団後舞台で観るのは初めてだったので、楽しみでした。
ただ、余裕の演技で変わらぬ姿を見せてくれましたが、彼女の力量からするといささか役不足で、ちょっと物足りなかったですね。
でも本当に充実したキャストで、芝居の面白さを堪能しました。


話は明治維新後の標準語制定をめぐる話です。

あらすじです↓
時は明治七年。
維新で廃藩置県となったが、日本の話し言葉はテンデンバラバラだった。維新までは、農民たちは原則各藩に縛り付けられていたので、話し言葉は藩ごとのお国訛り丸出し。
そこで明治政府は、文部省官吏の南郷清之輔に対して、全国統一の話し言葉を制定するよう命令を下した。
しかしその南郷家では、家長の清之輔が長州出身、その妻と、同居している妻の父は薩摩出身なので薩摩弁。
そして三人の女中たちは、江戸・山の手言葉の女中頭と、その配下の女中が下町のべらんめえ、もう一人の女中は羽前米沢のズーズー弁。
おまけに車夫は遠野弁、そして書生は名古屋弁。さらに南郷家に押しかけてきたお女郎は河内弁、そしていつのまにか居候を始めた貧乏公家は京言葉。
最後は会津藩士が押し込み強盗で入ってきて、さながら南郷家は日本の言語状況の見本となっていた。


とまあこんな感じで、とにかく方言が乱れ飛び、台詞の洪水です。

ただし、私がすんなりわかるのは女中頭の江戸山の手言葉と、同下町べらんめえ、そして女郎の河内弁ぐらい。あとは名古屋弁がなんとか聞き取れますが、その他はかなりあやふやなリスニング(笑)。それだけでも、維新前後の混乱がわかりますね。

ということで感想ですが、主人公・文部省官吏の南郷清之輔を演じる八嶋智人は大した役者さんでした。

NHKの連ドラでおなじみになりましたが、失礼ながら舞台でこんなにしっかりした演技ができる人とは思っていませんでした。
帰宅後ググッてみて、まず分かったのは私の無知さ。(笑)
バラエティ番組をはじめドラマや映画、ナレーターまで幅広い活躍ぶりでビックリでした。それと、テレビでの活躍に比べると舞台での経験はそれほど多くはないようですが、台詞も演技もしっかり芯があって、舞台役者完成度が高く、感心しながら観ていました。こまつ座の芝居によくあうキャラクタだと思いましたね。
彼が何度も試行錯誤を重ねて標準語制定のための案を練るところが見せ場になっていました。

今回初めて観てびっくりしたのが、女中頭・秋山加津役の那須佐代子

役としては、もとは旗本の奥方だったが、夫が彰義隊に参加したため没落し、自宅だった南郷家さの屋敷に住んでいるという設定です。当然抱いているであろう、世が世ならばと思う気持ちを押し殺して、でも元の身分の矜持はしっかりと持って仕事に励む秋山加津が光る演技でした。女中の身ながら、実際は彼女が南郷家を仕切っていました。
観劇の途中からまたまた私の脳内の自動追尾機能が勝手に立ち上がって、視線は常時彼女にロックオン状態。(笑)
また舞台で観たいと思った女優さんでした。

で、ようやく朝海ひかるです。

そもそもこの舞台を観ようと思ったのは、こまつ座公演というのが第一ですが、朝海ひかるの出演というのも大きかったですね。いえ別に、「あの人は今?」みたいな週刊誌的関心でじゃなくて(笑)、退団後の彼女の舞台は初めてだったので期待していたのです。ほんとです。(←ムキになるところが怪しかったりして(殴))

役は南郷清之輔の妻・光。おっとりとして上品でたおやかな妻ですが、話す言葉は薩摩弁。このあたりのギャップも面白く、演技は余裕綽々、劇中の歌でも変わらぬ歌唱力を披露していました。でもちょっと役不足ですね。台詞も少ないし、話の進行にそれほど絡んでいないし。
もう勿体ない感大ありでしたね。でも全員で歌うアンサンブルになると俄然本領発揮。とくに澄んだ高い声が耳に残りました。

ちなみに彼女、終演後のアフタートークにも出ていました。私たちはいろいろ面白いエピソードなどを披露してくれるかと期待していたのに、あまりしゃべらないのが残念でした。
八嶋智人と竹内都子の間に座っていたので、今に話をリードしてくれるのだろうと思っていても、話題を振られたら応じるものの、いつまでたっても自分から話を切り出さないのが超意外。在団時もこんなに控えめだったのかなと思ったり。でこれに関連して思ったのが舞羽美海。在団時は他の娘トップと同様、男トップの影で日陰に咲く花みたいな風情でしたが、退団したら一変、スカステなどでもよくしゃべっているし、表情も別人のようで、あの楚々とした娘トップは何処へ?と、今昔の感に堪えない昨今です。(殴)

それはさておき、今回の芝居は最初に書いたように芸達者ぞろいでしたが、たかお鷹の演じた貧乏公家・裏辻芝亭公民(うらつじたみてい きんたみ)も超絶品。

違和感ゼロの京言葉で、落魄の身でも気位だけは高く、でもしたたかな打算も透けて見えるという人間臭い役を怪演していて、登場するなり客席を沸かしていました。この人もずっと舞台を追い続けてしまいました。

あとは、組曲虐殺にも出ていた山本龍二が魁偉な容貌を生かした(殴)押し込み強盗(笑)でド迫力でした。
でもただの悪人ではなく、彼も彼なりに維新の犠牲となった哀しい事情がわかり、つい同情してしまったり。この役、組曲虐殺でのどこか哀愁の漂う刑事役にも通じるいい味が出ていました。


同姓同名の男にだまされて南郷家に押しかけてきた女郎役の竹内都子の河内弁がやはり耳に馴染みました。(笑)
でも今では、さすがにあんな河内弁は地元でもあまり聞くことはないですが。

持ち前のコメディセンスがよく生かされていて、いい登用でしたね。

こまつ座ですっかり常連の久保酎吉は朝海ひかるの父・南郷重左衛門(ということは主人公は入り婿?)。
この人もいい味の演技で、これまで観たこまつ座の芝居の中では一番役にハマっていました。よかったです。

この人がプログラムで、
">「この芝居の舞台となった明治7年は、徴兵制が始まった頃。精之輔の台詞にも軍隊を作るには共通語が必要だとありますが、軍国主義への足音も示唆している戯曲です。そのあたりが民意とかみ合わないまま政治が進んでいく”今”に通じる気がします。」と記していますが、まさにこの芝居を今上演する意味がよく伝わってきました。

今回もいつものこまつ座公演と同じで、他の役者さんもみんなレベルの高い芸達者ぞろいで、見ごたえがありました。

しかし、話の結末は結構悲惨。(笑) 

結局、主人公の案はどれも不発に終わり、それがもとで清之輔は精神に異常をきたして東京癲狂院に収容され、明治27年秋に病死。
それとともに一族は離散し、妻・光は清之輔の入院後に鹿児島に戻り、明治12年に病没。
その父・南郷重左衛門は明治19年に田原坂で討死。秋山加津も南郷重左衛門とともに鹿児島に行き、身に付けていた技術を活かして和裁教室を開き、明治20年に死去します。ほかの人々もそれぞれの人生を送ります。

で、肝心の標準語がどういう経過でできたかは劇中では明らかにされていませんが、途中で出てくる、参勤交代のために各大名が作った各藩の方言と江戸言葉を対比した単語帳のようなものがベースになったのでしょうね。
井上ひさしの次の言葉がそれを示唆しています。

使っている人の言葉のそれぞれが日本語で、その総和が日本語なのだ 井上ひさし

ということで、ちょっと感想としては肩透かし感があって、幕が下りてヨメさんはたった一人スタンディングしていましたが、私は立てなかったです。^^;

さて、いつもと同じ締まりのない感想になりましたが、ここまでご覧いただきありがとうございました。

次は梅芸の『夜への長い旅路』ですが、これはもうとても私の手に負えない舞台でしたが、なんとかアップします。(^^;
でも期待しないでください。(殴)


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免許更新、驚きの超スピード交付でした!

2015年10月01日 | 日記
少し前に免許の更新案内が来ました。更新期限は10月まで。でも先延ばししてもいずれはやらないといけないので、某日出かけました。

更新場所は光明池運転免許試験場。近くの警察署でも更新できますが、講習や交付が後日となるため、以前から即日交付の光明池に行っています。


上記のように大阪では門真でも即日交付出来て、距離は門真のほうが短いのですが、道路状況から考えたら光明池になりますね。
ということで、快速アドレス110で行くことにしました。ちなみに車だと駐車場が満車の恐れあり&有料なので、バイクがお勧めです。

当日は快晴、ヨメさんをデイケアサービスに送り出して、8時45分に出発
持っていくものは運転免許証と筆記用具、更新連絡書(ハガキです)。それと更新手数料として3,300円(私は一般運転者です ^^;)。

外環状線の富田林から金剛団地を経て府道34号線に入ります。以後は渋滞もなく、高速道路ばりの快適な道になり、泉が丘で光明池に分岐、府道38号線を快走。でもこの区間は覆面パトカーが多数生息しているので、いい気になって走っていると痛い目にあいます。免許更新に出かけて違反ではシャレにならないし。(笑)

家を出てから45分で試験場に到着。バイクの駐車場はまだ空きがありました。
9時半に更新手続き開始。まず手数料の印紙購入から。持参した更新連絡書をみせて、印紙代を払います。

係の人が印紙を貼ってくれます。親切です。

その後、健康状態の告知書に記入、免許証記載内容に変更がなければ次は暗証番号の設定。
これは免許証のICチップのデータ照会のために必要です。

任意の四ケタの番号2つを入力して、出力された登録用紙を持って免許証のコピーコーナーへ。係員がコピーします。このあたり、次から次に係員に誘導されてけっこう慌ただしい。(笑)

次は視力検査。
光明池では通常の視力検査の後、同じ機械で深視力検査を行います。
実はこの深視力検査が、一番苦手。普通免許や二輪免許では関係ないのですが、それ以外の免許にはもれなくついてくる検査です。要するに大型車などでバックする際、サイドミラーで後方の確認をしますが、このときちゃんとミラーで遠近が把握できるかどうかの検査。で、私はなぜか大型免許も持っているので(笑)この検査が必須。でも毎回全く自信なし。^^;

検査法は「三桿法」といいます。検査時に、検査機内部に見える三本の棒のうち中央の棒(桿といいます)が前後に移動するので、被験者は三本の桿が並んだらボタンを押します。そのとき中央の桿が誤差内に入っているかどうかで検査します。
もともと初めて大型免許を取った時も手こずったし、最近では前々回の更新時でも、何度もやり直してやっと合格。
ただ直近の前回は、規定の3回検査でパスでしたが、あまり自信なし。(笑) どうもじっくり見すぎてタイミングが合わない感じです。

それで、事前にいろんなサイトを調べたりしました。けっこうみなさん苦手な方が多いようで、さまざまなことが書かれていますが、私にはどれもピンとこないものばかりで、結局参考にならず。
そして案の定、検査の1回目では、「ダメ!ちょっとここから見て」と手招きされ、検査官席から見るとこれが大外れ。で、気を引き締めて再度挑戦したら、その後は3回とも規定内でOKでした。でも、やはりまだ確信がないですね。(笑)
まあ今ではほとんど出番のない大型免許なので、次回更新時には返上してもいいかなと思ったり。

視力検査が終わると、写真撮影の時間と場所を書いた小さな紙を渡されました。
受け付け開始からここまで20分!。恐ろしく早いです。さっそく指定された集合場所に行くと、もうたくさんの人が集まっていました。


持参した7インチタブレットで本を読んでいると、手順の説明があり、名前を呼ばれて写真撮影。このとき、先の暗証番号の登録用紙が必要になります。撮影が終わると講習場所を記した札か渡され、すぐに移動。撮影時間が10時5分で、講習開始が10時15分。まさに分刻みです。
講習テキストです↓

講習は1時間ぐらいで、終わってめでたく新免許証を受け取りました。
参考までにその後、ICチップの内容を見られるという機械で確認しましたが、これはパスする人が多かったですね。

というわけで、到着後1時間45分で更新は終了。まあ行政手続きの鑑のようなスムーズさで感心しました。更新日にもよるのでしょうが、出向いて更新した甲斐が大アリでした。

次は5年後ですが、深視力検査、どうしようかな。

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